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58.聖女様の旦那様
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「おじいちゃん、おばあちゃんってどんな人だったの?」
「優しくて、強い人だったね。愛梨沙のお母さんをすっごく大事にしてたから、突然居なくなるなんて絶対おばあちゃんの意思じゃない筈だから、何かに巻き込まれたんだと思うけど、もし何処かで生きてるなら、また会いたいね」
おじいちゃんは、いつもそう言っていた。お母さんも、おじいちゃんはおばあちゃんが、大好きだったって。
……それが、まさか、こんなことになってるなんて。
「おばあちゃん、おばあちゃん、起きて、孫の愛梨沙だよ!」
「……こわい、つらい、助けて……樹……」
「ダメだ! まったく聞いてもらえない! ニック、どうしよう、あの人、わたしのおばあちゃん!」
「……愛梨沙、大丈夫だ。さっきの樹さんってのが愛梨沙のじいちゃんだな?」
「うん、そう! どうして、どうしてこんなことになってるの!」
「愛梨沙もそうだったが、多分響く言葉は、じいちゃんの話だけだ。聖女様の名前、わかるか?」
「えっと、おばあちゃんの名前は、桔梗! 桔梗だよ!」
「じいちゃんの声、覚えてるか?」
「覚えてる!」
「愛梨沙の魔法で、音や映像が出せたよな? じいちゃんの声と、映像で話しかけることはできるか? 魔力、保つか?」
「保たせる!」
……絶対、助ける。
「……桔梗、聞こえるか? 樹だ。起きてくれ、絶対助けるから……」
「……樹……?」
殻が、割れた。
「おばあちゃん、おばあちゃん!!!」
まだ何も分かってないと思うけど、おばあちゃんに抱きついて泣き喚く。
「……あの、樹は……何処? 貴方は、誰?」
「こんにちは、桔梗さん。どこかつらいところはありませんか?」
「おばあちゃん、全部治すから! 癒し! 浄化!」
「……その、先ほどからおばあちゃんと言いますが、わたしにはまだ小さな娘がひとり居るだけですよ?」
「貴方は、異世界に来られています。今貴方を癒したのは、貴方の孫の愛梨沙さんです。貴方は、長い間、闇に囚われておられました」
「……わたしはもう帰れないの?!」
「おばあちゃん……」
「……桔梗だけなら、帰る方法が1つだけあるぞぃ」
「神様?!」
「え? 神様? 貴方のせいで散々祈れって言われて殴られたんですけど!」
「……すまんかったの、聖女召喚は我の教えが浸透しなかったせいじゃ」
「桔梗さん、神様の所為ではありません。愛梨沙も、桔梗さんも、他の聖女様も、全て被害者です。悪いのは、聖女様に頼って自分たちの世界の問題を自分達で解決出来なかった我々です。心からお詫び致します。申し訳ありませんでした」
ニックが、おばあちゃんに土下座している。
「貴方1人が悪いとは思わないけど、お詫びは受け取る。クソみたいな世界かと思ったけど、マトモな人も居るみたいだねぇ」
「おばあちゃん、口調変わってる! そっちが素?! お母さんにそっくり! あのね、ニックはわたしを助けてくれたんだよ」
「……まだ孫って言われても実感が湧かないけど、確かに私に似てるわね。貴方もこの世界に誘拐されたの?」
「おばあちゃん、誘拐って……」
「ああ、そう言ったらそれからずっと殴られてたわ。どのくらい経ったのか分かんないけど、空腹で苦しくても、衰弱してても死ねないし、聖女ってクソよね。腹が立ってイライラしてたらいつのまにか記憶がないけど……」
「わたしも、一緒だったよ。でも、ニックが助けてくれたの」
