156 / 201
星降る世界とお嬢様編
22.お嬢様と金髪の悪役令嬢
しおりを挟む
砦に攻め込んでいた帝国軍は。
上空の飛空船団の撤退に合わせて、引きあげていった。
「負傷者の救助を優先にしろ!」
「運ぶのを手伝ってくださいー!」
私たちは、ケガをした人たちの救護にあたっている。
砦の中にはたくさんのテントが張られて。
ルーランド砦の巨大な広場は、臨時の救護施設になっていた。
「お姉ちゃん!」
背後から泣きそうな声が聞こえた。
振り向くと。
真っ白な魔星鎧を着た黒髪の少女が立っていた。
鎧は日差しを受けて、まるで真珠のようにキラキラ輝いている。
スカートのように見えるフリルや、背中の大きなリボン。
まるで、ウェディングドレスみたい。
知ってるよ。
この衣装って。
ラストイベントで主人公が着ていた鎧だよね。
ゲームでたくさんヒロインの姿は見てきたのに。
目の前の天使のような可愛さに、思わず息をのむ。
ナナミちゃんは、目に涙を浮かべて。
こらえ切れないように唇をかんでうつむいた後。
ぎゅっと私に抱きついてきた。
「よかったぁ、お姉ちゃんに会えたよぉー……」
「ナナミちゃん……」
よく見ると、彼女の鎧にたくさんの傷がついている。
そっと、柔らかい黒髪をなでると。
一瞬驚いた表情で見上げてきて。
涙を流したまま、嬉しそうに微笑んだ。
「お父さんとお母さんも無事ですよ。あと、執事のクレイさんも」
目の前の景色が、涙で大きくゆがんでいく。
……。
……よかった。
よかったよぉ。
みんな無事だったんだ。
私は涙をふいて大きく深呼吸した。
……大丈夫。きっとリリーちゃんも、無事だよね?
**********
<<いもうと目線>>
「さすが星乙女ちゃんよね。ワイバーン隊があんなに早く倒されるなんて」
「感心してる場合じゃないわよ。……あれじゃ私たちがだましたみたいじゃない!」
「あら? あのままだったらアンタの父親死んでたわよ?」
サキの言葉に、思わず言葉を飲み込む。
本当に。
――いろいろ予想外だわ。
まさか、少し帝国の陣形を教えただけで。
攻撃側の帝国軍が追い詰められてるなんて。
しかもモンスターまで引き連れてて、数では圧倒的に勝っていたのに。
「とりあえず、これ以上の攻撃は中止よ。お父様にもそう伝えて」
「いやいや、むりっしょ。あのおっさんやる気満々ですよ」
「人の父親をおっさんって呼ばないの! あと皇帝陛下ね!」
近くで控えてた赤髪の少女に注意すると。
彼女はめんどくさそうな表情をして立ち上がった。
「まぁ、とりあえず伝えてくるわ。これ貸しだからね!」
「いいから、カレンちゃん。さっさと行きなさいね?」
サキの迫力に負けたカレンが、背中の翼を羽ばたかせて飛んでいった。
あの子……絶対私を皇女だと思ってないよね。
私にもサキにも、普通に友達感覚だし。
「……ねぇ、サキ。お姉ちゃん怒ってるかな?」
「んー、さすがに怒ってるかもしれないわねぇ」
普通に考えたら、王国から見たここまでの戦いって。
サキを通して、帝国軍の弱点を入手。
信じて攻め込んだところを、いきなり伏兵でどかーんと撃破。
うん……ダメだ!
どう考えても罠にはめた感じだよ。
言い訳が思いつかない。
「ねぇ、サキ! 今すぐお姉ちゃんのところにゲートを出して!」
「いやよ。そんなことしたら、敵のど真ん中に出ちゃうじゃない。アンタも私もすぐに捕まるわよ」
「それでも! ……私、お姉ちゃんに嫌われたくない!」
「はぁ……」
サキはあきれたように、両手を広げている。
こいつら、私の部下だよね?
なんでこんなにいうこと聞かないのよ!
「落ち着きなさい。何のためにずっと準備をしてきたのよ」
「だって……」
焦る私の両肩に、手を伸ばしてくる。
「あの子は、アンタの事信じると思うわよ。優しいお姉ちゃんなんでしょ?」
サキの言葉で。
私は、前世のお姉ちゃんを思い出す。
キレイな黒髪、やさしい笑顔。
中学までは、ふんわりとしたショートボブだったのに、高校に入ってから長く伸ばし始めて。
私はどっちのお姉ちゃんも大好きだった。
大きな瞳がすごく可愛くて。
妹の私から見ても、すごくきれいな人だった。
お姉ちゃん……。
「それよりさ。私は、こっちの方が怒ると思うわよ?」
サキは、床に縛られて倒れている少女をちらりと見た。
金色の長い髪。
お人形みたいな顔立ち。
乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』で、悪役令嬢として登場する彼女は。
現実では、お姉ちゃんの親友……ううん、それ以上の存在になっているみたいだった。
そんなの許せない!
お姉ちゃんの近くにいていいのは、私だけなんだから!
「だって、ずいぶん姿が変わってるけど、あのリリアナだよ? こんなやつ排除して当然よ!」
リリアナ・セントワーグっていえば。
金髪で縦ロールの、典型的な悪役令嬢キャラ。
第一王子の婚約者だった彼女は。
高飛車で傲慢、親の権力と婚約者の立場を利用してやりたい放題。
攻略対象に近づく主人公に、様々な嫌がらせ行っていた。
何度、あのキャラ殴ってやろうかと思ったか!
「もう……。それはゲームの話でしょ?」
サキはあきれた表情を見せている。
ちょっと、なんでこいつの味方をするわけ?
「ゲームでも現実でも一緒よ! 縦ロールの髪がまっすぐになったからって、性格まで治るわけないじゃない!」
さてどうしてやろうかな。
ずっーと僻地にゲートを出して、一人で放り出すとか。
それか。
私の召使として、ボロボロの服で働かせて。
お姉ちゃんと私が仲良くしてるのを見せつけるとか。
うん。
うんうんうん!
……それいい。
最高だわ!
それでいこう!!
「う……ううん……」
リリアナが気が付いたみたいで、ゆっくり目が開いていく。
私は彼女の目の前に立つと、大きく腕組みをした。
「お目覚めかしら、悪役令嬢リリアナ! お姉ちゃんの代わりに私が退治してやるわ!」
上空の飛空船団の撤退に合わせて、引きあげていった。
「負傷者の救助を優先にしろ!」
「運ぶのを手伝ってくださいー!」
私たちは、ケガをした人たちの救護にあたっている。
砦の中にはたくさんのテントが張られて。
ルーランド砦の巨大な広場は、臨時の救護施設になっていた。
「お姉ちゃん!」
背後から泣きそうな声が聞こえた。
振り向くと。
真っ白な魔星鎧を着た黒髪の少女が立っていた。
鎧は日差しを受けて、まるで真珠のようにキラキラ輝いている。
スカートのように見えるフリルや、背中の大きなリボン。
まるで、ウェディングドレスみたい。
知ってるよ。
この衣装って。
ラストイベントで主人公が着ていた鎧だよね。
ゲームでたくさんヒロインの姿は見てきたのに。
目の前の天使のような可愛さに、思わず息をのむ。
ナナミちゃんは、目に涙を浮かべて。
こらえ切れないように唇をかんでうつむいた後。
ぎゅっと私に抱きついてきた。
「よかったぁ、お姉ちゃんに会えたよぉー……」
「ナナミちゃん……」
よく見ると、彼女の鎧にたくさんの傷がついている。
そっと、柔らかい黒髪をなでると。
一瞬驚いた表情で見上げてきて。
涙を流したまま、嬉しそうに微笑んだ。
「お父さんとお母さんも無事ですよ。あと、執事のクレイさんも」
目の前の景色が、涙で大きくゆがんでいく。
……。
……よかった。
よかったよぉ。
みんな無事だったんだ。
私は涙をふいて大きく深呼吸した。
……大丈夫。きっとリリーちゃんも、無事だよね?
**********
<<いもうと目線>>
「さすが星乙女ちゃんよね。ワイバーン隊があんなに早く倒されるなんて」
「感心してる場合じゃないわよ。……あれじゃ私たちがだましたみたいじゃない!」
「あら? あのままだったらアンタの父親死んでたわよ?」
サキの言葉に、思わず言葉を飲み込む。
本当に。
――いろいろ予想外だわ。
まさか、少し帝国の陣形を教えただけで。
攻撃側の帝国軍が追い詰められてるなんて。
しかもモンスターまで引き連れてて、数では圧倒的に勝っていたのに。
「とりあえず、これ以上の攻撃は中止よ。お父様にもそう伝えて」
「いやいや、むりっしょ。あのおっさんやる気満々ですよ」
「人の父親をおっさんって呼ばないの! あと皇帝陛下ね!」
近くで控えてた赤髪の少女に注意すると。
彼女はめんどくさそうな表情をして立ち上がった。
「まぁ、とりあえず伝えてくるわ。これ貸しだからね!」
「いいから、カレンちゃん。さっさと行きなさいね?」
サキの迫力に負けたカレンが、背中の翼を羽ばたかせて飛んでいった。
あの子……絶対私を皇女だと思ってないよね。
私にもサキにも、普通に友達感覚だし。
「……ねぇ、サキ。お姉ちゃん怒ってるかな?」
「んー、さすがに怒ってるかもしれないわねぇ」
普通に考えたら、王国から見たここまでの戦いって。
サキを通して、帝国軍の弱点を入手。
信じて攻め込んだところを、いきなり伏兵でどかーんと撃破。
うん……ダメだ!
どう考えても罠にはめた感じだよ。
言い訳が思いつかない。
「ねぇ、サキ! 今すぐお姉ちゃんのところにゲートを出して!」
「いやよ。そんなことしたら、敵のど真ん中に出ちゃうじゃない。アンタも私もすぐに捕まるわよ」
「それでも! ……私、お姉ちゃんに嫌われたくない!」
「はぁ……」
サキはあきれたように、両手を広げている。
こいつら、私の部下だよね?
なんでこんなにいうこと聞かないのよ!
「落ち着きなさい。何のためにずっと準備をしてきたのよ」
「だって……」
焦る私の両肩に、手を伸ばしてくる。
「あの子は、アンタの事信じると思うわよ。優しいお姉ちゃんなんでしょ?」
サキの言葉で。
私は、前世のお姉ちゃんを思い出す。
キレイな黒髪、やさしい笑顔。
中学までは、ふんわりとしたショートボブだったのに、高校に入ってから長く伸ばし始めて。
私はどっちのお姉ちゃんも大好きだった。
大きな瞳がすごく可愛くて。
妹の私から見ても、すごくきれいな人だった。
お姉ちゃん……。
「それよりさ。私は、こっちの方が怒ると思うわよ?」
サキは、床に縛られて倒れている少女をちらりと見た。
金色の長い髪。
お人形みたいな顔立ち。
乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』で、悪役令嬢として登場する彼女は。
現実では、お姉ちゃんの親友……ううん、それ以上の存在になっているみたいだった。
そんなの許せない!
お姉ちゃんの近くにいていいのは、私だけなんだから!
「だって、ずいぶん姿が変わってるけど、あのリリアナだよ? こんなやつ排除して当然よ!」
リリアナ・セントワーグっていえば。
金髪で縦ロールの、典型的な悪役令嬢キャラ。
第一王子の婚約者だった彼女は。
高飛車で傲慢、親の権力と婚約者の立場を利用してやりたい放題。
攻略対象に近づく主人公に、様々な嫌がらせ行っていた。
何度、あのキャラ殴ってやろうかと思ったか!
「もう……。それはゲームの話でしょ?」
サキはあきれた表情を見せている。
ちょっと、なんでこいつの味方をするわけ?
「ゲームでも現実でも一緒よ! 縦ロールの髪がまっすぐになったからって、性格まで治るわけないじゃない!」
さてどうしてやろうかな。
ずっーと僻地にゲートを出して、一人で放り出すとか。
それか。
私の召使として、ボロボロの服で働かせて。
お姉ちゃんと私が仲良くしてるのを見せつけるとか。
うん。
うんうんうん!
……それいい。
最高だわ!
それでいこう!!
「う……ううん……」
リリアナが気が付いたみたいで、ゆっくり目が開いていく。
私は彼女の目の前に立つと、大きく腕組みをした。
「お目覚めかしら、悪役令嬢リリアナ! お姉ちゃんの代わりに私が退治してやるわ!」
0
お気に入りに追加
491
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生するも魔法に夢中でいたら王子に溺愛されました
黒木 楓
恋愛
旧題:悪役令嬢に転生するも魔法を使えることの方が嬉しかったから自由に楽しんでいると、王子に溺愛されました
乙女ゲームの悪役令嬢リリアンに転生していた私は、転生もそうだけどゲームが始まる数年前で子供の姿となっていることに驚いていた。
これから頑張れば悪役令嬢と呼ばれなくなるのかもしれないけど、それよりもイメージすることで体内に宿る魔力を消費して様々なことができる魔法が使えることの方が嬉しい。
もうゲーム通りになるのなら仕方がないと考えた私は、レックス王子から婚約破棄を受けて没落するまで自由に楽しく生きようとしていた。
魔法ばかり使っていると魔力を使い過ぎて何度か倒れてしまい、そのたびにレックス王子が心配して数年後、ようやくヒロインのカレンが登場する。
私は公爵令嬢も今年までかと考えていたのに、レックス殿下はカレンに興味がなさそうで、常に私に構う日々が続いていた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
婚約破棄された地味姫令嬢は獣人騎士団のブラッシング係に任命される
安眠にどね
恋愛
社交界で『地味姫』と嘲笑されている主人公、オルテシア・ケルンベルマは、ある日婚約破棄をされたことによって前世の記憶を取り戻す。
婚約破棄をされた直後、王城内で一匹の虎に出会う。婚約破棄と前世の記憶と取り戻すという二つのショックで呆然としていたオルテシアは、虎の求めるままブラッシングをしていた。その虎は、実は獣人が獣の姿になった状態だったのだ。虎の獣人であるアルディ・ザルミールに気に入られて、オルテシアは獣人が多く所属する第二騎士団のブラッシング係として働くことになり――!?
【第16回恋愛小説大賞 奨励賞受賞。ありがとうございました!】
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる