26 / 34
第25話 デート イワンの場合
しおりを挟む
夏季休暇中のデート相手も残るはイワンだけとなった。
そして私は、何故かレフレリア王国の王城の謁見の間なんてところで片膝立ちさせられ、イワンも私の横で跪いている。
玉座に座ってるのは、イワンの両親である王様と王妃様だ。
なんか、真顔で私を見ているんですけど。
どっちもイワンと同じ金髪で、イケメンおじさんの王様に超美女の王妃様。
うわ、めっちゃ仕事できそう。
横にもズラリと貴族のおっさんたちが控えていて、超アウェーなんですけど。
「父上、母上、こちらの女性がリーシャ・リンベル。
僕が結婚したいと願う相手です」
イワンの言葉に、王様が顎に手を当てて思案している。
王妃様は扇子で口元を隠しながら、私の品定めをするかのように見てくる。
というかなんだこの状況、イワンめ。
デートで両親のところへ挨拶に行くとか聞いてないぞ。
しかも、なんか王様と王妃様の顔つきが怖いんですけど!
私、何かしたっけ?
「ふむ、平民か。
イワンよ、本気で結婚したいと申すのか?」
王様が、イワンに向かって重々しく口を開く。
「はい、本気です」
イワンも真剣な眼差しで王様を見つめる。
……いや、イワンよ。
こういう話は、まず私と恋人になってからする話だろうが!
ほら、王様も王妃様も平民相手に何言ってやがるんだって顔してるよ。
「ふむ、リーシャとやら。
イワンの嫁になってレフレリア王国の次代の王妃になる覚悟はあるのか?」
ん?受け入れる前提かよ!
なんだ?この王様、息子の嫁が平民で良いのか⁉
「え~っと、ないです」
私の返事で謁見の間の空気は凍りつく。
なんだこの無礼な平民の女とか、イワン王子を誑かした悪女とか、そんな声が聞こえてくる。
「そもそも私はイワン王子とは恋人でもありませんし、ただの友人でございます。
しかもまだ16歳で学生でございます。
王妃になるなんて考えたこともございません」
またもどよめく謁見の間。
王子に何たる無礼とか、陛下に何たる口の聞き方だとかが耳に入ってくる。
ん?そんなに変だった?
もしかして国外追放されるとか?
いや、しょうがないじゃん、平民なんだし礼儀作法は知らなかったということにしてくれ。
私の返事で、王様と王妃様は険しい顔を見合わせて頷き合っている。
「父上、母上、それに集まってくださった皆様。
本日は僕がリーシャと結婚したいと報告したまでです。
僕は彼女の意志を尊重します。
彼女が平民出身だろうが、僕の心は彼女への愛を生涯貫く所存です」
立ち上がって、堂々と演説するイワンに、静まり返る謁見の間。
な、なんだこれ?
これってもしや公開告白ってやつなのか?
わ、悪い気はしないけど、イワンめ、まさかこんな大胆な手段をしてくるとは。
「ふむ、イワンの気持ちはわかった。
そこまで言うのだ!
たとえどんな困難が待ち受けていようが、リーシャ・リンベルを手に入れよ!
手に入れられなかったら王子の身分を剥奪の上、平民として追放だ!」
王様の突然の宣言に謁見の間は当然だという雰囲気が漂っていく。
は?おいおい、第一王子だろ?
そんなんでいいのか?この国は。
「お任せください。このイワン・レフレリア。
見事、リーシャの心を射止めてみせます」
イワンが右手を上げて高らかに宣言すると、謁見の間は拍手喝采に包まれた。
え?何これ?
私への公開告白会ってやつだったわけ? いや、別にイワンのことは嫌いじゃないけどさあ。
なんか釈然としないなあ。
イワンの部屋に呼ばれて2人っきりになっていく。
前回、勉強会でみんなと来た時にズラリと並んでいたメイドさんたちは、廊下で待機してるだけで部屋に入ってこない。
王族の護衛はいいのか?
「リーシャ、すまなかったね」
イワンがメイドさんから受け取った紅茶とお菓子を私に差し出してくれる。
私の前に出されたティーカップからは、紅茶のいい匂いが漂ってくる。
「いいの?あんな宣言しちゃって。
私と結婚しないと王子じゃなくなって追放されるんでしょ?」
このお菓子美味っ!と思いながら、イワンに質問する。
前世で好きだった味だ。
甘さ控えめで、私好みで、手作りの味だ。
「こうしないと、君に僕の本気が伝わらないと思ってね。
後悔はしてないよ」
爽やかスマイルで答えるイワン。
……こいつ、本当に16歳か?なんか大人びてないか?
まあ、確かにイワンのことは嫌いじゃないよ。
イケメンだし、優しいし、頭も良いし、王子だから将来性もあるし。
そんな奴に告白されたら嬉しいに決まってるじゃん!
でも……私の前世を殺した上沢恵の転生体が、私の側の誰かなのだ。
警戒しないわけにはいかない。
でも、ホントにいるのかな?
アンゼリカちゃんの勘違いで、イワンたちの中には勇者なんていないんじゃなかろうか?
だって、イワンもボリスもフェリクスもユリウスもニコライも、ソフィアもカリーナも、みんな私に純粋に好意を向けてくれてる。
私の抱いている感情が恋愛かはわからないけど、これからもみんなと一緒にいたいと思ってるのも本当だ。
この告白でイワンが本気なのはわかった。
なら私も本気で答えなきゃフェアじゃないね!
私はティーカップを置いてイワンに向き直る。
「まだ返答はできないけど、絶対に答えを出すから。
待っててくれるかな?」
「ああ、当然待つさ。
ただ、これからもアプローチはし続けるさ」
そう言って、イワンはウインクして笑った。
うん、やっぱりイケメンだ。
この笑顔にドキッとしたのは事実だから。
「それよりもうすぐ夏季休暇終わっちゃうねえ。
また授業の日々か~」
照れ隠しに話題を変える。
「はは、リーシャの唯一の欠点だね。
勉強でわからない箇所があったら、いつでも聞いてくれたまえ」
「うん、頼らせてもらうよ~。あ、そうだ。
歴史の狐教師め、私だけに夏季休暇の宿題だしたんだった。教えてもらっていいかな?」
「リーシャにだけかい?まあ、彼女は教育熱心だからね。
落ちこぼれを出したくないんだろう」
「あはは、落ちこぼれって酷くない?…………!」
何も考えないで口を開いた私。
頭空っぽにして笑ったが、愕然へと変わる。
私の表情を見て、イワンは私が気づいたと察したのだろう。
笑顔が消えた。
「……王立学校の歴史の教師のあだ名は狸で、おっさんだよね?」
「……そうだね」
「歴史教師で狐ってあだ名だった教師はたしかに存在する。
……けどそれはこの世界じゃない。
日本という国の高校教師のあだ名」
イワンは沈黙した。
まさか、イワンが……⁉
「私はよく彼女から宿題を出されていた。
それを親友に愚痴ったことがある。
その時に親友からも同じように言われたことがある。
『まあ、彼女は教育熱心だからね。
落ちこぼれを出したくないんだろう』
って……」
私の疑念に答えるように、イワンは口を開く。
それは私への告白の時よりも重く、そしてはっきりとした声で……
「真帆はずるいね。
悪気が一切ないのだから。
狐と狸、まさかこんなアホな引っ掛けに引っかかるなんてね」
そんなイワンの言葉に、私の疑念は確信へと変わるのだった。
「イワン・レフレリア……いえ、上沢恵……」
声が震える。
目の前の人物が、かつての親友であり、自分を殺した犯人だという事実に、私の心は激しく揺れる。
豪華絢爛な王宮の一室の中で、2人きりの空間は重苦しい緊張感に包まれていった。
壁面に飾られた歴代王の肖像画が、私たちの出来事を冷めた眼差しで見つめているかのようだった。
「あなたは……私が岩下真帆だった時の親友……そして、私を殺した犯人……」
イワンの表情が一瞬歪むのを目にして、私はついに確信を得てしまった。
彼の目には悲しみや後悔の念が宿っているようだったが、その奥底にはなにか別の感情が渦巻いているようにも感じられた。
私の前世と前前世に何があったのか、その秘密がついに明かされようとしていた。
「よく気づいたね、リーシャ……いや、真帆」
イワンの声は低く、重い。
彼の言葉には、これまでの爽やかさは微塵もなかった。
王宮の豪華な部屋で、私たちの過去が暴かれていく。
イワンが上沢恵だったという事実。
イワンの重厚な声に震えを感じながら、私は彼が上沢恵だったという事実を受け止めていく。
今、この部屋で2人きりになった私たちの行く末が、大きく変わろうとしているのを、直感的に感じ取ることができた。
***
『岩下真帆殺害事件
第1容疑者→犯人
イワン・レフレリア
年齢 16歳 王立学校1年生
容姿 サラサラの金髪 イケメン 長身痩せ型
身分 レフレリア王国第一王子
能力 剣技一流 頭脳明晰 一流冒険者もしているのだ
性格 万民を護る王家の使命に燃えている
人生 前世は親友殺して自殺している
目的 リーシャのファーストキスを奪ったあとに捨てること(なのか⁉)』
そして私は、何故かレフレリア王国の王城の謁見の間なんてところで片膝立ちさせられ、イワンも私の横で跪いている。
玉座に座ってるのは、イワンの両親である王様と王妃様だ。
なんか、真顔で私を見ているんですけど。
どっちもイワンと同じ金髪で、イケメンおじさんの王様に超美女の王妃様。
うわ、めっちゃ仕事できそう。
横にもズラリと貴族のおっさんたちが控えていて、超アウェーなんですけど。
「父上、母上、こちらの女性がリーシャ・リンベル。
僕が結婚したいと願う相手です」
イワンの言葉に、王様が顎に手を当てて思案している。
王妃様は扇子で口元を隠しながら、私の品定めをするかのように見てくる。
というかなんだこの状況、イワンめ。
デートで両親のところへ挨拶に行くとか聞いてないぞ。
しかも、なんか王様と王妃様の顔つきが怖いんですけど!
