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第4話:お嫁さんにしたい冒険者No.1
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──よかった。ニーア様は楽しそうだ。
三人の様子を眺めながら、カイラは思った。
実はニーアは、さる国の王女で、窮屈な宮廷生活がいやになり、修行と称して冒険者に身をやつし、諸国を漫遊しているのだ。そしてカイラは、ニーアの身を守るための隠密だった。
しかし、冒険者には勇猛だが粗暴な男が多い。
立ちションなどはまだマシなほうで、臭い、汚い、言葉遣いが乱暴、女性冒険者にセクハラをする、意見が合わないと怒鳴りつける、自分ばかり活躍したくて女性冒険者に役割を与えない、ニーアに雑用を押し付ける、カイラを女性扱いしない、などなど、ヤバい男が数えきれないほどいる。
そんな中で、スラッとした優美なスタイル、透明感のある繊細な顔立ちで、女性に対して乱暴なふるまいをしないルーイは、ニーアと安心して組ませられる、数少ない男性冒険者だった。
すでに2回ほど一緒にクエストに行ったことがあり、どうやらニーアのほうは、ルーイをかなり気に入っているようだ。
今回のクエストも、実はカイラがギルド職員に裏金を渡して、ルーイと組めるよう仕組んでもらったのだ。
密かに収集した情報によれば、ルーイは結婚相手を探すために、女性の冒険者と組んでいるという。
ニーアの方は、結婚相手を探すために国を出たのではなかったが、本人がルーイを気に入ったのであれば、応援してさしあげよう、そうカイラは思った。
◇ ◇ ◇
「よ~し! 効果が切れないうちに、片づけちゃうぞ~!」
風に乗って、甘い花の香りとともに、獣臭い匂いがかすかに漂ってくる。アーロンは、その方角に向かって勢いよく走り出した。
「こら待て! ちゃんと他の人の速さも見ながら走るんだぞ!」
ルーイもアーロンを追いかけて走り始めた。
──俺、今ルーイと一緒に冒険してるんだ!
枝を潜り、灌木の隙間を縫いながら、アーロンは高揚感に包まれていた。
後ろからルーイが追いかけてくる足音がする。小さい頃、一緒にクエストごっこしたことを思い出した。
走り続けると、ヒグマの匂いが強くなってきた。
「いる! この先だ!」
木々が生い茂り、ヒグマの姿は見えないが、おそらく数メートル先にヒグマがいる。
「見えてきたッス! ちょっと先にミツバチの巣箱があってそれに食いついてるみたいッスね」
カイラが追いついてきて、アーロンに横から声をかけた。おそらく赤外線視力でミツバチの群れも見えているのだろう。
木立が切れ、巣箱が見えると同時に、ルーイとニーアが氷魔法を放った。
「「アイス・スパイク!」」
ほぼ同時に放たれた巨大な氷のつららが、アーロンとカイラの脇をかすめて追い越し、巣箱に食らいつくヒグマに突き刺さった。
「グガアアアア!!」
ヒグマは、巨体をよじらせて苦悶の声を上げた。茶色の毛皮で覆われた体が、びっしりと霜で凍り付き、動きが鈍くなった。
「グオオ!」
身をよじって霜をビキビキと振り払いながら、咆哮を上げ、体の向きを変えてこちらに駆け寄ってくる。
マッドハニーの効果で興奮しているのか、足止めするには至らなかったが、だいぶ歩みは鈍重だ。
カイラが素早くヒグマの後ろ側に回り込んで退路を断つと、アーロンが正面から襲い掛かった。
ヒグマは、上体を起こして前足でアーロンに殴りかかろうとしたが、アーロンのほうが速かった。
「でやあっ!」
ルーイの身長ほどもある戦斧を軽々と振り回し、間合いの外から横薙ぎにヒグマの喉笛を掻っ切った。
どうっ! と音を立ててヒグマは地面に倒れ伏し、動かなくなった。
「やりましたね!」
ニーアが喜びの声を上げた。
「へっへ~ん。ルーイ、俺どうだった?」
アーロンは得意げな顔で鼻の下をこすり、後から追いついたルーイに尋ねた。
「え……。うん、まあ……。お前が戦ってるところ、見たことなかったから……その……まあ新鮮だった、っていうか……」
ルーイは、眼をそらして恥ずかしそうに小声で言った。
「だよな! 俺、強いだろ!」
アーロンは、ますます心がわっふるわっふるして、ルーイにヘッドロックをした。
「や、やめろよっ」
ルーイが抵抗しているのがなんだかかわいくて、ぎゅっとさらに力を入れたら、ルーイのサラサラの髪が、アーロンの頬をくすぐり、なんともいえないいい匂いがした。
──はわ!?
なぜだかドキドキしてしまい、アーロンが自分で驚いて力を緩めると、ルーイは、アーロンの腕から脱出して首をコキコキさせながら、
「まったく……」
などとあきれ顔をした。
──ルーイから、初めて嗅ぐ、いい匂いがした……。
ハチミツの匂いや花の匂いではない。ルーイの匂いだ。ルーイの匂いそのものも、いい匂いだが、それ自体はいつも嗅いでいるので慣れている。しかし今は、それがいつもよりも、さらにいい匂いがしたのだ。
「どうしたんだ、アーロン?」
ルーイは怪訝な顔をしている。さっきのいい匂いは、今はほとんどしていない。
しかし、アーロンのドキドキは、まだ止まっていない。
──なんだ、どうしちゃったんだ?
「早く次のヒグマを倒しに行くッスよ~!」
カイラに声をかけられ、アーロンはまた走り出した。
◇ ◇ ◇
四人は、この調子でどんどんと、牧場の敷地内に入ってマッドハニーを食い漁るヒグマを倒していった。
「もう十頭くらいも倒したかな」
「俺、そろそろ自分がヒグマ臭くなってきて、鼻が効かなくなってきた」
アーロンは顔をしかめながら鼻をスンスンした。服にもヒグマの返り血が飛び散っている。
「ルーイ、俺、腹減った~」
「よし、じゃあそろそろ昼ご飯にするか」
四人は、見通しのいい花畑で昼食を取ることにした。濃いピンクの小さな花が一面に咲き乱れ、ミツバチが飛び交っている。
「この花が、多分マッドハニーを作る元になる花なんッスね。……見た目はフツーに可憐な花ッスけど……」
カイラが花を一輪摘んで、匂いを嗅いだ。
「花の蜜吸ってもおかしくなるのかなぁ」
「やめろ~!」
アーロンが花の根元を吸う真似をすると、ルーイが慌てて止めた。
「ルーイ、何持ってきた? 俺、ヒグマ退治だからって母ちゃんがサーモンサンド持たせてくれた」
「なんで好物をわざわざ持たせるんだ……。俺はコールスローと卵のサンドだ」
「そっちも美味そう……。サーモンサンド半分あげるから、コールスローサンド半分ちょうだい」
「しょうがないな……」
ルーイがサンドイッチを半分差し出した。アーロンは嬉々として受け取ると、早速サンドイッチにかぶりついた。
ニーアとカイラも、それぞれ昼食を食べ始めた。
空は晴れ渡り、さわやかな風が頬を優しく撫でている。ついついピクニックのような気分になってしまう。
花畑の石段に腰を掛け、アーロンは、隣に座ってサンドイッチを食べるルーイを見つめた。
時折、ピンクの花びらが風に舞い、ルーイの透けるような肌と、涼やかな瞳の前を横切って行く。
──ルーイは、お嫁さん探すために冒険者をやってるって言ってたけど、ルーイのほうが理想のお嫁さんみたいだよな……男だけど……。
なんだかんだ面倒を見てくれて、料理もできて、魔法が使えて、スラッとしていて、綺麗で……。
──なんかまたドキドキしてきたぞ……。
アーロンは、ドキドキを飲み込むように、サンドイッチを口に押し込んだ。
三人の様子を眺めながら、カイラは思った。
実はニーアは、さる国の王女で、窮屈な宮廷生活がいやになり、修行と称して冒険者に身をやつし、諸国を漫遊しているのだ。そしてカイラは、ニーアの身を守るための隠密だった。
しかし、冒険者には勇猛だが粗暴な男が多い。
立ちションなどはまだマシなほうで、臭い、汚い、言葉遣いが乱暴、女性冒険者にセクハラをする、意見が合わないと怒鳴りつける、自分ばかり活躍したくて女性冒険者に役割を与えない、ニーアに雑用を押し付ける、カイラを女性扱いしない、などなど、ヤバい男が数えきれないほどいる。
そんな中で、スラッとした優美なスタイル、透明感のある繊細な顔立ちで、女性に対して乱暴なふるまいをしないルーイは、ニーアと安心して組ませられる、数少ない男性冒険者だった。
すでに2回ほど一緒にクエストに行ったことがあり、どうやらニーアのほうは、ルーイをかなり気に入っているようだ。
今回のクエストも、実はカイラがギルド職員に裏金を渡して、ルーイと組めるよう仕組んでもらったのだ。
密かに収集した情報によれば、ルーイは結婚相手を探すために、女性の冒険者と組んでいるという。
ニーアの方は、結婚相手を探すために国を出たのではなかったが、本人がルーイを気に入ったのであれば、応援してさしあげよう、そうカイラは思った。
◇ ◇ ◇
「よ~し! 効果が切れないうちに、片づけちゃうぞ~!」
風に乗って、甘い花の香りとともに、獣臭い匂いがかすかに漂ってくる。アーロンは、その方角に向かって勢いよく走り出した。
「こら待て! ちゃんと他の人の速さも見ながら走るんだぞ!」
ルーイもアーロンを追いかけて走り始めた。
──俺、今ルーイと一緒に冒険してるんだ!
枝を潜り、灌木の隙間を縫いながら、アーロンは高揚感に包まれていた。
後ろからルーイが追いかけてくる足音がする。小さい頃、一緒にクエストごっこしたことを思い出した。
走り続けると、ヒグマの匂いが強くなってきた。
「いる! この先だ!」
木々が生い茂り、ヒグマの姿は見えないが、おそらく数メートル先にヒグマがいる。
「見えてきたッス! ちょっと先にミツバチの巣箱があってそれに食いついてるみたいッスね」
カイラが追いついてきて、アーロンに横から声をかけた。おそらく赤外線視力でミツバチの群れも見えているのだろう。
木立が切れ、巣箱が見えると同時に、ルーイとニーアが氷魔法を放った。
「「アイス・スパイク!」」
ほぼ同時に放たれた巨大な氷のつららが、アーロンとカイラの脇をかすめて追い越し、巣箱に食らいつくヒグマに突き刺さった。
「グガアアアア!!」
ヒグマは、巨体をよじらせて苦悶の声を上げた。茶色の毛皮で覆われた体が、びっしりと霜で凍り付き、動きが鈍くなった。
「グオオ!」
身をよじって霜をビキビキと振り払いながら、咆哮を上げ、体の向きを変えてこちらに駆け寄ってくる。
マッドハニーの効果で興奮しているのか、足止めするには至らなかったが、だいぶ歩みは鈍重だ。
カイラが素早くヒグマの後ろ側に回り込んで退路を断つと、アーロンが正面から襲い掛かった。
ヒグマは、上体を起こして前足でアーロンに殴りかかろうとしたが、アーロンのほうが速かった。
「でやあっ!」
ルーイの身長ほどもある戦斧を軽々と振り回し、間合いの外から横薙ぎにヒグマの喉笛を掻っ切った。
どうっ! と音を立ててヒグマは地面に倒れ伏し、動かなくなった。
「やりましたね!」
ニーアが喜びの声を上げた。
「へっへ~ん。ルーイ、俺どうだった?」
アーロンは得意げな顔で鼻の下をこすり、後から追いついたルーイに尋ねた。
「え……。うん、まあ……。お前が戦ってるところ、見たことなかったから……その……まあ新鮮だった、っていうか……」
ルーイは、眼をそらして恥ずかしそうに小声で言った。
「だよな! 俺、強いだろ!」
アーロンは、ますます心がわっふるわっふるして、ルーイにヘッドロックをした。
「や、やめろよっ」
ルーイが抵抗しているのがなんだかかわいくて、ぎゅっとさらに力を入れたら、ルーイのサラサラの髪が、アーロンの頬をくすぐり、なんともいえないいい匂いがした。
──はわ!?
なぜだかドキドキしてしまい、アーロンが自分で驚いて力を緩めると、ルーイは、アーロンの腕から脱出して首をコキコキさせながら、
「まったく……」
などとあきれ顔をした。
──ルーイから、初めて嗅ぐ、いい匂いがした……。
ハチミツの匂いや花の匂いではない。ルーイの匂いだ。ルーイの匂いそのものも、いい匂いだが、それ自体はいつも嗅いでいるので慣れている。しかし今は、それがいつもよりも、さらにいい匂いがしたのだ。
「どうしたんだ、アーロン?」
ルーイは怪訝な顔をしている。さっきのいい匂いは、今はほとんどしていない。
しかし、アーロンのドキドキは、まだ止まっていない。
──なんだ、どうしちゃったんだ?
「早く次のヒグマを倒しに行くッスよ~!」
カイラに声をかけられ、アーロンはまた走り出した。
◇ ◇ ◇
四人は、この調子でどんどんと、牧場の敷地内に入ってマッドハニーを食い漁るヒグマを倒していった。
「もう十頭くらいも倒したかな」
「俺、そろそろ自分がヒグマ臭くなってきて、鼻が効かなくなってきた」
アーロンは顔をしかめながら鼻をスンスンした。服にもヒグマの返り血が飛び散っている。
「ルーイ、俺、腹減った~」
「よし、じゃあそろそろ昼ご飯にするか」
四人は、見通しのいい花畑で昼食を取ることにした。濃いピンクの小さな花が一面に咲き乱れ、ミツバチが飛び交っている。
「この花が、多分マッドハニーを作る元になる花なんッスね。……見た目はフツーに可憐な花ッスけど……」
カイラが花を一輪摘んで、匂いを嗅いだ。
「花の蜜吸ってもおかしくなるのかなぁ」
「やめろ~!」
アーロンが花の根元を吸う真似をすると、ルーイが慌てて止めた。
「ルーイ、何持ってきた? 俺、ヒグマ退治だからって母ちゃんがサーモンサンド持たせてくれた」
「なんで好物をわざわざ持たせるんだ……。俺はコールスローと卵のサンドだ」
「そっちも美味そう……。サーモンサンド半分あげるから、コールスローサンド半分ちょうだい」
「しょうがないな……」
ルーイがサンドイッチを半分差し出した。アーロンは嬉々として受け取ると、早速サンドイッチにかぶりついた。
ニーアとカイラも、それぞれ昼食を食べ始めた。
空は晴れ渡り、さわやかな風が頬を優しく撫でている。ついついピクニックのような気分になってしまう。
花畑の石段に腰を掛け、アーロンは、隣に座ってサンドイッチを食べるルーイを見つめた。
時折、ピンクの花びらが風に舞い、ルーイの透けるような肌と、涼やかな瞳の前を横切って行く。
──ルーイは、お嫁さん探すために冒険者をやってるって言ってたけど、ルーイのほうが理想のお嫁さんみたいだよな……男だけど……。
なんだかんだ面倒を見てくれて、料理もできて、魔法が使えて、スラッとしていて、綺麗で……。
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