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辺境伯夫人は頑張ります
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「シャーリー、体調はどうだ?」
「大丈夫ですわ。ずいぶん寝てしまってごめんなさい」
まだ身体が痛くて動けないけど、眠ったからずいぶんスッキリした。
フレッドは心配そうにしているし、自分のせいだって言ってるけど、どちらかというと疲れたのは王太子殿下のご依頼をお断りしたからなのよね。
わたくしをエリザベスの相談役にって仰ったけど、相談役は城に部屋を持って王族の為に全てを捧げる職業よ。辺境伯夫人であるわたくしでは務まらない。
先生も、以前は相談役をなさっていた。
仕えていた王族の方がお亡くなりになったから相談役を辞めて、家庭教師になられた。先生の実績を鑑みると、本来ならばうちの実家の財力では先生を雇えない。
だけど、先生は格安でたくさんの女性を教育して下さっている。エリザベスのような公爵令嬢だけでなく、男爵令嬢も教え子にいるそうだ。
エリザベスの相談役になるなら、先生が適任なんだろうけど、先生はたくさんの教え子を放り出せる方ではない。だから、エリザベスは相談役を頼むつもりはないと言っていた。
相談役は、王族に常に寄り添わないといけない。通いで良いとか、休みもあるとか仰ってたけど、そんな甘い仕事じゃないと先生から聞いてるわたくし達は知っている。
だから、わたくしはエリザベスの相談役にはなれない。今後、子どもだって産まれるかもしれない。フレッドの妻としての仕事もあるし、事業だってやっている。
フレッドにお金は返せたけど、従業員も居るから仕事を辞めるつもりはない。お客様だって、うちのアクセサリーを気に入ってくれている。
王太子殿下のお誘いは、口調は優しかったし強制はしないと仰っていたけど、とてつもなく圧があった。以前のわたくしなら、王太子殿下のお言葉に頷いてしまっていた。
フレッドが手を握っていてくれたからなんとか大丈夫だったわ。お断りした後は気が抜けて泣いてしまったけど、フレッドが優しく抱き締めてくれた。
エリザベスは大好きだけど、エリザベスを最優先する事が出来ないわたくしが相談役を引き受けてはいけない。
わたくしは辺境伯夫人。最優先するのはフレッドだもの。
エリザベスは何か悩みを抱えているのかしら。王太子殿下は、思慮深い方だった筈。わたくしに相談役を頼むなんて無理があると分からない方ではない。
エリザベスはわたくしに相談役を頼むつもりはないと言っていたし、何かの間違いだろうから気にしないでと言ってたけど、心配だわ。
だけど……お断りしてしまったわたくしに何が出来る?
考え込んでいると、心配したフレッドが食事を運んでくれた。正直、まだ動けないので助かる。
「軽食を用意した。果実水を飲むか?」
「ありがとう。飲むわ」
フレッドから果実水を貰おうとしたら、口移しで飲まされてしまう。
「んっ……」
「シャーリー、何か悩んでるか?」
「どうして分かるの?」
「なんとなくだ。エリザベス様の事か?」
「ええ、お断りした事に後悔はないわ。だってどう考えてもわたくしではエリザベスの相談役は出来ないもの。だけど……親友が心配じゃないのかって……心配に決まってるのに……」
「そんな事言われたのか?」
フレッドが低い声でわたくしに聞く。通信の魔法は、術者にしか声を届けられない。エリザベスみたいに親しい人との通信魔法なら簡単に周りも聞こえるように出来るんだけど、補助の魔道具を使っている場合は当人同士の会話しかできない。
だから、フレッドはわたくしの声は聞いていたけど王太子殿下の声は聞いていない。
説明はしたけど、何を言われたかまでは詳細に話さなかった。
フレッドは怒ってる。彼の様子に、侍女達は怯えてしまった。退室を促せば、ホッとした顔をして出て行った。もう、だから誤解されるのよ。本当はフレッドは優しいのに。
「そんな顔しないで。王太子殿下がそこまで仰るなんて、エリザベスに何かあったのかと心配になっただけなの」
「……なら、相談役を引き受けるか? シャーリーが望むなら、オレは反対しないぞ」
