54 / 57
辺境伯夫人は頑張ります
17
しおりを挟む
「う……うああぁぁっっっ……」
黒い靄は、王太子殿下を包み込んだ時よりも濃く、暗い。大きな剣の形となりハンス王子の心臓を突き刺そうとする。
「駄目っ!」
このままでは、ハンス王子は死ぬ。直感でそう思ったわたくしは、黒い剣を素手で掴んだ。
「……は? な、何やってんだよ!!!」
ハンス王子が何か叫んでいらっしゃるけど、返事をする余裕はない。この剣を防がないと。手から血が滲んでいるが、気にしていられない。
「……大丈夫……怖くない……フレッドが来てくれる……」
王太子殿下の黒い靄を触った時と同じく、嫌な思い出が蘇る。いつも姉が優先だった。わたくしは、誰にも大事にされなかった。
だけど、先生と出会って、エリザベスと会って、フレッドと結婚して……。
「怖く……ない……怖くない……わたくしはフレッドの妻だもの……」
いつもわたくしを大事にしてくれるフレッド。でも、大事にするだけじゃない。ちゃんとわたくしを信じていろんな事を任せてくれる。フレッドだけじゃない。新しい家族は、みんなそうだ。
辺境伯夫人の仕事を、失敗ばかりするわたくしに全て任せてくれたお母様。
いつも優しくフォローしてくれるお父様。
笑いながら自分の失敗談を話してくれるカール。
一緒に頑張ろうと励ましてくれるミリィ。
フレッドは、わたくしがやりたいと思った事を全てやらせてくれる。間違っていれば、教えてくれる。わたくしを自由にするだけでなく、役割を与えてくれる。わたくしを頼ってくれる。
昔の事を思い出して悪夢を見る事もあった。だけど、いつもフレッドが優しく抱きしめてくれた。
わたくしは強いから大丈夫だと無理に笑ったら、フレッドはわたくしが強くても弱くてもどちらでもいいと口付けをくれる。強いわたくしも好きだし、弱いわたくしも好きだから、無理だけはしないで欲しいと言ってくれた。ありのままのわたくしが好きだと言って抱き締めてくれた。
無理をしなくて良いなんて言われた事は無かった。無理しないと、やっていけないって思ってた。わたくしは強いから大丈夫だと言い聞かせて生きてきた。
どれが無理なのかすら分からなかったわたくしに、根気よくフレッドは教えてくれた。
フレッドのおかげで、いつしか悪夢を見る事はなくなったわ。
……だから、こんなものに負けない。
ハンス王子には、この剣は見えてない。きっと王子の魔法は失敗したら代償を払うのだろう。そんな魔法があったと、本で読んだ事がある。今までは、無理だと思ったら魔法をかけずに止めていたんだ。だけど、今回は失敗を厭わずに全力でわたくしに魔法をかけた。そして、代償が自分に還ってきたんだわ。人を操るとは、そういうことだ。リスクの高い魔法だったから廃れたのだろう。わたくしを操る事は出来なかった。きっとハンス王子は死ぬ。だけど、この剣を防げばハンス王子は死ななくて済む。
何故か分からないが、そう思える。彼を守らないと。そう思ったら、腕に隠していたブレスレットが強い輝きを放ち始めた。大きな盾の形を成し、黒い剣を防ごうとする。
盾の輝きは強くなる。大丈夫、わたくしは絶対に負けない。
「あ……あ……あぁっ……」
ハンス王子は、真っ青な顔をして震えている。王子が怯えれば怯える程、剣の色は濃くなる。
「しっかりなさいませ! 貴方様が怯えれば怯えるほど危険です!」
「……だって……このままじゃ僕は……要らないって……」
先ほどの話で分かった。ハンス王子は、過去のわたくしと同じ。
「ハンス王子は、ご家族が好きですか?!」
「好きな訳ないだろ! あんな奴ら、大嫌いだ!!!」
「どうしてこんな事をなさったのです!」
「そうしないと……城から追い出すって……アンタが悪いんだ!! アンタがさっさと僕に惚れてくれれば……」
