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第6章 Sin and punishment for falling in love
1人の男の子との出会い
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私は死神といいます。
産まれた時から名前は無く、「死神」という名前だけが割り振られている存在です。
私の仕事は、もうすぐこの世を旅立ってしまう人間に、寿命が残りわずかだと伝える事です。
死神の仕事にもランクがあって、私の仕事よりも下のランクは、死者の魂をあの世に送ってあげる仕事になります。
まぁ、その下のランクの人達は「死神」という名前すら与えられない存在になってしまうんですけどね。
下のランクの人達は感情がなく、ただ仕事をこなしていく、まるでお人形さんのような人達ばかりです。
つまりランクが上がれば上がるほど、生きた人間と関われる時間が多くなり、自分の気持ちを持つことが出来ます。
生きた人間と関わる時間が多くなるという事はリスクも増えるので、ランクに見合った立ち振る舞いをしなければならないのです。
大変ですが、とてもやりがいがあって楽しい仕事です。
今日もあと少しで旅立ってしまう命があるため、その人の所へと向かっています。
どんな人なのか楽しみです。
私はしばらく空を飛び、会うべき人の所へと向かい、今その人の家へと着いた。
家はとても大きく、木や花が植えられていて自然がいっぱいだった。
川は流れ、風も涼しく、静かに目を瞑ると温かい気持ちになる。
しばらくの間、この自然達と話をするように耳を傾けていたが、自分のしなければならない事を思い出し、目を開ける。
私の姿は普通の人間には見えないようになっていて、寿命が残りわずかな人間にだけその姿を現すようになっている。
だから私はその人の家へと勝手に入っても気付かれずに、楽に仕事が出来るのだ。
「お邪魔します!」
私は元気よく扉を開け、勝手ではあるが家の中へと入り、これから会う人の事を探した。
家の中もキラキラとしていて、まるでお人形さんが住んでいるような家だった。
私はしばらく1階に人がいないか探したが誰もいなかった。
私は階段を見つけ、2階へと登ることにした。
2階へ登ると部屋がいくつもあり、その中でもなぜだか分からないが、気配のする部屋へと入る事にした。
扉を覗くように少し開けると、部屋の窓を開けているのか、涼しい風が私の頬を撫でる。
そしてベッドの上には、体の小さな男の子が窓の外を見ながら座っていた。
「あのぉ…こんにちは。」
私が恐る恐る入ると、男の子は驚いたように私の方を振り向いた。
「だ、誰?」
高くて可愛らしい声は、少し脅えているように感じる。
私は扉を最後まで開けて部屋の中に入り、元気よくその男の子に言う。
「こんにちは!私死神と申します!」
それが私と柚希の出会いだった。
産まれた時から名前は無く、「死神」という名前だけが割り振られている存在です。
私の仕事は、もうすぐこの世を旅立ってしまう人間に、寿命が残りわずかだと伝える事です。
死神の仕事にもランクがあって、私の仕事よりも下のランクは、死者の魂をあの世に送ってあげる仕事になります。
まぁ、その下のランクの人達は「死神」という名前すら与えられない存在になってしまうんですけどね。
下のランクの人達は感情がなく、ただ仕事をこなしていく、まるでお人形さんのような人達ばかりです。
つまりランクが上がれば上がるほど、生きた人間と関われる時間が多くなり、自分の気持ちを持つことが出来ます。
生きた人間と関わる時間が多くなるという事はリスクも増えるので、ランクに見合った立ち振る舞いをしなければならないのです。
大変ですが、とてもやりがいがあって楽しい仕事です。
今日もあと少しで旅立ってしまう命があるため、その人の所へと向かっています。
どんな人なのか楽しみです。
私はしばらく空を飛び、会うべき人の所へと向かい、今その人の家へと着いた。
家はとても大きく、木や花が植えられていて自然がいっぱいだった。
川は流れ、風も涼しく、静かに目を瞑ると温かい気持ちになる。
しばらくの間、この自然達と話をするように耳を傾けていたが、自分のしなければならない事を思い出し、目を開ける。
私の姿は普通の人間には見えないようになっていて、寿命が残りわずかな人間にだけその姿を現すようになっている。
だから私はその人の家へと勝手に入っても気付かれずに、楽に仕事が出来るのだ。
「お邪魔します!」
私は元気よく扉を開け、勝手ではあるが家の中へと入り、これから会う人の事を探した。
家の中もキラキラとしていて、まるでお人形さんが住んでいるような家だった。
私はしばらく1階に人がいないか探したが誰もいなかった。
私は階段を見つけ、2階へと登ることにした。
2階へ登ると部屋がいくつもあり、その中でもなぜだか分からないが、気配のする部屋へと入る事にした。
扉を覗くように少し開けると、部屋の窓を開けているのか、涼しい風が私の頬を撫でる。
そしてベッドの上には、体の小さな男の子が窓の外を見ながら座っていた。
「あのぉ…こんにちは。」
私が恐る恐る入ると、男の子は驚いたように私の方を振り向いた。
「だ、誰?」
高くて可愛らしい声は、少し脅えているように感じる。
私は扉を最後まで開けて部屋の中に入り、元気よくその男の子に言う。
「こんにちは!私死神と申します!」
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