私、何かしたっけ?
「ふむ、平民か。
イワンよ、本気で結婚したいと申すのか?」
王様が、イワンに向かって重々しく口を開く。
「はい、本気です」
イワンも真剣な眼差しで王様を見つめる。
……いや、イワンよ。
こういう話は、まず私と恋人になってからする話だろうが!
ほら、王様も王妃様も平民相手に何言ってやがるんだって顔してるよ。
「ふむ、リーシャとやら。
イワンの嫁になってレフレリア王国の次代の王妃になる覚悟はあるのか?」
ん?受け入れる前提かよ!
なんだ?この王様、息子の嫁が平民で良いのか⁉
「え~っと、ないです」
私の返事で謁見の間の空気は凍りつく。
なんだこの無礼な平民の女とか、イワン王子を誑かした悪女とか、そんな声が聞こえてくる。
「そもそも私はイワン王子とは恋人でもありませんし、ただの友人でございます。
しかもまだ16歳で学生でございます。
王妃になるなんて考えたこともございません」
またもどよめく謁見の間。
王子に何たる無礼とか、陛下に何たる口の聞き方だとかが耳に入ってくる。
ん?そんなに変だった?
もしかして国外追放されるとか?
いや、しょうがないじゃん、平民なんだし礼儀作法は知らなかったということにしてくれ。
私の返事で、王様と王妃様は険しい顔を見合わせて頷き合っている。
「父上、母上、それに集まってくださった皆様。
本日は僕がリーシャと結婚したいと報告したまでです。
僕は彼女の意志を尊重します。
彼女が平民出身だろうが、僕の心は彼女への愛を生涯貫く所存です」
立ち上がって、堂々と演説するイワンに、静まり返る謁見の間。
な、なんだこれ?
これってもしや公開告白ってやつなのか?
わ、悪い気はしないけど、イワンめ、まさかこんな大胆な手段をしてくるとは。
「ふむ、イワンの気持ちはわかった。
そこまで言うのだ!
たとえどんな困難が待ち受けていようが、リーシャ・リンベルを手に入れよ!
手に入れられなかったら王子の身分を剥奪の上、平民として追放だ!」
王様の突然の宣言に謁見の間は当然だという雰囲気が漂っていく。
は?おいおい、第一王子だろ?
そんなんでいいのか?この国は。
「お任せください。このイワン・レフレリア。
見事、リーシャの心を射止めてみせます」
イワンが右手を上げて高らかに宣言すると、謁見の間は拍手喝采に包まれた。
え?何これ?
私への公開告白会ってやつだったわけ? いや、別にイワンのことは嫌いじゃないけどさあ。
なんか釈然としないなあ。
イワンの部屋に呼ばれて2人っきりになっていく。
前回、勉強会でみんなと来た時にズラリと並んでいたメイドさんたちは、廊下で待機してるだけで部屋に入ってこない。
王族の護衛はいいのか?
「リーシャ、すまなかったね」
イワンがメイドさんから受け取った紅茶とお菓子を私に差し出してくれる。
私の前に出されたティーカップからは、紅茶のいい匂いが漂ってくる。
「いいの?あんな宣言しちゃって。
私と結婚しないと王子じゃなくなって追放されるんでしょ?」
このお菓子美味っ!と思いながら、イワンに質問する。
前世で好きだった味だ。
甘さ控えめで、私好みで、手作りの味だ。
「こうしないと、君に僕の本気が伝わらないと思ってね。
後悔はしてないよ」
爽やかスマイルで答えるイワン。
……こいつ、本当に16歳か?なんか大人びてないか?
