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第七話
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「母は素晴らしい女性ですが、お義母様はもっと素晴らしいですわ」
「ははっ、それはそうだろう。母上の言う事を聞いていれば間違いない」
「でも、お義母様がわたくしとの婚姻を決めましたのに、わたくしを捨てるんですね……」
さあ、旦那さま。貴方はどちらかが大事?
「うっ……うるさい、私は母上よりもローザの方が大事なんだ!」
「まあ! そんなにもローザさまを愛してらっしゃるんですね! 素晴らしいですわ! 大丈夫ですわ、旦那さまが当主ですもの。お義母様を大事になさる旦那さまは素敵ですが、大事な事はお義母様ではなく、旦那さまが決めればよろしいですわ!」
「そ、そうだな! 君は良い事を言うではないか!」
「ええ、わたくしは旦那さまが快適に過ごせる環境を整えるのが仕事ですから! そうですわ! 旦那さま、わたくしと商会をやりましょう! そうすればお義母様と離れる時間が増えますし、働くのはわたくしだけで、旦那さまはその間ローザ様と愛し合えばよろしいですわ!」
実家では、わたくしはいくつか商会をやっておりました。商売はわたくしの得意分野です。その手腕で、格上の侯爵家に結婚の申し出を頂きました。わたくしの家は男爵家。本来ならば侯爵家の方と結婚する身分ではありません。
最初は素晴らしい申し出だと思っておりましたが、どんどん危険な香りがして参りましたので、父は必死で断ろうとして下さったのですが、お断りは不可能でした。だから、父は結婚誓約書の作成で頑張って下さったのですわ。お父様、ありがとうございます。お父様の娘で良かったですわ。
わたくしの提案に、夫は戸惑っております。夫に都合の良い提案だと思っていたのですが違うのでしょうか。
「そ、そんな都合の良い話は……」
あら、そんな罪悪感がまだありましたの? 案外小心者なのかしら。ま、この部屋に入った最初の一言で有罪確定ですから、容赦はしませんけど。
「家にいたらお義母様に子どもはまだかと責められますもの。だから、逃げ場を下さいませ。商会の儲けは全て侯爵家のものになりますから、旦那さまにもメリットがありますわ。それに、お義母様はわたくしの商才を見込んで嫁に望んだのでしょう? きっと旦那さまと商会をやると言えば反対されませんわ」
「そうか! そうだな!」
そうそう、そうやって都合の良いように解釈して下さいませ。わたくし、3年間だけ旦那さまにとって都合の良い妻になりますわ。
落差が大きい方が、より不幸になりますものね。
「ははっ、それはそうだろう。母上の言う事を聞いていれば間違いない」
「でも、お義母様がわたくしとの婚姻を決めましたのに、わたくしを捨てるんですね……」
さあ、旦那さま。貴方はどちらかが大事?
「うっ……うるさい、私は母上よりもローザの方が大事なんだ!」
「まあ! そんなにもローザさまを愛してらっしゃるんですね! 素晴らしいですわ! 大丈夫ですわ、旦那さまが当主ですもの。お義母様を大事になさる旦那さまは素敵ですが、大事な事はお義母様ではなく、旦那さまが決めればよろしいですわ!」
「そ、そうだな! 君は良い事を言うではないか!」
「ええ、わたくしは旦那さまが快適に過ごせる環境を整えるのが仕事ですから! そうですわ! 旦那さま、わたくしと商会をやりましょう! そうすればお義母様と離れる時間が増えますし、働くのはわたくしだけで、旦那さまはその間ローザ様と愛し合えばよろしいですわ!」
実家では、わたくしはいくつか商会をやっておりました。商売はわたくしの得意分野です。その手腕で、格上の侯爵家に結婚の申し出を頂きました。わたくしの家は男爵家。本来ならば侯爵家の方と結婚する身分ではありません。
最初は素晴らしい申し出だと思っておりましたが、どんどん危険な香りがして参りましたので、父は必死で断ろうとして下さったのですが、お断りは不可能でした。だから、父は結婚誓約書の作成で頑張って下さったのですわ。お父様、ありがとうございます。お父様の娘で良かったですわ。
わたくしの提案に、夫は戸惑っております。夫に都合の良い提案だと思っていたのですが違うのでしょうか。
「そ、そんな都合の良い話は……」
あら、そんな罪悪感がまだありましたの? 案外小心者なのかしら。ま、この部屋に入った最初の一言で有罪確定ですから、容赦はしませんけど。
「家にいたらお義母様に子どもはまだかと責められますもの。だから、逃げ場を下さいませ。商会の儲けは全て侯爵家のものになりますから、旦那さまにもメリットがありますわ。それに、お義母様はわたくしの商才を見込んで嫁に望んだのでしょう? きっと旦那さまと商会をやると言えば反対されませんわ」
「そうか! そうだな!」
そうそう、そうやって都合の良いように解釈して下さいませ。わたくし、3年間だけ旦那さまにとって都合の良い妻になりますわ。
落差が大きい方が、より不幸になりますものね。
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