13 / 34
第12話 ニコライ・ベーレンス
しおりを挟む
教会は、レフレリア王国建国時より前からあるそうだ。
大司祭であるニコライの父親は、王家と同様に民衆から崇められてる対象となってるみたい。
私は信心なんてのは持ち合わせていない。
だけど、白一色で、先端が天高く聳える教会の建物からは、神々しい美しさがあって凄いな~って感想を抱いちゃうよ。
特に夕暮れ時の今になると、まるで建物全体が夕日にあたって光ってるようにすら見える。
「すいませ~ん、ニコライはいますか~?」
教会の内部は、ステンドグラスを通して差し込む夕日の光で、幻想的な雰囲気に包まれていた。
祭壇に目を向けると、ニコライが祈りを捧げている姿が目に入る。
光に照らされているニコライの後ろ姿は、まるで宗教画に描かれている1枚の絵画のようだ。
ニコライの祈りの声だけが、かすかに響いている。
その姿は神聖で、まるで別世界の人のようだった。
……美しいなあ。
つい見惚れてしまっていたら、ニコライがこちらを見てきた。
「何故、貴女がここに?」
「いや、だって、あんな感じで帰っちゃったし……」
さて、どう切り出すか?
ニコライって私のことを好きなの?
って聞くのは、自信過剰家みたいに思われるよねえ。
けれど、彼が勇者の転生体かどうかを確認しなくてはならない。
私は深呼吸をして気持ちを落ち着かせていく。
「ニコライって、イワンたちと仲が良いんだね。
みんな心配してたよ?」
「そうですか。わざわざありがとうございます」
「幼馴染ってやつなんだよね。
いいなあ、私も幼馴染がほしかったな~」
軽い口調で、会話のキッカケになるように呟く私だったが、イワンの表情が曇っていく。
「……幼馴染なんて、そんな良いものではありませんよ」
吐き捨てるように、ニコライは言った。
「リーシャ嬢……貴女は想像もしたことがないのでしょう。
幼馴染と比較され、置いていかれる感覚を。
僕は王立学校を卒業したら、この教会で死ぬまで祈りを捧げなければなりません。
それに比べて、イワン殿下たちには才能に見合うルートが、卒業後に用意されています。
イワン殿下も、ボリスも、フェリクスも、ユリウスも、ソフィア嬢も、表舞台できっと歴史に残る偉大な業績を成し遂げるでしょう。
殿下たちは、それだけの才能も持っているのです。
それはきっと、リーシャ嬢に、僕たちと一緒にいて物怖じしなかったカリーナ嬢もです。
それが僕には羨ましく、眩しく、妬ましいのです」
あ、それめっちゃわかるかも。
私だって勇者に2度も殺され人生台無しにされて、今世でも命を狙われてるのだ。
普通に人生送れてる人が羨ましいって思ってるのだ。
それに、前世の岩下真帆時代の親友が才能溢れる子だったから、友人に嫉妬する気持ちも理解できるよ。
「わかるわ~」
思わず漏れる私の本音に、ニコライは何故かブチギレた。
「あなたに、何がわかるというのです!
好き勝手生きて、周囲の人たちを魅了して、僕なんかのことまで気を遣う。
これ以上、僕の心を乱さないでくれ!」
ニコライの怒りに、私は思わず後ずさる。
けれど、ここで引いてはダメだと本能が告げている。
私は、ニコライの本音を受け止めなければならないのだ!
「別にいいじゃない。
ニコライも好き勝手生きたって。
だってそうでしょ?身分や生まれた環境に縛られて生きるのって、自分を殺してるだけだよ。
もっと気楽に生きようよ。
使命とか宿命なんてのより、自分がどう動いて、どう生きたいかの方が重要でしょ?」
私は前世、何も使命や宿命なんてなかったけど、何も成せずに殺されてしまったのだ。
その後悔が、今の私を形作ってる。
だから、ニコライには後悔してほしくないのだ。
「人生は一度きりなんだから、好きに生きなきゃ♪
やらずに後悔するより、やって後悔ってね。
あはは、私ってバカだから、うまく伝わってるかわかんないけど」
私は自分の頭を掻いて、少し恥ずかしげに笑った。
けれど、私の言葉が届いたのか、ニコライの表情から怒りや苛立ちが消え、代わりに決意と希望に満ちた表情へと変わっていく。
その姿は、まるで長い眠りから目覚めたかのようだった。
「リーシャ嬢……君って人は本当に……」
ニコライは、1つ大きく深呼吸をする。
ニコライは少し考え込むような表情を見せてくる。
そして、私の方へ歩いてきた。
え?何?何故に近寄ってくる?
「君の自由な生き方、そして周りの人を惹きつける魅力。
それらが僕の目を開いてくれたんだ」
彼の目に、今まで見たことのない輝きが宿っている。
「僕も、自分の人生を自分で選びたい。
そして……君と一緒に歩みたい」
そしてニコライは跪き、私の手を恭しく取り、手の甲にキスをしたのだ。
彼の柔らかな唇の感触と、真剣な眼差しが、私の心を激しく鼓動させる。
教会の鐘の音と、私の心臓の音が響き渡る中、この瞬間が永遠に続くかのように思えた。
「唇を重ねたいが、今はこれで我慢しよう。
貴女はファーストキスを特別大事そうにしていたね。
なら、それは大事に取っておいた方が良い。
僕、ニコライ・ベーレンスは、リーシャ・リンベルを巡る恋の戦いに参戦すると、ここに宣言しよう」
ニコライは私を見上げて、柔らかな表情を向けてきた。
「いや、その、えっと。
変なことを聞くけど、どうして私を、す、好きになったの?
ほら、そんなに接点なかったし。
意外すぎてビックリっていうか」
私はニコライの真っ直ぐな眼差しを直視できず、しどろもどろになった。
なんだ?このシチュエーションは?
なんで私がモテモテなのだ?
前世で告白された回数ゼロの私。
今世では、ファーストキスを狙ってくる勇者のみに気をつけるように心掛けていたのに!
そんな私の心中を慮ってか知らずか、ニコライは淡々と答えてきた。
「入学式の日、壇上に登った貴女の姿を見た時から。
貴女とファーストキスを重ね合いたいと、僕は思ってしまったんだ」
ニコライの告白に、私はただただ困惑するしかなかった。
な、なんでだ~?
どうして私がモテてるんだ~?
ニコライの爆弾発言で、私の思考回路はショートしたのである。
「フフ、混乱させてしまったね。
ライバルが多いが、絶対に僕が勝つ。
君のファーストキスを奪える日を、楽しみにしているよ」
ニコライは立ち上がり、私にウインクして教会の奥にある扉から出ていってしまった。
ニコライの目に宿る決意。
それは単なる恋心だけでなく、自分の人生を変えようとする強い意志のように見えた。
私の存在が、彼の中で何かを変えたってことなのだろうか?
取り残された私は、ただただ呆然とするしかない。
ニコライまでもが、私のファーストキスを狙っているなんて。
でも、彼の言葉には嘘がないように感じる。
うん、これってニコライは勇者の転生体ではないかも。
だって勇者なら、こんなキザに決めないで強引に奪ってきそうだし。
でも、もしかしたらこれも演技かもしれない……慎重に見極める必要がありそうかな~?
はあ~、この状況で正しい判断ができないよ~。
モテモテの私、慣れないなあ。
イワンたちがこれ知ったら、どんな反応をするだろう。
ニコライまでもが恋のライバルになるなんて……この状況をどう思うんだろう?