「わたくしが惚れたのはフレッドです! 貴方みたいな男性、一切興味はありません」
「なんで! みんな僕を好きになるのに……何回一目惚れされたと思ってる! だから利用価値があるって生かしてもらってたのに! なのに、アンタの国は誰も僕に見向きもしない! アンタも、エリザベスも!」
「わたくしが一目惚れしたのは、フレッドですわっ!」
「……は? あの熊に……一目惚れ……?」
「いい加減に熊と呼ぶのをおやめいただけませんか! フレッドは世界一素敵な男性ですわ! 出会った瞬間、心からときめきました! 王子、わたくしも家族には恵まれませんでしたわ。でも、フレッドが大金を払ってまで実家と縁を切ってくれました」
「それはっ……! アンタを逃がさない為だろう!」
「いいえ、フレッドはちゃんとわたくしに聞いてくれました。わたくしの希望を優先してくれました! 選んだのはわたくしです!」
「……じゃあ……アンタは自分で……家族を捨てたの……?」
「ええ! あんな家族要りません! 縁が切れた時は、とってもとっても嬉しかったですわっ!」
その時、ゲートが開き、聞き覚えのある声がした。
「シャーリー!」
やっぱり来てくれた。これでもう大丈夫。そう思った瞬間、光の盾が黒い剣を包んだ。剣は砕かれ、粉々に消えた。
「フレッド! 待ってたわ!」
もう大丈夫。愛しい夫の胸に飛び込んだ。
「……アンタは良いね……そんないい男に選ばれて……女は良いよな! 男に寄生して生きていけば良いんだから……!」
ハンス王子が、わたくしを睨む。
その瞬間、フレッドの全身から殺気が放たれた。
「シャーリーが私に寄生した事なんてありませんよ。何故そんな発想になるのか、理解に苦しみます。私の妻に、何をしようとなさったのですか? ご説明下さい」
「……あ……あ……」
フレッドの殺気に当てられて、ハンス王子は震えて動けず、話す事もままならない。いくらなんでも、このままでは可哀想だ。
「フレッド、ここに記録してあるわ」
懐に入れておいた記録玉を取り出し、フレッドに見せる。
「さすがシャーリーだな」
「な……ななななんでっ!!!」
「うふふ、わたくしを攫おうなんて甘いですわ。さ、早く王太子殿下の魔法を完全に解いて下さいませ」
「なるほど、王太子殿下の異常なご発言は魔法のせいだったのですね。これは立派な証拠になるな。シャーリー、よくやった。これで、女性が男性に寄生して生きてるなんて世迷言だと証明されましたね。シャーリーも、貴方様が馬鹿にした女性です。こちらの記録玉を証拠とし、国際会議で議題を出させて頂きます。シャーリーを攫うなんて、オレが許す訳ねぇだろ。さ、王太子殿下の魔法を解除して下さい」
「……嫌だ」
「この状況で、貴方様に選択肢がおありだとは思えませんが」
「魔法は、解除してやる……だから……その記録玉を寄越せ」
黒い靄は、王太子殿下を包み込んだ時よりも濃く、暗い。大きな剣の形となりハンス王子の心臓を突き刺そうとする。
「駄目っ!」
このままでは、ハンス王子は死ぬ。直感でそう思ったわたくしは、黒い剣を素手で掴んだ。
「……は? な、何やってんだよ!!!」
ハンス王子が何か叫んでいらっしゃるけど、返事をする余裕はない。この剣を防がないと。手から血が滲んでいるが、気にしていられない。
「……大丈夫……怖くない……フレッドが来てくれる……」
王太子殿下の黒い靄を触った時と同じく、嫌な思い出が蘇る。いつも姉が優先だった。わたくしは、誰にも大事にされなかった。
だけど、先生と出会って、エリザベスと会って、フレッドと結婚して……。
「怖く……ない……怖くない……わたくしはフレッドの妻だもの……」
いつもわたくしを大事にしてくれるフレッド。でも、大事にするだけじゃない。ちゃんとわたくしを信じていろんな事を任せてくれる。フレッドだけじゃない。新しい家族は、みんなそうだ。
辺境伯夫人の仕事を、失敗ばかりするわたくしに全て任せてくれたお母様。
いつも優しくフォローしてくれるお父様。
笑いながら自分の失敗談を話してくれるカール。
一緒に頑張ろうと励ましてくれるミリィ。
フレッドは、わたくしがやりたいと思った事を全てやらせてくれる。間違っていれば、教えてくれる。わたくしを自由にするだけでなく、役割を与えてくれる。わたくしを頼ってくれる。
昔の事を思い出して悪夢を見る事もあった。だけど、いつもフレッドが優しく抱きしめてくれた。
わたくしは強いから大丈夫だと無理に笑ったら、フレッドはわたくしが強くても弱くてもどちらでもいいと口付けをくれる。強いわたくしも好きだし、弱いわたくしも好きだから、無理だけはしないで欲しいと言ってくれた。ありのままのわたくしが好きだと言って抱き締めてくれた。
無理をしなくて良いなんて言われた事は無かった。無理しないと、やっていけないって思ってた。わたくしは強いから大丈夫だと言い聞かせて生きてきた。
どれが無理なのかすら分からなかったわたくしに、根気よくフレッドは教えてくれた。
フレッドのおかげで、いつしか悪夢を見る事はなくなったわ。
……だから、こんなものに負けない。
ハンス王子には、この剣は見えてない。きっと王子の魔法は失敗したら代償を払うのだろう。そんな魔法があったと、本で読んだ事がある。今までは、無理だと思ったら魔法をかけずに止めていたんだ。だけど、今回は失敗を厭わずに全力でわたくしに魔法をかけた。そして、代償が自分に還ってきたんだわ。人を操るとは、そういうことだ。リスクの高い魔法だったから廃れたのだろう。わたくしを操る事は出来なかった。きっとハンス王子は死ぬ。だけど、この剣を防げばハンス王子は死ななくて済む。
何故か分からないが、そう思える。彼を守らないと。そう思ったら、腕に隠していたブレスレットが強い輝きを放ち始めた。大きな盾の形を成し、黒い剣を防ごうとする。
盾の輝きは強くなる。大丈夫、わたくしは絶対に負けない。
「あ……あ……あぁっ……」
ハンス王子は、真っ青な顔をして震えている。王子が怯えれば怯える程、剣の色は濃くなる。
「しっかりなさいませ! 貴方様が怯えれば怯えるほど危険です!」
「……だって……このままじゃ僕は……要らないって……」
先ほどの話で分かった。ハンス王子は、過去のわたくしと同じ。
「ハンス王子は、ご家族が好きですか?!」
「好きな訳ないだろ! あんな奴ら、大嫌いだ!!!」
「どうしてこんな事をなさったのです!」
「そうしないと……城から追い出すって……アンタが悪いんだ!! アンタがさっさと僕に惚れてくれれば……」
「わたくしが惚れたのはフレッドです! 貴方みたいな男性、一切興味はありません」
「なんで! みんな僕を好きになるのに……何回一目惚れされたと思ってる! だから利用価値があるって生かしてもらってたのに! なのに、アンタの国は誰も僕に見向きもしない! アンタも、エリザベスも!」
「わたくしが一目惚れしたのは、フレッドですわっ!」
「……は? あの熊に……一目惚れ……?」
「いい加減に熊と呼ぶのをおやめいただけませんか! フレッドは世界一素敵な男性ですわ! 出会った瞬間、心からときめきました! 王子、わたくしも家族には恵まれませんでしたわ。でも、フレッドが大金を払ってまで実家と縁を切ってくれました」
「それはっ……! アンタを逃がさない為だろう!」
「いいえ、フレッドはちゃんとわたくしに聞いてくれました。わたくしの希望を優先してくれました! 選んだのはわたくしです!」
「……じゃあ……アンタは自分で……家族を捨てたの……?」
「ええ! あんな家族要りません! 縁が切れた時は、とってもとっても嬉しかったですわっ!」
その時、ゲートが開き、聞き覚えのある声がした。
「シャーリー!」
やっぱり来てくれた。これでもう大丈夫。そう思った瞬間、光の盾が黒い剣を包んだ。剣は砕かれ、粉々に消えた。
「フレッド! 待ってたわ!」
もう大丈夫。愛しい夫の胸に飛び込んだ。
「……アンタは良いね……そんないい男に選ばれて……女は良いよな! 男に寄生して生きていけば良いんだから……!」
ハンス王子が、わたくしを睨む。
その瞬間、フレッドの全身から殺気が放たれた。
「シャーリーが私に寄生した事なんてありませんよ。何故そんな発想になるのか、理解に苦しみます。私の妻に、何をしようとなさったのですか? ご説明下さい」
「……あ……あ……」
フレッドの殺気に当てられて、ハンス王子は震えて動けず、話す事もままならない。いくらなんでも、このままでは可哀想だ。
「フレッド、ここに記録してあるわ」
懐に入れておいた記録玉を取り出し、フレッドに見せる。
「さすがシャーリーだな」
「な……ななななんでっ!!!」
「うふふ、わたくしを攫おうなんて甘いですわ。さ、早く王太子殿下の魔法を完全に解いて下さいませ」
「なるほど、王太子殿下の異常なご発言は魔法のせいだったのですね。これは立派な証拠になるな。シャーリー、よくやった。これで、女性が男性に寄生して生きてるなんて世迷言だと証明されましたね。シャーリーも、貴方様が馬鹿にした女性です。こちらの記録玉を証拠とし、国際会議で議題を出させて頂きます。シャーリーを攫うなんて、オレが許す訳ねぇだろ。さ、王太子殿下の魔法を解除して下さい」
「……嫌だ」
「この状況で、貴方様に選択肢がおありだとは思えませんが」
「魔法は、解除してやる……だから……その記録玉を寄越せ」
7
お気に入りに追加
1,897
あなたにおすすめの小説
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
伯爵令嬢の恋
アズやっこ
恋愛
落ち目の伯爵家の令嬢、それが私。
お兄様が伯爵家を継ぎ、私をどこかへ嫁がせようとお父様は必死になってる。
こんな落ち目伯爵家の令嬢を欲しがる家がどこにあるのよ!
お父様が持ってくる縁談は問題ありの人ばかり…。だから今迄婚約者もいないのよ?分かってる?
私は私で探すから他っておいて!
幼馴染に奪われそうな王子と公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
「王子様、本当に愛しているのは誰ですか???」
「私が愛しているのは君だけだ……」
「そんなウソ……これ以上は通用しませんよ???」
背後には幼馴染……どうして???
いつの間にかの王太子妃候補
しろねこ。
恋愛
婚約者のいる王太子に恋をしてしまった。
遠くから見つめるだけ――それだけで良かったのに。
王太子の従者から渡されたのは、彼とのやり取りを行うための通信石。
「エリック様があなたとの意見交換をしたいそうです。誤解なさらずに、これは成績上位者だけと渡されるものです。ですがこの事は内密に……」
話す内容は他国の情勢や文化についてなど勉強についてだ。
話せるだけで十分幸せだった。
それなのに、いつの間にか王太子妃候補に上がってる。
あれ?
わたくしが王太子妃候補?
婚約者は?
こちらで書かれているキャラは他作品でも出ています(*´ω`*)
アナザーワールド的に見てもらえれば嬉しいです。
短編です、ハピエンです(強調)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿してます。
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。
出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる