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第4章 友情と愛情
恋愛会議
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「おい、ここラブホじゃね?」
勇気が取れたと言っていたホテルに着いたが、そこはラブホテルだった。
「仕方ないだろ、安くて泊まれる場所なんてここくらいしか無いんだから。」
「まぁ、そうだけど・・・。」
「僕が先に会計してくるから少し待ってて、お金がある分だけ泊まれるように電話で言ってあるから。」
「俺も行かなくていい?」
「男2人がラブホなんて恥ずかしいだろ?だからスムーズに入れるように僕だけが行く。」
「おう、頼んだ。」
勇気は本当に頼もしいやつだ。
俺が困ってる時はいつも助けてくれるし、俺が出来ないことは力になってくれる。
勇気が会計をしに行っている時、俺は外で空を眺めた。
死んでから見る空と、生きている時に見る空はやっぱり違う。
なぜか俺は死んだんだと思い知らされているかのように綺麗に見える。
「会計済んだよ、鍵も貰った。行こう。」
「おう。」
勇気が俺を呼びに来た。
2人でホテルに入る時店員のお兄さんが俺たちを見ていた。
勇気・・・、お前男を虜にしすぎだろ。
「はぁ・・・着いた。」
俺は直ぐに部屋に入るなりベッドへとダイブした。
「全く、急に家に帰りたくないってどうしたんだよ。」
「男には言えないこともあるのさ。」
勇気の質問に俺はてきとうに答える。
俺は少し気になっていることがあるため勇気にその疑問をぶつけることにした。
「あのさ、お前って霊感あるの?」
しばらくの沈黙。
「なんで?」
勇気は俺に真剣な表情を向けた。
「あ、いや、この部屋霊とかどうなのかなって。俺霊感無いからさ、勇気があるなら教えてもらおうと思って。」
これも嘘だ。
勇気には死んだ俺が見えている。
考えられるのは勇気に霊感があるということだけ。
「まぁ、ある方だよ。」
勇気は笑いながら答え、続ける。
「でもこの部屋は大丈夫、僕と光太だけだよ。」
「あ・・・、そうなんだ。さんきゅ!」
俺はとりあえず勇気と同じ笑顔で答えた。
やっぱり勇気には霊感がある。
だから俺が見えている。
「明日はどうするの?」
勇気が突然俺に聞いてきた。
「え!?明日か・・・。一応学校には行くけど授業とかには出ないかな。」
勇気以外に俺が見えるはずが無い。
だから授業なんかに出たら俺がいないということを周りが知り、勇気も知ることになる。
その時点で色々アウトだ。
「じゃー僕もサボるよ。」
「は!?」
優等生の勇気から出るはずのない言葉が出た。
おいおい、お前にはまだ未来があるだろ。
未来のない俺に付き合う必要ないっての。
「いやいいよ!お前一応優等生ポジションだろ?」
「別に構わない。」
「いや悪いって。」
「なぁ、光太。」
さっきまで楽しそうに話していた勇気の声は少し暗くなっていた。
「何か思い詰めてることでもあるの?僕でよければ協力するよ。」
本当に優しいやつだ。
俺は勇気に嘘をついてそれに付き合ってもらっているのに、俺が何か思い詰めてると思って気を利かせてくれている。
「いや本当になんでもないんだ。ただ今しか出来ないことをやっておこうと思って。」
「今しか出来ないことって?」
「聞きたいか?」
俺は少しでも暗くなった雰囲気を明るくしようとワクワクしたように話す。
「宮島さんに告白する!」
「・・・え?」
「だから、宮島莉央に告白するんだよ!俺たち学生だぜ?恋愛とかいう青春は今しか出来ないかもしれない。」
「でもそれはゆっくりやって行こうって話をしたじゃないか、なんで急に。」
「思い立ったらすぐやる!勇気もよかったら協力してくれよ!」
「・・・・・・。分かったよ、協力する。」
勇気は仕方ないなと言うように笑った。
「じゃー明日の放課後に告白する!」
「明日!?」
「おう!そうだなぁ直接は恥ずかしいからラブレターでも書くか。」
俺はホテルにあるメモ用紙とペンでラブレターを書き始めた。
直接告白したいところだが、宮島さんにはきっと俺は見えない。
だから机の中にこっそり俺のラブレターを入れておくのだ。
俺が死んだと学校に伝えられるのはいつだろうか、多分明日だ。
明日の放課後までにこの手紙を机の中に入れておく。
完璧な作戦だ。
「よしできた!」
「なんて書いたの?」
「ずっと好きですって書いたよ、俺手紙苦手だから1文しか思いつかなかった。」
「付き合おうとか言わないの?」
「いや、そこまでは求めてない。今は気持ちを伝えられればそれでいいんだ。」
「そっか。」
俺はラブレターと言えるか分からないラブレターを机の上に置き寝ることにした。
「お風呂は?」
勇気が寝ようとする俺に聞いてきたが、死んだ俺にお風呂なんてものは関係ない。
「面倒臭いからいいよ、勇気だけ入りな。」
「不潔なやつ、じゃー入るよ。」
