38 / 46
こぼれ話、その後など
こぼれ話 姉はお怒りです1
しおりを挟む
11話の後
「ああ、なんて酷い男なの。格上の侯爵家じゃなければすぐに訴えてやるのに」
かわいい妹が、嫁ぎました。厳しそうなお家のようですが、うまくやっていけるでしょうか。心配していたら、1週間もせずに妹は帰って来ました。
もう会えないと思っていたから、とっても嬉しいです。
それなのに……それなのに……。
どうしてミモザを蔑ろにするのでしょうか。新婚の妻を放っておいて、愛人とデート?!
その瞬間、ダンカ侯爵家はわたくし達の敵になりました。
わたくしは、ミモザを守る為に商会に潜入しました。ミモザには、すぐに護衛が付けられました。あの男は白い結婚を3年も続ける程、我慢強いとは思えません。近いうちにミモザに手を出そうとするでしょう。ミモザは優しいから、夫だからと受け入れるに決まってます。
「そんなの、許せません」
「奥様、めっちゃ怒ってますね。まぁ、オレも怒ってますけど」
「わたくし、ミモザとニルが結婚して欲しかったのよ。ニルの頑張りは知っていたし」
「しゃあねぇっすよ。所詮身分違いです……」
「納得してないくせに」
「する訳ないじゃないっすか、ようやく実績を上げたのに……まさか侯爵家のボンボンに攫われるなんて思ってませんでしたよ。それでも、ミモザ様が幸せなら納得しますけど……」
「とんでもない男が、ミモザを妻にしたみたいね」
「正直、今すぐ殺したい気分ですよ」
「そうね、わたくしも同じ気持ちよ。だから、ニルにはミモザの護衛をして欲しいの。その間、お仕事をお休みする許可は取れてるわ。でも、ニルがミモザを諦めるなら、この話はなしよ。どうする?」
「オレが断るなんて思ってませんよね?」
「ええ、ニルのミモザへの執着は知ってるし」
「執着って……まぁ、あってますけど」
「でも、辛いわよ? 姿を見せずに護衛するんだから、ミモザが酷い目にあってても、堂々と助けられない。どんなに腹が立っても、姿を見せて慰める事は出来ない。それに、ミモザは優しいから、もしかしたら、あの男に情が移って仕方ないって生涯添い遂げるかもよ? 仲直りして子作りしちゃうかも」
「……そうなったら、ミモザ様は幸せでしょうし、構いませんよ」
「ニルは、嘘が下手ね。ねぇ、ニル。わたくし、とっても怒っているの。万が一でもそんな事になって欲しくないのよ。初夜で他の女が好きなんて言う男、どんなに改心しても本質は変わらないわ。わたくし、絶対にミモザには3年後に白い結婚を証明して離婚して欲しいの。だからね、コレ、使ってくれる?」
「奥様……これって奥様の眠り針ですよね?」
「ええ、あの男がミモザを襲おうとしたら遠慮なく寝かせなさい。あまりに使う回数が多いようなら、ちょっとした副作用があるように調合してあるわ。まぁ、他に好きな人が居る男なら副作用が起きるほど使わないでしょうけど」
「聞きたくねぇんすけど、副作用は何ですか?」
「子どもが出来なくなるわ」
「……あの男に相応しい効果ですね。どんくらいで副作用出るんっすか?」
「150日。結構優しいと思わない?」
「慈悲深いっすね。そうだ、副作用がないのも作って下さいよ。副作用アリのはあの男しにか使わねぇんで」
「そうね、他の人を寝かせる時には副作用が無いものを使ってね。あの男専用の分は赤い針にしておくわ。大好きな女を彷彿とするでしょ?」
「オレ、奥様が一番怖えぇと思います」
「あら、失礼ねぇ。ミモザはわたくしの事優しいって褒めてくれるわよ」
ニルがそっと目を逸らしました。全く、失礼しちゃうわ。
「ああ、なんて酷い男なの。格上の侯爵家じゃなければすぐに訴えてやるのに」
かわいい妹が、嫁ぎました。厳しそうなお家のようですが、うまくやっていけるでしょうか。心配していたら、1週間もせずに妹は帰って来ました。
もう会えないと思っていたから、とっても嬉しいです。
それなのに……それなのに……。
どうしてミモザを蔑ろにするのでしょうか。新婚の妻を放っておいて、愛人とデート?!
その瞬間、ダンカ侯爵家はわたくし達の敵になりました。
わたくしは、ミモザを守る為に商会に潜入しました。ミモザには、すぐに護衛が付けられました。あの男は白い結婚を3年も続ける程、我慢強いとは思えません。近いうちにミモザに手を出そうとするでしょう。ミモザは優しいから、夫だからと受け入れるに決まってます。
「そんなの、許せません」
「奥様、めっちゃ怒ってますね。まぁ、オレも怒ってますけど」
「わたくし、ミモザとニルが結婚して欲しかったのよ。ニルの頑張りは知っていたし」
「しゃあねぇっすよ。所詮身分違いです……」
「納得してないくせに」
「する訳ないじゃないっすか、ようやく実績を上げたのに……まさか侯爵家のボンボンに攫われるなんて思ってませんでしたよ。それでも、ミモザ様が幸せなら納得しますけど……」
「とんでもない男が、ミモザを妻にしたみたいね」
「正直、今すぐ殺したい気分ですよ」
「そうね、わたくしも同じ気持ちよ。だから、ニルにはミモザの護衛をして欲しいの。その間、お仕事をお休みする許可は取れてるわ。でも、ニルがミモザを諦めるなら、この話はなしよ。どうする?」
「オレが断るなんて思ってませんよね?」
「ええ、ニルのミモザへの執着は知ってるし」
「執着って……まぁ、あってますけど」
「でも、辛いわよ? 姿を見せずに護衛するんだから、ミモザが酷い目にあってても、堂々と助けられない。どんなに腹が立っても、姿を見せて慰める事は出来ない。それに、ミモザは優しいから、もしかしたら、あの男に情が移って仕方ないって生涯添い遂げるかもよ? 仲直りして子作りしちゃうかも」
「……そうなったら、ミモザ様は幸せでしょうし、構いませんよ」
「ニルは、嘘が下手ね。ねぇ、ニル。わたくし、とっても怒っているの。万が一でもそんな事になって欲しくないのよ。初夜で他の女が好きなんて言う男、どんなに改心しても本質は変わらないわ。わたくし、絶対にミモザには3年後に白い結婚を証明して離婚して欲しいの。だからね、コレ、使ってくれる?」
「奥様……これって奥様の眠り針ですよね?」
「ええ、あの男がミモザを襲おうとしたら遠慮なく寝かせなさい。あまりに使う回数が多いようなら、ちょっとした副作用があるように調合してあるわ。まぁ、他に好きな人が居る男なら副作用が起きるほど使わないでしょうけど」
「聞きたくねぇんすけど、副作用は何ですか?」
「子どもが出来なくなるわ」
「……あの男に相応しい効果ですね。どんくらいで副作用出るんっすか?」
「150日。結構優しいと思わない?」
「慈悲深いっすね。そうだ、副作用がないのも作って下さいよ。副作用アリのはあの男しにか使わねぇんで」
「そうね、他の人を寝かせる時には副作用が無いものを使ってね。あの男専用の分は赤い針にしておくわ。大好きな女を彷彿とするでしょ?」
「オレ、奥様が一番怖えぇと思います」
「あら、失礼ねぇ。ミモザはわたくしの事優しいって褒めてくれるわよ」
ニルがそっと目を逸らしました。全く、失礼しちゃうわ。
21
お気に入りに追加
2,477
あなたにおすすめの小説
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
側近という名の愛人はいりません。というか、そんな婚約者もいりません。
gacchi
恋愛
十歳の時にお見合いで婚約することになった侯爵家のディアナとエラルド。一人娘のディアナのところにエラルドが婿入りする予定となっていたが、エラルドは領主になるための勉強は嫌だと逃げ出してしまった。仕方なく、ディアナが女侯爵となることに。五年後、学園で久しぶりに再会したエラルドは、幼馴染の令嬢三人を連れていた。あまりの距離の近さに友人らしい付き合い方をお願いするが、一向に直す気配はない。卒業する学年になって、いい加減にしてほしいと注意したディアナに、エラルドは令嬢三人を連れて婿入りする気だと言った。
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。
当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。
しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。
最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。
それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。
婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。
だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。
これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。
理不尽な理由で婚約者から断罪されることを知ったので、ささやかな抵抗をしてみた結果……。
水上
恋愛
バーンズ学園に通う伯爵令嬢である私、マリア・マクベインはある日、とあるトラブルに巻き込まれた。
その際、婚約者である伯爵令息スティーヴ・バークが、理不尽な理由で私のことを断罪するつもりだということを知った。
そこで、ささやかな抵抗をすることにしたのだけれど、その結果……。
【完結】自業自得の因果応報
仲村 嘉高
恋愛
愛し愛されて結婚したはずの夫は、モラハラDVな最低男だった。
ある日、殴られて壁に体を叩きつけられ、反動で床に倒れて頭を打ったマリアンヌは、その衝撃で前世を思い出した。
日本人で、ちょっとヤンチャをしていた過去を持った女性だった記憶だ。
男尊女卑の世界に転生したにしても、この夫は酷すぎる。
マリアンヌは、今までの事も含め、復讐する事に決めた。
物理で。
※前世の世代は、夜露死苦な昭和です(笑)
【完結】会いたいあなたはどこにもいない
野村にれ
恋愛
私の家族は反乱で殺され、私も処刑された。
そして私は家族の罪を暴いた貴族の娘として再び生まれた。
これは足りない罪を償えという意味なのか。
私の会いたいあなたはもうどこにもいないのに。
それでも償いのために生きている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる