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第三十一話 勝ったら焼肉
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後半20分ーー
スコアは依然として1-2のまま、獅子浜高校がリードしていた。
そんな獅子浜選手たちは前半同様、ボールを保持している選手に対して厳しいプレッシャーをかけ続けており、桜ヶ峰選手たちは思うようにパスを繋げずにいた。
何とか攻撃の要である呉にボールを集めようにも、その呉は相手選手の徹底的なマークにあい、満足にプレーをさせてもらえない。
そして結局打開する術がなくボールを後ろに戻す、という悪循環を桜ヶ峰は後半何度も繰り返しているのであった。
まさに八方塞がり。桜ヶ峰は後半ここまで攻撃の形を全く作れないでいた。
そして今もまた、呉へのパスを読んでいたかのように、三田がボールをカットする。
「あぁっ!クソッ!」
思い通りにプレーすることができない呉は、悔しそうに天を仰いだ。
ボールを奪った三田は、そのまま素早いドリブルで前線へと駆けあがる。
「これ以上は…やらせないよ!」
それに並走するような形で、犬塚がぴったりと三田のマークにつく。
しかし、三田は軽やかなステップで切り返し犬塚のマークを簡単に剥がす。
「……キャプテン!」
三田は前線の本郷へとクロスを上げようとしたその時、
「まだまだぁーーーーーーっ!」
バシィッ!
食い下がる犬塚が、そのクロスを決死のスライディングで阻止するのであった。
ブロックしたボールは、てんてんと転がりピッチの外へ出る。
「はぁっ…はぁっ……くっ!」
本郷へボールを繋ぐことが出来なかった三田は悔しそうに唇を噛む。
そして長い距離を駆け上がったということもあり、その呼吸はかなり乱れているのであった。
「京子!ナイスブロック!」
呉はニカッと笑いながら右手の親指を立て、身体を張って死守した犬塚を褒め称える。
「へへ…ウチ走り回ることしか能がないから、役に立って良かったよ。よーし!この調子でまだまだ頑張るぞー!」
かれこれ60分以上、三田に張り付いて走り回っているはずの犬塚は、まだ元気だぞと言わんばかりに大きくガッツポーズをしてみせる。
一方で、前半から犬塚に張り付かれていた三田の呼吸は荒く、額からは大量の汗が滴り落ちていた。
この二人の状態は対照的であり、どちらが良いかというのは誰が見ても一目瞭然であった。
その一連の流れを見ていた修人はニヤリと笑う。
「さて…頃合いだな。」
おもむろにベンチから立ち上がった修人は、ピッチサイドまで歩いて行くと、全員に聞こえるように大きな声でチームを鼓舞する。
「よーし!いいぞ皆!いい調子だ!勝ったら焼肉だぞ!気合い入れていけよー!」
その修人の声を聞いた桜ヶ峰選手たちの目の色が変わった。
「勝ったら焼肉…ね。」
ピッチの中央で修人の声を聞いた鞍月は、意味ありげに呟くと小さくクスッと笑った。
「よし!皆いいわね?勝ったら焼肉よ!」
「おぉっ!」
鞍月の掛け声に対して、桜ヶ峰選手全員は元気よく返事をかえす。
「は…?焼…肉……?なんなんだ突然?」
一方で本郷は、訳がわからないと言わんばかりに小さく首を傾げるのであった。
その後、相手からボールを奪った仙崎は再び司令塔の鞍月にボールを預ける。
「コミちゃん!」
ここで鞍月は呉ではなく、この試合はじめて右サイドを駆けあがる小宮山にパスを出す。
どうせ呉に出すだろうと予測し、左サイド寄りに選手を集めていた獅子浜ディフェンス陣は虚を突かれる形となる。
比較的マークの緩い右サイドを小宮山は持ち前のスピードで駆け抜けていく。
「行くよっ!美希っ!」
小宮山は、地面を這うような低いクロスボールを辻本に供給する。
「はいっ♪どうぞ、綾音。」
そのボールをもらった辻本は、軽やかなワンタッチで前線の九条にパスを出す。
しかし、ゴールに背中を向けるような形でパスをもらった九条は、シュートの体制を取ることが出来ず、やはり呉にボールを預ける。
「お願い!泉美!」
九条からのパスをもらった呉であったが、例によって厳しいマークが付いており、シュートコースは完全に塞がれていた。
それを見た獅子浜ディフェンダーは勝ち誇ったように笑いだした。
「結局そうなるのね!攻撃の形を変えたとしても、最終的にはあなたの個人技頼みになる。桜ヶ峰はあなたさえ封じてしまえば何にも怖くはないわ!」
その言葉を聞いた呉はボールを保持しながら、小さく吹き出した。
「本当に、そう思うのか?おめでたいな獅子浜の連中は。」
そう蔑んだ呉はシュートを打たず、パスを選択する。
しかし、そのパスの先ーー
ペナルティアーク付近には誰も選手がいなかった。
呉の意外な選択に一瞬怯んだ獅子浜ディフェンス陣であったが、パスミスだと分かった瞬間にホッと胸を撫で下ろす。
「私がパスミスなんてすると思ってんのかい?さあ、目に物見せてやりなよ影野先輩。」
誰もいないはずだったペナルティアークの位置に、颯爽と一つの影が走り込んでくる。
「ナイスパスです…泉美ちゃん。」
呉からのボールを受け取ったのは、今までその存在を潜めていた影野であった。
フリーの状態でボールをもらった影野は、右足でシュートを放つ。
ザシュッ
キーパーの手が届かないゴールの右下隅を狙った丁寧なコントロールショットは、獅子浜のゴールネットを小さく揺らすのであった。
「は…入った……の?」
ゴールを決めた張本人は、信じられないといった表情で口をポカンと開ける。
ピッピーーーーーー!
その問いに答えるように主審の笛がゴールを告げる。
桜ヶ峰の選手たちは、喜びの声をあげながら同点ゴールを決めた影野の元へと集まる。
影野は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながらも、満面の笑顔でチームメイトたちと喜びを分かち合うのであった。
それを見た修人もまた大きくガッツポーズをし、影野に向けてgoodを表す親指を立てる。
それに気づいた影野もまた、お返しと言わんばかりに修人に向けて小さく親指を立てるのであった。
試合状況(後半28分)
桜ヶ峰 2-2 獅子浜
得点者
呉 泉美 1分
本郷 晶 24分 45分+1
影野 ひより 73分
スコアは依然として1-2のまま、獅子浜高校がリードしていた。
そんな獅子浜選手たちは前半同様、ボールを保持している選手に対して厳しいプレッシャーをかけ続けており、桜ヶ峰選手たちは思うようにパスを繋げずにいた。
何とか攻撃の要である呉にボールを集めようにも、その呉は相手選手の徹底的なマークにあい、満足にプレーをさせてもらえない。
そして結局打開する術がなくボールを後ろに戻す、という悪循環を桜ヶ峰は後半何度も繰り返しているのであった。
まさに八方塞がり。桜ヶ峰は後半ここまで攻撃の形を全く作れないでいた。
そして今もまた、呉へのパスを読んでいたかのように、三田がボールをカットする。
「あぁっ!クソッ!」
思い通りにプレーすることができない呉は、悔しそうに天を仰いだ。
ボールを奪った三田は、そのまま素早いドリブルで前線へと駆けあがる。
「これ以上は…やらせないよ!」
それに並走するような形で、犬塚がぴったりと三田のマークにつく。
しかし、三田は軽やかなステップで切り返し犬塚のマークを簡単に剥がす。
「……キャプテン!」
三田は前線の本郷へとクロスを上げようとしたその時、
「まだまだぁーーーーーーっ!」
バシィッ!
食い下がる犬塚が、そのクロスを決死のスライディングで阻止するのであった。
ブロックしたボールは、てんてんと転がりピッチの外へ出る。
「はぁっ…はぁっ……くっ!」
本郷へボールを繋ぐことが出来なかった三田は悔しそうに唇を噛む。
そして長い距離を駆け上がったということもあり、その呼吸はかなり乱れているのであった。
「京子!ナイスブロック!」
呉はニカッと笑いながら右手の親指を立て、身体を張って死守した犬塚を褒め称える。
「へへ…ウチ走り回ることしか能がないから、役に立って良かったよ。よーし!この調子でまだまだ頑張るぞー!」
かれこれ60分以上、三田に張り付いて走り回っているはずの犬塚は、まだ元気だぞと言わんばかりに大きくガッツポーズをしてみせる。
一方で、前半から犬塚に張り付かれていた三田の呼吸は荒く、額からは大量の汗が滴り落ちていた。
この二人の状態は対照的であり、どちらが良いかというのは誰が見ても一目瞭然であった。
その一連の流れを見ていた修人はニヤリと笑う。
「さて…頃合いだな。」
おもむろにベンチから立ち上がった修人は、ピッチサイドまで歩いて行くと、全員に聞こえるように大きな声でチームを鼓舞する。
「よーし!いいぞ皆!いい調子だ!勝ったら焼肉だぞ!気合い入れていけよー!」
その修人の声を聞いた桜ヶ峰選手たちの目の色が変わった。
「勝ったら焼肉…ね。」
ピッチの中央で修人の声を聞いた鞍月は、意味ありげに呟くと小さくクスッと笑った。
「よし!皆いいわね?勝ったら焼肉よ!」
「おぉっ!」
鞍月の掛け声に対して、桜ヶ峰選手全員は元気よく返事をかえす。
「は…?焼…肉……?なんなんだ突然?」
一方で本郷は、訳がわからないと言わんばかりに小さく首を傾げるのであった。
その後、相手からボールを奪った仙崎は再び司令塔の鞍月にボールを預ける。
「コミちゃん!」
ここで鞍月は呉ではなく、この試合はじめて右サイドを駆けあがる小宮山にパスを出す。
どうせ呉に出すだろうと予測し、左サイド寄りに選手を集めていた獅子浜ディフェンス陣は虚を突かれる形となる。
比較的マークの緩い右サイドを小宮山は持ち前のスピードで駆け抜けていく。
「行くよっ!美希っ!」
小宮山は、地面を這うような低いクロスボールを辻本に供給する。
「はいっ♪どうぞ、綾音。」
そのボールをもらった辻本は、軽やかなワンタッチで前線の九条にパスを出す。
しかし、ゴールに背中を向けるような形でパスをもらった九条は、シュートの体制を取ることが出来ず、やはり呉にボールを預ける。
「お願い!泉美!」
九条からのパスをもらった呉であったが、例によって厳しいマークが付いており、シュートコースは完全に塞がれていた。
それを見た獅子浜ディフェンダーは勝ち誇ったように笑いだした。
「結局そうなるのね!攻撃の形を変えたとしても、最終的にはあなたの個人技頼みになる。桜ヶ峰はあなたさえ封じてしまえば何にも怖くはないわ!」
その言葉を聞いた呉はボールを保持しながら、小さく吹き出した。
「本当に、そう思うのか?おめでたいな獅子浜の連中は。」
そう蔑んだ呉はシュートを打たず、パスを選択する。
しかし、そのパスの先ーー
ペナルティアーク付近には誰も選手がいなかった。
呉の意外な選択に一瞬怯んだ獅子浜ディフェンス陣であったが、パスミスだと分かった瞬間にホッと胸を撫で下ろす。
「私がパスミスなんてすると思ってんのかい?さあ、目に物見せてやりなよ影野先輩。」
誰もいないはずだったペナルティアークの位置に、颯爽と一つの影が走り込んでくる。
「ナイスパスです…泉美ちゃん。」
呉からのボールを受け取ったのは、今までその存在を潜めていた影野であった。
フリーの状態でボールをもらった影野は、右足でシュートを放つ。
ザシュッ
キーパーの手が届かないゴールの右下隅を狙った丁寧なコントロールショットは、獅子浜のゴールネットを小さく揺らすのであった。
「は…入った……の?」
ゴールを決めた張本人は、信じられないといった表情で口をポカンと開ける。
ピッピーーーーーー!
その問いに答えるように主審の笛がゴールを告げる。
桜ヶ峰の選手たちは、喜びの声をあげながら同点ゴールを決めた影野の元へと集まる。
影野は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながらも、満面の笑顔でチームメイトたちと喜びを分かち合うのであった。
それを見た修人もまた大きくガッツポーズをし、影野に向けてgoodを表す親指を立てる。
それに気づいた影野もまた、お返しと言わんばかりに修人に向けて小さく親指を立てるのであった。
試合状況(後半28分)
桜ヶ峰 2-2 獅子浜
得点者
呉 泉美 1分
本郷 晶 24分 45分+1
影野 ひより 73分
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