16 / 40
第十六話
しおりを挟む
「ローザ様はルシアン様にお任せすれば問題ないでしょう。カトリーヌお嬢様も寮に戻りますよ。戻ったら、伺いたい事があります」
セバスチャン、怒ってるわよね。顔にもっと早く言えって書いてあるわ。
「セバスチャン……思い出したのはさっきなの、だから、その、ごめんなさい」
「そんな顔をなさらなくても、怒ってはおりませんよ。ですが、思い出した事は全てお話頂きます。よろしいですね」
「もちろんよ!」
…………………………
「あ、お嬢様おかえりなさい! なんだか騒ぎになってましたけど大丈夫でしたか?」
「セバスチャンと、ルシアンが居たから大丈夫よ!」
「ルシアン様が、ぐったりしたローザ様を抱えて屋敷に戻られたと話題になってますよ。キャシー様は、ローザ様はもう危ないじゃないかとか不吉な事言うから、びっくりしました。さすがにメイド仲間も引いてましたよ。スチュアートなんて、キャシーお嬢様にお説教してました」
「そうか、スチュアートはまともなようで安心した」
セバスチャンの弟のスチュアートも優秀なのよね。
「でも、あれだけ叱られても、すぐに分かるとか言って反省してないし、まわりにも言いふらしてるし、酷いです。キレたスチュアートに部屋に軟禁されてました。みんなも今キャシーお嬢様を外に出しておかしな事言いふらされたらお家問題に発展するし、必死に止めてます。キャシーお嬢様は、クッキーがあればメイドのみんなもお願い聞いてくれるとかぶつぶつ言ってましたけど、クッキー全部ローザ様にあげちゃったんですって。はやく屋敷に戻って作らないと! って言ってるけど、クッキーなんて寮でも作れるのに意味わかりませんよ。何度も何度も、ローザ様が死んだらルシアン様の攻略が進むとか言ってて怖いです。やっぱりあのクッキーやばいですよ。みんな最近クッキーの量減らして、セバスチャンの持ってきた紅茶飲ませたらだいぶまともになってきて、クッキーあげるって言っても知らん顔になってきましたし、あのまま食べなきゃ元に戻りませんかね?」
「禁断症状とか出てないか?」
「甘味好きな数名は少し出ましたね。目が虚ろになってきたので、例の紅茶を多めに飲ませたら治りました。あれ、効きすぎて怖いんですけど」
「そうよ! セバスチャン! 紅茶!」
紅茶がアイテムなこと、言わないと! でも、言おうとしたらセバスチャンに止められた。
「メアリー、いますぐキャシーお嬢様の様子を見てきてくれ。あと、スチュアートを呼んできて、代わりにキャシーお嬢様を見張っててくれ。スチュアートが戻るまで絶対キャシーお嬢様を外に出すな。それから、ローザ様の件は、否定せずにローザ様は危ういと思わせたままにしろ」
「……露骨に追い出そうとしますよね。後でいいからきちんと説明して下さいよ」
「あの! メアリーが聞いてもいいんじゃ……」
ひぃ! セバスチャンの圧が怖い!
「今後の作戦を立てるのにスチュアートの協力がいるんです。メアリーにも、後できちんと説明しますよ、お嬢様」
「これ以上セバスチャンを刺激したくないので、行ってきますね。お嬢様、頑張って!」
何を頑張るの!?
セバスチャン、怒ってるわよね。顔にもっと早く言えって書いてあるわ。
「セバスチャン……思い出したのはさっきなの、だから、その、ごめんなさい」
「そんな顔をなさらなくても、怒ってはおりませんよ。ですが、思い出した事は全てお話頂きます。よろしいですね」
「もちろんよ!」
…………………………
「あ、お嬢様おかえりなさい! なんだか騒ぎになってましたけど大丈夫でしたか?」
「セバスチャンと、ルシアンが居たから大丈夫よ!」
「ルシアン様が、ぐったりしたローザ様を抱えて屋敷に戻られたと話題になってますよ。キャシー様は、ローザ様はもう危ないじゃないかとか不吉な事言うから、びっくりしました。さすがにメイド仲間も引いてましたよ。スチュアートなんて、キャシーお嬢様にお説教してました」
「そうか、スチュアートはまともなようで安心した」
セバスチャンの弟のスチュアートも優秀なのよね。
「でも、あれだけ叱られても、すぐに分かるとか言って反省してないし、まわりにも言いふらしてるし、酷いです。キレたスチュアートに部屋に軟禁されてました。みんなも今キャシーお嬢様を外に出しておかしな事言いふらされたらお家問題に発展するし、必死に止めてます。キャシーお嬢様は、クッキーがあればメイドのみんなもお願い聞いてくれるとかぶつぶつ言ってましたけど、クッキー全部ローザ様にあげちゃったんですって。はやく屋敷に戻って作らないと! って言ってるけど、クッキーなんて寮でも作れるのに意味わかりませんよ。何度も何度も、ローザ様が死んだらルシアン様の攻略が進むとか言ってて怖いです。やっぱりあのクッキーやばいですよ。みんな最近クッキーの量減らして、セバスチャンの持ってきた紅茶飲ませたらだいぶまともになってきて、クッキーあげるって言っても知らん顔になってきましたし、あのまま食べなきゃ元に戻りませんかね?」
「禁断症状とか出てないか?」
「甘味好きな数名は少し出ましたね。目が虚ろになってきたので、例の紅茶を多めに飲ませたら治りました。あれ、効きすぎて怖いんですけど」
「そうよ! セバスチャン! 紅茶!」
紅茶がアイテムなこと、言わないと! でも、言おうとしたらセバスチャンに止められた。
「メアリー、いますぐキャシーお嬢様の様子を見てきてくれ。あと、スチュアートを呼んできて、代わりにキャシーお嬢様を見張っててくれ。スチュアートが戻るまで絶対キャシーお嬢様を外に出すな。それから、ローザ様の件は、否定せずにローザ様は危ういと思わせたままにしろ」
「……露骨に追い出そうとしますよね。後でいいからきちんと説明して下さいよ」
「あの! メアリーが聞いてもいいんじゃ……」
ひぃ! セバスチャンの圧が怖い!
「今後の作戦を立てるのにスチュアートの協力がいるんです。メアリーにも、後できちんと説明しますよ、お嬢様」
「これ以上セバスチャンを刺激したくないので、行ってきますね。お嬢様、頑張って!」
何を頑張るの!?
35
お気に入りに追加
4,388
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の物語は始まりません。なぜならわたくしがヒロインを排除するからです。
霜月零
恋愛
わたくし、シュティリア・ホールオブ公爵令嬢は前世の記憶を持っています。
流行り病で生死の境を彷徨った時に思い出したのです。
この世界は、前世で遊んでいた乙女ゲームに酷似していると。
最愛のディアム王子をヒロインに奪われてはなりません。
そうと決めたら、行動しましょう。
ヒロインを排除する為に。
※小説家になろう様等、他サイト様にも掲載です。
ざまぁを回避したい王子は婚約者を溺愛しています
宇水涼麻
恋愛
春の学生食堂で、可愛らしい女の子とその取り巻きたちは、一つのテーブルに向かった。
そこには、ファリアリス公爵令嬢がいた。
「ファリアリス様、ディック様との婚約を破棄してください!」
いきなりの横暴な要求に、ファリアリスは訝しみながらも、淑女として、可憐に凛々しく対応していく。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
義母たちの策略で悪役令嬢にされたばかりか、家ごと乗っ取られて奴隷にされた私、神様に拾われました。
しろいるか
恋愛
子爵家の経済支援も含めて婚約した私。でも、気付けばあれこれ難癖をつけられ、悪役令嬢のレッテルを貼られてしまい、婚約破棄。あげく、実家をすべて乗っ取られてしまう。家族は処刑され、私は義母や義妹の奴隷にまで貶められた。そんなある日、伯爵家との婚約が決まったのを機に、不要となった私は神様の生け贄に捧げられてしまう。
でもそこで出会った神様は、とても優しくて──。
どん底まで落とされた少女がただ幸せになって、義母たちが自滅していく物語。
【完結】前世を思い出したら価値観も運命も変わりました
暁山 からす
恋愛
完結しました。
読んでいただいてありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーー
公爵令嬢のマリッサにはピートという婚約者がいた。
マリッサは自身の容姿に自信がなくて、美男子であるピートに引目を感じてピートの言うことはなんでも受け入れてきた。
そして学園卒業間近になったある日、マリッサの親友の男爵令嬢アンナがピートの子供を宿したのでマリッサと結婚後にアンナを第二夫人に迎えるように言ってきて‥‥。
今までのマリッサならば、そんな馬鹿げた話も受け入れただろうけど、前世を思したマリッサは‥‥?
ーーーーーーーーーーーー
設定はゆるいです
ヨーロッパ風ファンタジーぽい世界
完結まで毎日更新
全13話
ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる
mios
恋愛
ヒロインの味方をずっとしておりました。前世の推しであり、やっと出会えたのですから。でもね、ちょっとゲームと雰囲気が違います。
どうやらヒロインに利用されていただけのようです。婚約者?熨斗つけてお渡ししますわ。
金の切れ目は縁の切れ目。私、鞍替え致します。
ヒロインの味方のモブ令嬢が、ヒロインにいいように利用されて、悪役令嬢に助けを求めたら、幸せが待っていた話。
悪役令嬢は、いつでも婚約破棄を受け付けている。
ao_narou
恋愛
自身の愛する婚約者――ソレイル・ディ・ア・ユースリアと平民の美少女ナナリーの密会を知ってしまった悪役令嬢――エリザベス・ディ・カディアスは、自身の思いに蓋をしてソレイルのため「わたくしはいつでも、あなたからの婚約破棄をお受けいたしますわ」と言葉にする。
その度に困惑を隠せないソレイルはエリザベスの真意に気付くのか……また、ナナリーとの浮気の真相は……。
ちょっとだけ変わった悪役令嬢の恋物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる