90 / 308
090
しおりを挟む
王都で事件が起きた。真っ先に浮かんだのは悪魔の仕業。しかしサーチを掛けても悪魔の気配は無い。
人間同士の争いなら僕の出番は無いだろう。まあ自分の知り合いが事件に関わってくれば別だが。
それ程気にせずに何時もの日課をこなして行く。まずはブラスマイヤーの稽古からだ。
最近の3人、僕とベルクロスとルシルだが、移動速度がヤバい。転移より早く移動するので時々見失う事がある。また、攻撃力も半端じゃない、3人の模擬戦なら問題無いが、相手がグリーンドラゴン程度ならパンチ一発で倒せるだろう。多分神の領域に入っているはずだが、ブラスマイヤーは特訓を止めようとしない。他のメンバーもそれを楽しんでいる。
あのー、当初の目的を忘れていませんか?
一度ブラスマイヤーに聞いてみた。
「なぁ、もう神界に戻れるんじゃないの?」
「その気になれば可能だろうな。」
「じゃあ、なんで戻らないの?」
「神界は退屈だからな。俺は今の生活が気に入ってるし、お主は神界に行きたくないのであろう?」
「まあ、そうだけど。」
「短い時間だ、思いっきり羽根を伸ばしてから帰ろうと思う。」
どうやら地上が楽しいらしい。困ったもんだ。
稽古の後は農業だ、今日は自分の畑に行く。草むしりをしてから、近所の畑をチェックして回り。腐葉土が減っている場所には追加して行く。
「あんちゃん何時もありがとな!」
知り合いの農家のおっちゃんから声が掛かる。
「いえいえ、これは実験ですのでお気になさらずに。」
「それでも助かってるのは事実だからな。」
「そう言えば王都で事件が起こっているの知ってます?」
「ああ、なんでも切り裂き魔が出たとか、行方不明がどうとかって話か?」
「そうです。この辺でも噂になってますか?」
「ありゃ、北の話だろ?南には関係ないからなぁ。」
ん?北の話?そう言えば事件は全て北で起きている。これは何か意味があるのかな?
王都は卵を逆さまにした様な形をしている。元々は北半分が王都だったらしい。なので、主要な施設は大抵北にある。
北半分の中央に王城があり、その北側に貴族街が広がっている。南側は大手の商会が並んでいる。現在では王都の中央辺りに商店街があるが、基本平民用だ。貴族は商会を通して買い物をする。
冒険者ギルドも以前は北にあったらしいが、建物が大きいので土地の余っていた、南側の西よりに移築したらしい。王都を卵に例えるなら黄身が上に偏っているのをイメージすれば解り易いだろう。黄身の範囲が人口密集地、それ以外が農業地帯となって居る。
王都は非常に大きい。北門から南門まで歩いて4時間以上掛かるだろう。東門から西門は若干短く3時間半程度だ。今でこそ、南側にも住宅地や商店が並んでいるが、昔は荒れ地だったそうだ。荒れ地を開拓した農民たちには敬意を払いたい。
王都の東西南北には門がある。門には砦が付いていて、常時100名程度の兵士が詰めている。緊急時にはこの兵士たちが守りの要となるのだ。
この4つの門のうち町に繋がっているのは北、西、南だ、東は山脈にぶつかるので町は無い。幾つかの村があるそうだが、東門は魔物の襲撃を受けやすいのでここの兵士は激務らしい。
ちなみに昔は西門から下に下って東に行くのが唯一のルートだったが、南門が出来た事により、西門の利用頻度は下がっている。ただ、こちらも大森林に近いので魔物が出やすい。
ちょっと気になる情報を手に入れたので冒険者ギルドに寄ってみた。
受付嬢に王都の事件について知りたいと言ったら。何故かギルマスの部屋に通された。
「よう、今度は王都の事件に首を突っ込んでいるのか?」
「いえ、そう言う訳ではありませんが、ちょっと気になったので受付嬢に聞いただけなんですけどね。」
「今回の事件はちょっと複雑だ。2つの事件が別々なのか1つの事件なのかさえ解っちゃいねぇ。」
「ちなみに被害者の共通点とか無いんですか?」
「被害者はいずれも平民だ。切り裂き魔の方は2人共女性だな。年齢も若い。行方不明の方は年齢も性別もバラバラだ。普通に考えたら別の事件だよな。だがな、場所が引っかかる。全ての事件が限られた範囲内で起こっているんだ。」
「具体的にはどの辺ですか?」
「貴族街から商会通りの間だ。」
「ん?何かおかしく無いですか?被害者は全て平民なんですよね?」
「そう言われればそうだな。平民が普段歩かない場所だ。」
「ですよね?被害者は貴族家の使用人とかじゃ無いですよね?」
「違うな。何故平民がそんな所に居たのか、その辺に答えがある気がするな。」
やはりこれは北の事件だな。平民が何らかの事情で北に向かって事件に会った。そう考えると辻褄があう。
「ふむ、それは気が付かなかったな。その線でもう少し調べてみるとしよう。ところでだ。話は変わるが、依頼を引き受けて貰えないか?」
「依頼ですか?」
「ああ、ここの所東の方に厄介な魔物が出るらしい。駆除しても駆除しても一向に減らない。その原因を突き止めて駆除して欲しい。」
「厄介な魔物ですか?」
「ああ、動物なのか植物なのか解らん魔物だ。」
そんな魔物が居るのか?って言うかそれって食えるのか?駆除って言ったから討伐と違って素材の価値が無いんだろうな。
「ちなみに儲かります?」
「お前さんまだ儲けるつもりなのか?」
「いやいや、タダ働きは嫌ですよ。」
「原因を突き止めたら白金貨2枚、駆除したら白金貨3枚プラスでどうだ?」
正直安いな、まあ、暇だしボランティアもたまにはしないとな。
「解りました。明日にでも行ってきます。」
「それは助かる。ここの所まともなSランカーが育って無くてな。お前さんみたいなのがもう一人いると助かるんだが。」
ああ、遺跡調査でSランク冒険者が何人か死んだし、結婚でホリーさんが引退したしね。王都のSランクってあと何人位居るんだ?
ギルドを辞し家に帰る。リアーナの顔を見て癒される。ああ、可愛いな。セリーの子も早く生まれないかな?
風呂に入る前に執事のルーメンに貴族街から商会通りの間は気を付ける様に皆に伝えてくれと頼んだ。
「貴族街から商会通りの間ですか?」
「今、王都を騒がせている事件だよ。どうも事件はその短い区間内で起こっているらしいから、そこを通る時は一人で通らない様に注意して置いて。」
「解りました。その様に徹底させます。」
風呂に入りさっぱりとして、応接室で何時もの様に寛ぐ。
メイドが呼びに来たので食堂に行く。今日はフルメンバーが揃っている。リアーナはメイドが見てるのかな?
「アリアナ、体調はどうだ?」
「もう、問題ありませんよ。」
「そっか、次はセリーの番だ、先輩としてフォローしてやってくれよ。」
「解りました。」
夕食後部屋で休んでいると、アリアナがやって来た。
「あれ?こっちから行こうと思ってたのに。」
「今日は旦那様と2人切りでゆっくりしたいと思いまして。駄目でしたか?」
「リアーナは大丈夫なのか?」
「はい、さっきおっぱいを上げて来たので暫くは大丈夫だと思います。」
その日は非常に緊張した。なにしろ出産してまだ2週間だよ?本当に大丈夫なの?
翌日、稽古の後、ギルマスからの依頼に行く。東門に転移し外に出た。そう言えば、ここから出るのって初めてかもしれない。
東門から山脈までは15キロほど離れている。間に村が幾つか点在しているそうだが、村人は大丈夫なのだろうか?
サーチを掛けながら歩いているが、魔物の気配は大量にあるが、強そうな魔物は居ない。基本弱い魔物は僕の気配を感じると出て来ない、なので気配遮断を使う。
気配遮断を使うと魔物が姿を現す。ただし、こちらに気付いて居ないので襲っては来ない。
30分程歩いているが、厄介な魔物とやらは出て来ない。代わりに村が見えて来た。村では数名の男女が畑仕事をしている。
柵に囲まれた小さな村だ、家の数も10軒程度だろう。良くこんな場所で生活しようと考えた物だ。
「冒険者か?」
こっちから声を掛けるつもりだったのだが、向こうから掛けて来た。
「なんでも、変わった魔物が出るとの事で調査に来ました。見た事ありますか?」
「ああ、あいつならもう少し東に行くと大量に出て来るぞ、1匹ずつは大した事が無いが、まとまると厄介だ気を付けな。」
ありがとうございますと礼を言って更に東へ進む。
村から30分、ようやく目的の魔物らしき物に遭遇した。そいつは下半身が動物で上半身が植物だ。ラフレシアだっけ?でかい花、あれとウツボカズラを足したような見た目に下半身はカバの様だ。なんじゃこれ?
完全に生態系が狂っているぞ、魔界の生き物か?
つーか目も鼻も無いのにどうやって動いているんだ?触手か?なんか蔓の様な物を伸ばしながら移動しているし。
とりあえず殴ったら紫色の体液をぶちまけて死んだ、うわっ、気持ち悪。毒は無いみたいだけど、殴った感触と体液の色が気持ち悪い。
気持ち悪いので剣を装備した。剣を装備するのは久しぶりな気がする。
集まると厄介って言ってたけど何が厄介なんだろう?
気配遮断をして、暫く進むと、奴らが群れを成していた。確かにこれは駆除だな、討伐じゃない。
気配遮断を切ると途端に奴らが襲って来る。こいつら僕の気を感じても逃げる素振りが無い、脳みそが無いのかな?もしくは恐怖を感じないのかもしれない。
奴らは蔓を伸ばして僕の動きを封じようとして来る。しかし、動きは僕の方が早い、剣で蔓を切り落として行くと動きが鈍くなる。止めを刺そうとしたら爆発した。
え?何?ラフレシア部分は紫の体液だったが、ウツボカズラ部分は酸の様だ。浴びたら色々と大変そうだ。確かにこいつは厄介だな。
蔓を切ると爆発するのか?それとも任意のタイミングで爆発するのか?
あるいは何かセンサーでもあるのだろうか?
まあ、爆発する事が事前に解って居れば対処法もある。結界の魔法で奴らをまとめて閉じ込める、徐々に結界を縮めて行けば・・・
はい、爆発して終わり。やっぱ魔法が一番楽だな。
あれ?今、まとめて30匹位倒したのに全然数が減って無いぞ、むしろ増えてる。どうなってんの?
人間同士の争いなら僕の出番は無いだろう。まあ自分の知り合いが事件に関わってくれば別だが。
それ程気にせずに何時もの日課をこなして行く。まずはブラスマイヤーの稽古からだ。
最近の3人、僕とベルクロスとルシルだが、移動速度がヤバい。転移より早く移動するので時々見失う事がある。また、攻撃力も半端じゃない、3人の模擬戦なら問題無いが、相手がグリーンドラゴン程度ならパンチ一発で倒せるだろう。多分神の領域に入っているはずだが、ブラスマイヤーは特訓を止めようとしない。他のメンバーもそれを楽しんでいる。
あのー、当初の目的を忘れていませんか?
一度ブラスマイヤーに聞いてみた。
「なぁ、もう神界に戻れるんじゃないの?」
「その気になれば可能だろうな。」
「じゃあ、なんで戻らないの?」
「神界は退屈だからな。俺は今の生活が気に入ってるし、お主は神界に行きたくないのであろう?」
「まあ、そうだけど。」
「短い時間だ、思いっきり羽根を伸ばしてから帰ろうと思う。」
どうやら地上が楽しいらしい。困ったもんだ。
稽古の後は農業だ、今日は自分の畑に行く。草むしりをしてから、近所の畑をチェックして回り。腐葉土が減っている場所には追加して行く。
「あんちゃん何時もありがとな!」
知り合いの農家のおっちゃんから声が掛かる。
「いえいえ、これは実験ですのでお気になさらずに。」
「それでも助かってるのは事実だからな。」
「そう言えば王都で事件が起こっているの知ってます?」
「ああ、なんでも切り裂き魔が出たとか、行方不明がどうとかって話か?」
「そうです。この辺でも噂になってますか?」
「ありゃ、北の話だろ?南には関係ないからなぁ。」
ん?北の話?そう言えば事件は全て北で起きている。これは何か意味があるのかな?
王都は卵を逆さまにした様な形をしている。元々は北半分が王都だったらしい。なので、主要な施設は大抵北にある。
北半分の中央に王城があり、その北側に貴族街が広がっている。南側は大手の商会が並んでいる。現在では王都の中央辺りに商店街があるが、基本平民用だ。貴族は商会を通して買い物をする。
冒険者ギルドも以前は北にあったらしいが、建物が大きいので土地の余っていた、南側の西よりに移築したらしい。王都を卵に例えるなら黄身が上に偏っているのをイメージすれば解り易いだろう。黄身の範囲が人口密集地、それ以外が農業地帯となって居る。
王都は非常に大きい。北門から南門まで歩いて4時間以上掛かるだろう。東門から西門は若干短く3時間半程度だ。今でこそ、南側にも住宅地や商店が並んでいるが、昔は荒れ地だったそうだ。荒れ地を開拓した農民たちには敬意を払いたい。
王都の東西南北には門がある。門には砦が付いていて、常時100名程度の兵士が詰めている。緊急時にはこの兵士たちが守りの要となるのだ。
この4つの門のうち町に繋がっているのは北、西、南だ、東は山脈にぶつかるので町は無い。幾つかの村があるそうだが、東門は魔物の襲撃を受けやすいのでここの兵士は激務らしい。
ちなみに昔は西門から下に下って東に行くのが唯一のルートだったが、南門が出来た事により、西門の利用頻度は下がっている。ただ、こちらも大森林に近いので魔物が出やすい。
ちょっと気になる情報を手に入れたので冒険者ギルドに寄ってみた。
受付嬢に王都の事件について知りたいと言ったら。何故かギルマスの部屋に通された。
「よう、今度は王都の事件に首を突っ込んでいるのか?」
「いえ、そう言う訳ではありませんが、ちょっと気になったので受付嬢に聞いただけなんですけどね。」
「今回の事件はちょっと複雑だ。2つの事件が別々なのか1つの事件なのかさえ解っちゃいねぇ。」
「ちなみに被害者の共通点とか無いんですか?」
「被害者はいずれも平民だ。切り裂き魔の方は2人共女性だな。年齢も若い。行方不明の方は年齢も性別もバラバラだ。普通に考えたら別の事件だよな。だがな、場所が引っかかる。全ての事件が限られた範囲内で起こっているんだ。」
「具体的にはどの辺ですか?」
「貴族街から商会通りの間だ。」
「ん?何かおかしく無いですか?被害者は全て平民なんですよね?」
「そう言われればそうだな。平民が普段歩かない場所だ。」
「ですよね?被害者は貴族家の使用人とかじゃ無いですよね?」
「違うな。何故平民がそんな所に居たのか、その辺に答えがある気がするな。」
やはりこれは北の事件だな。平民が何らかの事情で北に向かって事件に会った。そう考えると辻褄があう。
「ふむ、それは気が付かなかったな。その線でもう少し調べてみるとしよう。ところでだ。話は変わるが、依頼を引き受けて貰えないか?」
「依頼ですか?」
「ああ、ここの所東の方に厄介な魔物が出るらしい。駆除しても駆除しても一向に減らない。その原因を突き止めて駆除して欲しい。」
「厄介な魔物ですか?」
「ああ、動物なのか植物なのか解らん魔物だ。」
そんな魔物が居るのか?って言うかそれって食えるのか?駆除って言ったから討伐と違って素材の価値が無いんだろうな。
「ちなみに儲かります?」
「お前さんまだ儲けるつもりなのか?」
「いやいや、タダ働きは嫌ですよ。」
「原因を突き止めたら白金貨2枚、駆除したら白金貨3枚プラスでどうだ?」
正直安いな、まあ、暇だしボランティアもたまにはしないとな。
「解りました。明日にでも行ってきます。」
「それは助かる。ここの所まともなSランカーが育って無くてな。お前さんみたいなのがもう一人いると助かるんだが。」
ああ、遺跡調査でSランク冒険者が何人か死んだし、結婚でホリーさんが引退したしね。王都のSランクってあと何人位居るんだ?
ギルドを辞し家に帰る。リアーナの顔を見て癒される。ああ、可愛いな。セリーの子も早く生まれないかな?
風呂に入る前に執事のルーメンに貴族街から商会通りの間は気を付ける様に皆に伝えてくれと頼んだ。
「貴族街から商会通りの間ですか?」
「今、王都を騒がせている事件だよ。どうも事件はその短い区間内で起こっているらしいから、そこを通る時は一人で通らない様に注意して置いて。」
「解りました。その様に徹底させます。」
風呂に入りさっぱりとして、応接室で何時もの様に寛ぐ。
メイドが呼びに来たので食堂に行く。今日はフルメンバーが揃っている。リアーナはメイドが見てるのかな?
「アリアナ、体調はどうだ?」
「もう、問題ありませんよ。」
「そっか、次はセリーの番だ、先輩としてフォローしてやってくれよ。」
「解りました。」
夕食後部屋で休んでいると、アリアナがやって来た。
「あれ?こっちから行こうと思ってたのに。」
「今日は旦那様と2人切りでゆっくりしたいと思いまして。駄目でしたか?」
「リアーナは大丈夫なのか?」
「はい、さっきおっぱいを上げて来たので暫くは大丈夫だと思います。」
その日は非常に緊張した。なにしろ出産してまだ2週間だよ?本当に大丈夫なの?
翌日、稽古の後、ギルマスからの依頼に行く。東門に転移し外に出た。そう言えば、ここから出るのって初めてかもしれない。
東門から山脈までは15キロほど離れている。間に村が幾つか点在しているそうだが、村人は大丈夫なのだろうか?
サーチを掛けながら歩いているが、魔物の気配は大量にあるが、強そうな魔物は居ない。基本弱い魔物は僕の気配を感じると出て来ない、なので気配遮断を使う。
気配遮断を使うと魔物が姿を現す。ただし、こちらに気付いて居ないので襲っては来ない。
30分程歩いているが、厄介な魔物とやらは出て来ない。代わりに村が見えて来た。村では数名の男女が畑仕事をしている。
柵に囲まれた小さな村だ、家の数も10軒程度だろう。良くこんな場所で生活しようと考えた物だ。
「冒険者か?」
こっちから声を掛けるつもりだったのだが、向こうから掛けて来た。
「なんでも、変わった魔物が出るとの事で調査に来ました。見た事ありますか?」
「ああ、あいつならもう少し東に行くと大量に出て来るぞ、1匹ずつは大した事が無いが、まとまると厄介だ気を付けな。」
ありがとうございますと礼を言って更に東へ進む。
村から30分、ようやく目的の魔物らしき物に遭遇した。そいつは下半身が動物で上半身が植物だ。ラフレシアだっけ?でかい花、あれとウツボカズラを足したような見た目に下半身はカバの様だ。なんじゃこれ?
完全に生態系が狂っているぞ、魔界の生き物か?
つーか目も鼻も無いのにどうやって動いているんだ?触手か?なんか蔓の様な物を伸ばしながら移動しているし。
とりあえず殴ったら紫色の体液をぶちまけて死んだ、うわっ、気持ち悪。毒は無いみたいだけど、殴った感触と体液の色が気持ち悪い。
気持ち悪いので剣を装備した。剣を装備するのは久しぶりな気がする。
集まると厄介って言ってたけど何が厄介なんだろう?
気配遮断をして、暫く進むと、奴らが群れを成していた。確かにこれは駆除だな、討伐じゃない。
気配遮断を切ると途端に奴らが襲って来る。こいつら僕の気を感じても逃げる素振りが無い、脳みそが無いのかな?もしくは恐怖を感じないのかもしれない。
奴らは蔓を伸ばして僕の動きを封じようとして来る。しかし、動きは僕の方が早い、剣で蔓を切り落として行くと動きが鈍くなる。止めを刺そうとしたら爆発した。
え?何?ラフレシア部分は紫の体液だったが、ウツボカズラ部分は酸の様だ。浴びたら色々と大変そうだ。確かにこいつは厄介だな。
蔓を切ると爆発するのか?それとも任意のタイミングで爆発するのか?
あるいは何かセンサーでもあるのだろうか?
まあ、爆発する事が事前に解って居れば対処法もある。結界の魔法で奴らをまとめて閉じ込める、徐々に結界を縮めて行けば・・・
はい、爆発して終わり。やっぱ魔法が一番楽だな。
あれ?今、まとめて30匹位倒したのに全然数が減って無いぞ、むしろ増えてる。どうなってんの?
57
お気に入りに追加
4,347
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる