お姉様優先な我が家は、このままでは破産です

編端みどり

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番外編

番外編2

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「シャーリー、お久しぶりね」

「サリバン先生! お久しぶりですわ」

「幸せそうで良かったわ。フレッド様、シャーリーをよろしくお願いしますね」

「シャーリーからいつもお話は伺っております。サリバン様、シャーリーは私が幸せにしますのでご安心下さい」

「あら、2人で幸せになるのよ?」

「ふふっ、わたくしの教えを覚えてくれているのね」

「もちろんですわ!」

「シャーリーは、とても頑張り屋です。私もシャーリーを見ていると、日々頑張らねばと気が引き締まる思いです」

そんな事思ってくれていたのね。嬉しいわ。

「そうね、シャーリーは昔から熱心に学んでくれる生徒だったわ」

わたくしは姉のオマケだったのに、生徒と言って下さるなんて嬉しいですわ。

「よろしければ、シャーリーの話を聞かせて下さい。いつも先生の話はしてくれますが、シャーリーは自分の事は教えてくれないので」

フレッドがそんな事言うなんて。わたくしの過去を知られるみたいで恥ずかしいわ。でも、わたくしもフレッドの昔話をフレッドのご家族や、親戚の方に聞いたのよね。

皆様お優しくて、フレッドの失敗談まで事細かに教えて頂いた。フレッドは隣でプルプル震えながら聞いていたわ。恥ずかしかったけど、わたくしが嬉しそうに聞くから止められなかったって後で聞いたから、わたくしもサリバン先生がお話しするのを止める訳にはいかないわね。

「シャーリーが良ければ構いませんわ」

「フレッドが知りたいならお話し下さいませ。ちょっと恥ずかしいですが、わたくしもフレッドの昔話をずいぶん聞いてしまいましたもの」

「そう、ならちょっとお話ししようかしら。とは言っても、わたくしは半年程しかシャーリーを教えられなかったけれど」

その半年で、わたくしは変わったわ。
いつも心がささくれていて、誰もわたくしの事なんて興味がないと思っていた。だって家族はああだったし、使用人も父や母に冷遇されているわたくしに冷たかった。

だけど先生は、来られたその日に仰ったの。

「この家にはお嬢様がおふたりおられますわよね。依頼はアイリーン様だけですが、共に学ぶ者がいると伸びますから、妹のシャーリー様も共に授業を受けませんか? もちろん、料金はアイリーン様の分だけで結構です。おそらくシャーリー様だけでなく、アイリーン様の為にもなるかと思いますわ」

お金はかからず、お姉様の為と言われたら、うちの両親が拒否する訳ないからあっさり受け入れられた。

先生は、誰も気にしないわたくしのことも気にして下さったわ。

そしてあの言葉を仰ったの。

「これからマナーや魔法、歴史などの家庭教師をいたしますサリバンと申します。知識は大切ですわ。モノやお金は失うこともあるけれど、自らが学んだ知識は一生失いません。ですから、真摯に学んで下されば嬉しいですわ。アイリーン様、シャーリー様、今後ともよろしくお願いしますね」
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