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地球、日本、そこから小さな光の玉がものすごいスピードで天界に向かって居た。あまりのスピードに天界を通り抜け宇宙へ更に亜空間を超え異空間に入り、異次元を越え、異世界へ辿り着く。
その時異世界の天界では12柱の神が何やら話し合いをしていた。
そこへ飛び込んで来た光速を遥かに超えるスピードの光の玉。12柱の神の一人の顔にぶつかった。
弾け飛ぶ神、光の玉はその神に吸収された。
「大丈夫?ブラスマイヤー」
12柱の神のうち最も美しい神と言われるローレシアが声を掛けた。どうやらはじけ飛んだ神はブラスマイヤーと言うらしい。
ブラスマイヤーは完全に気を失っている様だ。横から他の神が何やら魔法の様な物を掛けている。
ブラスマイヤーの瞼がピクリと動き、やがて、ゆっくりと体を起こす。
「ここは?」
「ブラスマイヤーどうやら無事らしいわね。」
「ブラスマイヤー??」
「様子がおかしいわ。」
ローレシアが他の神の方を向いて言った。
「ここは何処でしょう?僕は何故ここに?」
「あなた、ブラスマイヤーじゃないわね?」
「あー、僕の名前は木之元エイジです。あなたは?」
ローレシアは完全に混乱して言葉が出ない。代わりに別の神が質問に答える。
「ここは天界、神の住む世界じゃ。」
「神の住む世界?」
「どうやら君はこの世界の住人では無さそうだな?」
「え?この世界??」
「困ったのう。どうやら別の世界から紛れ込んで来た魂の様じゃ。」
「って言うか、神でもないのに天界に存在する事は許されない。」
復活したローレシアが喚くように叫ぶ。
「人は人の世界に帰れ!」
そう言うとローレシアはブラスマイヤーの体を思いきり蹴飛ばした。
女性とは言え神だ、その威力は凄まじく、ブラスマイヤーの体は天界を突き破り地上へと落下して行く。
「え?いったい何が?」
ブラスマイヤーこと木之元エイジは自由落下して行く中、何もできずにいる。このまま地上に落ちたらどうなるか子供でも分かるだろう。
エイジは恐怖から叫び声を上げる。しかし、誰も助ける者は無い。
数十秒後、地上が見えて来る。エイジの命運もここまで。覚悟を決めてぎゅっと目を閉じる。数秒後背中に痛みが走る。
「痛っ!」
ん?それだけ?
周りを見るとクレーターの様になった中心に自分が居て、何やら判らない煙が出てる。
マンガじゃないんだから。って言うか、あの高さから落ちて痛いで済むってどんな体してるんだ?あちこち確認してみるが、怪我をした様子は無い。
「どう言う事だ?」
「それはこっちが聞きたいねぇ」
どこからか声がした?
「誰?何処?」
「お前の左腕だよ。」
「左腕?」
エイジは自分の左腕を触ってみる何もない。
「もっと上だ、肩の近く。」
エイジが左肩の付け根辺りを触ると何やら腕輪の様な物が付いている。
「そう、そこだ。」
「えーと、一体何がどうなってるんでしょうか?」
「まず、俺はブラスマイヤー、お前の体の正当な持ち主だ。」
「そ、それは、僕があなたの体を奪ってしまったと言う事でしょうか?」
「どうなんだろうな?それは俺にも解らない。お前の魂が俺にぶつかった時俺ははじき出されちまった。と言う事は、その体はお前の物って考え方もあるな。」
「でも、ブラスマイヤーさんは神なんでしょ?僕はただの一般人ですよ。」
「そうなんだよ。そこが俺にも解らない所だ。」
「で、なんで左肩に?」
「ああ、魂って奴はな依り代が無いと自然消滅してしまうんだ。だから、その体に戻ろうとしたんだが出来なかった。でだ、その左肩の腕輪は古龍の魔石で出来ている。ただの古龍じゃないぞ、神格を持った古龍だ。元は3メートル位の魔石を魔法でいじってこのサイズの腕輪にしてある。魔石ってのはな謂わば魔力の塊だ。だから、一時的に俺はそこに避難した。消滅を防ぐためにな。」
エイジは左肩の腕輪をまじまじと見た。これが古龍の魔石か。どの位の価値があるのだろうか?
「それは、次の依り代が見つかるまでの一時避難ですよね?タイムリミットは?」
「お?物わかりの良い奴は好きだぜ。この古龍の魔力でも100年が限度だな。その間に体を奪い返すか、新しい依り代を見つけなきゃならない。」
100年って、単位が異常だよ。
「で、僕はこれからどうしたら良いのでしょう?って言うかここは何処でしょう?」
「ここはパールミットと言う世界だ。君からすれば異世界になるな。」
「はぁ、異世界ですか?」
「ああ、君の居た世界とは違う文明の進化を遂げた世界だ。魔物や魔族も居るし、亜人なんてのも居る。それから魔法と言う文明が進化しているぞ。」
どうやら、僕はとんでもない場所に来てしまった様だ。魔法に魔物に魔族って生きて行ける自信無いぞ。
「あなたは神なんでしょ?僕を元の世界に戻す事は出来ないのですか?」
「天界に戻れればその可能性もある。」
「じゃあ、戻りましょう!」
「それがなぁ。確かにその体は神の体だ。だが、中身が人間のおまえなので、ステータスの数値が軒並み下がっている。具体的に言うと100分の1位だな。その状態では天界には入れて貰えない。って言うか上る事さえできない。」
「じゃあ、どうするんですか?」
「天界に戻れるまで鍛えるか、諦めてこの世界で生きて行くかだな。」
どちらも自信ないし、って言うか、無理ゲーじゃん。
「とりあえず、日が暮れる前に町に行った方が良いぞ。」
「え?」
「夜は魔物が出るし。町に行けば身分証を発行して貰える。身分証があれば、何処に行くのにも苦労しない。」
なるほど、そう言う感じの世界なのか。
「町がどっちにあるか判る?」
「近いのはこっちだな。」
そう言って、エイジの頭の中に地図と矢印を出して見せる。
「流石神様ですね。」
「この程度なら出来るが、戦闘では役に立たないぞ。」
戦闘で役に立たないのか?それは困るな。
「ちなみに武器とかお金とかはどうすれば良いのかな?」
「『ストレージ』と念じてみろ。」
ストレージ?念じた訳では無いが考えたら何か出た。リストの様だ。
「このリストの様な物は何?」
「それは俺の、いや、君の現在の持ち物リストだ。」
「こんなに沢山何処に?」
「異空間収納と言ってね、こことは別の空間に保管してある。その空間では時間や重さの概念が無いので、大量の物資が収納できるって事だ。ちなみに生き物は収納できない。」
「なるほど、で、どうやって取り出すんですか?」
「リストから取り出したい物を選んで念じれば出て来るよ。試しに銀貨5枚を取り出してみて。」
「念じれば良いんですね。まず銀貨を選択して5枚と念じる。」
エイジが銀貨5枚と念じたら右手に何かが触った感覚があった、慌てて握りしめたら、小さな小袋だった。開けてみると銀貨が5枚入っている。
「おお。便利ですね。」
「だろう?でもストレージはなるべく他人に見せない様にしろよ。かなり珍しいスキルなんで、変な奴に捕まるぞ。」
「解りました。では町に行きましょう。」
そう言えば、神様と普通に話をしているが、他の人とは話が通じるのだろうか?
そんな事を考えていると町が見えて来た。かなり高い塀と厳重な砦の様な物があり、門番が何人も立っている。門番は馬車の積み荷を検めている様だ。
「随分警備が厳重ですね。」
「大丈夫だ。順番が回って来たらこう言え。北の村から冒険者になりに来ました。身分証は持っていません。」
「それだけで良いのですか?」
「ああ、基本何処の町も冒険者には優遇している。だから冒険者と言えば大抵の町へは入れる。旅をするなら基本だな。ついでに冒険者ギルドの場所も聞くと良い。ギルドのカードは身分証として何処の町でも通用するから作って置いて損は無いぞ。」
「解りました。」
列に並んで15分程でエイジの順番になる。
「次、何の用だ?」
「北の村から冒険者になりに来ました。身分証は持っていません。」
「なら仮身分証を発行する大銅貨5枚だ。持ってるか?」
「銀貨でも良いですか?」
「構わん。」
エイジが銀貨を1枚出すと大銅貨が5枚帰って来た。どうやら十進法らしい。
「そこの石板に手をつき名前を言え。」
「エイジ」
すると石板が光り、エイジの名前と年齢15歳、罪無しと出る。
何やら謎物質で出来たカードを渡される。
「仮身分証だ。5日間で効果が切れる。その前に正規の身分証を作れ。」
「あの?冒険者ギルドは何処でしょう。」
「町へ入ったらまっすぐ500メートル程歩くと左手にある建物がギルドだ。マークですぐに判る。」
「ありがとうございます。」
なんとか、町に入る事が出来た様だ。
その時異世界の天界では12柱の神が何やら話し合いをしていた。
そこへ飛び込んで来た光速を遥かに超えるスピードの光の玉。12柱の神の一人の顔にぶつかった。
弾け飛ぶ神、光の玉はその神に吸収された。
「大丈夫?ブラスマイヤー」
12柱の神のうち最も美しい神と言われるローレシアが声を掛けた。どうやらはじけ飛んだ神はブラスマイヤーと言うらしい。
ブラスマイヤーは完全に気を失っている様だ。横から他の神が何やら魔法の様な物を掛けている。
ブラスマイヤーの瞼がピクリと動き、やがて、ゆっくりと体を起こす。
「ここは?」
「ブラスマイヤーどうやら無事らしいわね。」
「ブラスマイヤー??」
「様子がおかしいわ。」
ローレシアが他の神の方を向いて言った。
「ここは何処でしょう?僕は何故ここに?」
「あなた、ブラスマイヤーじゃないわね?」
「あー、僕の名前は木之元エイジです。あなたは?」
ローレシアは完全に混乱して言葉が出ない。代わりに別の神が質問に答える。
「ここは天界、神の住む世界じゃ。」
「神の住む世界?」
「どうやら君はこの世界の住人では無さそうだな?」
「え?この世界??」
「困ったのう。どうやら別の世界から紛れ込んで来た魂の様じゃ。」
「って言うか、神でもないのに天界に存在する事は許されない。」
復活したローレシアが喚くように叫ぶ。
「人は人の世界に帰れ!」
そう言うとローレシアはブラスマイヤーの体を思いきり蹴飛ばした。
女性とは言え神だ、その威力は凄まじく、ブラスマイヤーの体は天界を突き破り地上へと落下して行く。
「え?いったい何が?」
ブラスマイヤーこと木之元エイジは自由落下して行く中、何もできずにいる。このまま地上に落ちたらどうなるか子供でも分かるだろう。
エイジは恐怖から叫び声を上げる。しかし、誰も助ける者は無い。
数十秒後、地上が見えて来る。エイジの命運もここまで。覚悟を決めてぎゅっと目を閉じる。数秒後背中に痛みが走る。
「痛っ!」
ん?それだけ?
周りを見るとクレーターの様になった中心に自分が居て、何やら判らない煙が出てる。
マンガじゃないんだから。って言うか、あの高さから落ちて痛いで済むってどんな体してるんだ?あちこち確認してみるが、怪我をした様子は無い。
「どう言う事だ?」
「それはこっちが聞きたいねぇ」
どこからか声がした?
「誰?何処?」
「お前の左腕だよ。」
「左腕?」
エイジは自分の左腕を触ってみる何もない。
「もっと上だ、肩の近く。」
エイジが左肩の付け根辺りを触ると何やら腕輪の様な物が付いている。
「そう、そこだ。」
「えーと、一体何がどうなってるんでしょうか?」
「まず、俺はブラスマイヤー、お前の体の正当な持ち主だ。」
「そ、それは、僕があなたの体を奪ってしまったと言う事でしょうか?」
「どうなんだろうな?それは俺にも解らない。お前の魂が俺にぶつかった時俺ははじき出されちまった。と言う事は、その体はお前の物って考え方もあるな。」
「でも、ブラスマイヤーさんは神なんでしょ?僕はただの一般人ですよ。」
「そうなんだよ。そこが俺にも解らない所だ。」
「で、なんで左肩に?」
「ああ、魂って奴はな依り代が無いと自然消滅してしまうんだ。だから、その体に戻ろうとしたんだが出来なかった。でだ、その左肩の腕輪は古龍の魔石で出来ている。ただの古龍じゃないぞ、神格を持った古龍だ。元は3メートル位の魔石を魔法でいじってこのサイズの腕輪にしてある。魔石ってのはな謂わば魔力の塊だ。だから、一時的に俺はそこに避難した。消滅を防ぐためにな。」
エイジは左肩の腕輪をまじまじと見た。これが古龍の魔石か。どの位の価値があるのだろうか?
「それは、次の依り代が見つかるまでの一時避難ですよね?タイムリミットは?」
「お?物わかりの良い奴は好きだぜ。この古龍の魔力でも100年が限度だな。その間に体を奪い返すか、新しい依り代を見つけなきゃならない。」
100年って、単位が異常だよ。
「で、僕はこれからどうしたら良いのでしょう?って言うかここは何処でしょう?」
「ここはパールミットと言う世界だ。君からすれば異世界になるな。」
「はぁ、異世界ですか?」
「ああ、君の居た世界とは違う文明の進化を遂げた世界だ。魔物や魔族も居るし、亜人なんてのも居る。それから魔法と言う文明が進化しているぞ。」
どうやら、僕はとんでもない場所に来てしまった様だ。魔法に魔物に魔族って生きて行ける自信無いぞ。
「あなたは神なんでしょ?僕を元の世界に戻す事は出来ないのですか?」
「天界に戻れればその可能性もある。」
「じゃあ、戻りましょう!」
「それがなぁ。確かにその体は神の体だ。だが、中身が人間のおまえなので、ステータスの数値が軒並み下がっている。具体的に言うと100分の1位だな。その状態では天界には入れて貰えない。って言うか上る事さえできない。」
「じゃあ、どうするんですか?」
「天界に戻れるまで鍛えるか、諦めてこの世界で生きて行くかだな。」
どちらも自信ないし、って言うか、無理ゲーじゃん。
「とりあえず、日が暮れる前に町に行った方が良いぞ。」
「え?」
「夜は魔物が出るし。町に行けば身分証を発行して貰える。身分証があれば、何処に行くのにも苦労しない。」
なるほど、そう言う感じの世界なのか。
「町がどっちにあるか判る?」
「近いのはこっちだな。」
そう言って、エイジの頭の中に地図と矢印を出して見せる。
「流石神様ですね。」
「この程度なら出来るが、戦闘では役に立たないぞ。」
戦闘で役に立たないのか?それは困るな。
「ちなみに武器とかお金とかはどうすれば良いのかな?」
「『ストレージ』と念じてみろ。」
ストレージ?念じた訳では無いが考えたら何か出た。リストの様だ。
「このリストの様な物は何?」
「それは俺の、いや、君の現在の持ち物リストだ。」
「こんなに沢山何処に?」
「異空間収納と言ってね、こことは別の空間に保管してある。その空間では時間や重さの概念が無いので、大量の物資が収納できるって事だ。ちなみに生き物は収納できない。」
「なるほど、で、どうやって取り出すんですか?」
「リストから取り出したい物を選んで念じれば出て来るよ。試しに銀貨5枚を取り出してみて。」
「念じれば良いんですね。まず銀貨を選択して5枚と念じる。」
エイジが銀貨5枚と念じたら右手に何かが触った感覚があった、慌てて握りしめたら、小さな小袋だった。開けてみると銀貨が5枚入っている。
「おお。便利ですね。」
「だろう?でもストレージはなるべく他人に見せない様にしろよ。かなり珍しいスキルなんで、変な奴に捕まるぞ。」
「解りました。では町に行きましょう。」
そう言えば、神様と普通に話をしているが、他の人とは話が通じるのだろうか?
そんな事を考えていると町が見えて来た。かなり高い塀と厳重な砦の様な物があり、門番が何人も立っている。門番は馬車の積み荷を検めている様だ。
「随分警備が厳重ですね。」
「大丈夫だ。順番が回って来たらこう言え。北の村から冒険者になりに来ました。身分証は持っていません。」
「それだけで良いのですか?」
「ああ、基本何処の町も冒険者には優遇している。だから冒険者と言えば大抵の町へは入れる。旅をするなら基本だな。ついでに冒険者ギルドの場所も聞くと良い。ギルドのカードは身分証として何処の町でも通用するから作って置いて損は無いぞ。」
「解りました。」
列に並んで15分程でエイジの順番になる。
「次、何の用だ?」
「北の村から冒険者になりに来ました。身分証は持っていません。」
「なら仮身分証を発行する大銅貨5枚だ。持ってるか?」
「銀貨でも良いですか?」
「構わん。」
エイジが銀貨を1枚出すと大銅貨が5枚帰って来た。どうやら十進法らしい。
「そこの石板に手をつき名前を言え。」
「エイジ」
すると石板が光り、エイジの名前と年齢15歳、罪無しと出る。
何やら謎物質で出来たカードを渡される。
「仮身分証だ。5日間で効果が切れる。その前に正規の身分証を作れ。」
「あの?冒険者ギルドは何処でしょう。」
「町へ入ったらまっすぐ500メートル程歩くと左手にある建物がギルドだ。マークですぐに判る。」
「ありがとうございます。」
なんとか、町に入る事が出来た様だ。
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