21 / 57
第二十一話【フレッド視点】
しおりを挟む
何故オレはシャーリーを信じられなかったんだ。
「エリザベス様、シャーリーと繋がる通信魔法をお使いできるのは貴方様だけです。お手数ですが、ご協力下さい。妻を助け出します」
「もちろんですわ。先ほどまで泣いていたとは思えない変わりぶりですわね。ようやくシャーリーを信じられましたか?」
シャーリーと結婚出来たのは嬉しかったが、急に話が進み彼女は流されているのではないかと不安もあった。シャーリーは家を出たいと聞いていたし、オレの求婚は単に都合が良かっただけなのではないかと。
しかし、シャーリーは熱っぽい視線を向けてくれるし、結婚と言われても嬉しそうにしているから、早く捕まえたくてクリストファーの案に乗って結婚の手続きまで済ませてしまった。
シャーリーの両親は、私に良い感情を持っていないから、反対される前に結婚してしまえという思惑もあった。
だが、シャーリーの家に行ってみればオレの贈ったドレスは見知らぬ女が着ていて、シャーリーは居なかった。
絶望のまま帰って来て、辺境に帰ろうとしたらエリザベス様に呼び止められ、シャーリーが結婚を辞めるなどありえないと言われた。信じられない。実際シャーリーは居なかったではないかなどと言っていたら通信が入り、彼女が何故居なかったかを知った。
彼女は、オレを愛してると必死で訴えていた。
何故オレはシャーリーを信じなかったんだ。様子を聞けば鎖に繋がれていると……彼女は、オレの妻なのに他人が捕まえるなど許せない。
あまりの怒りに、壁に穴を開けてしまった。
「ああ、もうシャーリーを疑ったりしない。彼女は私の妻です。それから、申し訳ありません。壁を壊してしまいました。後日弁償致します」
「構いませんわ。どうやってシャーリーの居場所を探すおつもり?」
「まず、もう一度家に行きシャーリーの姉から話を聞きます」
「それは、お兄様にお任せしましょう。お兄様なら、素直に話して下さるわ」
「分かった。私が請け負うよ。フレッドは、ケイリーを締め上げろ」
「任せろ。オレの妻に手を出した事を死ぬほど後悔させてやる」
「わたくしは、シャーリーと随時通信致しますので、お兄様とフレッド様にお伝えしますわ。フレッド様、こちらの通信を補助する魔道具をお持ちください」
これがあれば、オレとエリザベス様も通信魔法で会話できる。通信魔法は、ある程度親しくないと使えないのだ。
「ありがとうございます。お借りします」
「絶対助けて下さいましね! シャーリーは、本当に嬉しそうでしたもの。フレッド様と一緒なら、岩穴に住んでも良いと言っておりましたのよ」
そんな事を言ってくれていたのか。オレはなんて愚かだったんだ。
「そんなシャーリーを一瞬でも疑った自分が恥ずかしいですよ」
「戻ってきたら、シャーリーに土下座でもすればよろしいですわ」
未来の王妃は、オレに御立腹のようだ。
当然だな。必ず連れ戻す。
シャーリーに会えたら、まずは土下座で謝ろう。
「エリザベス様、シャーリーと繋がる通信魔法をお使いできるのは貴方様だけです。お手数ですが、ご協力下さい。妻を助け出します」
「もちろんですわ。先ほどまで泣いていたとは思えない変わりぶりですわね。ようやくシャーリーを信じられましたか?」
シャーリーと結婚出来たのは嬉しかったが、急に話が進み彼女は流されているのではないかと不安もあった。シャーリーは家を出たいと聞いていたし、オレの求婚は単に都合が良かっただけなのではないかと。
しかし、シャーリーは熱っぽい視線を向けてくれるし、結婚と言われても嬉しそうにしているから、早く捕まえたくてクリストファーの案に乗って結婚の手続きまで済ませてしまった。
シャーリーの両親は、私に良い感情を持っていないから、反対される前に結婚してしまえという思惑もあった。
だが、シャーリーの家に行ってみればオレの贈ったドレスは見知らぬ女が着ていて、シャーリーは居なかった。
絶望のまま帰って来て、辺境に帰ろうとしたらエリザベス様に呼び止められ、シャーリーが結婚を辞めるなどありえないと言われた。信じられない。実際シャーリーは居なかったではないかなどと言っていたら通信が入り、彼女が何故居なかったかを知った。
彼女は、オレを愛してると必死で訴えていた。
何故オレはシャーリーを信じなかったんだ。様子を聞けば鎖に繋がれていると……彼女は、オレの妻なのに他人が捕まえるなど許せない。
あまりの怒りに、壁に穴を開けてしまった。
「ああ、もうシャーリーを疑ったりしない。彼女は私の妻です。それから、申し訳ありません。壁を壊してしまいました。後日弁償致します」
「構いませんわ。どうやってシャーリーの居場所を探すおつもり?」
「まず、もう一度家に行きシャーリーの姉から話を聞きます」
「それは、お兄様にお任せしましょう。お兄様なら、素直に話して下さるわ」
「分かった。私が請け負うよ。フレッドは、ケイリーを締め上げろ」
「任せろ。オレの妻に手を出した事を死ぬほど後悔させてやる」
「わたくしは、シャーリーと随時通信致しますので、お兄様とフレッド様にお伝えしますわ。フレッド様、こちらの通信を補助する魔道具をお持ちください」
これがあれば、オレとエリザベス様も通信魔法で会話できる。通信魔法は、ある程度親しくないと使えないのだ。
「ありがとうございます。お借りします」
「絶対助けて下さいましね! シャーリーは、本当に嬉しそうでしたもの。フレッド様と一緒なら、岩穴に住んでも良いと言っておりましたのよ」
そんな事を言ってくれていたのか。オレはなんて愚かだったんだ。
「そんなシャーリーを一瞬でも疑った自分が恥ずかしいですよ」
「戻ってきたら、シャーリーに土下座でもすればよろしいですわ」
未来の王妃は、オレに御立腹のようだ。
当然だな。必ず連れ戻す。
シャーリーに会えたら、まずは土下座で謝ろう。
10
お気に入りに追加
1,897
あなたにおすすめの小説
幼馴染に奪われそうな王子と公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
「王子様、本当に愛しているのは誰ですか???」
「私が愛しているのは君だけだ……」
「そんなウソ……これ以上は通用しませんよ???」
背後には幼馴染……どうして???
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
婚約破棄され聖女も辞めさせられたので、好きにさせていただきます。
松石 愛弓
恋愛
国を守る聖女で王太子殿下の婚約者であるエミル・ファーナは、ある日突然、婚約破棄と国外追放を言い渡される。
全身全霊をかけて国の平和を祈り続けてきましたが、そういうことなら仕方ないですね。休日も無く、責任重すぎて大変でしたし、王太子殿下は思いやりの無い方ですし、王宮には何の未練もございません。これからは自由にさせていただきます♪
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
【完結】王太子妃候補の悪役令嬢は、どうしても野獣辺境伯を手に入れたい
たまこ
恋愛
公爵令嬢のアレクサンドラは優秀な王太子妃候補だと、誰も(一部関係者を除く)が認める完璧な淑女である。
王家が開く祝賀会にて、アレクサンドラは婚約者のクリストファー王太子によって婚約破棄を言い渡される。そして王太子の隣には義妹のマーガレットがにんまりと笑っていた。衆目の下、冤罪により婚約破棄されてしまったアレクサンドラを助けたのは野獣辺境伯の異名を持つアルバートだった。
しかし、この婚約破棄、どうも裏があったようで・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる