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041 休日?
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予定より早くラザリン村から帰宅した為、今日の分の食堂の卸は必要が無い。実質休日だ。なので、今日は早朝から爺さんに扱かれている。本来なら、午前中は前半に爺さんの講義で後半はルルイとの稽古なのだが、何やら今日は特別授業とか爺さんが言い出したため、午前中一杯爺さんに付き合う事になった。
ルルイは爺さんに代わって店番をしている。まあ、午前から来るような客は滅多に居ないしね。
だいたい、魔道具屋と言うのは受注して取り寄せたり作成したりして販売する形式なので、店を一日開けている必要は無いのだが、爺さんは極まれにやって来る飛び込みの客に対応すべき店を開けているらしい。
今日の爺さんの講義は魔法の発動速度だと言う。
「発動速度ですか?」
「ふむ、まあ聞いただけではピンと来ないかもしれんんが、ワシとお主が向かい合って、同時にファイヤーボールを撃ったとするとどうなるか解るかの?」
「普通に考えれば同士討ちですよね?」
そう応えたら爺さんがニヤリと笑った。してやったりと言う顔をしている。思わず、悪ガキかっ!と突っ込みたくなる。
「お主の方が魔法の威力は高いが、先に当たるのはワシの魔法じゃ。従って、お主は倒れワシは避ける時間がある。何故ならワシの魔法の方がお主の魔法より発動するのが早いからじゃ。」
「それが発動速度って奴ですか?」
「そうじゃ、どんな強い魔法でも当たらなければ意味が無い。逆に弱い魔法でも連発すれば武器になる場合もある。」
確かに言われてみればその通りだ。魔法の発動するまでの速度なんて意識していなかった。いや、魔法で戦う事自体を想定していなかったな。
「それは、つまり、上級魔法はあまり意味が無いと言う事でしょうか?」
「そうでは無い。魔法は訓練次第で発動速度を上げる事が出来る。お主には基本的な魔法理論は全て教えたので、次の段階に入ると言う訳じゃ。理論的には魔法の発動速度と言うのは限りなくゼロに出来る。じゃが、現実にはそこまでの速度で高度な魔法を撃てる者は居ない。これは高度な魔法程理論が難しくイメージし辛いと言う事から発生している。じゃがな、これは使い慣れる事で解消されるのじゃが、使い慣れる程連発する機会が無いのも事実じゃ。」
まあ、威力のある魔法を撃てる場所って限られているし、そんな魔法を連発してたら危ない奴だと思われるよね。
「そう言う意味では冒険者なんかは強い魔法使いが多いのでは?」
「うむ、実戦を経験した魔法使いは強い。王宮魔術師よりも冒険者の魔法使いの方が戦えば強いと言う事は良くある事じゃ。そこでじゃ、お主も使いやすい魔法や使い勝手の良い魔法と言うのを自分で探し出し訓練する事を勧める。これは人に寄って違うので教える訳には行かんが、自分の得意属性を持つのは悪い事では無い。まあ、臨機応変に属性を使い分ける事も必要な場面はあるが、大抵は少ない属性でも戦いを制する事は可能じゃ。」
なるほど、俺が全属性使いだから、器用貧乏になるなと言う教えか。
でも、俺は今の所戦う予定は無いんだけどね。どうやら、爺さんは本気で俺を賢者にするつもりらしい。まあ、貴族にならなくて良いなら賢者も悪くは無い。
あれ?でも、戦いを経験しないと賢者になれないんじゃ無いか?
「質問があるのですが、賢者になる為には何か試験の様な物があるのですか?」
「賢者になるには現役賢者の推薦が必要じゃ。そして、評議会の承認が必要となる。まあ、試験と言うよりは腕前の披露と言った感じじゃが、評議委員の前で魔法を披露する場が設けられる。」
なるほど、推薦制なんだな。それならば戦う必要は無いと考えて良いか。ならば賢者になるのも悪くは無いぞ。
「賢者になったら、何か義務とかあるのでしょうか?」
「義務と言う訳では無いが、次世代の賢者育成と魔法理論の継承はすべきだとワシは考えておる。特に魔法理論は徐々に廃れて来ている部分がある。また、賢者の数も徐々に減っておる。」
嘆かわしいと言った顔で爺さんが顔を振る。
なるほど、魔法理論は昔に比べて伝承されている数が減っているのか、そう言った伝承を集めて本にするのも面白そうだ。
今の所、俺が弟子を取ると言うのは想像がつかないが、爺さん位の年齢になれば弟子に色々と教えるのも良い余生と言えるかもしれない。
「ちなみに、戦争が起こったら賢者の立場と言うのはどの様になるのでしょう?」
「ふむ、賢者の殆どが爵位を貰っておる。かく言うワシも名誉士爵とか言うのを貰っておってな。これが曲者じゃ。貴族位にある物は国王陛下の直臣と言う扱いになる。つまり、賢者には何の制約も無いが、貴族には戦争に出る義務が生まれると言う事じゃ。」
なるほど、賢者やSランク冒険者に名誉士爵の位が与えられるのはそう言う意味がある訳だ。有事には戦争に強制的に参加させて戦力に出来ると言う思惑があるって事だね。それに名誉士爵は次代に引き継げないから力を持っている人間にポンポン渡しても大して懐が痛まないと言う利点もある訳だ。
「名誉士爵の位と言うのは拒否出来るのですよね?」
「そうじゃな、相手にも寄るが、拒否は可能じゃ。特に下級貴族の要請には答えなくても問題は無い。じゃが、国王陛下に直接授爵命令を受けたら拒否するのはほぼ不可能だと思った方が良い。まあ、この国を出ると言う覚悟があるのなら別じゃが。」
なるほど、この国に固執する必要が無い俺ならば、自由に出来ると言う事だ。何か都合が悪くなれば別の国に逃げれば良いって事だね。その為には賢者の魔法は有用だ。
これからも積極的に魔法は覚えて行こう。賢者になるかどうかはその時になったら決めれば良い。爺さんに教わった知識や、新しい魔法を開発して、本に書き溜めて行こうと思う。出版するかどうかは爺さんと話し合って決めれば良い。
昼食は3人で家で食べる事にした。俺が現在、食堂用に開発中のオムライスを出してみた。スープの代わりに冷たいサイダーを提供する。こっちは新店舗用の商品だ。
ルルイも爺さんも味のついた米は初めて食べたのだが、美味かったらしくおかわりをしていた。どうやら売り物になりそうだ。卵はこの世界では高価だが現代日本では安価なので、オムライスはコスパが高い。売れればかなりの儲けになるだろう。
サイダーについてはルルイの評価は高いが、爺さんは少しアルコールが入って居た方が良いと言って居た。
まあ、この世界ではここまで甘い飲み物は少ないので多分受け入れられるまでに時間が掛かるだろうとは予想している。新店舗では実験的にコーラの販売も予定している。
さて、午後からはルルイとの稽古だ。今日は休日のはずなのに全然休みが無いぞ?
ルルイとの稽古は基本模擬戦だ。ルルイは細かい説明や理論が苦手なので、戦いながら自分で理論を探さないとイケない。
実を言うと俺は既にルルイの動きを見切っている。本気で戦えば瞬殺出来るレベルまで差が付いている。だが、それでも俺はルルイとの模擬戦を続けている。その理由はルルイのレベルアップにある。
戦いながら徐々にスピードを上げたり、ルルイが躱せるギリギリの攻撃をたまに放ったりして、ルルイを追い詰めると、獣人の本能でルルイは普段以上の力を発揮する事がある。これに気付いた俺は、稽古を付けて貰っていると言う体でルルイを逆に鍛えている。
恐らくルルイは商売には向かない。今は良いがいずれは冒険者に戻るだろう。その時にワンランク上を目指せる様にしておきたいと思っている。
稽古後は3人で順番に風呂に入り、爺さんは何時もの食堂に出かけて行った。俺とルルイはカセットコンロを出して、居間ですき焼きを食う事にした。爺さんも誘ったのだが、爺さんは何時もの店の蜂蜜酒がお好みらしい。
ルルイに生卵を渡して、これにつけて食べるんだと教えたら、なんとも言えない顔をしていた。まあ、この世界では生卵は食べてはいけないと子供の頃から教わるらしいからね。
生卵はともかく半熟卵も食べないこの世界で、美味しい卵料理を販売する方法を考えないと。下手に半熟卵を普及させて、家庭でこの世界の卵を半熟で食べたらサルモネラ菌の犠牲者が沢山出そうだ。
まあ、この世界にサルモネラ菌が居るかどうかは解らないが。
ルルイは爺さんに代わって店番をしている。まあ、午前から来るような客は滅多に居ないしね。
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今日の爺さんの講義は魔法の発動速度だと言う。
「発動速度ですか?」
「ふむ、まあ聞いただけではピンと来ないかもしれんんが、ワシとお主が向かい合って、同時にファイヤーボールを撃ったとするとどうなるか解るかの?」
「普通に考えれば同士討ちですよね?」
そう応えたら爺さんがニヤリと笑った。してやったりと言う顔をしている。思わず、悪ガキかっ!と突っ込みたくなる。
「お主の方が魔法の威力は高いが、先に当たるのはワシの魔法じゃ。従って、お主は倒れワシは避ける時間がある。何故ならワシの魔法の方がお主の魔法より発動するのが早いからじゃ。」
「それが発動速度って奴ですか?」
「そうじゃ、どんな強い魔法でも当たらなければ意味が無い。逆に弱い魔法でも連発すれば武器になる場合もある。」
確かに言われてみればその通りだ。魔法の発動するまでの速度なんて意識していなかった。いや、魔法で戦う事自体を想定していなかったな。
「それは、つまり、上級魔法はあまり意味が無いと言う事でしょうか?」
「そうでは無い。魔法は訓練次第で発動速度を上げる事が出来る。お主には基本的な魔法理論は全て教えたので、次の段階に入ると言う訳じゃ。理論的には魔法の発動速度と言うのは限りなくゼロに出来る。じゃが、現実にはそこまでの速度で高度な魔法を撃てる者は居ない。これは高度な魔法程理論が難しくイメージし辛いと言う事から発生している。じゃがな、これは使い慣れる事で解消されるのじゃが、使い慣れる程連発する機会が無いのも事実じゃ。」
まあ、威力のある魔法を撃てる場所って限られているし、そんな魔法を連発してたら危ない奴だと思われるよね。
「そう言う意味では冒険者なんかは強い魔法使いが多いのでは?」
「うむ、実戦を経験した魔法使いは強い。王宮魔術師よりも冒険者の魔法使いの方が戦えば強いと言う事は良くある事じゃ。そこでじゃ、お主も使いやすい魔法や使い勝手の良い魔法と言うのを自分で探し出し訓練する事を勧める。これは人に寄って違うので教える訳には行かんが、自分の得意属性を持つのは悪い事では無い。まあ、臨機応変に属性を使い分ける事も必要な場面はあるが、大抵は少ない属性でも戦いを制する事は可能じゃ。」
なるほど、俺が全属性使いだから、器用貧乏になるなと言う教えか。
でも、俺は今の所戦う予定は無いんだけどね。どうやら、爺さんは本気で俺を賢者にするつもりらしい。まあ、貴族にならなくて良いなら賢者も悪くは無い。
あれ?でも、戦いを経験しないと賢者になれないんじゃ無いか?
「質問があるのですが、賢者になる為には何か試験の様な物があるのですか?」
「賢者になるには現役賢者の推薦が必要じゃ。そして、評議会の承認が必要となる。まあ、試験と言うよりは腕前の披露と言った感じじゃが、評議委員の前で魔法を披露する場が設けられる。」
なるほど、推薦制なんだな。それならば戦う必要は無いと考えて良いか。ならば賢者になるのも悪くは無いぞ。
「賢者になったら、何か義務とかあるのでしょうか?」
「義務と言う訳では無いが、次世代の賢者育成と魔法理論の継承はすべきだとワシは考えておる。特に魔法理論は徐々に廃れて来ている部分がある。また、賢者の数も徐々に減っておる。」
嘆かわしいと言った顔で爺さんが顔を振る。
なるほど、魔法理論は昔に比べて伝承されている数が減っているのか、そう言った伝承を集めて本にするのも面白そうだ。
今の所、俺が弟子を取ると言うのは想像がつかないが、爺さん位の年齢になれば弟子に色々と教えるのも良い余生と言えるかもしれない。
「ちなみに、戦争が起こったら賢者の立場と言うのはどの様になるのでしょう?」
「ふむ、賢者の殆どが爵位を貰っておる。かく言うワシも名誉士爵とか言うのを貰っておってな。これが曲者じゃ。貴族位にある物は国王陛下の直臣と言う扱いになる。つまり、賢者には何の制約も無いが、貴族には戦争に出る義務が生まれると言う事じゃ。」
なるほど、賢者やSランク冒険者に名誉士爵の位が与えられるのはそう言う意味がある訳だ。有事には戦争に強制的に参加させて戦力に出来ると言う思惑があるって事だね。それに名誉士爵は次代に引き継げないから力を持っている人間にポンポン渡しても大して懐が痛まないと言う利点もある訳だ。
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なるほど、この国に固執する必要が無い俺ならば、自由に出来ると言う事だ。何か都合が悪くなれば別の国に逃げれば良いって事だね。その為には賢者の魔法は有用だ。
これからも積極的に魔法は覚えて行こう。賢者になるかどうかはその時になったら決めれば良い。爺さんに教わった知識や、新しい魔法を開発して、本に書き溜めて行こうと思う。出版するかどうかは爺さんと話し合って決めれば良い。
昼食は3人で家で食べる事にした。俺が現在、食堂用に開発中のオムライスを出してみた。スープの代わりに冷たいサイダーを提供する。こっちは新店舗用の商品だ。
ルルイも爺さんも味のついた米は初めて食べたのだが、美味かったらしくおかわりをしていた。どうやら売り物になりそうだ。卵はこの世界では高価だが現代日本では安価なので、オムライスはコスパが高い。売れればかなりの儲けになるだろう。
サイダーについてはルルイの評価は高いが、爺さんは少しアルコールが入って居た方が良いと言って居た。
まあ、この世界ではここまで甘い飲み物は少ないので多分受け入れられるまでに時間が掛かるだろうとは予想している。新店舗では実験的にコーラの販売も予定している。
さて、午後からはルルイとの稽古だ。今日は休日のはずなのに全然休みが無いぞ?
ルルイとの稽古は基本模擬戦だ。ルルイは細かい説明や理論が苦手なので、戦いながら自分で理論を探さないとイケない。
実を言うと俺は既にルルイの動きを見切っている。本気で戦えば瞬殺出来るレベルまで差が付いている。だが、それでも俺はルルイとの模擬戦を続けている。その理由はルルイのレベルアップにある。
戦いながら徐々にスピードを上げたり、ルルイが躱せるギリギリの攻撃をたまに放ったりして、ルルイを追い詰めると、獣人の本能でルルイは普段以上の力を発揮する事がある。これに気付いた俺は、稽古を付けて貰っていると言う体でルルイを逆に鍛えている。
恐らくルルイは商売には向かない。今は良いがいずれは冒険者に戻るだろう。その時にワンランク上を目指せる様にしておきたいと思っている。
稽古後は3人で順番に風呂に入り、爺さんは何時もの食堂に出かけて行った。俺とルルイはカセットコンロを出して、居間ですき焼きを食う事にした。爺さんも誘ったのだが、爺さんは何時もの店の蜂蜜酒がお好みらしい。
ルルイに生卵を渡して、これにつけて食べるんだと教えたら、なんとも言えない顔をしていた。まあ、この世界では生卵は食べてはいけないと子供の頃から教わるらしいからね。
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