転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 朝目覚めてふと思った。あれ?僕の誕生日過ぎてない?ヤバい悪魔に気を取られていて、16歳になったのを忘れていた。そう言えばセリーの誕生日も近いと言って居た。

 朝食時に聞いてみると来週誕生日らしい、間に合った。

「えっと、貴族って誕生日のお祝いとかしないのか?」

「6歳と15歳の誕生日は祝いますが、それ以外は特に何もしませんね。」

 6歳は洗礼で15歳は成人の儀式だそうだ。

「誕生日に誰も祝ってくれないのか?それも寂しく無いか?」

「いや、生まれた時からそう言う物なので、特別何も思いませんが?」

 風習が違うとこんなもんか?

 朝食後ルシルが稽古をしたいと言うので2時間ばかり付き合う。流石は暗黒竜。僕の動きを模倣して、それなりに付いて来る。

 その後、ブラスマイヤーと協議する。

「王都の人達も異変に気付き始めている。出来れば短期決戦で片を付けたいのだが、ロードとの一騎打ちでは事は収まらないかな?」

「それは何とも言えんな。頭を失った集団がどんな行動を取るかはある種賭けだな。大人しく逃げてくれれば良いが、無差別攻撃をされたら対処が大変だぞ。」

「ちなみに、例の教会の生き残りの3人は悪魔を呼び出して何をしたかったんだ?」

「奴らはロードに操られていたのでは無いかと思うぞ。最後の大規模儀式は集団で悪魔を呼び出す儀式では無いかと思う。」

「ロード自ら呼び出す事は出来ないのか?」

「悪魔に召喚魔法は使えない。召喚魔法を使えるのは人間だけと言われている。」

「なるほどな。つまりだ、悪魔の数を減らした今、再びロードが誰かを操って儀式を行う可能性があるって事だ?」

「ふむ、条件が揃えばの話だがな。」

「ちなみに悪魔って何処から来るんだ?」

「魔界だ。悪魔の住む世界を魔界と呼ぶ。この国も悪魔に支配されれば魔界となるぞ。」

「やはりロードを放っておけないな。倒す方向で考えたい。」

「1対1ならお主が遅れを取るとは思わない。しかし、上級悪魔を呼ばれると厄介だぞ。」

「つまり、なるべく短時間で倒すなり封印すれば良いんだな?」

「そうなるな。」

「じゃあ、サクッと行きますか。」

 さっきからサーチでロードの居場所は捉えている。油断すると気配を消すのでマーキングしてある。例の貴族の家だ。周りに他の悪魔の気配は無い。チャンスと言えばチャンスだが、家の中での戦闘は不味いだろう。どうする?

 転移でロードの目の前に飛ぶ、驚いている老紳士の肩に触れもう一度転移。大森林だ。ここなら派手に戦闘をしても問題無い。

「なんだ、貴様は?」

 答えの代わりに聖水を掛けた。油断してなければレジスト出来たのだろうが、不意を突いたので右半身が焼けただれ黒い皮膚が見えている。

「正体がバレちゃいましたね。どうします?」

「殺す。」

 さて、短期決戦だったな。最初から全力で行くぞ。

 転移で真上からヘルファイア、そのままロックパイル2連発。ってロックパイルをレジストされた。

 再生も他の悪魔より早いぞ。こうなったらフェイントを織り交ぜるしかないか?

 転移から蹴り、アイスランスと削り、フェイントで聖水を掛ける。流石にレジスト出来ずに苦しんでいる所にヘルファイア2発、止めにロックパイルと見せかけてもう一度聖水。その後心臓にロックパイル2発。

 どうやら聖水と魔法を同時にレジストする事は出来ない様だ。だが、再生能力が半端では無い。ボロボロにしたはずが数秒で元に戻っている。

「ブラスマイヤー、ヤバくない?」

「再生能力を封じろ。」

「どうやって?」

「何のための聖剣だ?」

 おお、忘れてた。

 聖剣を抜いて構える。ロードが一瞬怯んだように見えた。転移から蹴り、が躱された、早いぞ。だがついていけない速さでは無い。追いつき聖剣を振り上げヘルファイア、更にロックパイル、アイスランスと魔法を立て続けに打つ。次の魔法はレジストされるだろう。一回聖水をフェイントで掛ける。隙が見えた所で聖剣で袈裟懸けに切りつける。ん?さっきより再生速度が遅い。

 チャンスと見て、アイスランスとロックパイルで傷口を広げる、そこへ聖剣の追い打ち。かなりダメージがあるはずだが、倒れない。

 とにかく再生をさせちゃ駄目だ。ヘルファイアからアイスランス、聖水を掛けてから更に聖剣で腕を落とした。だが、傷を負うごとに奴から感じる危険信号が強くなる。何か隠しているのか?

 再生させない為に攻撃を続ける。魔法と聖水、聖剣を相手にレジストされない様に組み合わせる。

「何故倒れない?」

「早くしないと上級悪魔が来るぞ。」

 解ってるんだけどさぁ。速度では勝っている。攻撃力でも勝っている。しかし再生がやっかいだ。

 転移から足を狙って聖剣を振る。左足を落とした。聖水の瓶を振り上げ掛けると見せかけてアイスランス。更にロックパイル。怯んだ?その瞬間を狙って奴にマジックバッグを被せた。

 マジックバッグはロードを飲み込み更に地面も1メートル程飲み込んだ。

「終わったのか?」

「その様だな。」

「これって、最初からマジックバッグを使えば良かったんじゃない?」

「かもな。上級悪魔が2体こちらに向かって居る。使ってみたらどうだ?」

「つーか、これ10個も作ったけど1個で十分だったな。」

「まあ、別の機会に使えるかもしれんぞ。」

 その後2体の上級悪魔をマジックバッグに飲み込んで家路についた。

 さて、残る上級は1体、悪魔たちはどう動くだろう?

 家で寛いでいるとセリー達3人が買い物から帰って来た。

「なんか町で色々な噂を聞きましたよ。」

 アリアナが突然言い出した。

「噂?」

「バケモノが出たとか、行方不明者が沢山出てるとか、王都で何か異変が起きている様です。」

「異変ねぇ。僕の情報網には今の所何も掛かって無いけどな。解った調べて置くよ。」

 その後3人は買って来たものを広げてキャッキャと騒いでいた。平和だ。

 翌朝早くにブラスマイヤーに起こされた。

「どうした?何かあったのか?」

「王都の悪魔の反応が消えたぞ。」

 慌てて僕もサーチをかける。悪魔の反応が1つも無い。

「どう言う事だ?」

「おそらく魔界に帰ったのではないか?」

「魔界かぁ。これで終わりじゃ無いんだろうな。」

 あれ?これって不味くね?一気に40人近い人間が姿を消す事になるんじゃ?

 その後、王都で謎の大量神隠し事件と言うのが噂される様になる。

 
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