転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 家に帰り、子供たちと戯れてから風呂に入る。これは完全に習慣になっている。その後応接室で一休み。思い出した様に、ストレージで竜泉酒をコピーしてみる。使用する素材は魔力水だ、完全に同じ物では無いが、かなり近い物が出来た。4リットルの小樽に入れて夕食に出してみよう。ついでに醸造用のワイン樽4つ分も作って置いた。1000リットルになる。暫くはこれで凌ごう。完璧にコピーするには何かコツが必要らしい。

 メイドが呼びに来たので食堂に行く、食堂に着いたら中央に小樽を置く。メイドにグラスを持って来る様に伝えて置く。既にルシルとアリアナは来ているがセリーが遅れている様だ。多分、アレクに乳を与えているのだろう。

 全員が揃うと食事になる。僕は竜泉酒を再現してみたんだけどと言って、コピーした竜泉酒を皆に試して貰う。ルシル曰く飲みやすいが熟成が足りてない感じだそうだ。熟成が足りてないって事は時越えの魔法を掛ければ何とかなるかな?

 酒の味を語り合う17歳4人ってどうなんだ?

 そう言えば2月にはアリアナが18歳になる。僕とルシルが7月、セリーが8月だ。僕が転生した年齢が19歳。15歳からを2回やるってのも不思議な感覚だ。

 翌日は稽古の後、帝国の道場へ飛んだ。久しぶりに、子供たちに講義をし、門下生たちの練習を見る。僕が居なくても問題無い様だ。安心した。

 3時には上がり、ハンターギルドへ飛ぶ。昇級試験の事を聞く為に窓口の列に並んだ。時間的に空いている時間だったのか10分程で順番が回って来た。

「あの、昇級試験を受けたいのですが、手続きの方法を教えて下さい。」

「ではギルドカードを見せて下さい。」

 僕がギルドカードを渡すと。

「Gランクですね。すぐにでも試験は受けられますが、どうします?」

 と聞かれた。どうやら下位ランクは毎日何時でも試験が受けられる様に担当者が常駐しているらしい。

「では、すぐにお願いします。」

「それでは、ギルドの裏に回って下さい。試験官が居ますので、この紙を見せて下さい。」

 そう言ってギルドカードと一緒に1枚の紙を渡された。

 ギルドの裏手に回ると結構な広さのグラウンドがあった。そこで何やら数名の人が集まって、模擬戦をしている様だ。

 近づくと、どうやら教官が2人居て、3人が稽古を付けて貰っている。こう言う事もギルドの仕事なんだな。

 教官らしき人に礼をして、紙を渡す。

「お、昇級試験か。得物は何を使うんだ?」

「剣と魔法、両方使います。」

「珍しいな。じゃあ、まず剣で戦って貰う。それで合格ならOK、駄目なら魔法を見よう。」

「解りました。」

 僕はその教官と一緒に、少し離れた場所に移動する。

「まずは模擬戦だ、勝ち負けは関係ない。俺がFランクでもやって行けると思えば合格にする。良いな?」

「解りました。」

 王国の昇級試験ではやり過ぎたからな。ここでは少し手を抜こう。あまり目立ちたくないしね。

 お互いに木刀を持って対峙する。

「よし、何時でも掛かって来い。」

 あ、そう言えば下位ランクの戦闘ってあんまり見た事が無いけど、シン位の動きで良いのかな?

 シンの動きを思い出しながら、教官と打ち合う。途中から教官に合わせて動くようにしてみた。

「よし、そこまで。なかなか良い動きをするな。俺はBランクだが、それに付いて来れるなら文句なく合格だ。」

 あれ?思いっきり手を抜いたのに?

 教官が紙にサインを書いてくれた。合格の文字も書かれている。

「これを受付に出せば手続きをしてくれる。お前ならCランクまでは楽勝だろう。早めにBランクに上がれよ。」

「ありがとうございます。」

 良かった、飛び級とか無い様だ。ギルドマスターとか出て来たらヤバいからな。

 言われた通りに窓口に並んで手続きを終わらせ、無事Fランクに昇級した。

 今日はこれで良いだろう。明日は『緋色の風』と狩りをするかな。

 翌日、9時に何時もの場所で待っていると、リオンが現れた。

「エイジさんおはようございます。今日は行けますか?」

「ああ、大丈夫だ。」

 2人でギルドを出て、『緋色の風』の溜まり場に行く。

「ところで、昨日の成果はどうだったんだ?」

「昨日もオークを狙ったんだが、1日で12匹しか狩れなかったよ。やはり探知魔法ってのは便利なんだな。」

 シンがぼやいている。それでも12匹狩れば金貨24枚だ。今までに比べればだいぶ儲けてるんじゃないかな?

「じゃあ、今日もオーク狙いで行こう。レーネに探知魔法を教えながら狩りをするって事で。」

「そんな事が出来るのか?」

「ああ、探知魔法はそれ程難しい魔法じゃない。魔法の基礎が出来ているレーネなら猶更だ。」

「レーネが探知魔法持ちになれば、うちも強くなれるな。」

 一昨日と同じ西門に向かう。歩きながらレーネに探知魔法のイメージを教えて行く。

「水に小石を落とすと波紋が広がるだろう?あれをイメージして魔法を使うんだ。」

「波紋ですか?」

「そう、自分を中心に波紋が広がるのがイメージ出来れば探知魔法は簡単だ。波紋が何かにぶつかれば波紋は乱れる。魔物は魔素が強い。ならば魔素にぶつかったら波紋が崩れるイメージをするんだ。」

 10分程で魔法は発動する様になった、だが、魔物の探知が上手く行かない様だ。

「魔法は発動している。後はイメージをもっと明確にすれば魔物が探知できるぞ。オークはこの辺の魔物では一番大きい。素早いのは犬の魔物だ。そんな感じで、イメージで魔物を捉えるんだ。」

 更に10分で魔物を捉える事には成功した。だが、種類まではまだ判断できないと言う。まあ、後は実際に魔物を探知して練習するしか無いな。20分でここまで出来るのはある意味凄いんじゃないかな?

 そして西門を出て30分、僕は最初のオークを捉えた。

「オークが居るぞ。レーネも探知してみろ。」

「はい。」

「どうだ?」

「あ、左に大きな反応があります。」

「そいつがオークだ。出て来たらエアカッターで足を止めろ。」

「シン。レーネが足を止めたら頼むぞ。」

「任せろ!」

 まあ、最初から色々とこなすのは無理だろう、だが、覚えないと死ぬぞ。とりあえず今日は僕がメインで探知を引き受ける。レーネには敵の足を止めると言う重要な役がある。

 2時間で19匹のオークを狩ったので、後半はレーネに探知を、リオンに指揮を任せてみる。完全に任せないで、時々僕もアドバイスをするけどね。

 それでも、後半戦だけで、14匹のオークが狩れた。悪くは無いと思うよ。ただ、レーネに探知を任せると魔法使いが僕一人になってしまう。今日は良いが、僕が居ない時はヒルダの負担が大きくなりそうだ。

 今日の収穫はオーク33匹、金貨66枚だ。一人頭金貨13枚と銀貨2枚だ。ヒルダが、1か月分を1日で稼いだと喜んでいた。

「明日は4人で今日の後半を思い出しながら、狩りをしてみて欲しい。レーネは探知と攻撃の両方が出来る様に練習だ。どうやら、僕は一日置きに参加する位が丁度良いみたいだ。今度から、直接溜まり場に参加するよ。」

「解った。それで構わない。今日は助かったよ。」

 シンがリーダーらしく挨拶をする。僕は手を振ってギルドを去った。

 少し歩き、人気のない所で転移する。

 王国の家に飛び、ふと、何かを忘れている様な感覚になる。なんだろう?

 子供たちと戯れ、風呂に入る。あ、リアンに暫く会って無いぞ。ヤバッ忘れてた。

 応接室でお茶を飲みながら考える。明日はアスアスラの所に行こうと思っていたのだが、帝国に行かないと駄目っぽいな。予定が完全に狂ったぞ。仕方ない。明日は道場へ行かずにリアンに会って午後から昇級試験を受けよう。

 翌日稽古の後、帝国に飛び、子爵邸を訪れる。3週間ぶりだ、リアンに泣かれてしまった。怒られるのは慣れているが泣かれるのは困る。

 どうしたら泣き止んでくれる?と聞いたらキスして下さいと言われた。そう言えばリアンの誕生日は6月だったな。もうすぐ成人してしまうぞ、そっちも考えないと行けない。

 軽いキスをして、なんとか泣き止んでくれた。リアンは14歳、僕は現在17歳だが、精神年齢は21歳だ。現代日本なら犯罪だな。

 午後はギルドへ行って昇級試験を受ける。この間と違う試験官だったが、無事Eランクに昇級した。
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