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魔法学校高等部編
43.お嬢様と星空の直し方
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白くて何もない空間。
ふわふわ浮いているような感覚で目を覚ますと。
足元に突然地面のようなものが現れる。
ペタンと座るように着地すると、周囲を見渡す。
見渡す限り真っ白で。
広さも高さも全然わからない不思議なところ。
この場所に来るのって、何回目だっけ?
真っ白な景色でボーっと考えていると。
どこからともなく可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
「お久しぶりですねー、クレナちゃん」
突然。
空中に金色に光る少女が現れて、ふわりと降りてくる。
「あぶない!」
慌てて彼女を受け止めるようと待ち構えていると。
そのまま私に抱きついてきた。
「ありがとうございますー。さすがクレナちゃん」
可愛らしい顔が近づいてくる。
私は、両手で彼女を押し返しながら話しかけた。
「かみたちゃん、お久しぶり。えーと、呼び方。『星乙女ちゃん』の方がいい?」
「あはは、かみたちゃんで平気ですよー」
かみたちゃんは、可愛らしい表情で微笑むと腕をくるっとまわした。
ぽんっと少し大きな音がすると。
ツインテールの赤毛の少女と。
長い白髪の女の子が現れた。
人化した、キナコとだいふくもちだ。
「あれ? またかここですか」
「おう、どこだここ。って、なんだこれ!?」
キナコは、落ち着いた表情で私のそばまでに来ると。
ぎゅっと手をにぎってきた。
だいふくもちは。
私とかみたちゃんを、驚いた顔で見比べている。
え、なに?
どうしたの?
「なぁ、どうなってるんだよ、これ!」
「お久しぶりですねー。だいふくもちー」
かみたちゃんは、戸惑ってる感じの彼女に、可愛らしく微笑んだ。
「お、おう! ひさしぶりだな!」
だいふくもちは、かなりぎこちない表情で挨拶を返す。
そっか。
かみたちゃんが初代星乙女なら、一緒に冒険してたんだもんね。
でも。
――なんで、そんなに不思議そうな表情なの?
「なぁ、これもあれか? 星乙女の力ってやつなのか?」
「まぁ、そんなようなものですよー」
だいふくもちの質問に、指をそっと唇にあてる。
今のかみたちゃんは、ほとんど光ってなくて。
黒髪と大きな可愛らしい黒い瞳がはっきり見える。
すっごい美少女だけど……。
前世の私と同じ、日本人だと……思う。
……以前、ファルシア王国の秘密の地下室でみた絵姿と同じ。
『異世界転移者』のかみたちゃんだ。
「ああ、この姿ですかー?」
私の視線に気づいたかみたちゃんが、少し困った表情をして笑う。
「最近、世界の星の力が減ってきていまして、あまり力が使えないんですよー」
ガトーくんの言葉を思い出す。
王国以外では、星が見えなくなってるって。
やっぱり……本当だったんだ!
「ねぇ、かみたちゃん。星乙女の力って、星空を戻せたりする?」
「あー。セーレスト神聖法国で星空を戻したことですよねー?」
さすが、かみたちゃん。
なんでも知ってるんだ。
「もし、星乙女が星空を戻せるなら……」
「戻せるなら?」
「私とナナミちゃんで世界中周れば、星が無くなったりしないんじゃないかなぁって……」
私の言葉に、すこしきょとんとした顔をしたかみたちゃんは。
悲しそうに眼を伏せてつぶやいた。
「それは難しいですねー。少しだけ星空を直しても、またすぐに元に戻ってしまいますよー」
え? そうなの?
振り返って、後ろにいたキナコを見ると。
大きくうなずいている。
「星のエネルギーを食べる魔物や、影を生み出す人の欲望の方が……残念ですけど勝ってしまいますよー」
人の欲望……。
なんでだろう。
一瞬、法王様の笑っていない瞳が浮かんだ。
**********
<<いもうと目線>>
大陸の三大国家のうち、東西に位置する二つの大国。
アイゼンラット帝国と。
セーレスト神聖法国。
数日にわたった会議が終わって。
私は、やっと自分の部屋に戻ってきた。
出迎えてくれた、魔人のサキは、なんだか不機嫌そうで。
少し頬を膨らませて話しかけてきた。
「どうだったのよ? 法国との話。まさか本当に婚約じゃないわよね?」
「そうね、婚約の話も出たわ」
「ホントなの!」
「ええ。相手は法王の息子、リュートですって。ゲームでも出てきてたわよね?」
「あー、緑髪の竜騎士がいたわ。彼、攻略できたはずよ」
私は疲れた体をベッドに沈める。
最近、予想外のことが起きすぎよ。
「ちょっと、アンタそれでいいの?! 政略結婚ってやつよね?」
「ちゃんと断ったわよ……。お父様も相手も納得してくれたわ」
私の言葉に、サキが安心したように大きなため息を漏らす。
心配してくれてたんだ?
……ホントに。
お姉ちゃんみたいなんだから。
「で、会談の内容って、それだけなの?」
まぁ、いろいろ決まったんだけど。
サキになら話してもいいか。
「サキ、部屋に結界はれる?」
「秘密の話なのね。わかったわ」
彼女は、両手を広げると、部屋の周囲に結界を張り巡らせた。
「さぁ、これでいいわよ。で、どんな話だったのよ?」
「サキ……緑の法国は、ファルシア王国を攻めるわよ!」
「へ?」
サキは、びっくりした顔で固まる。
「まさかぁ、だってゲームでも現実世界でも、ファルシア王国とセーレスト神聖法国は友好国じゃない~」
両手を振って、笑いだした。
まぁ、そう思うよね。
特に、乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』を遊んでた転生者は……。
きっとお姉ちゃんも。
「うん、私もそう思ってたわ。ゲームの中では竜騎士が王国の援軍としてくるくらいだしね」
「え? ちょっとまってよ。……本当なの?」
私の真剣な表情に、サキが慌てだす。
「ええ。西から法国の竜騎士団が攻め込むから、東から私たちに同時に攻め込んで欲しいそうよ」
「ねぇ……うそでしょ?」
「王国を占領したら、ダンジョンを東西に分けて管理するんですって。ほら、あの国、ダンジョンのおかげで魔法石多いから」
「皇帝陛下は、なんておっしゃられてるんです?」
「お父様は……星空がこのままなら、仕方ないって」
窓から見える空は。
ほとんど星が見えない。
ゲームと全く同じ光景だ。
だから……いまだに星空が輝く王国の空が欲しいのね。
本当に、くだらない。
でも。これはチャンスだわ。
私の計画が少し早まっただけ。
「まぁ、いいじゃない。もともと私たちも王国を攻める予定だったんだし」
「それは……そうなんですけどね」
領地も空も、ダンジョンも魔法石もいらないけど。
お姉ちゃん!
お姉ちゃん!
お姉ちゃんだけは!!
必ず王国から……助け出すから!!
ふわふわ浮いているような感覚で目を覚ますと。
足元に突然地面のようなものが現れる。
ペタンと座るように着地すると、周囲を見渡す。
見渡す限り真っ白で。
広さも高さも全然わからない不思議なところ。
この場所に来るのって、何回目だっけ?
真っ白な景色でボーっと考えていると。
どこからともなく可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
「お久しぶりですねー、クレナちゃん」
突然。
空中に金色に光る少女が現れて、ふわりと降りてくる。
「あぶない!」
慌てて彼女を受け止めるようと待ち構えていると。
そのまま私に抱きついてきた。
「ありがとうございますー。さすがクレナちゃん」
可愛らしい顔が近づいてくる。
私は、両手で彼女を押し返しながら話しかけた。
「かみたちゃん、お久しぶり。えーと、呼び方。『星乙女ちゃん』の方がいい?」
「あはは、かみたちゃんで平気ですよー」
かみたちゃんは、可愛らしい表情で微笑むと腕をくるっとまわした。
ぽんっと少し大きな音がすると。
ツインテールの赤毛の少女と。
長い白髪の女の子が現れた。
人化した、キナコとだいふくもちだ。
「あれ? またかここですか」
「おう、どこだここ。って、なんだこれ!?」
キナコは、落ち着いた表情で私のそばまでに来ると。
ぎゅっと手をにぎってきた。
だいふくもちは。
私とかみたちゃんを、驚いた顔で見比べている。
え、なに?
どうしたの?
「なぁ、どうなってるんだよ、これ!」
「お久しぶりですねー。だいふくもちー」
かみたちゃんは、戸惑ってる感じの彼女に、可愛らしく微笑んだ。
「お、おう! ひさしぶりだな!」
だいふくもちは、かなりぎこちない表情で挨拶を返す。
そっか。
かみたちゃんが初代星乙女なら、一緒に冒険してたんだもんね。
でも。
――なんで、そんなに不思議そうな表情なの?
「なぁ、これもあれか? 星乙女の力ってやつなのか?」
「まぁ、そんなようなものですよー」
だいふくもちの質問に、指をそっと唇にあてる。
今のかみたちゃんは、ほとんど光ってなくて。
黒髪と大きな可愛らしい黒い瞳がはっきり見える。
すっごい美少女だけど……。
前世の私と同じ、日本人だと……思う。
……以前、ファルシア王国の秘密の地下室でみた絵姿と同じ。
『異世界転移者』のかみたちゃんだ。
「ああ、この姿ですかー?」
私の視線に気づいたかみたちゃんが、少し困った表情をして笑う。
「最近、世界の星の力が減ってきていまして、あまり力が使えないんですよー」
ガトーくんの言葉を思い出す。
王国以外では、星が見えなくなってるって。
やっぱり……本当だったんだ!
「ねぇ、かみたちゃん。星乙女の力って、星空を戻せたりする?」
「あー。セーレスト神聖法国で星空を戻したことですよねー?」
さすが、かみたちゃん。
なんでも知ってるんだ。
「もし、星乙女が星空を戻せるなら……」
「戻せるなら?」
「私とナナミちゃんで世界中周れば、星が無くなったりしないんじゃないかなぁって……」
私の言葉に、すこしきょとんとした顔をしたかみたちゃんは。
悲しそうに眼を伏せてつぶやいた。
「それは難しいですねー。少しだけ星空を直しても、またすぐに元に戻ってしまいますよー」
え? そうなの?
振り返って、後ろにいたキナコを見ると。
大きくうなずいている。
「星のエネルギーを食べる魔物や、影を生み出す人の欲望の方が……残念ですけど勝ってしまいますよー」
人の欲望……。
なんでだろう。
一瞬、法王様の笑っていない瞳が浮かんだ。
**********
<<いもうと目線>>
大陸の三大国家のうち、東西に位置する二つの大国。
アイゼンラット帝国と。
セーレスト神聖法国。
数日にわたった会議が終わって。
私は、やっと自分の部屋に戻ってきた。
出迎えてくれた、魔人のサキは、なんだか不機嫌そうで。
少し頬を膨らませて話しかけてきた。
「どうだったのよ? 法国との話。まさか本当に婚約じゃないわよね?」
「そうね、婚約の話も出たわ」
「ホントなの!」
「ええ。相手は法王の息子、リュートですって。ゲームでも出てきてたわよね?」
「あー、緑髪の竜騎士がいたわ。彼、攻略できたはずよ」
私は疲れた体をベッドに沈める。
最近、予想外のことが起きすぎよ。
「ちょっと、アンタそれでいいの?! 政略結婚ってやつよね?」
「ちゃんと断ったわよ……。お父様も相手も納得してくれたわ」
私の言葉に、サキが安心したように大きなため息を漏らす。
心配してくれてたんだ?
……ホントに。
お姉ちゃんみたいなんだから。
「で、会談の内容って、それだけなの?」
まぁ、いろいろ決まったんだけど。
サキになら話してもいいか。
「サキ、部屋に結界はれる?」
「秘密の話なのね。わかったわ」
彼女は、両手を広げると、部屋の周囲に結界を張り巡らせた。
「さぁ、これでいいわよ。で、どんな話だったのよ?」
「サキ……緑の法国は、ファルシア王国を攻めるわよ!」
「へ?」
サキは、びっくりした顔で固まる。
「まさかぁ、だってゲームでも現実世界でも、ファルシア王国とセーレスト神聖法国は友好国じゃない~」
両手を振って、笑いだした。
まぁ、そう思うよね。
特に、乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』を遊んでた転生者は……。
きっとお姉ちゃんも。
「うん、私もそう思ってたわ。ゲームの中では竜騎士が王国の援軍としてくるくらいだしね」
「え? ちょっとまってよ。……本当なの?」
私の真剣な表情に、サキが慌てだす。
「ええ。西から法国の竜騎士団が攻め込むから、東から私たちに同時に攻め込んで欲しいそうよ」
「ねぇ……うそでしょ?」
「王国を占領したら、ダンジョンを東西に分けて管理するんですって。ほら、あの国、ダンジョンのおかげで魔法石多いから」
「皇帝陛下は、なんておっしゃられてるんです?」
「お父様は……星空がこのままなら、仕方ないって」
窓から見える空は。
ほとんど星が見えない。
ゲームと全く同じ光景だ。
だから……いまだに星空が輝く王国の空が欲しいのね。
本当に、くだらない。
でも。これはチャンスだわ。
私の計画が少し早まっただけ。
「まぁ、いいじゃない。もともと私たちも王国を攻める予定だったんだし」
「それは……そうなんですけどね」
領地も空も、ダンジョンも魔法石もいらないけど。
お姉ちゃん!
お姉ちゃん!
お姉ちゃんだけは!!
必ず王国から……助け出すから!!
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