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暫く歩くと1軒目の家に着いた様だ。宿屋から結構近い。これなら宿屋に食事に行くのにも便利だな。って言うか家でかくない?石造りだし。
周りを見ると石造りの家が多い。宿屋は木造だったよな?
「この辺って石造りの家が多いんですか?」
判らない時は担当者に聞くのが早い。
「そうですね。基本平屋は石造りです。2階以上の建物は強度の問題で木造になりますね。」
「と言う事は、今日紹介してくれる家は全部石造り?」
「そうなります。何か問題でも?」
「いや。石造りのメリットって何かなと思って。」
「火事になりにくいと言う事と夏涼しいって事ですかね。」
「夏涼しいって事は冬は寒いと?」
「まあ、そうなります。魔法が使えれば問題にはなりませんがね。」
なるほど、暖房の魔法があるのか?とりあえず家を見せて貰おう。家は平屋だが1LDKでLDKがかなりでかい。12畳位はあるだろう。寝室も大きく8畳はある。つーかLDKにベッドを置いたら前世の僕の部屋より広いし。十分じゃん。異世界不動産安っ!地方都市だと考えても1軒家で家賃7万はなかなか無いぞ。
「他の物件も似たようなもんか?」
「基本作りは似た様な感じになりますね。違いは立地ですかね。」
「なら、ここに決める。」
「よろしいので?」
「家賃は銀貨7枚だったな?」
5か月分の金貨3枚と銀貨5枚を渡し、鍵を受け取る。サインをして完了だ。
「中にある家具は自由に使って構いません。気に入らなければ捨てても大丈夫です。それから、延長の時はギルドへお越し下さい。」
そう言えば、気が付かなかったが家具が付いていたな。宿屋の癖で当然だと思って居た。それによく見ると庭が広いな。剣術の練習や魔法の練習が出来そうだ。
これだけ揃っていると買う物が少なくて助かる。基本食事は外食だから、購入するのは毛布と洋服位だな。明るい内に買い物を済ませよう。
商店街に向かう。毛布は安かった。銅貨5枚だ。日本円で500円だな。洋服が高い。古着なのに平気で銀貨2~3枚する。3万の古着ってビンテージじゃん。とりあえず着れそうなシャツとズボンを2着ずつ下着を3枚買った。これだけで金貨が1枚飛んだ。古着屋で10万円って、日本ではありえん。
そう言えばこの世界は食事が2食らしい。朝と晩で昼が無い。理由は朝日が昇ると起きて日が沈むと寝るからだ。起きている時間が短いので食事が2回でも問題無いらしい。しかし、現代日本人にはちと問題がある。生活魔法で明かりが使えると言う事は夜も行動できると言う事だ。流石に夕方の6時や7時には眠れない。そうなると必然的に夕食が遅くなり、昼飯が必要になる。あるいは夜食と言う手もあるが、いずれにせよ3食食べたい。
人通りが少ない所を見計らいブラスマイヤーに尋ねる。
「なぁ、この世界で昼飯食う奴っていないのか?」
「職人なんかは昼に軽い食事をする者も居るぞ。軽食屋や喫茶店で軽い食事が取れるぞ。」
ほう?軽食屋に喫茶店か?気になるから行ってみよう。
ブラスマイヤーに矢印を出して貰い軽食屋とやらに行ってみる。
軽食屋は食堂より小さめの店舗で、そこで食べると言うよりはテイクアウトが基本らしい。サンドウィッチやスープ類が数種類並んでいる。日本のピザ屋の様な感じかな?適当に購入してストレージにぶち込む。
次に食堂に向かい夕食を食べる。宿屋の食事も美味かったが、ここの食事も美味い。美味いので3食分テイクアウトしたいと店員に頼む。こちらもストレージにぶち込んで置く。
家に戻ると既に日が暮れていた。ライトで明かりを灯す。このライトと言う生活魔法、通常は30分位で消えるらしいが、僕が点けると2時間は持つ。これも神様補正なのだろうか?
魔法と言えば、魔法が覚えたい。
「なあ、ブラスマイヤー。魔法って誰でも使えるんだよな?」
「そうだな。基本魔法は誰でも使える。ただし、使うにはイメージが大切だ。イメージ出来ないと魔法の威力が落ちる。」
「6日後に冒険者の試験がある。それまでに魔法を覚えたい。」
「自分が無茶を言ってるのを理解しているか?」
「まあな、無理なら1か月で攻撃魔法を3つ覚えたい。これならどうだ?」
「魔法の基礎は教えただろう?魔力を流す事は出来る。だが、それを外へ向けるのはかなり難しい。普通は3年位かけてじっくり学ぶ物だ。」
「まあ、無理なら無理で良い。明日の朝、教えてくれ。」
「解った。理論だけは教えてやろう。」
翌朝、広い庭に出て周りを確認する。ここなら隣の家まで結構距離もあるし、ブラスマイヤーと会話していても問題無いだろう。
「早速だが魔法を教えてくれ。」
「魔法を使うにはまず空気中の魔素を集める必要がある。前にカードに魔力を流すのに体の中から魔素を集めただろう?今度は空気中から魔素を集めて掌に集中させてみろ。」
イメージは空気中の魔素を掌に集める。こんな感じかな?どの位集めれば良いのだろうか?
「魔素の操作はなかなかだ。次はそれを火に変換してみろ。火が何故燃えるか知っているか?」
「酸素があるからだろ?」
「ほう?正解を出す者がこの世に居るとは思わなかったぞ。お前の世界は余程化学が進んでいる様だ。」
魔素を火に変換する?魔素を可燃性のガスに変換して着火すれば良いのか?
そう考えたら掌から1瞬だけ大きな火が出た。
「うわっ!吃驚した。」
「ほう?なかなか筋が良いな。初めてでそれが出来るなら次は炎を安定して出せる様にイメージしてみろ。」
炎を安定して?って言うとガスバーナーかな?魔素を可燃性のガスに変換してそれを小さな穴から噴射するイメージをしてから着火。それから、安定供給のイメージだな。
掌から青白い炎が噴き出す。火は小さいが安定している。
「普通はそれを覚えるのに3か月は掛かるぞ。」
「そう言う物なのか?」
「次は火の玉を作ってみろ。」
火の玉?いきなりハードル上がったな。イメージは、可燃性の物質いや、布にガソリンを含ませる感じかな?そうイメージすると。轟々と燃える火の玉が出来た。
「ちょっと威力があり過ぎるが、まあ合格だ。今度はそれを飛ばしてみろ。直線で10メートルだ。」
飛ばす?10メートルって投げちゃだめだよね?となるとイメージは弓か銃だな。弓の先に火が付いている『火矢』のイメージ。それを飛ばす。
「それはファイヤーアローだな。俺が望んだのはファイヤーボールだ。」
「ん?違うのか?」
「普通はファイヤーアローの方が難易度が高い。」
あら?呆れられてる?ファイヤーボールならそう言ってくれればイメージ出来るのに。そう言ってファイヤーボールを撃ってみる。
「やれば出来るでは無いか。」
「いや、これって攻撃魔法としてはどの位の威力があるんだ?」
「ゴブリン程度なら即死だな。だが、ここの所お前が狩っている魔物には通用しない。精々威嚇に使えるくらいだ。」
「魔力切れって無いんだろう?だったらもっと実用的な魔法を教えてくれよ。」
「そうだな。かまいたちって知ってるか?」
「ああ、真空で物を切る空気の現象だな。」
「知っているなら、そのイメージで空気魔法を使ってみろ。」
かまいたちか、理論は知っているが実際に見た事は無い。イメージし切れるか?かまいたちをイメージしながら魔素を空気に変換させ、飛ばしてみる。
魔法は発動したが切る対象が無いので何も起こらない。失敗か?
