気弱ドワーフと転生エルフの産業革命

編端みどり

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第一章

10.ナビとやらが、完成しました

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「よし、できた」

就業時間を少し過ぎてしまったけど、完成した。

「マイス! 休めって言った……」

「アオイさん! 見てください! 出来ました!」

ようやく、出来た。これは自信作だ。

「え……早くない?」

「ちゃんと就業時間内で完成させましたよ。今日だけは、ちょっと過ぎましたけど。きちんと休むと効率良いって本当なんですね。いつもより集中できました」

そう言って、魔道具を見せる。もともと僕が作ってたのは地図みたいな形だったんだけど、女性が地図を広げてたらすぐ道を教えてあげるって話しかけられるから、携帯しやすいようにペンダント型にした。

ペンダントに触れて行き先を登録したら、ペンダントに触れた人だけ矢印が見えて行き先を教えてくれる。だからパーティーでひとつあれば良いんだけど離れる事もあるから全員分作ったんだ。

街中の案内はもう出来てたから、街の外の場合は街道沿いに案内されるようにした。街道がないところは、周囲1キロを調べて侵入可能な安全な道を探す。安全な道がない時は、警告を出す。

それから、パーティーで連絡が取れるようにペンダントの宝石をタッチして連携させれば通信も可能だ。さっきつけた機能だけど、通信の魔道具は何度も作ったから組み込むのは簡単だった。

アオイさん達も通信魔道具は持ってるかもしれないけど、居場所も同時に分かれば楽かなぁと思って足してみた。さっきお昼食べてた時に思いついたんだ。はじめての場所なら、この魔道具を連携させてれば迷っていても分かるし、道を教えてあげたりできるからね。

「……と、いう訳です。3つ作りました。どうぞ」

あれ? 3人ともポカーンとしてますけど。ペンダントのデザイン気に入らなかった?!
機能、足りなかった?!
やっぱり周囲1キロは短すぎた? これ以上広げるならもうちょっと時間かかるんだよね……。

「み、みなさん? デザイン気に入りませんでしたか?! 店によく来る女性冒険者が気に入りそうなデザインにしたんですけど、それとも……」

「「「そうじゃない」」」

「めちゃくちゃカワイイし、機能も凄いよ!」

「素晴らしいですね。使っているのが周囲に分からないのが嬉しいです。地図を広げるとすぐ変な人が寄ってくるので……」

やっぱりそうですよね。こんな美人さんが地図を広げてたら、道教えるよって男が寄ってきますよ。

「この、連携機能が特にすごいわ! マイスを雇って大正解でしょう!」

「ええ、アオイお手柄ですね。こんなに真面目で仕事のできる人を雇うなんてファインプレーです」

「ホントだよ! 私たちが作りたいものいっぱい作ってもらおう!」

「僕が出来るものは可能な限り作ります。どんなものが作りたいか、言ってください。明日は何を作りましょうか?」

「「「明日は休み!!!」」」

この3人、仲が良いなあ。
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