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こんなはずでは
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あの幸せな結婚式から3ヶ月経ったわ。そろそろお腹が大きくないとおかしいから、誤魔化す為に寝込む事にした。エドガー様はお姉様のお部屋に引っ越してきたわ。お姉様の部屋なんて嫌かしらとも思ったけど空っぽだし良いわよね。
エドガー様は妊婦の私を気遣って一切手を出さなかったわ。なんて紳士的なのかしら。
わたくしは数日寝込み、お腹が痛いと泣く事にした。月のものもあったから、お医者様も騙すことができた。エドガー様のご両親は残念そうにされていたし、お父様もお母様も使用人達も泣き喚いていたわ。だけど、エドガー様は
「そう……」
そう一言仰っただけだった。エドガー様もショックだったのかしら。なんだか悪い事をしたわ。
そうだ! こんな時はお姉様よね!
忘れてたけど、お姉様にドレスを作らせましょ♪
エドガー様の衣装も合わせて作って貰えばエドガー様もお元気になるわ!
「お父様、お母様、わたくし辛かったから、お姉様のお顔が見たいわ……」
「まぁ、なんて優しいのエリザベス!」
「でも、かわいそうだが、もうミリィとは会えないんだ」
「え?! どうしてよ!」
「ミリィとは縁を切っただろう? 気がつかなかったんだが、ミリィに連絡を取る事も禁止とする契約だったんだ。私達も最近ミリィに用があってね。探そうとしたら契約違反だと警告を受けたんだ」
「ええ! なんでよ! お姉様に会いたいわ! 寂しいもの! お姉様だってわたくしに会いたいはずよ!」
「ダメなのよ。私たちからも、ミリィからも連絡は取ってはいけないの」
「なんでそんな契約にしたのよっ!」
「ミリィの仕業だ。アイツが俺たちともう会わないですむようにとあんな契約書にしたんだろう」
「貴族院にも無効を訴えたんだけど、家族全員がサインしていたせいで、勘違いなんてあり得ませんよねって言われてしまったわ」
「だからな、ミリィを探す事もできないんだよ」
「そんなの嫌! お姉様のドレスがいいの!」
「かわいそうなエリザベス……あなた、ミリィの行方を探して、会わずにドレスを作らせましょう?」
「そうよ! 会わなければ問題ないでしょう?」
「しかし、次にミリィの行方を探してる事がバレたら本当に貴族でなくなってしまうぞ!」
「どうしてよ!」
「ミリィの会社に行って、ミリィの稼ぎの9割を渡すよう要求したんだ。そしたら、ミリィはとっくに会社を辞めていた。そんなわけあるかと少し脅したら貴族院が来てな。次にミリィの事を調べたら処罰すると言われているんだ。貴族院が来る前に調べて、会社に居ないのは確かだった。給与も出てないし、机も無かったし、従業員に聞き込みもしたが皆3ヶ月前に辞めたと言っていた。ミリィは会社に泊まり込みだったから荷物を渡せと言ったら、そっくり残っていた。大した金にならんかった。もっと溜め込んでると思ったんだが。ただ、会社から、未払いの給与は取ってきたぞ。すぐに貴族院に通報されたから、もうあの会社には行けん」
「じゃあもうミリィからお金は貰えないの?」
「お父様! お姉様が居た孤児院に聞きましょう! 孤児院なんて、脅せば大丈夫よ! お姉様は会社辞めても絶対孤児院への寄付は辞めてないわ!」
「……しかしだな、万が一貴族院に報告されたら終わりだぞ」
「それなら、エドガー様に頼んだらどう? 私たちは、接触出来ないけどエドガー様のおうちは侯爵家よ。契約にも違反しないし問題ないわ!」
「そうか、そうだな! エドガー君を呼べ!」
エドガー様は妊婦の私を気遣って一切手を出さなかったわ。なんて紳士的なのかしら。
わたくしは数日寝込み、お腹が痛いと泣く事にした。月のものもあったから、お医者様も騙すことができた。エドガー様のご両親は残念そうにされていたし、お父様もお母様も使用人達も泣き喚いていたわ。だけど、エドガー様は
「そう……」
そう一言仰っただけだった。エドガー様もショックだったのかしら。なんだか悪い事をしたわ。
そうだ! こんな時はお姉様よね!
忘れてたけど、お姉様にドレスを作らせましょ♪
エドガー様の衣装も合わせて作って貰えばエドガー様もお元気になるわ!
「お父様、お母様、わたくし辛かったから、お姉様のお顔が見たいわ……」
「まぁ、なんて優しいのエリザベス!」
「でも、かわいそうだが、もうミリィとは会えないんだ」
「え?! どうしてよ!」
「ミリィとは縁を切っただろう? 気がつかなかったんだが、ミリィに連絡を取る事も禁止とする契約だったんだ。私達も最近ミリィに用があってね。探そうとしたら契約違反だと警告を受けたんだ」
「ええ! なんでよ! お姉様に会いたいわ! 寂しいもの! お姉様だってわたくしに会いたいはずよ!」
「ダメなのよ。私たちからも、ミリィからも連絡は取ってはいけないの」
「なんでそんな契約にしたのよっ!」
「ミリィの仕業だ。アイツが俺たちともう会わないですむようにとあんな契約書にしたんだろう」
「貴族院にも無効を訴えたんだけど、家族全員がサインしていたせいで、勘違いなんてあり得ませんよねって言われてしまったわ」
「だからな、ミリィを探す事もできないんだよ」
「そんなの嫌! お姉様のドレスがいいの!」
「かわいそうなエリザベス……あなた、ミリィの行方を探して、会わずにドレスを作らせましょう?」
「そうよ! 会わなければ問題ないでしょう?」
「しかし、次にミリィの行方を探してる事がバレたら本当に貴族でなくなってしまうぞ!」
「どうしてよ!」
「ミリィの会社に行って、ミリィの稼ぎの9割を渡すよう要求したんだ。そしたら、ミリィはとっくに会社を辞めていた。そんなわけあるかと少し脅したら貴族院が来てな。次にミリィの事を調べたら処罰すると言われているんだ。貴族院が来る前に調べて、会社に居ないのは確かだった。給与も出てないし、机も無かったし、従業員に聞き込みもしたが皆3ヶ月前に辞めたと言っていた。ミリィは会社に泊まり込みだったから荷物を渡せと言ったら、そっくり残っていた。大した金にならんかった。もっと溜め込んでると思ったんだが。ただ、会社から、未払いの給与は取ってきたぞ。すぐに貴族院に通報されたから、もうあの会社には行けん」
「じゃあもうミリィからお金は貰えないの?」
「お父様! お姉様が居た孤児院に聞きましょう! 孤児院なんて、脅せば大丈夫よ! お姉様は会社辞めても絶対孤児院への寄付は辞めてないわ!」
「……しかしだな、万が一貴族院に報告されたら終わりだぞ」
「それなら、エドガー様に頼んだらどう? 私たちは、接触出来ないけどエドガー様のおうちは侯爵家よ。契約にも違反しないし問題ないわ!」
「そうか、そうだな! エドガー君を呼べ!」
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