まあ、確かにイワンのことは嫌いじゃないよ。
イケメンだし、優しいし、頭も良いし、王子だから将来性もあるし。
そんな奴に告白されたら嬉しいに決まってるじゃん!
でも……私の前世を殺した上沢恵の転生体が、私の側の誰かなのだ。
警戒しないわけにはいかない。
でも、ホントにいるのかな?
アンゼリカちゃんの勘違いで、イワンたちの中には勇者なんていないんじゃなかろうか?
だって、イワンもボリスもフェリクスもユリウスもニコライも、ソフィアもカリーナも、みんな私に純粋に好意を向けてくれてる。
私の抱いている感情が恋愛かはわからないけど、これからもみんなと一緒にいたいと思ってるのも本当だ。
この告白でイワンが本気なのはわかった。
なら私も本気で答えなきゃフェアじゃないね!
私はティーカップを置いてイワンに向き直る。
「まだ返答はできないけど、絶対に答えを出すから。
待っててくれるかな?」
「ああ、当然待つさ。
ただ、これからもアプローチはし続けるさ」
そう言って、イワンはウインクして笑った。
うん、やっぱりイケメンだ。
この笑顔にドキッとしたのは事実だから。
「それよりもうすぐ夏季休暇終わっちゃうねえ。
また授業の日々か~」
照れ隠しに話題を変える。
「はは、リーシャの唯一の欠点だね。
勉強でわからない箇所があったら、いつでも聞いてくれたまえ」
「うん、頼らせてもらうよ~。あ、そうだ。
歴史の狐教師め、私だけに夏季休暇の宿題だしたんだった。教えてもらっていいかな?」
「リーシャにだけかい?まあ、彼女は教育熱心だからね。
落ちこぼれを出したくないんだろう」
「あはは、落ちこぼれって酷くない?…………!」
何も考えないで口を開いた私。
頭空っぽにして笑ったが、愕然へと変わる。
私の表情を見て、イワンは私が気づいたと察したのだろう。
笑顔が消えた。
「……王立学校の歴史の教師のあだ名は狸で、おっさんだよね?」
「……そうだね」
「歴史教師で狐ってあだ名だった教師はたしかに存在する。
……けどそれはこの世界じゃない。
日本という国の高校教師のあだ名」
イワンは沈黙した。
まさか、イワンが……⁉
「私はよく彼女から宿題を出されていた。
それを親友に愚痴ったことがある。
その時に親友からも同じように言われたことがある。
『まあ、彼女は教育熱心だからね。
落ちこぼれを出したくないんだろう』
って……」
私の疑念に答えるように、イワンは口を開く。
それは私への告白の時よりも重く、そしてはっきりとした声で……
「真帆はずるいね。
悪気が一切ないのだから。
狐と狸、まさかこんなアホな引っ掛けに引っかかるなんてね」
そんなイワンの言葉に、私の疑念は確信へと変わるのだった。
「イワン・レフレリア……いえ、上沢恵……」
声が震える。
目の前の人物が、かつての親友であり、自分を殺した犯人だという事実に、私の心は激しく揺れる。
豪華絢爛な王宮の一室の中で、2人きりの空間は重苦しい緊張感に包まれていった。
壁面に飾られた歴代王の肖像画が、私たちの出来事を冷めた眼差しで見つめているかのようだった。
「あなたは……私が岩下真帆だった時の親友……そして、私を殺した犯人……」
イワンの表情が一瞬歪むのを目にして、私はついに確信を得てしまった。
彼の目には悲しみや後悔の念が宿っているようだったが、その奥底にはなにか別の感情が渦巻いているようにも感じられた。
私の前世と前前世に何があったのか、その秘密がついに明かされようとしていた。
「よく気づいたね、リーシャ……いや、真帆」
イワンの声は低く、重い。
彼の言葉には、これまでの爽やかさは微塵もなかった。
王宮の豪華な部屋で、私たちの過去が暴かれていく。
イワンが上沢恵だったという事実。
イワンの重厚な声に震えを感じながら、私は彼が上沢恵だったという事実を受け止めていく。
今、この部屋で2人きりになった私たちの行く末が、大きく変わろうとしているのを、直感的に感じ取ることができた。
***
『岩下真帆殺害事件
第1容疑者→犯人
イワン・レフレリア
年齢 16歳 王立学校1年生
容姿 サラサラの金髪 イケメン 長身痩せ型
身分 レフレリア王国第一王子
能力 剣技一流 頭脳明晰 一流冒険者もしているのだ
性格 万民を護る王家の使命に燃えている
人生 前世は親友殺して自殺している
目的 リーシャのファーストキスを奪ったあとに捨てること(なのか⁉)』
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる