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第二十七話
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「ローザ! ローザ! 貴様、ローザに何をした?!」
「何もしておりません。ローザ様は、わたくしと同じようにお義母様に、いやらしい夜着を渡されたり、寝室にいかがわしい物を置かれたり、朝起きたら部屋の前に義理の両親が居たり、媚薬を盛られたりしただけです。それがつらいと泣かれておりました。旦那さま、何故正妻であるローザ様を守れませんの?」
あら? ローザ様が青い顔をされております。どうされたのかしら? まさか旦那さまの顔も見たくないくらい嫌になっておられるのかしら?
困ったわね。いっそ旦那さまを言いくるめて、しばらく商会でローザ様を匿おうかしら。ついでにローザ様が来たから稼げたと、渡すお金を増やせばローザ様の扱いも良くなるかもしれませんものね。
そろそろ、わたくしはもう要らないと思わせませんと。
「それは……なかなか子どもが出来ないから……」
「半年で子どもが出来る夫婦の方が稀です。お義母様は、結婚して何年で旦那さまを産んだのですか? 旦那さまは、一人息子でしょう?」
「母上は……僕を産むまで10年かかっている」
あら、ずいぶん長いですね。
「それなのに息子の妻に半年で子を産めなんてよく言えますね。そもそも、旦那さまは愛するローザ様を守る事すら出来ませんの?」
「……ローザ、つらい思いをさせてすまない。頼む、帰って来てくれ」
「嫌」
「なんで! なんでだよ!」
「アスターは、わたくしよりもお義母様の方が大事だからよ」
「そんな事ない! 私はローザを愛してる!」
「嘘つき。昨日だってわたくしとお義母様の意見が対立したらお義母様の味方をしたわ」
「それはっ……母上の意見の方が正しいと思って……!」
「違法な賭場に行かないでと言ったわたくしと、行くと言ったお義母様、アスターは違法な賭場に行くのが正しいと思うのね。厳しく処罰されると言われたでしょう? 見つかったら侯爵家は終わりよ」
最近は、違法賭博の取り締まりが強化されています。
お祖父様は軍に所属していて、最近は見回りだとうちの商会にも来てくれます。詳細は話せないが、ミモザを苦しめる奴らはもうすぐ終わるよと言われました。多分ですが、違法賭博の取り締まりがあるのでしょう。どうせなら賭場に居る時に捕まれば良いなと思います。
忠告する気などありません。
「たまの息抜きくらい良いじゃないかっ!」
「違法賭博が息抜きなんて、ありえないわ。いつもわたくしを監視するご両親にもついていけない。アスター、わたくしと別れて。持参金の倍は今すぐ払えないけど、必ず分割で払うから」
ローザ様は、潔く仰いました。こういったところは好感を持てますね。尊敬できる所がひとつもない旦那さまとは大違いです。
それに、割と倫理観はしっかりされてますね。正妻になりたいと言い出した時は、自分勝手な方だと思っておりましたけど。
お義母様からの攻撃の異常さや、当てにならない旦那、そりゃあ離婚を申し立てますよね。
だけど、ローザ様の対応は……旦那さまの逆鱗に触れてしまいました。
「何もしておりません。ローザ様は、わたくしと同じようにお義母様に、いやらしい夜着を渡されたり、寝室にいかがわしい物を置かれたり、朝起きたら部屋の前に義理の両親が居たり、媚薬を盛られたりしただけです。それがつらいと泣かれておりました。旦那さま、何故正妻であるローザ様を守れませんの?」
あら? ローザ様が青い顔をされております。どうされたのかしら? まさか旦那さまの顔も見たくないくらい嫌になっておられるのかしら?
困ったわね。いっそ旦那さまを言いくるめて、しばらく商会でローザ様を匿おうかしら。ついでにローザ様が来たから稼げたと、渡すお金を増やせばローザ様の扱いも良くなるかもしれませんものね。
そろそろ、わたくしはもう要らないと思わせませんと。
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「半年で子どもが出来る夫婦の方が稀です。お義母様は、結婚して何年で旦那さまを産んだのですか? 旦那さまは、一人息子でしょう?」
「母上は……僕を産むまで10年かかっている」
あら、ずいぶん長いですね。
「それなのに息子の妻に半年で子を産めなんてよく言えますね。そもそも、旦那さまは愛するローザ様を守る事すら出来ませんの?」
「……ローザ、つらい思いをさせてすまない。頼む、帰って来てくれ」
「嫌」
「なんで! なんでだよ!」
「アスターは、わたくしよりもお義母様の方が大事だからよ」
「そんな事ない! 私はローザを愛してる!」
「嘘つき。昨日だってわたくしとお義母様の意見が対立したらお義母様の味方をしたわ」
「それはっ……母上の意見の方が正しいと思って……!」
「違法な賭場に行かないでと言ったわたくしと、行くと言ったお義母様、アスターは違法な賭場に行くのが正しいと思うのね。厳しく処罰されると言われたでしょう? 見つかったら侯爵家は終わりよ」
最近は、違法賭博の取り締まりが強化されています。
お祖父様は軍に所属していて、最近は見回りだとうちの商会にも来てくれます。詳細は話せないが、ミモザを苦しめる奴らはもうすぐ終わるよと言われました。多分ですが、違法賭博の取り締まりがあるのでしょう。どうせなら賭場に居る時に捕まれば良いなと思います。
忠告する気などありません。
「たまの息抜きくらい良いじゃないかっ!」
「違法賭博が息抜きなんて、ありえないわ。いつもわたくしを監視するご両親にもついていけない。アスター、わたくしと別れて。持参金の倍は今すぐ払えないけど、必ず分割で払うから」
ローザ様は、潔く仰いました。こういったところは好感を持てますね。尊敬できる所がひとつもない旦那さまとは大違いです。
それに、割と倫理観はしっかりされてますね。正妻になりたいと言い出した時は、自分勝手な方だと思っておりましたけど。
お義母様からの攻撃の異常さや、当てにならない旦那、そりゃあ離婚を申し立てますよね。
だけど、ローザ様の対応は……旦那さまの逆鱗に触れてしまいました。
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