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19.捕獲
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あっさりラスボスに見つかり、さっきの女の子も一緒に連れて行かれた。
「さぁ、ご説明くださいな」
怖い、怖すぎる。でも、なんとか話さないと、女の子が危ない。安心かける1兆!
「夜に寝ていたら神の声が聴こえたのです。それに導かれて進んだらこの子がいたのです。それで、神のお言葉に従い、治癒をいたしました」
「まぁ! なんてご立派なの!」
目が笑ってない。コレはまずいかもしれない。周りの神殿関係者らしき人たちは、褒め称えてくれてるけど、シスターの異常に怖い目には気がついて貰えませんでしょうか。
「では、聖女様がお助けしたこの子は神殿で保護しましょう」
良かった……のかな?
「わたくしが直々に教育致しますわね」
ダメだっ! 良くないよ! わたしは死なないらしいけどこの子はすぐ死んじゃう!!!
「それは……」
「ふふふ、聖女様の今後のご対応次第ですわ」
どう言うことよ! もうわからないよぅ! そんな事を思っていたら、あれよあれよとわたしの部屋に戻ってきた。さっきの女の子も居るし、他の人もいっぱいいる。シスターは、ニッコリ笑って言った。
「わたくし、聖女様とおふたりでお話しますわ。神のお告げについて伺いたいの。極秘ですし、その間その子を丁重に扱って下さいな。そうね、お食事を出してあげて」
そう言ってシスターコリンナは、何か唱え始めた。
「結界」
は?! ナニコレなにこれ?!
呆然としているわたしを得意げに見つめていたラスボスは、冷たく言った。
「これは、結界と言いますの。この中で起きた事は、外にはわかりませんわ。それに、入る人も限定できますの。今はわたくしと、聖女様だけが結界に入るように作りましたわ」
怖い、怖い、怖い。
「ですから、ここで起きた事は誰にも言ってはいけませんわよ。聖女様?」
わたしは、泣きながらハイ、ハイと答える。
「それでは、懲罰しましょうね? 理由は簡単ですわ。神のお告げでしたから、あの子を助けるのは構いません。ですがなぜ、わたくしに報告しなかったのですか? 聖女様は、わたくしとしか話せないはずでしょう? きちんと、ご報告頂きませんと。ああ、それから、癒しはわたくしが指示した時しかしてはいけませんよ? そうしないと、わたくしあの子も教育したくなってしまいますもの」
「それだけは、やめて! お願い! あの子は何も悪くない!」
「そうですわねぇ、じゃあ、あの子はもういいですわ。だけど、今後も聖女様がわたくしに何も言わずに勝手をなさるようでしたら、あの子はどうなるかしら? 孤児のようですし、いなくなってもだあれもわかりませんわよね」
「わかった! わかりました! 今後もシスターとしか話しません! 神にも祈ります! だから、やめて!」
「ふふっ、いい子ですね。今後は懲罰は結界内で行いますわ。結界はあまり長い時間出来ないのですが、聖女様がわたくしに癒しをかけてくれればよろしいですわね。これなら、誰にも分かりませんものね。わたくしが指示する時だけ、自分とわたくしに癒しをかけなさい。それまでは、癒す事も許しませんわ。さ、動いてはいけませんわよ」
それからのことは、あまり覚えていない。気絶しそうになるたびに自分と、わたしを癒せと言われ、言われた事を機械のように繰り返すだけだった。気絶も出来ず、今まででいちばん苦しかったが、なんとかあの子だけは守りたかった。
あとで思えば、この時幻影とか使えば良かったんだけど、街で見た現実が衝撃過ぎて忘れていた。誰か助けて、と思いながら、ついあのお兄さんの顔を思い出していた。
「さぁ、ご説明くださいな」
怖い、怖すぎる。でも、なんとか話さないと、女の子が危ない。安心かける1兆!
「夜に寝ていたら神の声が聴こえたのです。それに導かれて進んだらこの子がいたのです。それで、神のお言葉に従い、治癒をいたしました」
「まぁ! なんてご立派なの!」
目が笑ってない。コレはまずいかもしれない。周りの神殿関係者らしき人たちは、褒め称えてくれてるけど、シスターの異常に怖い目には気がついて貰えませんでしょうか。
「では、聖女様がお助けしたこの子は神殿で保護しましょう」
良かった……のかな?
「わたくしが直々に教育致しますわね」
ダメだっ! 良くないよ! わたしは死なないらしいけどこの子はすぐ死んじゃう!!!
「それは……」
「ふふふ、聖女様の今後のご対応次第ですわ」
どう言うことよ! もうわからないよぅ! そんな事を思っていたら、あれよあれよとわたしの部屋に戻ってきた。さっきの女の子も居るし、他の人もいっぱいいる。シスターは、ニッコリ笑って言った。
「わたくし、聖女様とおふたりでお話しますわ。神のお告げについて伺いたいの。極秘ですし、その間その子を丁重に扱って下さいな。そうね、お食事を出してあげて」
そう言ってシスターコリンナは、何か唱え始めた。
「結界」
は?! ナニコレなにこれ?!
呆然としているわたしを得意げに見つめていたラスボスは、冷たく言った。
「これは、結界と言いますの。この中で起きた事は、外にはわかりませんわ。それに、入る人も限定できますの。今はわたくしと、聖女様だけが結界に入るように作りましたわ」
怖い、怖い、怖い。
「ですから、ここで起きた事は誰にも言ってはいけませんわよ。聖女様?」
わたしは、泣きながらハイ、ハイと答える。
「それでは、懲罰しましょうね? 理由は簡単ですわ。神のお告げでしたから、あの子を助けるのは構いません。ですがなぜ、わたくしに報告しなかったのですか? 聖女様は、わたくしとしか話せないはずでしょう? きちんと、ご報告頂きませんと。ああ、それから、癒しはわたくしが指示した時しかしてはいけませんよ? そうしないと、わたくしあの子も教育したくなってしまいますもの」
「それだけは、やめて! お願い! あの子は何も悪くない!」
「そうですわねぇ、じゃあ、あの子はもういいですわ。だけど、今後も聖女様がわたくしに何も言わずに勝手をなさるようでしたら、あの子はどうなるかしら? 孤児のようですし、いなくなってもだあれもわかりませんわよね」
「わかった! わかりました! 今後もシスターとしか話しません! 神にも祈ります! だから、やめて!」
「ふふっ、いい子ですね。今後は懲罰は結界内で行いますわ。結界はあまり長い時間出来ないのですが、聖女様がわたくしに癒しをかけてくれればよろしいですわね。これなら、誰にも分かりませんものね。わたくしが指示する時だけ、自分とわたくしに癒しをかけなさい。それまでは、癒す事も許しませんわ。さ、動いてはいけませんわよ」
それからのことは、あまり覚えていない。気絶しそうになるたびに自分と、わたしを癒せと言われ、言われた事を機械のように繰り返すだけだった。気絶も出来ず、今まででいちばん苦しかったが、なんとかあの子だけは守りたかった。
あとで思えば、この時幻影とか使えば良かったんだけど、街で見た現実が衝撃過ぎて忘れていた。誰か助けて、と思いながら、ついあのお兄さんの顔を思い出していた。
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