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本当はマシュー様が伯爵家に婿入りする筈だったが、メアリーはマシュー様のご実家で暮らす事になった。そこだけ、カーライル伯爵は不満そうだったけど、お祖母様が耳打ちをすると素直に頷いた。
お祖母様は、マシュー様がメアリーと浮気をしたからお祖父様がお怒りになった。このままでは我が家と縁を結ぶのは難しいと耳打ちして下さった。メアリーが伯爵家の令嬢だと思い込んでいるカーライル伯爵は、わたくしと結婚出来なくても伯爵令嬢のメアリーと縁を結べは同盟が組めると判断したようだ。
お祖母様は、一言も嘘を言っていない。カーライル伯爵が勝手に勘違いをしているだけだ。お祖父様は、お祖母様の意図を察して黙っている。
式が終わると、すぐにお祖父様とお祖母様はお父様と愛人様を連れてお父様のご実家へ行った。そのあと、カーライル伯爵家を訪ねると言い残して。
メアリーは幸せそうにわたくしを見下してカーライル伯爵達と帰って行ったけど、これからの結婚生活、大丈夫かしらね?
お父様や愛人様、メアリーが居なくなってようやく屋敷に平穏が戻って来た。入れ替わった使用人は、全員元に戻った。マシュー様のお家が連れて来た使用人は、全員カーライル伯爵が連れて帰った。
お祖父様が、我が家を乗っ取るつもりだったのかと凄んだら慌てて否定してたわ。本当に乗っ取るつもりだった癖に小心者だこと。お祖母様がとりなして下さって、問題なく使用人は全員帰って来た。
お祖母様は穏やかに、誤解だったのだろう。我が家の使用人不足を見兼ねて人を貸してくれただけだと微笑んだ。悪人達はホッとしていたわ。
カーライル伯爵とお父様は、お祖父様がお祖母様に甘い事は知っている。そして、お祖母様を騙せればなんとかなると思ってる。
けど、本当に怖いのはお祖父様ではなくお祖母様だ。
「マリベルとリリアに手を出したんですもの。100倍にして返してあげないとね」
そう言って、お祖母様はお祖父様を連れて行った。まずはお父様のご実家へ。表向きは、お母様が亡くなったので再婚したお父様を祝福する為。お父様は今後も我が家に住めると勘違いしてるけど、もう二度と領地に足を踏み入れる事は出来ないだろう。カーライル伯爵の屋敷を訪ねる時は修羅場だろうな。カーライル伯爵はお祖父様と同盟が組めると信じているが、あり得ない。だってメアリーは伯爵家とは無関係な娘だもの。現実を知っても、もう離婚は不可能。だって、お祖母様が笑顔で決して離婚しない事を結婚誓約書で誓わせていたんだもの。
領地から出て行ってしまえば、彼らは出入り禁止だ。お祖父様は同盟の解消を発表するそうだから、お父様のご実家は終わりだろう。元々、お父様のご実家は良い思い出がない。何度かお会いしたが、お父様にそっくりな高圧的な方ばかりだった。お祖父様の前では、猫をかぶるところもそっくりだったわ。
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お祖母様は、一言も嘘を言っていない。カーライル伯爵が勝手に勘違いをしているだけだ。お祖父様は、お祖母様の意図を察して黙っている。
式が終わると、すぐにお祖父様とお祖母様はお父様と愛人様を連れてお父様のご実家へ行った。そのあと、カーライル伯爵家を訪ねると言い残して。
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