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17.シルビアの策
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ガンツに自分の正体を伝えようとしたシルビアだが、あの時の坊主は凄かったと手放して褒めるガンツが眩しくて、過去の自分に嫉妬してしまい、言葉が出なくなってしまった。
「いかん、俺はそろそろ時間だ! ガンツ、団長の所へ行ってくれ」
まずいと思ったフィリップが、無理矢理話題を変える。
「かしこまりました。申し訳ありません。喋りすぎました」
「気にしないで下さいませ。あの時の坊主は、元気にやっておりますわ」
「それは良かった! いつかお会いしたいものです」
目の前にいます。その一言が言えなくて、シルビアの目に涙が溜まっていく。
「シルビア様、どうされました?」
オロオロと自分を気遣うガンツが愛しくて、シルビアの涙が引っ込む。
「なんでもありませんわ。目にゴミが入っただけです。ガンツ様もお仕事に戻られて下さい」
「……分かりました。私は団長の所へ参ります。シルビア様、今日はありがとうございました。魔物を倒したあの時の結界は素晴らしかったです」
「ありがとうございます。いつでもお見せしますわ!」
「では、またお会いした時にでも。王太子殿下もありがとうございました。皆の訴えを聞き入れて下さったおかげで、シルビア様が来て下さいました。おかげで私は怪我もなく無事に戻って来れました。おふたりには、本当に感謝しています。あの……このような事を言ってはいけないのでしょうが、どうか……リオン隊長の命だけは……」
「彼の処分は、騎士団長と新しい第三騎士団の隊長に一任する予定だ。それまで丁重に幽閉する。この件を表沙汰にできない以上、死罪はない。彼が死んだら、変に勘繰る者も現れるだろうからな。分かっていると思うが、今回の黒幕は他言無用だ。団長は裏にロベルトがいたと知らない」
「ありがとうございます! もちろん誰にも言いません!」
「今後の第三騎士団を頼む」
「はい! 全身全霊をかけて国にお仕えいたします」
「俺はもう少しシルビアと話がある。先に行ってくれ。シルビア、出口を」
「はい! ガンツ様、また!」
シルビアが結界に穴を開けると、ガンツが感嘆の声を漏らした。
「おお! 結界の出入り口を自由に作成するなんて……私はこんな結界使えません。本当にシルビア様は素晴らしい」
「……そ、そんな……照れてしまいますわ……」
シルビアが照れている間に、ガンツは礼をして結界を出た。シルビアに見惚れていたら、だらしない顔を見られてしまうと思ったからだ。
「……あ、もう行ってしまわれましたの……」
「ガンツは照れていただけだ。シルビア、結界を閉じてくれ」
「はい!」
「さぁ、今後の話をしよう。ガンツに正体を言えなかったのは残念だが、こうなったらバレるまで放っておけ。俺達の師匠は、その程度で俺達を見捨てたりしない」
「お兄様だけ師匠と呼べてズルいです」
「シルビアも呼べば良いだろう」
「今のわたくしが、そんな事を言えばガンツ様に師匠呼びされてしまいます」
「ははは、それはありそうだ。さ、そろそろ本題に入ろう。試してみたい事とは、なんだ?」
「わたくしが作る魔物用の結界を利用しようと思いまして。要はロベルトが野心を抱かなければ良いのでしょう? リリアーナ様がまだ彼を愛しているのなら、わたくしが彼女の後ろ盾になりますわ」
「魔物用の結界……? どうするつもりだ」
「こういうのは、いかがでしょうか?」
「いかん、俺はそろそろ時間だ! ガンツ、団長の所へ行ってくれ」
まずいと思ったフィリップが、無理矢理話題を変える。
「かしこまりました。申し訳ありません。喋りすぎました」
「気にしないで下さいませ。あの時の坊主は、元気にやっておりますわ」
「それは良かった! いつかお会いしたいものです」
目の前にいます。その一言が言えなくて、シルビアの目に涙が溜まっていく。
「シルビア様、どうされました?」
オロオロと自分を気遣うガンツが愛しくて、シルビアの涙が引っ込む。
「なんでもありませんわ。目にゴミが入っただけです。ガンツ様もお仕事に戻られて下さい」
「……分かりました。私は団長の所へ参ります。シルビア様、今日はありがとうございました。魔物を倒したあの時の結界は素晴らしかったです」
「ありがとうございます。いつでもお見せしますわ!」
「では、またお会いした時にでも。王太子殿下もありがとうございました。皆の訴えを聞き入れて下さったおかげで、シルビア様が来て下さいました。おかげで私は怪我もなく無事に戻って来れました。おふたりには、本当に感謝しています。あの……このような事を言ってはいけないのでしょうが、どうか……リオン隊長の命だけは……」
「彼の処分は、騎士団長と新しい第三騎士団の隊長に一任する予定だ。それまで丁重に幽閉する。この件を表沙汰にできない以上、死罪はない。彼が死んだら、変に勘繰る者も現れるだろうからな。分かっていると思うが、今回の黒幕は他言無用だ。団長は裏にロベルトがいたと知らない」
「ありがとうございます! もちろん誰にも言いません!」
「今後の第三騎士団を頼む」
「はい! 全身全霊をかけて国にお仕えいたします」
「俺はもう少しシルビアと話がある。先に行ってくれ。シルビア、出口を」
「はい! ガンツ様、また!」
シルビアが結界に穴を開けると、ガンツが感嘆の声を漏らした。
「おお! 結界の出入り口を自由に作成するなんて……私はこんな結界使えません。本当にシルビア様は素晴らしい」
「……そ、そんな……照れてしまいますわ……」
シルビアが照れている間に、ガンツは礼をして結界を出た。シルビアに見惚れていたら、だらしない顔を見られてしまうと思ったからだ。
「……あ、もう行ってしまわれましたの……」
「ガンツは照れていただけだ。シルビア、結界を閉じてくれ」
「はい!」
「さぁ、今後の話をしよう。ガンツに正体を言えなかったのは残念だが、こうなったらバレるまで放っておけ。俺達の師匠は、その程度で俺達を見捨てたりしない」
「お兄様だけ師匠と呼べてズルいです」
「シルビアも呼べば良いだろう」
「今のわたくしが、そんな事を言えばガンツ様に師匠呼びされてしまいます」
「ははは、それはありそうだ。さ、そろそろ本題に入ろう。試してみたい事とは、なんだ?」
「わたくしが作る魔物用の結界を利用しようと思いまして。要はロベルトが野心を抱かなければ良いのでしょう? リリアーナ様がまだ彼を愛しているのなら、わたくしが彼女の後ろ盾になりますわ」
「魔物用の結界……? どうするつもりだ」
「こういうのは、いかがでしょうか?」
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