「悪く無いな。ちゃんとウインドカッターが発動したぞ。」
「成功してたのか?」
「威力は低かったが成功はしていた。今度は地面に木でも置いて練習するんだな。」
「解った。で、僕の魔法の腕前ってどうなんだ?」
「そうだな。イメージがしっかり出来ているので、あとは威力を上げれば1人前になるな。狩りに出るなら実践でどんどん使ってみろ。それが上達の早道だ。」
そう言われたので午後は狩りに出た。魔法は実践では殆ど役に立たなかったが金貨は40枚程稼げた。
「戦闘中でもイメージをしっかり持たないと駄目だな。その辺が課題だ。」
「いや、動きながら攻撃魔法ってどうなの?」
「ソロなら当たり前だ。出来なければ死ぬぞ。」
いやいや、難易度上げ過ぎだよ。初心者だって忘れてない?
その日から毎日狩りに出て実践訓練を続けたが、流石に試験までには間に合いそうに無い。明日が試験だし。
ちなみに4日で金貨200枚は稼いだ。
周りを見ると石造りの家が多い。宿屋は木造だったよな?
「この辺って石造りの家が多いんですか?」
判らない時は担当者に聞くのが早い。
「そうですね。基本平屋は石造りです。2階以上の建物は強度の問題で木造になりますね。」
「と言う事は、今日紹介してくれる家は全部石造り?」
「そうなります。何か問題でも?」
「いや。石造りのメリットって何かなと思って。」
「火事になりにくいと言う事と夏涼しいって事ですかね。」
「夏涼しいって事は冬は寒いと?」
「まあ、そうなります。魔法が使えれば問題にはなりませんがね。」
なるほど、暖房の魔法があるのか?とりあえず家を見せて貰おう。家は平屋だが1LDKでLDKがかなりでかい。12畳位はあるだろう。寝室も大きく8畳はある。つーかLDKにベッドを置いたら前世の僕の部屋より広いし。十分じゃん。異世界不動産安っ!地方都市だと考えても1軒家で家賃7万はなかなか無いぞ。
「他の物件も似たようなもんか?」
「基本作りは似た様な感じになりますね。違いは立地ですかね。」
「なら、ここに決める。」
「よろしいので?」
「家賃は銀貨7枚だったな?」
5か月分の金貨3枚と銀貨5枚を渡し、鍵を受け取る。サインをして完了だ。
「中にある家具は自由に使って構いません。気に入らなければ捨てても大丈夫です。それから、延長の時はギルドへお越し下さい。」
そう言えば、気が付かなかったが家具が付いていたな。宿屋の癖で当然だと思って居た。それによく見ると庭が広いな。剣術の練習や魔法の練習が出来そうだ。
これだけ揃っていると買う物が少なくて助かる。基本食事は外食だから、購入するのは毛布と洋服位だな。明るい内に買い物を済ませよう。
商店街に向かう。毛布は安かった。銅貨5枚だ。日本円で500円だな。洋服が高い。古着なのに平気で銀貨2~3枚する。3万の古着ってビンテージじゃん。とりあえず着れそうなシャツとズボンを2着ずつ下着を3枚買った。これだけで金貨が1枚飛んだ。古着屋で10万円って、日本ではありえん。
そう言えばこの世界は食事が2食らしい。朝と晩で昼が無い。理由は朝日が昇ると起きて日が沈むと寝るからだ。起きている時間が短いので食事が2回でも問題無いらしい。しかし、現代日本人にはちと問題がある。生活魔法で明かりが使えると言う事は夜も行動できると言う事だ。流石に夕方の6時や7時には眠れない。そうなると必然的に夕食が遅くなり、昼飯が必要になる。あるいは夜食と言う手もあるが、いずれにせよ3食食べたい。
人通りが少ない所を見計らいブラスマイヤーに尋ねる。
「なぁ、この世界で昼飯食う奴っていないのか?」
「職人なんかは昼に軽い食事をする者も居るぞ。軽食屋や喫茶店で軽い食事が取れるぞ。」
ほう?軽食屋に喫茶店か?気になるから行ってみよう。
ブラスマイヤーに矢印を出して貰い軽食屋とやらに行ってみる。
軽食屋は食堂より小さめの店舗で、そこで食べると言うよりはテイクアウトが基本らしい。サンドウィッチやスープ類が数種類並んでいる。日本のピザ屋の様な感じかな?適当に購入してストレージにぶち込む。
次に食堂に向かい夕食を食べる。宿屋の食事も美味かったが、ここの食事も美味い。美味いので3食分テイクアウトしたいと店員に頼む。こちらもストレージにぶち込んで置く。
家に戻ると既に日が暮れていた。ライトで明かりを灯す。このライトと言う生活魔法、通常は30分位で消えるらしいが、僕が点けると2時間は持つ。これも神様補正なのだろうか?
魔法と言えば、魔法が覚えたい。
「なあ、ブラスマイヤー。魔法って誰でも使えるんだよな?」
「そうだな。基本魔法は誰でも使える。ただし、使うにはイメージが大切だ。イメージ出来ないと魔法の威力が落ちる。」
「6日後に冒険者の試験がある。それまでに魔法を覚えたい。」
「自分が無茶を言ってるのを理解しているか?」
「まあな、無理なら1か月で攻撃魔法を3つ覚えたい。これならどうだ?」
「魔法の基礎は教えただろう?魔力を流す事は出来る。だが、それを外へ向けるのはかなり難しい。普通は3年位かけてじっくり学ぶ物だ。」
「まあ、無理なら無理で良い。明日の朝、教えてくれ。」
「解った。理論だけは教えてやろう。」
翌朝、広い庭に出て周りを確認する。ここなら隣の家まで結構距離もあるし、ブラスマイヤーと会話していても問題無いだろう。
「早速だが魔法を教えてくれ。」
「魔法を使うにはまず空気中の魔素を集める必要がある。前にカードに魔力を流すのに体の中から魔素を集めただろう?今度は空気中から魔素を集めて掌に集中させてみろ。」
イメージは空気中の魔素を掌に集める。こんな感じかな?どの位集めれば良いのだろうか?
「魔素の操作はなかなかだ。次はそれを火に変換してみろ。火が何故燃えるか知っているか?」
「酸素があるからだろ?」
「ほう?正解を出す者がこの世に居るとは思わなかったぞ。お前の世界は余程化学が進んでいる様だ。」
魔素を火に変換する?魔素を可燃性のガスに変換して着火すれば良いのか?
そう考えたら掌から1瞬だけ大きな火が出た。
「うわっ!吃驚した。」
「ほう?なかなか筋が良いな。初めてでそれが出来るなら次は炎を安定して出せる様にイメージしてみろ。」
炎を安定して?って言うとガスバーナーかな?魔素を可燃性のガスに変換してそれを小さな穴から噴射するイメージをしてから着火。それから、安定供給のイメージだな。
掌から青白い炎が噴き出す。火は小さいが安定している。
「普通はそれを覚えるのに3か月は掛かるぞ。」
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「それはファイヤーアローだな。俺が望んだのはファイヤーボールだ。」
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「普通はファイヤーアローの方が難易度が高い。」
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「知っているなら、そのイメージで空気魔法を使ってみろ。」
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魔法は発動したが切る対象が無いので何も起こらない。失敗か?
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「解った。で、僕の魔法の腕前ってどうなんだ?」
「そうだな。イメージがしっかり出来ているので、あとは威力を上げれば1人前になるな。狩りに出るなら実践でどんどん使ってみろ。それが上達の早道だ。」
そう言われたので午後は狩りに出た。魔法は実践では殆ど役に立たなかったが金貨は40枚程稼げた。
「戦闘中でもイメージをしっかり持たないと駄目だな。その辺が課題だ。」
「いや、動きながら攻撃魔法ってどうなの?」
「ソロなら当たり前だ。出来なければ死ぬぞ。」
いやいや、難易度上げ過ぎだよ。初心者だって忘れてない?
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これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
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