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29.共犯者を増やそう
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わたしは、あれから結界を練習しまくった。夜寝るときも、結界の中で寝た。もちろん、寝てる幻影をつけておいた。
3日後には、結界をスムーズに張れるようになり、4日後には、結界の外を監視カメラのイメージで確認できるようになった。これで、いきなりラスボスが来ても大丈夫。苦戦してるわたしを覗いて、ニヤッと笑って去ってくだけだから最近は平和だ。
その間、結界内で色々と作戦をたてる。だけど、こちらの世界の常識やルールが分からず、わたしと神様は行き詰まっていた。神様なら、常識とか分かるでしょって思ってたら、聖女か、アリサちゃんみたいに加護をつけた子を介してしか、下界を見れないんだって。しかも、聖女やってる期間しか分かんないから、基本的に神殿の中の事しかわかんないらしい。
「神様、制限多くない?!」
『しょうがないじゃろ。それが天界のルールなんじゃから』
「むー、この世界の常識をちゃんと知ってるマトモな人で、わたしが会えて、秘密にしてくれそうな人なんて……」
『ニックじゃな』
「ニックさん!」
そ、れ、だ!
「今日は、ニックさん護衛に居たよね!」
さすがに幻影はリピートだから、おんなじ姿ばっか見せてたら心配かけそうだし、テレパシーでこの頑張るわたしは幻影です。って伝えておいたんだけど、びっくりした顔してから、ニヤって笑ってたんだよねー。カッコよかった。
よし、結界内にご招待しよう。結界内ならおしゃべりできるし!!!
『目的を忘れるでないぞ』
分かってますぅ!
結界を解除して、ニックさんの所に透明化して近づく。テレパシーで、驚かないで下さいと伝えて、ニックさんの幻影を作り、本人には透明化をかけて腕を掴み、祭壇の部屋に行く。
「結界」
数日間の練習で、結界の見た目をカモフラージュする事ができるようになった。結界に入れる人も指定出来るから、今回はわたしとニックさん以外入れないようにして作る。ついでに、結界の範囲を入り口近くまで広げて、監視カメラ機能でシスターが覗き見したら、すぐ分かるようにした。
もちろん、頑張るけど出来ないわたしと、静かに立ってるニックさんの幻影は忘れない。
監視カメラの映像は、わたしなら感覚で分かるんだけど、わかりやすいようにテレビを作り、そこに投影させる。
「なっ、これは一体」
まあ驚きますよね。説明しなきゃ! でも話すの初めてだ! やばいめっちゃ緊張する。なんかキョトンとわたしの顔見てるんですけど! 顔近い、顔近い、カッコいい!
『落ち着け』
無理! 本気でドキドキする! カッコいい!
『ニックが固まっとるぞ』
ああぁ! そうですよね! いきなり結界に引っ張って何してんのコイツって感じですよね! ホントすいません! ちゃんと話します!
「あ、あの! ハンカチありがとうごさいました!」
違うのっ! 何でこんな事言ってんの! でも、あのハンカチは本気で嬉しかったんだよ! あのあと速攻で無限収納の魔法イメージして作って、絶対取られないようにしまってある。たまに結界の中で取り出してドキドキしてるなんて、言えない!
パニックになったわたしは、ハンカチを無限収納から取り出してニックさんに差し出す。ニックさんは、めちゃめちゃ驚いてる。
ああ、そうだよね! あげるって言ってたもんね! 返されても困るよね! こんな変な行動してどうすんのよわたし!
「あの! 結界はもう使えます! 今はふたりしか入れません! だから、ここなら絶対バレないからわたしとお話して下さい!」
違う! なんだこの告白タイムみたいなやつ! 作戦に協力してもらうんでしょ?! 何してんのわたし!!! ああほら、ニックさんとまどってるじゃん! ごめんなさい! 変なこと聞いて嫌われた?!
ニックさんは、戸惑ったような顔をしていたが、すぐに殺人級の笑顔で微笑んだ。
「喜んで。オレも話せて嬉しいですよ。聖女サマ」
あ、やばいこの笑顔だけで気絶しそう。
3日後には、結界をスムーズに張れるようになり、4日後には、結界の外を監視カメラのイメージで確認できるようになった。これで、いきなりラスボスが来ても大丈夫。苦戦してるわたしを覗いて、ニヤッと笑って去ってくだけだから最近は平和だ。
その間、結界内で色々と作戦をたてる。だけど、こちらの世界の常識やルールが分からず、わたしと神様は行き詰まっていた。神様なら、常識とか分かるでしょって思ってたら、聖女か、アリサちゃんみたいに加護をつけた子を介してしか、下界を見れないんだって。しかも、聖女やってる期間しか分かんないから、基本的に神殿の中の事しかわかんないらしい。
「神様、制限多くない?!」
『しょうがないじゃろ。それが天界のルールなんじゃから』
「むー、この世界の常識をちゃんと知ってるマトモな人で、わたしが会えて、秘密にしてくれそうな人なんて……」
『ニックじゃな』
「ニックさん!」
そ、れ、だ!
「今日は、ニックさん護衛に居たよね!」
さすがに幻影はリピートだから、おんなじ姿ばっか見せてたら心配かけそうだし、テレパシーでこの頑張るわたしは幻影です。って伝えておいたんだけど、びっくりした顔してから、ニヤって笑ってたんだよねー。カッコよかった。
よし、結界内にご招待しよう。結界内ならおしゃべりできるし!!!
『目的を忘れるでないぞ』
分かってますぅ!
結界を解除して、ニックさんの所に透明化して近づく。テレパシーで、驚かないで下さいと伝えて、ニックさんの幻影を作り、本人には透明化をかけて腕を掴み、祭壇の部屋に行く。
「結界」
数日間の練習で、結界の見た目をカモフラージュする事ができるようになった。結界に入れる人も指定出来るから、今回はわたしとニックさん以外入れないようにして作る。ついでに、結界の範囲を入り口近くまで広げて、監視カメラ機能でシスターが覗き見したら、すぐ分かるようにした。
もちろん、頑張るけど出来ないわたしと、静かに立ってるニックさんの幻影は忘れない。
監視カメラの映像は、わたしなら感覚で分かるんだけど、わかりやすいようにテレビを作り、そこに投影させる。
「なっ、これは一体」
まあ驚きますよね。説明しなきゃ! でも話すの初めてだ! やばいめっちゃ緊張する。なんかキョトンとわたしの顔見てるんですけど! 顔近い、顔近い、カッコいい!
『落ち着け』
無理! 本気でドキドキする! カッコいい!
『ニックが固まっとるぞ』
ああぁ! そうですよね! いきなり結界に引っ張って何してんのコイツって感じですよね! ホントすいません! ちゃんと話します!
「あ、あの! ハンカチありがとうごさいました!」
違うのっ! 何でこんな事言ってんの! でも、あのハンカチは本気で嬉しかったんだよ! あのあと速攻で無限収納の魔法イメージして作って、絶対取られないようにしまってある。たまに結界の中で取り出してドキドキしてるなんて、言えない!
パニックになったわたしは、ハンカチを無限収納から取り出してニックさんに差し出す。ニックさんは、めちゃめちゃ驚いてる。
ああ、そうだよね! あげるって言ってたもんね! 返されても困るよね! こんな変な行動してどうすんのよわたし!
「あの! 結界はもう使えます! 今はふたりしか入れません! だから、ここなら絶対バレないからわたしとお話して下さい!」
違う! なんだこの告白タイムみたいなやつ! 作戦に協力してもらうんでしょ?! 何してんのわたし!!! ああほら、ニックさんとまどってるじゃん! ごめんなさい! 変なこと聞いて嫌われた?!
ニックさんは、戸惑ったような顔をしていたが、すぐに殺人級の笑顔で微笑んだ。
「喜んで。オレも話せて嬉しいですよ。聖女サマ」
あ、やばいこの笑顔だけで気絶しそう。
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