お姉様優先な我が家は、このままでは破産です

編端みどり

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番外編

番外編6

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「フレッド様、シャーリー、ようこそいらっしゃいましたわ。先生はまだだけど、お迎えを出したからもうすぐいらっしゃるわ」

「では、私は退散しますね。夕方には迎えに来ますね」

「ええ、わたくしと先生しか居ないからご安心下さいませ」

「じゃあな、シャーリー、ゆっくり話しておいで」

最近フレッドはいつも頭を撫でてくれるのよね。うれしいんだけど、恥ずかしいわ。……だけど、この間みたいな方を撃退するには効果的よね。

「フレッド、ありがとう」

フレッドの頬にキスをする。夫婦なら当たり前で、夜会でも見かけるんだけど、わたくしは恥ずかしくて人前ではなかなかできなかった。ふたりきりなら出来るんだけどね。

「なっ……」

フレッド、お顔が真っ赤よ。フラフラしながら帰ってしまったわ。

「シャーリー、この間から積極的ね」

「もう、エレーヌ様みたいな人をフレッドに近寄らせないわ」

「やっと調子が戻ってきたわね。シャーリーは最近おとなしかったもの」

「だって、綺麗な人がいっぱいフレッドに嬉しそうに話しかけるんだもの。自信がなくなってきてしまって……」

「フレッド様がシャーリーを離す訳ないでしょ」

「わたくしはフレッドが好きだけど、フレッドは何度もお見合いしてたでしょう。自分の方が先に出会ったんだって言われると不安なの。最初はフレッドに見向きもしなかったのに今更何よって思うと、なんだかぐちゃぐちゃな気持ちなのよ……」

「それ、フレッド様に言った?」

「言えない……」

「言ってみたら良いじゃない」

「呆れられたらどうしようって思うの」

なんだか最近ぐちゃぐちゃな気持ちになる事があるのよね。フレッドと居ると安心するから大丈夫なんだけど、離れるとすぐ嫌な気持ちになる。こんな姿フレッドに見られたくないわ。

「わたくしだって婚約したばかりの時は、色んな令嬢に嫌味を言われたわよ。でも、全部相談していたわ。もちろん、誰に言われたとかは言わなかったけど、言われた事とか不安な事とか泣きながら言った事もあるわ。全部受け止めて下さったから、今は自信を持って王太子妃はわたくしが相応しいって言えるし、嫌味を言う令嬢も居なくなったわ。シャーリーも、自分で抱え込まずにフレッド様に相談すればいいと思うわよ」

「……相談……?」

「シャーリーに足りないのは自信よ。マナーも問題ないし、所作も綺麗になったわ。あとは自信を持てば大丈夫。自信がなさそうにしているから、隙があると思って寄ってくるのよ。要注意な令嬢は教えてあげるから、その人の前だけででも自信を持った態度を取ってみて。演技力も必要よ」

「そうか……そうね。わたくし頑張るわ。ちゃんとフレッドと話すわ」
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