「そう、孫を助けてくれたのね。ありがとう」
「……いえ、元はと言えば我々の罪です」
「それはその通りね、でも、貴方はどうして孫を助けてくれたの?」
「……酷すぎて見ていられませんでした」
「確か私の時にも近くに貴方みたいな騎士が居たわ。でも、彼はなんにもしてくれなかった。ただ、見てただけ。そのうち居なくなったわ」
「オレも最初はそうでしたよ」
「ニックは、違うもん! 最初からずっとつらそうに見てて、隙を見てすぐ助けてくれたじゃない!」
「でも、オレはそんなに大した事は出来てない。桔梗さんに付いていた騎士が居なくなったのは、桔梗さんの事を助けようとして神殿に排除されたか、見てられねぇで辞めちまったか……オレは神殿に従うフリをして、コソコソ手助けしただけだ」
「……ふーん、まぁどっちでもいいわ。で、私は今まで何やっちゃってたわけ?」
「……え?」
「え、じゃないわよ。こんな森の中、狙ってないと来ないでしょ。愛梨沙が、私の孫なのは偶然だろうけど、ここに来たのは偶然じゃない。違う?」
「その通りです。桔梗さんは闇に囚われて、魔物を産んでいました」
「ニック!」
「いや、この人の目ぇ見ろよ。誤魔化しても見透かされるし、ならさっさと真実を話す方がいいぜ」
「……へぇ、魔物ねぇ。で、この世界滅びたかい?」
「桔梗さんにとっては残念でしょうが、滅びておりません」
「神殿は?」
「そろそろ潰れるでしょう」
「……アッハッハ! 最高だねぇ! 潰してくれたのはアンタかい?」
「オレが介入している事は事実ですね」
「愛梨沙、いい男捕まえたねぇ」
「でしょ!」
「ま、アンタのじいさんには負けるけどね」
「おじいちゃんは確かにかっこよかったけど、ニックもかっこいいもん!」
「……過去形って事は、樹さんはもう死んだのかい」
おばあちゃん、洞察力ありすぎ!
「……う、うん。死ぬまでおばあちゃん待ってた……」
「そうかい、ならもう、わたしが戻っても意味ないねぇ」
「あるぞ」
「「神様!」」
「桔梗が、聖女召喚された時間に桔梗を戻す事ができる。愛梨沙を犠牲にすればな」
「馬鹿言ってんじゃないよ! 可愛い孫を犠牲にしてまで戻りたいなんて思わないわよ!」
「……話は最後まで聞け。そう言うところも似ておるのぉ。愛梨沙は、あちらの世界に戻れたら戻りたいかの?」
「ニックが居ないなら、嫌」
「じゃろうの。なら、愛梨沙の存在を消す代わりに桔梗は戻れる」
「存在を、消す……?」
「そもそも愛梨沙は生まれなかった事になる」
「そしたら、おばあちゃん戻れるの」
「我が使える、最後の奇跡じゃ」
「最後?」
「聖女がおらんくなる以上、我はこの世界には関われぬ。お主らには散々迷惑をかけたからの、神としての力を全て使って、愛梨沙の存在も使えばかろうじて桔梗を戻せるぞ」
「じゃ、じゃあお願い!」
「愛梨沙、軽く頼まない! 貴方が生まれなかった事になるなら、そもそもここにいる愛梨沙はどうなるのよ! それに力を全部使うなんて無理でしょ?!」
「出来るぞ。我が消滅するわけでもないし、力をすべて使うくらいはできる。詫びにもならんが二人がいいなら、それくらいはさせてくれ。今ここにいる愛梨沙は、きちんとこのままこの世界で存在するぞ。でないと我がニックに殺されるだろう」
「……それを、どう信用すれば良いんだい?」
「それは、信用してくれとか言えぬ」
「おばあちゃん、多分神様は嘘つかないよ。あ、嘘発見魔法使おう! 見てて!」
「愛梨沙、貴方の頭についた電球は何だい?」
「嘘ついたら、光るよ! わたしは、ニックが嫌い!」
電球が光る。
「愛梨沙、桔梗さんにもわかるように分かりやすい嘘をついてくれたんだろうが、愛梨沙に嫌いと言われたらめちゃくちゃダメージがくるんだが……」
「あああ! ニックごめん!」
「アッハッハ! 効果はバッチリ分かったよ! コレを神様に使うんだね?」
「そうそう、神様はなんかわかりやすいウソついて」
「ふむ、ニックは愛梨沙が嫌い」
「お、光ったねぇ」
「……ごめん、ニックのダメージが分かった」
「だろ?」
神様が改めて説明する。向こうの世界での清川愛梨沙が消えること、おばあちゃんは召喚された時点に戻る事、今ここにいるわたしは無事なこと。神様は力を使い切るが、それは覚悟の上だし神様が消えたりもしない事。電球は一度も光らない。
「わかった、信用するわ。でも愛梨沙、良いのかい? 貴方だって向こうの世界で家族も、友達も居ただろ? 彼氏とかは居なかったのかい?」
「彼氏は居なかったし、友達とか家族は気になるけど、わたしはニックと一緒に生きたい。それにわたしが居なくなったままだと、おじいちゃんみたいにみんな心配するよね? それなら丸ごと存在がなくなって良いよ。おばあちゃんは、わたしのこと覚えててくれる?」
「記憶が消えたりは、しないのかぃ?」
「記憶は消えないのぅ、桔梗は聖女のままじゃから年も取っておらぬから、そのまま戻るだけじゃ。多少未来は変わるが、問題なく馴染むじゃろう。そもそも桔梗が召喚された事がおかしいのじゃから」
「聖女って年とらねぇのか? 愛梨沙はどんどん大人びてたぞ?」
「それは単に恋をして綺麗になっただけじゃ」
「……マジか……」
「おばあちゃん、これでおじいちゃんと一緒にいれるよ! お母さんもいっぱい可愛がってあげて! まだ小学生だし、寂しかったっていつも言ってたから」
「……ありがとう、愛梨沙、しあわせにね。ニックさん、愛梨沙を頼みます」
「お任せ下さい。必ずしあわせにします」
「わたしもニックをしあわせにするよっ!」
「そうだね、2人なら何でも乗り越えられるよ。しあわせにね」
おばあちゃんは、そう言って消えていった。
「優しくて、強い人だったね。愛梨沙のお母さんをすっごく大事にしてたから、突然居なくなるなんて絶対おばあちゃんの意思じゃない筈だから、何かに巻き込まれたんだと思うけど、もし何処かで生きてるなら、また会いたいね」
おじいちゃんは、いつもそう言っていた。お母さんも、おじいちゃんはおばあちゃんが、大好きだったって。
……それが、まさか、こんなことになってるなんて。
「おばあちゃん、おばあちゃん、起きて、孫の愛梨沙だよ!」
「……こわい、つらい、助けて……樹……」
「ダメだ! まったく聞いてもらえない! ニック、どうしよう、あの人、わたしのおばあちゃん!」
「……愛梨沙、大丈夫だ。さっきの樹さんってのが愛梨沙のじいちゃんだな?」
「うん、そう! どうして、どうしてこんなことになってるの!」
「愛梨沙もそうだったが、多分響く言葉は、じいちゃんの話だけだ。聖女様の名前、わかるか?」
「えっと、おばあちゃんの名前は、桔梗! 桔梗だよ!」
「じいちゃんの声、覚えてるか?」
「覚えてる!」
「愛梨沙の魔法で、音や映像が出せたよな? じいちゃんの声と、映像で話しかけることはできるか? 魔力、保つか?」
「保たせる!」
……絶対、助ける。
「……桔梗、聞こえるか? 樹だ。起きてくれ、絶対助けるから……」
「……樹……?」
殻が、割れた。
「おばあちゃん、おばあちゃん!!!」
まだ何も分かってないと思うけど、おばあちゃんに抱きついて泣き喚く。
「……あの、樹は……何処? 貴方は、誰?」
「こんにちは、桔梗さん。どこかつらいところはありませんか?」
「おばあちゃん、全部治すから! 癒し! 浄化!」
「……その、先ほどからおばあちゃんと言いますが、わたしにはまだ小さな娘がひとり居るだけですよ?」
「貴方は、異世界に来られています。今貴方を癒したのは、貴方の孫の愛梨沙さんです。貴方は、長い間、闇に囚われておられました」
「……わたしはもう帰れないの?!」
「おばあちゃん……」
「……桔梗だけなら、帰る方法が1つだけあるぞぃ」
「神様?!」
「え? 神様? 貴方のせいで散々祈れって言われて殴られたんですけど!」
「……すまんかったの、聖女召喚は我の教えが浸透しなかったせいじゃ」
「桔梗さん、神様の所為ではありません。愛梨沙も、桔梗さんも、他の聖女様も、全て被害者です。悪いのは、聖女様に頼って自分たちの世界の問題を自分達で解決出来なかった我々です。心からお詫び致します。申し訳ありませんでした」
ニックが、おばあちゃんに土下座している。
「貴方1人が悪いとは思わないけど、お詫びは受け取る。クソみたいな世界かと思ったけど、マトモな人も居るみたいだねぇ」
「おばあちゃん、口調変わってる! そっちが素?! お母さんにそっくり! あのね、ニックはわたしを助けてくれたんだよ」
「……まだ孫って言われても実感が湧かないけど、確かに私に似てるわね。貴方もこの世界に誘拐されたの?」
「おばあちゃん、誘拐って……」
「ああ、そう言ったらそれからずっと殴られてたわ。どのくらい経ったのか分かんないけど、空腹で苦しくても、衰弱してても死ねないし、聖女ってクソよね。腹が立ってイライラしてたらいつのまにか記憶がないけど……」
「わたしも、一緒だったよ。でも、ニックが助けてくれたの」
「そう、孫を助けてくれたのね。ありがとう」
「……いえ、元はと言えば我々の罪です」
「それはその通りね、でも、貴方はどうして孫を助けてくれたの?」
「……酷すぎて見ていられませんでした」
「確か私の時にも近くに貴方みたいな騎士が居たわ。でも、彼はなんにもしてくれなかった。ただ、見てただけ。そのうち居なくなったわ」
「オレも最初はそうでしたよ」
「ニックは、違うもん! 最初からずっとつらそうに見てて、隙を見てすぐ助けてくれたじゃない!」
「でも、オレはそんなに大した事は出来てない。桔梗さんに付いていた騎士が居なくなったのは、桔梗さんの事を助けようとして神殿に排除されたか、見てられねぇで辞めちまったか……オレは神殿に従うフリをして、コソコソ手助けしただけだ」
「……ふーん、まぁどっちでもいいわ。で、私は今まで何やっちゃってたわけ?」
「……え?」
「え、じゃないわよ。こんな森の中、狙ってないと来ないでしょ。愛梨沙が、私の孫なのは偶然だろうけど、ここに来たのは偶然じゃない。違う?」
「その通りです。桔梗さんは闇に囚われて、魔物を産んでいました」
「ニック!」
「いや、この人の目ぇ見ろよ。誤魔化しても見透かされるし、ならさっさと真実を話す方がいいぜ」
「……へぇ、魔物ねぇ。で、この世界滅びたかい?」
「桔梗さんにとっては残念でしょうが、滅びておりません」
「神殿は?」
「そろそろ潰れるでしょう」
「……アッハッハ! 最高だねぇ! 潰してくれたのはアンタかい?」
「オレが介入している事は事実ですね」
「愛梨沙、いい男捕まえたねぇ」
「でしょ!」
「ま、アンタのじいさんには負けるけどね」
「おじいちゃんは確かにかっこよかったけど、ニックもかっこいいもん!」
「……過去形って事は、樹さんはもう死んだのかい」
おばあちゃん、洞察力ありすぎ!
「……う、うん。死ぬまでおばあちゃん待ってた……」
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「あるぞ」
「「神様!」」
「桔梗が、聖女召喚された時間に桔梗を戻す事ができる。愛梨沙を犠牲にすればな」
「馬鹿言ってんじゃないよ! 可愛い孫を犠牲にしてまで戻りたいなんて思わないわよ!」
「……話は最後まで聞け。そう言うところも似ておるのぉ。愛梨沙は、あちらの世界に戻れたら戻りたいかの?」
「ニックが居ないなら、嫌」
「じゃろうの。なら、愛梨沙の存在を消す代わりに桔梗は戻れる」
「存在を、消す……?」
「そもそも愛梨沙は生まれなかった事になる」
「そしたら、おばあちゃん戻れるの」
「我が使える、最後の奇跡じゃ」
「最後?」
「聖女がおらんくなる以上、我はこの世界には関われぬ。お主らには散々迷惑をかけたからの、神としての力を全て使って、愛梨沙の存在も使えばかろうじて桔梗を戻せるぞ」
「じゃ、じゃあお願い!」
「愛梨沙、軽く頼まない! 貴方が生まれなかった事になるなら、そもそもここにいる愛梨沙はどうなるのよ! それに力を全部使うなんて無理でしょ?!」
「出来るぞ。我が消滅するわけでもないし、力をすべて使うくらいはできる。詫びにもならんが二人がいいなら、それくらいはさせてくれ。今ここにいる愛梨沙は、きちんとこのままこの世界で存在するぞ。でないと我がニックに殺されるだろう」
「……それを、どう信用すれば良いんだい?」
「それは、信用してくれとか言えぬ」
「おばあちゃん、多分神様は嘘つかないよ。あ、嘘発見魔法使おう! 見てて!」
「愛梨沙、貴方の頭についた電球は何だい?」
「嘘ついたら、光るよ! わたしは、ニックが嫌い!」
電球が光る。
「愛梨沙、桔梗さんにもわかるように分かりやすい嘘をついてくれたんだろうが、愛梨沙に嫌いと言われたらめちゃくちゃダメージがくるんだが……」
「あああ! ニックごめん!」
「アッハッハ! 効果はバッチリ分かったよ! コレを神様に使うんだね?」
「そうそう、神様はなんかわかりやすいウソついて」
「ふむ、ニックは愛梨沙が嫌い」
「お、光ったねぇ」
「……ごめん、ニックのダメージが分かった」
「だろ?」
神様が改めて説明する。向こうの世界での清川愛梨沙が消えること、おばあちゃんは召喚された時点に戻る事、今ここにいるわたしは無事なこと。神様は力を使い切るが、それは覚悟の上だし神様が消えたりもしない事。電球は一度も光らない。
「わかった、信用するわ。でも愛梨沙、良いのかい? 貴方だって向こうの世界で家族も、友達も居ただろ? 彼氏とかは居なかったのかい?」
「彼氏は居なかったし、友達とか家族は気になるけど、わたしはニックと一緒に生きたい。それにわたしが居なくなったままだと、おじいちゃんみたいにみんな心配するよね? それなら丸ごと存在がなくなって良いよ。おばあちゃんは、わたしのこと覚えててくれる?」
「記憶が消えたりは、しないのかぃ?」
「記憶は消えないのぅ、桔梗は聖女のままじゃから年も取っておらぬから、そのまま戻るだけじゃ。多少未来は変わるが、問題なく馴染むじゃろう。そもそも桔梗が召喚された事がおかしいのじゃから」
「聖女って年とらねぇのか? 愛梨沙はどんどん大人びてたぞ?」
「それは単に恋をして綺麗になっただけじゃ」
「……マジか……」
「おばあちゃん、これでおじいちゃんと一緒にいれるよ! お母さんもいっぱい可愛がってあげて! まだ小学生だし、寂しかったっていつも言ってたから」
「……ありがとう、愛梨沙、しあわせにね。ニックさん、愛梨沙を頼みます」
「お任せ下さい。必ずしあわせにします」
「わたしもニックをしあわせにするよっ!」
「そうだね、2人なら何でも乗り越えられるよ。しあわせにね」
おばあちゃんは、そう言って消えていった。
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