「相談役になれば、常に王族の質問に答えられるように城に住まないといけない。わたくしは勉強はしてるけど、もっと勉強してるエリザベスの質問になんでも答えるなんて無理。それに、フレッドに会えなくなるなんて……絶対嫌。でも、エリザベスも心配で……わたくし、欲張りね」
あんなにあっさり家族を切り捨てたのに、フレッドさえ居れば良いと思ってたのに……。
「通いで良い、休みもあると言われたのなら、週に何度か登城すれば良いのではないか?」
「相談役はそんな甘い仕事ではないわ。先生は深夜だろうと起こされたって言ってた。全てを王族に捧げる覚悟がないと出来ない仕事だって……わたくしに、そんな覚悟はないわ。フレッドと離れるなんて嫌。一カ月会えないだけでこんなに寂しかったのに……」
「そうだな。まぁもう断った話だ。シャーリーが気にする事はない。それに、エリザベス様だってシャーリーに相談役をして欲しいなんて思っていないんだろう?」
「ええ、わたくしが相談役になれば上下関係ができる。友達じゃいられなくなるから嫌だって言ってたわ」
「だったら断ったシャーリーは正しいよ。一度お請けしてしまえばもう覆せないからね。明日、母上が登城する事になったからエリザベス様の様子を確認してきて貰うから安心して」
「わたくしも行った方が良いかしら?」
「いや、行かなくて良い。ゆっくり休んでくれ。まだ身体がつらいだろう?」
「平気よ!」
思わず、強がってしまう。明日になればきっと身体は動く。わたくしもエリザベスに会えば……。
だけど、わたくしの発言を聞いたフレッドは意地悪な笑みを浮かべて囁いた。
「そう、なら今夜も可愛がってあげる」
「ま、待って!」
「待たない。平気って言っただろ?」
フレッドに見つめられると、拒否できない。身体はまだ痛いのに、嬉しくて仕方ない。
そのまま口付けをあちこちに落とされ、わたくしの意識は沈んでいった。
「大丈夫ですわ。ずいぶん寝てしまってごめんなさい」
まだ身体が痛くて動けないけど、眠ったからずいぶんスッキリした。
フレッドは心配そうにしているし、自分のせいだって言ってるけど、どちらかというと疲れたのは王太子殿下のご依頼をお断りしたからなのよね。
わたくしをエリザベスの相談役にって仰ったけど、相談役は城に部屋を持って王族の為に全てを捧げる職業よ。辺境伯夫人であるわたくしでは務まらない。
先生も、以前は相談役をなさっていた。
仕えていた王族の方がお亡くなりになったから相談役を辞めて、家庭教師になられた。先生の実績を鑑みると、本来ならばうちの実家の財力では先生を雇えない。
だけど、先生は格安でたくさんの女性を教育して下さっている。エリザベスのような公爵令嬢だけでなく、男爵令嬢も教え子にいるそうだ。
エリザベスの相談役になるなら、先生が適任なんだろうけど、先生はたくさんの教え子を放り出せる方ではない。だから、エリザベスは相談役を頼むつもりはないと言っていた。
相談役は、王族に常に寄り添わないといけない。通いで良いとか、休みもあるとか仰ってたけど、そんな甘い仕事じゃないと先生から聞いてるわたくし達は知っている。
だから、わたくしはエリザベスの相談役にはなれない。今後、子どもだって産まれるかもしれない。フレッドの妻としての仕事もあるし、事業だってやっている。
フレッドにお金は返せたけど、従業員も居るから仕事を辞めるつもりはない。お客様だって、うちのアクセサリーを気に入ってくれている。
王太子殿下のお誘いは、口調は優しかったし強制はしないと仰っていたけど、とてつもなく圧があった。以前のわたくしなら、王太子殿下のお言葉に頷いてしまっていた。
フレッドが手を握っていてくれたからなんとか大丈夫だったわ。お断りした後は気が抜けて泣いてしまったけど、フレッドが優しく抱き締めてくれた。
エリザベスは大好きだけど、エリザベスを最優先する事が出来ないわたくしが相談役を引き受けてはいけない。
わたくしは辺境伯夫人。最優先するのはフレッドだもの。
エリザベスは何か悩みを抱えているのかしら。王太子殿下は、思慮深い方だった筈。わたくしに相談役を頼むなんて無理があると分からない方ではない。
エリザベスはわたくしに相談役を頼むつもりはないと言っていたし、何かの間違いだろうから気にしないでと言ってたけど、心配だわ。
だけど……お断りしてしまったわたくしに何が出来る?
考え込んでいると、心配したフレッドが食事を運んでくれた。正直、まだ動けないので助かる。
「軽食を用意した。果実水を飲むか?」
「ありがとう。飲むわ」
フレッドから果実水を貰おうとしたら、口移しで飲まされてしまう。
「んっ……」
「シャーリー、何か悩んでるか?」
「どうして分かるの?」
「なんとなくだ。エリザベス様の事か?」
「ええ、お断りした事に後悔はないわ。だってどう考えてもわたくしではエリザベスの相談役は出来ないもの。だけど……親友が心配じゃないのかって……心配に決まってるのに……」
「そんな事言われたのか?」
フレッドが低い声でわたくしに聞く。通信の魔法は、術者にしか声を届けられない。エリザベスみたいに親しい人との通信魔法なら簡単に周りも聞こえるように出来るんだけど、補助の魔道具を使っている場合は当人同士の会話しかできない。
だから、フレッドはわたくしの声は聞いていたけど王太子殿下の声は聞いていない。
説明はしたけど、何を言われたかまでは詳細に話さなかった。
フレッドは怒ってる。彼の様子に、侍女達は怯えてしまった。退室を促せば、ホッとした顔をして出て行った。もう、だから誤解されるのよ。本当はフレッドは優しいのに。
「そんな顔しないで。王太子殿下がそこまで仰るなんて、エリザベスに何かあったのかと心配になっただけなの」
「……なら、相談役を引き受けるか? シャーリーが望むなら、オレは反対しないぞ」
「相談役になれば、常に王族の質問に答えられるように城に住まないといけない。わたくしは勉強はしてるけど、もっと勉強してるエリザベスの質問になんでも答えるなんて無理。それに、フレッドに会えなくなるなんて……絶対嫌。でも、エリザベスも心配で……わたくし、欲張りね」
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「相談役はそんな甘い仕事ではないわ。先生は深夜だろうと起こされたって言ってた。全てを王族に捧げる覚悟がないと出来ない仕事だって……わたくしに、そんな覚悟はないわ。フレッドと離れるなんて嫌。一カ月会えないだけでこんなに寂しかったのに……」
「そうだな。まぁもう断った話だ。シャーリーが気にする事はない。それに、エリザベス様だってシャーリーに相談役をして欲しいなんて思っていないんだろう?」
「ええ、わたくしが相談役になれば上下関係ができる。友達じゃいられなくなるから嫌だって言ってたわ」
「だったら断ったシャーリーは正しいよ。一度お請けしてしまえばもう覆せないからね。明日、母上が登城する事になったからエリザベス様の様子を確認してきて貰うから安心して」
「わたくしも行った方が良いかしら?」
「いや、行かなくて良い。ゆっくり休んでくれ。まだ身体がつらいだろう?」
「平気よ!」
思わず、強がってしまう。明日になればきっと身体は動く。わたくしもエリザベスに会えば……。
だけど、わたくしの発言を聞いたフレッドは意地悪な笑みを浮かべて囁いた。
「そう、なら今夜も可愛がってあげる」
「ま、待って!」
「待たない。平気って言っただろ?」
フレッドに見つめられると、拒否できない。身体はまだ痛いのに、嬉しくて仕方ない。
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