聖女は世界を愛する

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短編版

〈短編版〉異世界はブラック企業

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「聖女様、今日のお勤めはこれにて終了にございます」

私は、黙って頭を下げて、部屋に戻る。

「あーもう、つっかれたあ!!!」

「聖女様、お言葉が乱れておりますわ」

「部屋の中くらい許して下さいっ!」

「なりません、聖女様はいついかなる時も皆の見本となるよう厳粛にして頂かねば」

「わかりました。失礼しましたわ。神に祈りを捧げたいから、三時間ほどこの部屋に誰も近づけないで頂ける?」

そう言って私は、祭壇の前で祈りを捧げはじめた。

「さすがは、聖女様ですわ」

シスターは、満足そうに笑い部屋を出て行く。

「けっ、なーにが聖女サマ! だよ。勝手に誘拐して、祈りを捧げろって異世界ってホントブラック」

そう、じつはわたしは異世界転移をしたのだ。
こちらに来てからは、聖女だからと色々なことをさせられた。最初は逆らったけど、そしたらご飯も食べられない、神に祈らない聖女に与える食事はないんだって。どんなに苦しんでも誰も助けてくれない。祈れば良いのだから、早く祈れって言うだけ。こいつらホントに自分勝手。餓死しかけて、それでも祈れしか言わないの。空腹は人を狂わせるわよね。必死で祈ったら魔物が消えたって、お祭りはじめやがった。それからは、ご飯は貰えるようになった。でも自由はない。謎のGPSみたいな機能があって、逃げてもすぐつかまるのよね。どこについてんだかわかんないんだけど。

あとさ、意味わかんないのが、聖女で祈りを捧げれば平和になるって信じてて、祈りを捧げない聖女には懲罰がいるとか言って、フツーに鞭打ちとかすんの。ほんっとバカバカしい。異世界からきた、聖女さまーとか崇めてるけど、単なる誘拐犯の言うこと聞かないと生きていくこともできないなんてホントに苦痛。

絶望して、死のうともしたけど、聖女って死なないの。役目を果たすまでは、決して死なないんだって。本当かどうか知らないけど、役目を拒否した聖女は、骨と皮になっても生きて苦しんだとか言われてる。んで、最後には必ず祈って平和になるんだと。意味不明。さすがにわたしは、骨と皮は無理。

それに、祈りを捧げたらあとは自由時間だ。みんなの前でのお祈り時間は早朝と夕方に1時間ずつ。
労働時間は短いわよね!!!

だけど自由なわけではない。

この部屋以外はさっきのお目付シスターが居ないと出れないの。こっそり抜け出しても例のGPSですぐバレる。

あのめんどくさいシスターの監視付きなんて自由時間じゃないわよ!

だから、いい子を演じることにしたの。

お目付シスターは、基本的にわたしの言葉を疑わないから、祈りを捧げたいからと言えば部屋に1人にしてくれる。最初は渋ってきたけど、涙を流して神様とゆっくり対話するにはひとりで集中しないといけないの! 神様のお告げなの! って言ったら真っ青になってひとりにしてくれるようになった。あ、神様のお告げかは知らない。でも一応神様にお願いする力が私にはあるってみんな言うから、祈りを捧げるときに、

「神様、神様、ひとりになりたいから、神様のお告げでひとりで祈りを捧げろと言われたと言ってもいいですか?」

って聞いといた。

「好きにせよ」

って頭の中に声がしたから、好きにさせてもらってる。この声が、わたしの勝手な想像なのか、マジモンの神様かは分かんない。

でも、あのシスターは神のお告げだって小躍りしてたから、大丈夫じゃね?
おかげで、自由を満喫できるもんね。でも、最初は、部屋の周りに大量に見物客がいたんだ。

神の祈り(プライベートタイム)を、邪魔するなよ!

そこで、わたしは更に行動を起こした。

聖女の力で、結界魔法が使えるから、お祈り中は結界を出すことにしたのだ。もちろん、神のお告げとして。結界内だと神の声が雑音がなく聞こえやすいと神にオススメされたと言った。そしたら、他の人もお祈り中に結界を使うようになった。

わたしは結界を24時間使っても平気だし、結界の中でも眠れるけど、他の人は違うらしく、お祈りのあと体力と気力、魔力とやらも消耗しまくるみたいで、お祈りの後は、死屍累々だ。1時間持たないんだって。ちょっとだけ、ざまぁみろって思う。

だから、3時間お祈りできるのは、わたしだけ。ホントはずっとお祈りタイムがいいけど、一回それやったらそんなに祈らないといけないなんて、天変地異の前触れか?! って大騒ぎしてたから、ウザいのでひとまず3時間としてる。でも、他にすることもないし、シスターも邪魔だから、一日2回くらいは3時間の結界内でのお祈りタイム(幸せ時間)にしている。

結界の外には音も漏れないし、中も見えないし、結界展開時に許可した人間以外は入ることもできない。みんなは、わたしが3時間お祈りしてると信じてるけど、こんな貴重な時間、お祈りだけで済ます訳ないでしょ。一応10秒くらいはお祈りするけどね。

「神様、神様、相変わらずの他人任せな教会のやつらムカつきます。街の外の魔物へって、私が街中に行けて、市民のみんなは平和に暮らせますように」

私情が入ってる?
そりゃそうでしょ。祈るだけありがたいと思え。

でも、このお祈り効いてるみたいで、魔物はマジで減ってるらしい。わたしが結界内で必死で祈ってくれるからだって教会のヤツらが威張ってるのはムカつくけど。

ムカついたから、

「自分の手柄でもないものを、さも自分の手柄のように言う者が多いと、神が憂いておいでだ」

って、威厳たっぷりに言ったら、偉そうな教会のオッさん達が何人か居なくなってスッキリした。

というわけで、結界を張って祈りを捧げる時間はわたしのリラックスタイムだ。結界の中で運動をする。今日もみっちり筋トレと、ダンスを踊った。

だけど、汗まみれのこのカッコはまずいので、

「浄化!」

聖女が使える浄化魔法で、身体の汚れも匂いも、汗もスッキリ!!!
お風呂いらずである。

浄化は、ほとんどの人が使える生活魔法でもある。わたしが使うと、魔物とかも消えちゃうらしいけど、いちばん使うのは自分の身体の汚れ落としだ。

普段は、夜寝る前にさっきのシスターが浄化をしてくれる。

聖女の浄化は、貴重だからむやみに使うなとかなんとか。知らねーよ! 逆らうとめんどくさいから、されるがままにしてるけど、シスターの浄化あんまりうまくないのよね。スッキリ感が、なんか違うというか。シスターの浄化は、ただシャワー浴びてるだけな感じ。わたしの浄化は、シャンプーして、身体も石鹸で洗った感じ。
だから、今ここで浄化しておく。そうすれば夜はシスターの浄化だけで我慢できるし。
この結界の中のことはシスターにも見えないし、万が一浄化がバレたら神の指示だとか言うつもり。

この世界、神の指示っていうとみんなあっさり言うこと聞くのよね。とくに、聖女のわたしの言葉はわりと信じてもらえる。神の指示だから、お菓子もってこいとかはダメだけど。神様が言いそうな、ちゃんとしたことなら大丈夫みたい。
以前、鞭打ちが痛すぎて、こんなの神様は許さないわよって叫んだら、みんな真っ青になってさ。

それっきり鞭打ちはなくなった。
だから、いけるかもって思って、教会から鞭を全撤去しろって言ってみた。神様は暴力をお嫌いになるはずだと。神は等しくみなをやさしく包みこむ存在だろうと。

一応、うるさいくらい教義は習ってたから、そこから引用して、教会がやってる暴力行為は、神の怒りを買うぞ。神のご意志を蔑ろにするのか?って言ったら、急に教会の人たちはあわてだしてさ。

神の怒りが怖いみなさんは、あっさり全ての鞭を捨てて、今後暴力を伴う行為をしないから許してくださいと、一週間祈り続けた。

食事も取らず祈るのが怖くて、自分の身体も大事にしてと言うと、神の怒りがとけたと、お祭り騒ぎである。

「ほんっとバカバカしい」

「おいおい、結界内だからって油断しすぎだぜ」

「なによっ! 中にいるのは私たちだけだし、いいじゃない!!!」

「まあそうだが、オレだって暇じゃねーんだぞ」

「護衛のお仕事してよ!」

「してんだろ、聖女サマ。結界がとけた瞬間、聖女様に危険がないように30分前から待機すんのがオレの仕事なんだからさ。結界に入れるからこそ、祈りの邪魔はするなってあのシスター、うるせーんだよ。自分が結界に入れないからってネチネチとさぁ」

