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8.夢じゃないんですって【ロバート視点】
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「ロバート様、どうされました?」
うおお! 私を見上げるマリアが可愛い。や、やはりこれは夢だ……!
そうだ! 夢なら失敗しても構わないではないか!
さっきジョージも言っていた。マリアは私の事を好いていると。ジョージが来た途端離れてしまったマリアに不安が募ったが、マリアはジョージの姿を見ても他の令嬢のように頬を染めたり私を邪魔者扱いしたりしなかった。
それどころか、仕事があるのではないかと心配してくれて……!
たとえ夢でも、愛しい妻を疑うなどあってはならなかった。私はマリアの夫なんだ。マリアを誰にも渡すものか。
よし、まずはマリアの不安を取り除くんだ。夢の中でも、愛しいマリアには笑っていて欲しい。
「なんでもありません。マリアはいつも美しいのですが、今日は特別綺麗だなと思いまして」
夢なんだ!
少しは勇気を出せ!
今まで言った事のない言葉も、夢と思えば言える。いつか、現実で言いたいものだ。
恐る恐るマリアを褒めると、マリアの顔が真っ赤に染まった。目も潤んでいる。いかん、可愛い。可愛すぎる。
本当に夢か?
いや、夢だ。きっと夢だ。うむ、私の想像力はたくましいな。
そうだ。夢なのだから予行演習と思えば良い。マリアが私のことをどう思っているか分からないが、夢のマリアなら私の想像なのだから、きっと私を好いてくれているはずだ!
「嬉しいです。視察に行く事になって侍女達が頑張ってくれましたの。帰ったら侍女達にお礼を言いますわ」
「視察の為に、頑張ってくれたのか。まさか、私の為か……?」
「はいっ! 美しくなってロバート様に喜んで頂きたくて」
可愛いぃ……!
可愛いぞマリア!
そ、そうだ。これは夢なんだ。なにを聞いても良い! 練習、練習だ!
「ま、マリアは本当に私の事が好きなのか?」
「はいっ! 大好きです!」
か、可愛い……!
いかん、先程から可愛いとしか思えないぞ。マリアの可愛さは、語彙力を奪うのか?
「……可愛い」
「ひゃあ!」
マリアが急に身体を強張らせて、真っ赤な顔で震えている。
「どうした? マリア」
「……あ、あの。嬉しくて……ロバート様に可愛いと言って頂けて、嬉しかったのです」
「……まさか、口に出していたか?」
「……は、はい」
しまったぁ!
いや、これは夢。夢なんだ!
マリアは嬉しいと言ってくれた。ならいっそ、く……口付けでもしてしまえば……!
待て。いくら夢でも人目があるところではまずい。よし、夢なんだ。いつかマリアとこうして街歩きが出来る日が来るかもしれない。
ここはジョージを見習って、スマートにエスコートしてみようではないか。大丈夫だ。夢なのだから失敗しても構わない。
うおお! 私を見上げるマリアが可愛い。や、やはりこれは夢だ……!
そうだ! 夢なら失敗しても構わないではないか!
さっきジョージも言っていた。マリアは私の事を好いていると。ジョージが来た途端離れてしまったマリアに不安が募ったが、マリアはジョージの姿を見ても他の令嬢のように頬を染めたり私を邪魔者扱いしたりしなかった。
それどころか、仕事があるのではないかと心配してくれて……!
たとえ夢でも、愛しい妻を疑うなどあってはならなかった。私はマリアの夫なんだ。マリアを誰にも渡すものか。
よし、まずはマリアの不安を取り除くんだ。夢の中でも、愛しいマリアには笑っていて欲しい。
「なんでもありません。マリアはいつも美しいのですが、今日は特別綺麗だなと思いまして」
夢なんだ!
少しは勇気を出せ!
今まで言った事のない言葉も、夢と思えば言える。いつか、現実で言いたいものだ。
恐る恐るマリアを褒めると、マリアの顔が真っ赤に染まった。目も潤んでいる。いかん、可愛い。可愛すぎる。
本当に夢か?
いや、夢だ。きっと夢だ。うむ、私の想像力はたくましいな。
そうだ。夢なのだから予行演習と思えば良い。マリアが私のことをどう思っているか分からないが、夢のマリアなら私の想像なのだから、きっと私を好いてくれているはずだ!
「嬉しいです。視察に行く事になって侍女達が頑張ってくれましたの。帰ったら侍女達にお礼を言いますわ」
「視察の為に、頑張ってくれたのか。まさか、私の為か……?」
「はいっ! 美しくなってロバート様に喜んで頂きたくて」
可愛いぃ……!
可愛いぞマリア!
そ、そうだ。これは夢なんだ。なにを聞いても良い! 練習、練習だ!
「ま、マリアは本当に私の事が好きなのか?」
「はいっ! 大好きです!」
か、可愛い……!
いかん、先程から可愛いとしか思えないぞ。マリアの可愛さは、語彙力を奪うのか?
「……可愛い」
「ひゃあ!」
マリアが急に身体を強張らせて、真っ赤な顔で震えている。
「どうした? マリア」
「……あ、あの。嬉しくて……ロバート様に可愛いと言って頂けて、嬉しかったのです」
「……まさか、口に出していたか?」
「……は、はい」
しまったぁ!
いや、これは夢。夢なんだ!
マリアは嬉しいと言ってくれた。ならいっそ、く……口付けでもしてしまえば……!
待て。いくら夢でも人目があるところではまずい。よし、夢なんだ。いつかマリアとこうして街歩きが出来る日が来るかもしれない。
ここはジョージを見習って、スマートにエスコートしてみようではないか。大丈夫だ。夢なのだから失敗しても構わない。
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