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仕事帰りに、天使を拾った
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「あぁー、だっりい」
オレは悪魔だ。今日は3人の人間を堕落させた。最近仕事が簡単でつまらねぇ。つまらなすぎて、人間の食い物を食うことも増えた。今日は、餃子と唐揚げ、あとビールだ。さっきのターゲットの親父が食おうとしていたのを頂いてきた。
「ん……? なんだあれ?」
木の上で、なんか光ってるぞ。見に行ってみるか。
「ん……」
っておい! こりゃ天使じゃねえか! うぇ、めんどくせぇよ。見なかった事にして帰ろ。
「ぐきゅるるる……」
ありえねえ音がしたぞ! なんだこれ!
「うひゃああ……!!!」
「うぉ、危ねえ!」
やっべぇ、思わず助けちまった!
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます」
天使の女は、無警戒にオレにお礼を言ってくる。もうちょっと警戒しろよ! オレの頭にツノあるし、お前らとは全然違う羽も生えてんだろ?!
「あ、あの、どうされました?」
「いや、オメー天使だろ? オレ見て怯えねえのかよ」
天使っていやあ、オレら悪魔をみたら怯えて逃げるか目の敵にするかだろ。まぁ、悪魔も天使見かけたら攻撃するヤツ多いからお互い様だけどな。オレはめんどくせぇから関わらないようにしてる。
……なのに、なんでこんな無警戒な天使と関わっちまったんだ。
「え! 貴方悪魔さんですか?!」
「嘘だろ! このツノとか、羽とか見えねえのかよ!」
「あー……ホントですねぇ、でも助けて下さった方にお礼を言わないなんてありえませんし……」
なんだこののんびりした喋り方! ってか、なんか弱々しくねえか?
「オイ、オメーなんか弱々しくねぇか?」
「あー……ちょっとですねぇ……お腹が……」
「ぐきゅるるる……」
これ、まさかと思うけどコイツの腹の音か?! うわっ! 顔真っ赤じゃねぇか!
さすがに、この音また聞きたくはねぇな。仕方ねぇ、このメシ食わせるか。
「これ、食うか? 人間の食いもんだけど、天使って食えんのか?」
「……ほんとに食べて良いんですか?」
うわぁ! めっちゃヨダレ出てんじゃねぇか! コイツ天使じゃなくて、単なる食いしん坊じゃねーか!
「ああ、良いぜ」
この顔見てダメって言える程オレも悪どくねぇよ。
「ありがとうございますっ! 天使ですか?!」
「悪魔だ」
うわぁ、すげぇ食ってる。ビールまで飲みやがるのか!
「ぷはぁ……美味しいですねぇ、こんなの初めて食べましたぁ」
顔、真っ赤だぞ。天使って酔っ払うんだな。オレはビールを飲んでも酔うってことはねぇが、コイツにビールって、与えて良かったのか?!
「助かりましたぁ、優しい悪魔さんですねぇ、もうねー、私は全然人を幸せにできなくってぇ、給料減らされちゃったんですよお! それでぇ、ご飯も買えなくってぇ、1週間何も食べてなくてぇ、天使って食べなくても良いって言うんですけどぉ、なんでか私は食べないと辛くってぇ、お給料もぜぇんぶご飯代になっちゃうんですぅ。それなのに、お仕事うまくできなくて……」
「お、おう……そうか……」
からみ酒だ! この天使、酔っ払ってオレに絡んできやがる! めんどくせぇ! もう放置して帰る!
「どこ行くんですかぁ! もっと美味しいものご存知ならぁ、教えてくださぁい」
嘘だろ! この天使オレに抱きついてきやがった! うわぁ、天使ってこんな柔らかいのな。
……そっちからきたんなら、構わねえよなぁ。悪魔に絡んだこと後悔しても、おせぇぞ。
「ああ?! タダで教える訳ねーだろ。オメーが天使やめて、オレのもんになるなら教えてやるよ」
「ホントですかぁ?! じゃあ、天使やめます!」
嘘だろ?! 即決かよ! ちょっと良いかなとは思ったが、天使やめろって言えばビビって逃げると思ってたのに。
「えっとお、退職願かいてぇ、この羽一枚つけて……」
「ちょっと待て! 今すぐ辞めるのか?! オレが言うのもなんだけど考え直した方が良くねぇか?!」
「やですう! もう仕事も自信なかったし、こんな美味しいもの天界にないですもん! もっと教えて下さい!」
そう言ってさっさと退職してしまう。すぐに天使の輪っかと羽が消えた。
「お前、これからどうすんだよ」
「天界には帰れませんから、どっか……」
酔いが覚めてきたのか、天使の顔が青くなる。
「ど、どうしましょう悪魔さん! 私、おうちに帰れません!」
そりゃあ、羽がなきゃ天界には帰れねぇよな。
「オメー、考えなし過ぎんだろ……」
「そ、そうだ! 悪魔さん私にオレのものになれって言いましたよね! だったら、私の面倒見てくださいよ! 私、おうちもないです!」
なるほど、そっちからきてくれんのならちょうど良いな。
「良いぜ、オレ人間界に隠れ家あるし連れてってやるよ。ついでに美味いメシ教えてやる。ラーメンって知ってるか?」
「知りません!」
既にヨダレを出しそうな元天使を連れて、ラーメンを食いに行った。
オレは悪魔だ。今日は3人の人間を堕落させた。最近仕事が簡単でつまらねぇ。つまらなすぎて、人間の食い物を食うことも増えた。今日は、餃子と唐揚げ、あとビールだ。さっきのターゲットの親父が食おうとしていたのを頂いてきた。
「ん……? なんだあれ?」
木の上で、なんか光ってるぞ。見に行ってみるか。
「ん……」
っておい! こりゃ天使じゃねえか! うぇ、めんどくせぇよ。見なかった事にして帰ろ。
「ぐきゅるるる……」
ありえねえ音がしたぞ! なんだこれ!
「うひゃああ……!!!」
「うぉ、危ねえ!」
やっべぇ、思わず助けちまった!
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます」
天使の女は、無警戒にオレにお礼を言ってくる。もうちょっと警戒しろよ! オレの頭にツノあるし、お前らとは全然違う羽も生えてんだろ?!
「あ、あの、どうされました?」
「いや、オメー天使だろ? オレ見て怯えねえのかよ」
天使っていやあ、オレら悪魔をみたら怯えて逃げるか目の敵にするかだろ。まぁ、悪魔も天使見かけたら攻撃するヤツ多いからお互い様だけどな。オレはめんどくせぇから関わらないようにしてる。
……なのに、なんでこんな無警戒な天使と関わっちまったんだ。
「え! 貴方悪魔さんですか?!」
「嘘だろ! このツノとか、羽とか見えねえのかよ!」
「あー……ホントですねぇ、でも助けて下さった方にお礼を言わないなんてありえませんし……」
なんだこののんびりした喋り方! ってか、なんか弱々しくねえか?
「オイ、オメーなんか弱々しくねぇか?」
「あー……ちょっとですねぇ……お腹が……」
「ぐきゅるるる……」
これ、まさかと思うけどコイツの腹の音か?! うわっ! 顔真っ赤じゃねぇか!
さすがに、この音また聞きたくはねぇな。仕方ねぇ、このメシ食わせるか。
「これ、食うか? 人間の食いもんだけど、天使って食えんのか?」
「……ほんとに食べて良いんですか?」
うわぁ! めっちゃヨダレ出てんじゃねぇか! コイツ天使じゃなくて、単なる食いしん坊じゃねーか!
「ああ、良いぜ」
この顔見てダメって言える程オレも悪どくねぇよ。
「ありがとうございますっ! 天使ですか?!」
「悪魔だ」
うわぁ、すげぇ食ってる。ビールまで飲みやがるのか!
「ぷはぁ……美味しいですねぇ、こんなの初めて食べましたぁ」
顔、真っ赤だぞ。天使って酔っ払うんだな。オレはビールを飲んでも酔うってことはねぇが、コイツにビールって、与えて良かったのか?!
「助かりましたぁ、優しい悪魔さんですねぇ、もうねー、私は全然人を幸せにできなくってぇ、給料減らされちゃったんですよお! それでぇ、ご飯も買えなくってぇ、1週間何も食べてなくてぇ、天使って食べなくても良いって言うんですけどぉ、なんでか私は食べないと辛くってぇ、お給料もぜぇんぶご飯代になっちゃうんですぅ。それなのに、お仕事うまくできなくて……」
「お、おう……そうか……」
からみ酒だ! この天使、酔っ払ってオレに絡んできやがる! めんどくせぇ! もう放置して帰る!
「どこ行くんですかぁ! もっと美味しいものご存知ならぁ、教えてくださぁい」
嘘だろ! この天使オレに抱きついてきやがった! うわぁ、天使ってこんな柔らかいのな。
……そっちからきたんなら、構わねえよなぁ。悪魔に絡んだこと後悔しても、おせぇぞ。
「ああ?! タダで教える訳ねーだろ。オメーが天使やめて、オレのもんになるなら教えてやるよ」
「ホントですかぁ?! じゃあ、天使やめます!」
嘘だろ?! 即決かよ! ちょっと良いかなとは思ったが、天使やめろって言えばビビって逃げると思ってたのに。
「えっとお、退職願かいてぇ、この羽一枚つけて……」
「ちょっと待て! 今すぐ辞めるのか?! オレが言うのもなんだけど考え直した方が良くねぇか?!」
「やですう! もう仕事も自信なかったし、こんな美味しいもの天界にないですもん! もっと教えて下さい!」
そう言ってさっさと退職してしまう。すぐに天使の輪っかと羽が消えた。
「お前、これからどうすんだよ」
「天界には帰れませんから、どっか……」
酔いが覚めてきたのか、天使の顔が青くなる。
「ど、どうしましょう悪魔さん! 私、おうちに帰れません!」
そりゃあ、羽がなきゃ天界には帰れねぇよな。
「オメー、考えなし過ぎんだろ……」
「そ、そうだ! 悪魔さん私にオレのものになれって言いましたよね! だったら、私の面倒見てくださいよ! 私、おうちもないです!」
なるほど、そっちからきてくれんのならちょうど良いな。
「良いぜ、オレ人間界に隠れ家あるし連れてってやるよ。ついでに美味いメシ教えてやる。ラーメンって知ってるか?」
「知りません!」
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