転生チートな妹に婚約者を奪われたけど、モラハラ男と縁を切れてラッキーです!

編端みどり

文字の大きさ
上 下
5 / 38

5

しおりを挟む
電化製品がダメだと気が付いたメアリーは料理チートだと騒ぎ始めました。和食を作ると意気込んでいましたけど、醤油や味噌もないのに和食は無理がありました。ことごとく失敗して、食材を無駄にしていましたので、見兼ねたお母様がメアリーの趣味に伯爵家のお金は出さないように手続きをしました。

次の日、お母様はベットで冷たくなっていたそうです。見つけたのは、お母様を起こしに行ったミリィでした。

わたくしの15歳の誕生日の、1ヶ月前でした。成人すればもっとお母様のお役に立てる。そう思っておりましたのに……。

戦乱の世では、葬儀も簡素に行われます。お母様は棺に入れられ、家族と使用人が見守る中、先祖が眠る霊廟に入りました。棺に釘を打ったのはお父様です。ニヤリと笑ったお父様を見て、ああ、ついにこの男はお母様を……そう思いました。わたくしはその日から、お父様を亡き者にする方法ばかりを考えるようになりました。

すっかり荒んでいたわたくしを救ってくれたのは、ミリィとリチャードでした。特に長年仕えてくれている執事のリチャードは、わたくしが暴走しないように常に寄り添ってくれました。

「お嬢様、今は我慢の時です。お嬢様が成人の日を迎えれば、リリア様の代わりに当主代理を申し立てる事が出来ます。旦那様は既に根回しをしておられますから、問題なく通ります。あの裏切り者はいずれ必ず、私が始末しますから」

そう言ったリチャードの目は、真っ赤に腫れていました。そうだわ、リチャードは元々お母様の侍従だった。わたくしも悲しいけど、リチャードだって相当悲しい筈。だってお母様と過ごした時間は、わたくしよりも長いのだもの。

そう思ってから、少しずつ冷静に過ごせるようになりましたわ。

お父様は、お母様が亡くなっても自由に出来るわけではないと気がついたようです。そうなると、邪魔なのはわたくしです。

わたくしは、成人した瞬間にお父様に無理矢理婚約を決められすぐに結婚して家を出ろと命じられました。

わたくしはなんの権力もない子どもです。こうなったら戦場のお祖父様の元へ避難するしかない。そう思っていました。だけど、ラッキーな事が起きました。妹のメアリーが婚約者のマシュー様に一目惚れしたのです。

困ったお父様は、なんとかメアリーを説得しようとしました。だけど、わがまま放題に育ったメアリーはお父様の言葉を聞きません。わたくしには虐待をするくせにメアリーには甘いお父様は、全てわたくしのせいにしました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

【完結】冷遇・婚約破棄の上、物扱いで軍人に下賜されたと思ったら、幼馴染に溺愛される生活になりました。

えんとっぷ
恋愛
【恋愛151位!(5/20確認時点)】 アルフレッド王子と婚約してからの間ずっと、冷遇に耐えてきたというのに。 愛人が複数いることも、罵倒されることも、アルフレッド王子がすべき政務をやらされていることも。 何年間も耐えてきたのに__ 「お前のような器量の悪い女が王家に嫁ぐなんて国家の恥も良いところだ。婚約破棄し、この娘と結婚することとする」 アルフレッド王子は新しい愛人の女の腰を寄せ、婚約破棄を告げる。 愛人はアルフレッド王子にしなだれかかって、得意げな顔をしている。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

身分違いの恋に燃えていると婚約破棄したではありませんか。没落したから助けて欲しいなんて言わないでください。

木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるセリティアは、ある日婚約者である侯爵令息のランドラから婚約破棄を告げられた。 なんでも彼は、とある平民の農家の女性に恋をしているそうなのだ。 身分違いの恋に燃えているという彼に呆れながら、それが危険なことであると説明したセリティアだったが、ランドラにはそれを聞き入れてもらえず、結局婚約は破棄されることになった。 セリティアの新しい婚約は、意外な程に早く決まった。 その相手は、公爵令息であるバルギードという男だった。多少気難しい性格ではあるが、真面目で実直な彼との婚約はセリティアにとって幸福なものであり、彼女は穏やかな生活を送っていた。 そんな彼女の前に、ランドラが再び現れた。 侯爵家を継いだ彼だったが、平民と結婚したことによって、多くの敵を作り出してしまい、その結果没落してしまったそうなのだ。 ランドラは、セリティアに助けて欲しいと懇願した。しかし、散々と忠告したというのにそんなことになった彼を助ける義理は彼女にはなかった。こうしてセリティアは、ランドラの頼みを断るのだった。

あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです

じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」 アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。 金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。 私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。

私が、良いと言ってくれるので結婚します

あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。 しかし、その事を良く思わないクリスが・・。

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

【完結】傷跡に咲く薔薇の令嬢は、辺境伯の優しい手に救われる。

朝日みらい
恋愛
セリーヌ・アルヴィスは完璧な貴婦人として社交界で輝いていたが、ある晩、馬車で帰宅途中に盗賊に襲われ、顔に深い傷を負う。 傷が癒えた後、婚約者アルトゥールに再会するも、彼は彼女の外見の変化を理由に婚約を破棄する。 家族も彼女を冷遇し、かつての華やかな生活は一転し、孤独と疎外感に包まれる。 最終的に、家族に決められた新たな婚約相手は、社交界で「醜い」と噂されるラウル・ヴァレールだった―――。

処理中です...