勇気がお風呂に入り、シャワーを流している音が聞こえる。
俺はその音を聞きながら少しずつ瞼を閉じた。
勇気が取れたと言っていたホテルに着いたが、そこはラブホテルだった。
「仕方ないだろ、安くて泊まれる場所なんてここくらいしか無いんだから。」
「まぁ、そうだけど・・・。」
「僕が先に会計してくるから少し待ってて、お金がある分だけ泊まれるように電話で言ってあるから。」
「俺も行かなくていい?」
「男2人がラブホなんて恥ずかしいだろ?だからスムーズに入れるように僕だけが行く。」
「おう、頼んだ。」
勇気は本当に頼もしいやつだ。
俺が困ってる時はいつも助けてくれるし、俺が出来ないことは力になってくれる。
勇気が会計をしに行っている時、俺は外で空を眺めた。
死んでから見る空と、生きている時に見る空はやっぱり違う。
なぜか俺は死んだんだと思い知らされているかのように綺麗に見える。
「会計済んだよ、鍵も貰った。行こう。」
「おう。」
勇気が俺を呼びに来た。
2人でホテルに入る時店員のお兄さんが俺たちを見ていた。
勇気・・・、お前男を虜にしすぎだろ。
「はぁ・・・着いた。」
俺は直ぐに部屋に入るなりベッドへとダイブした。
「全く、急に家に帰りたくないってどうしたんだよ。」
「男には言えないこともあるのさ。」
勇気の質問に俺はてきとうに答える。
俺は少し気になっていることがあるため勇気にその疑問をぶつけることにした。
「あのさ、お前って霊感あるの?」
しばらくの沈黙。
「なんで?」
勇気は俺に真剣な表情を向けた。
「あ、いや、この部屋霊とかどうなのかなって。俺霊感無いからさ、勇気があるなら教えてもらおうと思って。」
これも嘘だ。
勇気には死んだ俺が見えている。
考えられるのは勇気に霊感があるということだけ。
「まぁ、ある方だよ。」
勇気は笑いながら答え、続ける。
「でもこの部屋は大丈夫、僕と光太だけだよ。」
「あ・・・、そうなんだ。さんきゅ!」
俺はとりあえず勇気と同じ笑顔で答えた。
やっぱり勇気には霊感がある。
だから俺が見えている。
「明日はどうするの?」
勇気が突然俺に聞いてきた。
「え!?明日か・・・。一応学校には行くけど授業とかには出ないかな。」
勇気以外に俺が見えるはずが無い。
だから授業なんかに出たら俺がいないということを周りが知り、勇気も知ることになる。
その時点で色々アウトだ。
「じゃー僕もサボるよ。」
「は!?」
優等生の勇気から出るはずのない言葉が出た。
おいおい、お前にはまだ未来があるだろ。
未来のない俺に付き合う必要ないっての。
「いやいいよ!お前一応優等生ポジションだろ?」
「別に構わない。」
「いや悪いって。」
「なぁ、光太。」
さっきまで楽しそうに話していた勇気の声は少し暗くなっていた。
「何か思い詰めてることでもあるの?僕でよければ協力するよ。」
本当に優しいやつだ。
俺は勇気に嘘をついてそれに付き合ってもらっているのに、俺が何か思い詰めてると思って気を利かせてくれている。
「いや本当になんでもないんだ。ただ今しか出来ないことをやっておこうと思って。」
「今しか出来ないことって?」
「聞きたいか?」
俺は少しでも暗くなった雰囲気を明るくしようとワクワクしたように話す。
「宮島さんに告白する!」
「・・・え?」
「だから、宮島莉央に告白するんだよ!俺たち学生だぜ?恋愛とかいう青春は今しか出来ないかもしれない。」
「でもそれはゆっくりやって行こうって話をしたじゃないか、なんで急に。」
「思い立ったらすぐやる!勇気もよかったら協力してくれよ!」
「・・・・・・。分かったよ、協力する。」
勇気は仕方ないなと言うように笑った。
「じゃー明日の放課後に告白する!」
「明日!?」
「おう!そうだなぁ直接は恥ずかしいからラブレターでも書くか。」
俺はホテルにあるメモ用紙とペンでラブレターを書き始めた。
直接告白したいところだが、宮島さんにはきっと俺は見えない。
だから机の中にこっそり俺のラブレターを入れておくのだ。
俺が死んだと学校に伝えられるのはいつだろうか、多分明日だ。
明日の放課後までにこの手紙を机の中に入れておく。
完璧な作戦だ。
「よしできた!」
「なんて書いたの?」
「ずっと好きですって書いたよ、俺手紙苦手だから1文しか思いつかなかった。」
「付き合おうとか言わないの?」
「いや、そこまでは求めてない。今は気持ちを伝えられればそれでいいんだ。」
「そっか。」
俺はラブレターと言えるか分からないラブレターを机の上に置き寝ることにした。
「お風呂は?」
勇気が寝ようとする俺に聞いてきたが、死んだ俺にお風呂なんてものは関係ない。
「面倒臭いからいいよ、勇気だけ入りな。」
「不潔なやつ、じゃー入るよ。」
勇気がお風呂に入り、シャワーを流している音が聞こえる。
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