なんて考えながら、私はいつの間にか女子寮へと帰っていたのであった。
***
『岩下真帆殺害事件
第6容疑者
ニコライ・ベーレンス
年齢 16歳 王立学校1年生
容姿 銀髪 童顔イケメン 低身長
身分 教会の大司祭の嫡子
能力 万能型だけど特化部分がない
性格 悪人は許しません
人生 リーシャに出会うまでは順調だった
目的 リーシャと結婚すること(本当かは不明)』
大司祭であるニコライの父親は、王家と同様に民衆から崇められてる対象となってるみたい。
私は信心なんてのは持ち合わせていない。
だけど、白一色で、先端が天高く聳える教会の建物からは、神々しい美しさがあって凄いな~って感想を抱いちゃうよ。
特に夕暮れ時の今になると、まるで建物全体が夕日にあたって光ってるようにすら見える。
「すいませ~ん、ニコライはいますか~?」
教会の内部は、ステンドグラスを通して差し込む夕日の光で、幻想的な雰囲気に包まれていた。
祭壇に目を向けると、ニコライが祈りを捧げている姿が目に入る。
光に照らされているニコライの後ろ姿は、まるで宗教画に描かれている1枚の絵画のようだ。
ニコライの祈りの声だけが、かすかに響いている。
その姿は神聖で、まるで別世界の人のようだった。
……美しいなあ。
つい見惚れてしまっていたら、ニコライがこちらを見てきた。
「何故、貴女がここに?」
「いや、だって、あんな感じで帰っちゃったし……」
さて、どう切り出すか?
ニコライって私のことを好きなの?
って聞くのは、自信過剰家みたいに思われるよねえ。
けれど、彼が勇者の転生体かどうかを確認しなくてはならない。
私は深呼吸をして気持ちを落ち着かせていく。
「ニコライって、イワンたちと仲が良いんだね。
みんな心配してたよ?」
「そうですか。わざわざありがとうございます」
「幼馴染ってやつなんだよね。
いいなあ、私も幼馴染がほしかったな~」
軽い口調で、会話のキッカケになるように呟く私だったが、イワンの表情が曇っていく。
「……幼馴染なんて、そんな良いものではありませんよ」
吐き捨てるように、ニコライは言った。
「リーシャ嬢……貴女は想像もしたことがないのでしょう。
幼馴染と比較され、置いていかれる感覚を。
僕は王立学校を卒業したら、この教会で死ぬまで祈りを捧げなければなりません。
それに比べて、イワン殿下たちには才能に見合うルートが、卒業後に用意されています。
イワン殿下も、ボリスも、フェリクスも、ユリウスも、ソフィア嬢も、表舞台できっと歴史に残る偉大な業績を成し遂げるでしょう。
殿下たちは、それだけの才能も持っているのです。
それはきっと、リーシャ嬢に、僕たちと一緒にいて物怖じしなかったカリーナ嬢もです。
それが僕には羨ましく、眩しく、妬ましいのです」
あ、それめっちゃわかるかも。
私だって勇者に2度も殺され人生台無しにされて、今世でも命を狙われてるのだ。
普通に人生送れてる人が羨ましいって思ってるのだ。
それに、前世の岩下真帆時代の親友が才能溢れる子だったから、友人に嫉妬する気持ちも理解できるよ。
「わかるわ~」
思わず漏れる私の本音に、ニコライは何故かブチギレた。
「あなたに、何がわかるというのです!
好き勝手生きて、周囲の人たちを魅了して、僕なんかのことまで気を遣う。
これ以上、僕の心を乱さないでくれ!」
ニコライの怒りに、私は思わず後ずさる。
けれど、ここで引いてはダメだと本能が告げている。
私は、ニコライの本音を受け止めなければならないのだ!
「別にいいじゃない。
ニコライも好き勝手生きたって。
だってそうでしょ?身分や生まれた環境に縛られて生きるのって、自分を殺してるだけだよ。
もっと気楽に生きようよ。
使命とか宿命なんてのより、自分がどう動いて、どう生きたいかの方が重要でしょ?」
私は前世、何も使命や宿命なんてなかったけど、何も成せずに殺されてしまったのだ。
その後悔が、今の私を形作ってる。
だから、ニコライには後悔してほしくないのだ。
「人生は一度きりなんだから、好きに生きなきゃ♪
やらずに後悔するより、やって後悔ってね。
あはは、私ってバカだから、うまく伝わってるかわかんないけど」
私は自分の頭を掻いて、少し恥ずかしげに笑った。
けれど、私の言葉が届いたのか、ニコライの表情から怒りや苛立ちが消え、代わりに決意と希望に満ちた表情へと変わっていく。
その姿は、まるで長い眠りから目覚めたかのようだった。
「リーシャ嬢……君って人は本当に……」
ニコライは、1つ大きく深呼吸をする。
ニコライは少し考え込むような表情を見せてくる。
そして、私の方へ歩いてきた。
え?何?何故に近寄ってくる?
「君の自由な生き方、そして周りの人を惹きつける魅力。
それらが僕の目を開いてくれたんだ」
彼の目に、今まで見たことのない輝きが宿っている。
「僕も、自分の人生を自分で選びたい。
そして……君と一緒に歩みたい」
そしてニコライは跪き、私の手を恭しく取り、手の甲にキスをしたのだ。
彼の柔らかな唇の感触と、真剣な眼差しが、私の心を激しく鼓動させる。
教会の鐘の音と、私の心臓の音が響き渡る中、この瞬間が永遠に続くかのように思えた。
「唇を重ねたいが、今はこれで我慢しよう。
貴女はファーストキスを特別大事そうにしていたね。
なら、それは大事に取っておいた方が良い。
僕、ニコライ・ベーレンスは、リーシャ・リンベルを巡る恋の戦いに参戦すると、ここに宣言しよう」
ニコライは私を見上げて、柔らかな表情を向けてきた。
「いや、その、えっと。
変なことを聞くけど、どうして私を、す、好きになったの?
ほら、そんなに接点なかったし。
意外すぎてビックリっていうか」
私はニコライの真っ直ぐな眼差しを直視できず、しどろもどろになった。
なんだ?このシチュエーションは?
なんで私がモテモテなのだ?
前世で告白された回数ゼロの私。
今世では、ファーストキスを狙ってくる勇者のみに気をつけるように心掛けていたのに!
そんな私の心中を慮ってか知らずか、ニコライは淡々と答えてきた。
「入学式の日、壇上に登った貴女の姿を見た時から。
貴女とファーストキスを重ね合いたいと、僕は思ってしまったんだ」
ニコライの告白に、私はただただ困惑するしかなかった。
な、なんでだ~?
どうして私がモテてるんだ~?
ニコライの爆弾発言で、私の思考回路はショートしたのである。
「フフ、混乱させてしまったね。
ライバルが多いが、絶対に僕が勝つ。
君のファーストキスを奪える日を、楽しみにしているよ」
ニコライは立ち上がり、私にウインクして教会の奥にある扉から出ていってしまった。
ニコライの目に宿る決意。
それは単なる恋心だけでなく、自分の人生を変えようとする強い意志のように見えた。
私の存在が、彼の中で何かを変えたってことなのだろうか?
取り残された私は、ただただ呆然とするしかない。
ニコライまでもが、私のファーストキスを狙っているなんて。
でも、彼の言葉には嘘がないように感じる。
うん、これってニコライは勇者の転生体ではないかも。
だって勇者なら、こんなキザに決めないで強引に奪ってきそうだし。
でも、もしかしたらこれも演技かもしれない……慎重に見極める必要がありそうかな~?
はあ~、この状況で正しい判断ができないよ~。
モテモテの私、慣れないなあ。
イワンたちがこれ知ったら、どんな反応をするだろう。
ニコライまでもが恋のライバルになるなんて……この状況をどう思うんだろう?
なんて考えながら、私はいつの間にか女子寮へと帰っていたのであった。
***
『岩下真帆殺害事件
第6容疑者
ニコライ・ベーレンス
年齢 16歳 王立学校1年生
容姿 銀髪 童顔イケメン 低身長
身分 教会の大司祭の嫡子
能力 万能型だけど特化部分がない
性格 悪人は許しません
人生 リーシャに出会うまでは順調だった
目的 リーシャと結婚すること(本当かは不明)』
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。
櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。
ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。
気付けば豪華な広間。
着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。
どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。
え?この状況って、シュール過ぎない?
戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。
現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。
そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!?
実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。
完結しました。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる