前世と前前世で私を殺した犯人はこの中にいます!~今世で犯人にファーストキスを奪われちゃったら、今回も死亡エンド確定なのです~

ハムえっぐ

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エピローグ

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 それからの私は魔王としての力を持ちながらも、普通の学生として過ごす日々。
 
 過去の記憶と現在の経験が融合し、私の中で新たな自分が形成されている……と言っても私は私のままだ。
 
 みんなと一緒に球技大会の準備をしていると、不思議と心が温かくなる。
 魔王だとか勇者だとか関係なく、ただの仲間として過ごせる時間が何よりも幸せだと感じる。

「リーシャ!この球技大会では負けねえ!勝負だ!これからのどんな競技でもな!」

 相変わらず暑苦しいボリスから、体力勝負を申出されたり。

「くそお!次は負けねえからな!」

 球技大会終わった直後のボリスの叫び。
 いや、次も絶対私が勝つからね。
 こりゃあボリスとは一生、勝負することになりそうだなあ。 

「魔王時代の出来事を、この私が書物にして未来に届けましょう!」

 相変わらず知的探究心の塊のフェリクスから、質問攻めされたり。

「くっ!何十年分の記録、この人生で聞き出せるかどうか!」

 いや、そこまで詳細に語らなくっちゃいけないの⁉
 こりゃあフェリクスとは一生、語り合うことになりそうだなあ。
 
「俺はもっと強くなる!リーシャ、子猫ちゃんを呼んでくれ!」

 相変わらず強さを求めるユリウスと、魔獣の森を闊歩したり。

「クソ!絶対に人類最強……いや、この世界で一番強くなってやるぜ!」

 いや、私がいる限り無理だと思うぞ。
 こりゃあユリウスとは一生、鍛える日々が続きそうだなあ。

 てか思い出したけど、子猫ちゃんって魔王だった私の友達だった、あの子の子孫かも。

「にゃんにゃんにゃにゃーん」

 ん?ファーストキスはもう頂いてるって?
 
「って!あんたの舐めまわしはキスに含めないから!」

 まさか、子猫ちゃんも私を狙ってた……だと?

「ただ神に祈りを捧げる僕でしたが、魔王と共に、大陸の平和と安寧のために動いていくのも悪くありませんね」

 相変わらず律儀なニコライから、そんな宣言をされたり。

「と言いますか、神々の信仰をこのまま民に推奨するのは正義に反します。
 リーシャ嬢、神々についての詳細な記録を付けますので協力をお願いします」

 いや、そう言われても私ってただ外界見てただけなんだけど。
 こりゃあニコライとは一生、神の教えについて整理していくことになりそうだなあ。

「リーシャさん、今日もお茶会に使用するクッキー、一緒に作りますわよ」

 相変わらず天真爛漫なソフィアに、連れ去られていったり。

「何故かまた爆発しましたわ!爺やを盾にして助かりましたが、次こそは上手く作りますわ♪」

 いや、ソフィア?変態……もとい爺やさんをもっと大事に扱ったほうがよくね?
 一応それソフィアの祖父で先王なんだよ?
 こりゃあソフィアとは一生、お菓子作って爆発する日々になりそうだなあ。

「リーシャ殿、家内が最近男装にハマったのですが、それがしはどう対応すればよろしいのでしょうか?」

 相変わらず変態な爺やさんに、何故私に聞くんだって人生相談されたり。

「リーシャ~、いっそ全員とファーストキスをしちゃったら~」

 相変わらずお調子者のカリーナから、そんなミッションインポッシブルを提案されたり。

 カリーナの冗談めいた提案に、私は慌てた。
 でも、その言葉の裏に隠された真剣さも感じ取る。

「カリーナ、それは流石に無理だよ~。
 でも、みんなの気持ちは大切にしたい。
 一人一人と向き合って、ちゃんと考えていくつもりだよ」

「そうだね~。リーシャらしいや。あ~、私の未来は誰の愛人になってるんだろう。リーシャ次第だからね~」
「って!カリーナは私を踏み台にする魂胆のままかい!」

 こりゃあカリーナとは一生、冗談言い合ったりしてそうだなあ。
 
「リーシャ、君の決断を待つよ。でも、その間も僕は君を見守り続ける。王子としても、一人の人間としても」

 相変わらず爽やかなイワンから、そんな決意を聞かされたり。

「上沢恵としても、勇者としても、神々の1人としてもね」

 イワンの姿が、恵だった頃と、勇者だった頃、神々だった頃の姿とダブって見えた。

 それはまるで永遠に続く因縁のように。 
 こりゃあイワンとは一生、複雑な関係が続きそうかな?
 
「リーシャ様、貴方様の決断を私は常に支持します。でも、幸せになることだけは忘れないでくださいね」

 相変わらず生真面目なアンゼリカちゃんから、夜空を見上げながら優しく呟かれたり。

「私は神々なんてどうでもよかったのかもしれません。
 ただ、貴方様の側にいられるのを望み、この世界に縛ろうとしていたのです。
 岩下真帆の人生を台無しにした罪は、永遠に消えないでしょう」

「……私が言えるのはこれだけ。
 アンゼリカちゃんも幸せになること!」

 そう私が告げると、アンゼリカちゃんは穏やかに笑みを浮かべたのだった。
 
 こりゃあアンゼリカちゃんとは一生、側にいて頼りまくったり、無理難題言われまくったりしそうだなあ。

 これからの私が、どんな人生を歩んでいくのかはまだわからない。
 でもきっと楽しくなる。

 鏡を見ながら、ふと思う。
 神々だった私、魔王だった私、岩下真帆だった私、そして今のリーシャ・リンベル。全てが私自身だ。
 これからは、全ての経験を糧に、自分らしい道を歩んでいこう。

 いつか、この世界に真の平和をもたらしたい。
 でも、それは魔王としてではなく、一人の人間として。
 みんなと力を合わせて、少しずつ変えていけたらいいな。

 みんながいるから、私は強くなれる。
 そして、みんながいるからこそ、私は弱さを見せられる。
 この絆こそが、私の最大の武器であり、守るべきものなんだ。

 神々との対立、転生、そして新たな人生。
 全てが私を今の私に導いてくれた。
 辛かったこと、悲しかったこと、
 でも、それ以上に幸せだったこと。
 全てが大切な経験だった。

 ファーストキスの相手はまだ決められていない。
 でも、それはこれからの楽しみの一つ。
 みんなとの関係が深まっていく中で、自然と答えが見つかるかもしれない。
 
 その日が来るまで、私はみんなと笑い合い、時に泣き、そして成長し続けていくのだ。
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