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第一章
41.どうしよう?!
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「ふぅん、こりゃすげぇな」
ダン親方は、家を見て最初に言った。
「俺は大工は専門外だが、こりゃ立派なモンだ」
「でしょ! 中の家具も全部マイスが作ったんだよ!」
僕たちは、改めて自己紹介して家を案内している。
「タンスは、マジックバッグ仕様なのでたくさん入るんですよ」
「何?! マイスやるなぁ! マジックタンスか! いや、なんか語呂悪りぃな。マジッククローゼットってとこか?」
「良いですね! 親方ネーミングセンスありますね」
「なるほどなぁ、タンスにつけるって発想なかったぜ。けど、マジックバッグに全部入れりゃ良くねえか?」
ほ、ホントだ!
なんで僕は無駄にマジックバッグ機能をタンスにつけたんだよ!!
材料費だけでも金貨10枚くらいかかったのに!!!
「す、すいません……無駄な材料費がかかってしまいました……」
「マイスは、出来るんだけどたまに抜けてるよな」
「あはは、私たちも気がつかなかったし、気にしないで。冒険中に可愛い服なんて要らないし」
うう……アオイさんは気にしないでって言ってくれるけど、このままでは無駄なお金をかけただけになってしまう! なんとかしなきゃ!
マジッククローゼットは作ってしまったから、もう壊せない。壊しても材料は取り出せないから……。
……そうだ!
「親方! 転移の魔道具って、人だけじゃなく物も転移出来ますよね?」
「ん? そりゃ出来るけどよ」
「マジックバッグに、転移つけましょう!」
「「「「えっ?!」」」」
「マジックバッグに、転移つけてマジッククローゼットと物のやり取りできるようにするんです。そしたらアオイさん達が冒険で見つけた物もすぐ僕が加工できるし、僕が食事を送る事も出来ます。冒険の時のごはん不満だって言ってましたよね? 本当は時間停止機能つけて、作り置きのご飯いっぱい持っていければ良いと思ってたんですけど、時間停止機能難しくてなかなか出来ないんです。でも、もうある転移の機能つけるなら、親方から教えて貰えば出来るかなって」
時間停止機能、ちょこちょこ研究してるんだけどなかなかうまくいかないんだよね。
「マイス、オメェすげぇな」
「え?」
「俺はその発想力がねえんだよな。材料揃ったら転移の魔道具教えてやるよ。まず基本の魔道具作れるようになれば、マイスなら応用できるだろ」
「ありがとうございます!!」
「え! じゃあ冒険中に、カツ丼食べられる?!」
「足りない物送ってもらう事も出来る?」
「が、頑張ります! さすがにあれだけお金かけたのに無駄だったなんて残念過ぎますから」
「マジッククローゼットは貴族に人気になると思うぜ。豪華な飾りつけりゃ金貨500枚で売れる」
「金貨500?!」
「ああ、マジックバッグはせいぜい取れても金貨10枚くらいだけど、クローゼットになりゃ家具としての価値もあるし、マイスの腕で装飾をつけりゃ金貨500枚どころか、金貨1000枚もいけるんじゃねぇか」
「無駄じゃなかったよ!」
「それどころか、膨大な利益を生みそうですね」
「ねーね、転移つけたらいくらで売れる?」
「転移の魔道具は材料高えから、金貨1000枚はするんだよな。だから、転移付きのマジッククローゼットなら金貨1500から2000ってとこかな。嫁入り道具として喜ばれるだろうな。実家から援助の品送ってやったり、嫁入り先で逃げたくなったらすぐ逃げられたり、便利そうだもんな」
「あ、これで人も移動出来るんだ」
「もともと転移は人の移動がメインだからな。まぁ、移動出来る人を限定したり、物は自分の物しか送れないように厳しめの防犯機能つけりゃ販売許可下りるだろ」
「防犯機能なんてあるんですか?」
「でねーと転移の魔道具で簡単に誘拐事件や窃盗事件が起きちまうだろ。防犯機能つけねぇと売っちゃいけない決まりだ。このナビってやつ、ちゃんと魔道具協会の審査受けたか? マイスにもまだ売り方は教えてなかったから気になってな」
え! そんなのあるの?!
どうしよう! そんなの受けてないよ!
ダン親方は、家を見て最初に言った。
「俺は大工は専門外だが、こりゃ立派なモンだ」
「でしょ! 中の家具も全部マイスが作ったんだよ!」
僕たちは、改めて自己紹介して家を案内している。
「タンスは、マジックバッグ仕様なのでたくさん入るんですよ」
「何?! マイスやるなぁ! マジックタンスか! いや、なんか語呂悪りぃな。マジッククローゼットってとこか?」
「良いですね! 親方ネーミングセンスありますね」
「なるほどなぁ、タンスにつけるって発想なかったぜ。けど、マジックバッグに全部入れりゃ良くねえか?」
ほ、ホントだ!
なんで僕は無駄にマジックバッグ機能をタンスにつけたんだよ!!
材料費だけでも金貨10枚くらいかかったのに!!!
「す、すいません……無駄な材料費がかかってしまいました……」
「マイスは、出来るんだけどたまに抜けてるよな」
「あはは、私たちも気がつかなかったし、気にしないで。冒険中に可愛い服なんて要らないし」
うう……アオイさんは気にしないでって言ってくれるけど、このままでは無駄なお金をかけただけになってしまう! なんとかしなきゃ!
マジッククローゼットは作ってしまったから、もう壊せない。壊しても材料は取り出せないから……。
……そうだ!
「親方! 転移の魔道具って、人だけじゃなく物も転移出来ますよね?」
「ん? そりゃ出来るけどよ」
「マジックバッグに、転移つけましょう!」
「「「「えっ?!」」」」
「マジックバッグに、転移つけてマジッククローゼットと物のやり取りできるようにするんです。そしたらアオイさん達が冒険で見つけた物もすぐ僕が加工できるし、僕が食事を送る事も出来ます。冒険の時のごはん不満だって言ってましたよね? 本当は時間停止機能つけて、作り置きのご飯いっぱい持っていければ良いと思ってたんですけど、時間停止機能難しくてなかなか出来ないんです。でも、もうある転移の機能つけるなら、親方から教えて貰えば出来るかなって」
時間停止機能、ちょこちょこ研究してるんだけどなかなかうまくいかないんだよね。
「マイス、オメェすげぇな」
「え?」
「俺はその発想力がねえんだよな。材料揃ったら転移の魔道具教えてやるよ。まず基本の魔道具作れるようになれば、マイスなら応用できるだろ」
「ありがとうございます!!」
「え! じゃあ冒険中に、カツ丼食べられる?!」
「足りない物送ってもらう事も出来る?」
「が、頑張ります! さすがにあれだけお金かけたのに無駄だったなんて残念過ぎますから」
「マジッククローゼットは貴族に人気になると思うぜ。豪華な飾りつけりゃ金貨500枚で売れる」
「金貨500?!」
「ああ、マジックバッグはせいぜい取れても金貨10枚くらいだけど、クローゼットになりゃ家具としての価値もあるし、マイスの腕で装飾をつけりゃ金貨500枚どころか、金貨1000枚もいけるんじゃねぇか」
「無駄じゃなかったよ!」
「それどころか、膨大な利益を生みそうですね」
「ねーね、転移つけたらいくらで売れる?」
「転移の魔道具は材料高えから、金貨1000枚はするんだよな。だから、転移付きのマジッククローゼットなら金貨1500から2000ってとこかな。嫁入り道具として喜ばれるだろうな。実家から援助の品送ってやったり、嫁入り先で逃げたくなったらすぐ逃げられたり、便利そうだもんな」
「あ、これで人も移動出来るんだ」
「もともと転移は人の移動がメインだからな。まぁ、移動出来る人を限定したり、物は自分の物しか送れないように厳しめの防犯機能つけりゃ販売許可下りるだろ」
「防犯機能なんてあるんですか?」
「でねーと転移の魔道具で簡単に誘拐事件や窃盗事件が起きちまうだろ。防犯機能つけねぇと売っちゃいけない決まりだ。このナビってやつ、ちゃんと魔道具協会の審査受けたか? マイスにもまだ売り方は教えてなかったから気になってな」
え! そんなのあるの?!
どうしよう! そんなの受けてないよ!
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