「あんなヤツ結界に入れるわけないでしょ! 最初は、一緒に祈るとか言ってたのを、あなたは結界を使えるのだから、自分で結界を使い祈りを捧げなさい。神は、ひとりで静かに祈る祈りをいちばん好んでおられますって言ってなんとかあきらめさせたんだから!!!」

「うわ、それホントなのかよ?」

「神様、神様、わたしはひとりで静かに祈りを捧げるのがいちばん好きです。ひとりの時間が欲しいので、教会のみんなにも、結界でひとりで祈るのおすすめしていいですか? ダメなら5秒以内にお知らせください。5、4、3、2、1、0」

「おいおい……」

「お返事なかったので、みんなにもおすすめしますね! ありがとう神様!」

「雑! 雑だろ?! あのシスターが聞いたらぶち切れるぞ」

「知らないわよ、あんな虐待シスターなんて」

「ああ、そいやお前を鞭打ちしてたの、あのシスターだっけ?」

「そーそー! あなたのためです! とか言いながら嬉しそうにね。絶対ドSよ、あの女」

「なんだ、そのドSって」

「まあ、あれよ。人を虐げると性的興奮を覚える人のことね」

「どんなだよ!?」

「ま、まあ、それはいいじゃん」

さすがに、こんなの説明をするのは恥ずかしい。しかも、ニックに言うのは恥ずかしすぎる。

護衛騎士のニックの前だけは普段の口調で話せるんだよね。結界の中じゃなければ口もきかないけど。
だってあのシスターに目をつけられたらやばいじゃん。

他にも護衛騎士はいるが、ほかの人は黙って待機してくれる。わたしが何をしてても、何も言わない。

泣いてたわたしに声をかけてくれたのは、ニックだけだった。
あとでしこたま怒られて、ニックも鞭打ちの危機だったけど、わたしが、鞭打ちやめろとブチギレた事件を起こしたので、そのまま曖昧になった。役目を外す話も出たが、神はお許しになっている。と言えば、そのまま護衛騎士として残ることを許された。

とにかく、だれかと普通に話したくて、その相手はニック以外には思いつかなかった。わたしは色々な方法を駆使して、疑われないように結界内でだけニックと話すようになった。

最初は警戒されたし、うまくいかなかったけど、必死でお願いして話し相手になってもらった。神のお告げって言えばニックは聞いてくれたんだろうけど、それだけは嫌だったから、とにかく誠心誠意お願いした。

おかげで、ニックが護衛の日はわたしにとって最高の日になった。ニックと話せるなら、あの鞭打ちも耐えられる。もう鞭打ちされることないけどね。

疑われるといけないから、ほかの護衛騎士の人も結界に入れるようにはしているが、ニックが来た瞬間に他の人をシャットアウトしてる。前に他の人が結界に紛れてた事あったのよね。すぐに気がついて追い出したんだけど、なんではじかれたんだ! ってシスターが後で問い詰めてきたから、神は静かな対話をお望みだ。護衛も本来は必要ないのだが、お前たちが心配する気持ちも分かるから、1名は受け入れよと神が仰せだ。それ以上は、結界に入ることを許さんとの事だ。とかなんとか言っておいた。一応あとで神様こう言ったけどいいですかって、さっきのノリで祈ったら、また好きにせよって聞こえたから、好きにしてる。

でも、別の護衛でも2名だとはじかれるのか実験してたから、1名残してはじいてやった。絶対あのシスターの指示よね。

ニックに目をつけられてニックを護衛から外されたりしたらかなわないから、結界の中でしか話さないし、外で見かけても目で追ったりしないように、かなり気を遣ってる。ホントは外で見かけたらずっと見ていたいけど。

ほかの護衛騎士の人も、30分前に結界内に入り護衛をするが、わたしはひたすら祈ってるから会話もしない。ってか、わたしが会話できるのあのシスターだけなのよね。公の場で神のお言葉として話すことはあるけど、他は誰とも話してはいけないって言われた。
話しかけたら、わたしも相手も鞭打ちだもん。まぁ、今は鞭はないけど、それでも会話した相手がかなりかわいそうなことになるから、話せない。
前に話した子がひとり居たんだけど、孤児の子だったから、死刑にするとかシスターが言い出してさ。聖女の修行をちゃんとやるから許してと必死で頼んでお咎めなしにしてもらった。
それ以来、あのシスターとしか会話をしない。

って、こんなん病むやろ!
ふざけんなっつーの!!!

っと、キレても仕方ないね。結界に人が入る時はすぐにわかるから、ニック以外の人は隣の部屋にいてくださいと頼んでいる。集中させてって。
それでも覗いてくる人も多いんだよー! 監視してるつもりなんだろうなぁ。だから、ニック以外の護衛騎士が来たときは、速攻でお祈りポーズをする。

ニックは、週に2回くらいしか護衛任務に入らない。もっと増やして欲しいけど、護衛騎士を指名するのは怖いからやらない。そのかわり、ニックが来たときは、念入りに結界内を調べ、潜んでいる人がいたら排除するようにしてから、ゆっくりお話ししてる。月に一回くらいニックに混じって他の人が潜んでるのよね。ほかの護衛の時もたまに2人入ってくる事あるけど、ニックの時が特に多いと思う。一回、ニックより先に入った奴がいて、その時は泣く泣くニックを結界から排除した。最初にひとり護衛が入ったら2人目からは不要とする結界だって言ってあるからね。

例のシスターは、聖女様は繊細な結界ができるのですね! って誇らしげに言ってた。結界の収容人数を決めたら、人数いっぱいになったら普通は入れもしないらしい。

わたしの結界は何人も受け入れるが、2人以上入り、集中を乱したものは排除するって言ってある。入った人を判別するなんて言ったらまためんどくさそうだもの。実は、一回だけシスターが入ってきたことあるけど、たまたまニックが護衛任務についてて、ちょっと早めに入ってくれたから排除できた。

そのあと、素知らぬ顔して、神が今回の祈りはとんでもない邪魔が入ったと言われていたけど、私が祈ってる間に何かあったの?
護衛の方に話しかけるわけにもいきませんし。って言っておいたら、真っ青になって謝罪を繰り返してた。

んで、大丈夫だけど、2度としないでって言ったら崇められた。

わたしは、神様か。ああ、聖女サマだっけ。

この世界の人で、私を人間扱いする人なんて一人だけだ。

「あー!!! ゆっくりしたい、なんにもしたくない、休日が欲しいー!!!」

「ハイハイ、聖女サマに休みはないもんなあ。これでも食べて元気だしな」

「なにこれ?! 甘い匂い! クッキー?!」

「おう、なんか人気らしーぜ」

「嬉しい! ありがとうニック!」

嬉しすぎて、ニックに抱きつく。

「ちょ、聖女サマがそれはダメだろ」

「いーじゃん、もー、そうだ! 神様、神様、ニックに抱きついてもいいですか?ダメなら1秒以内にお答え下さい! いち!」

「ちょ!」

「よしオッケー!」

またニックに抱きついた。

「雑だろ! さっきから祈りが雑だろ!!」

「いいの! ちゃんと仕事はしてる! あんな誘拐犯どもの願い聞いてるだけありがたいと思え!!!」

「はぁぁ……聖女様ってもっと儚い感じと思ったんだがな」

「なによ! こんなんが聖女で悪かったわね! わたしだってやりたくてやってんじゃないわよっ!」

「いや、オレは今の聖女サマが好きだぜ?」

「なっ?!」

ああ、もう3時間経っちゃう、結界の外であのシスターは待ち構えているだろう。時間を延ばせば、またニックが目を付けられる。

「ちょっと待ってなさいよ!!! 浄化!」

顔が赤いのも、涙の跡も消してくれる浄化、ありがたし。

「あいかわらずすげぇな。聖女サマの浄化。コレを身体の浄化だけに使うなんて無駄遣いだぜ」

「でないと顔赤いのバレるでしょ!!! ホントはお風呂に入りたいけど、コレで我慢してるんだから!」

「その、お風呂ってなんだ?」

「あったかいお湯に、裸で浸かるの。めっちゃ気持ちいいんだよ!」

「へー、この国にはねぇな」

「お風呂あれば、いいのになぁ」

「なんか作れねーか調べてみるか?」

「ホント?! 嬉しすぎる!」

「入る時は、オレが護衛の時だけにしろよ?」

「そりゃそうでしよ? ニック以外じゃバレちゃうじゃない」

「じゃなくてだな! 裸になんだろ!? ほかの護衛が見たらシャレになんねーだろーがよ!!!」

「あ!!!」

お風呂が嬉しすぎて、忘れていた。

「オレも入ってみたいなぁ、なぁ聖女サマ」

ニックは意地悪そうな顔で笑った。

私は、コクコクと頷き、本日3度目の浄化をかけて、結界を解除した。

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