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第4章 友情と愛情
俺、死んで参上!
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綺麗な夕日が沈む中、俺は死んだ。
それはすぐ分かったことだ。
俺の目の前に転がっているこの人間は、死んで倒れた俺なのだから。
どうやら学校からの帰宅途中で誰かから刺されたみたいだ。
俺を指した犯人が逃げていくのを見た。
でもそいつは黒い服にマスクとサングラス、フードを被っていたため誰か分からなかった。
要するに絵に書いたような不審者だ。
「まじかよ、笑えねぇ。」
俺が一言ボソリと口に出すと、
「あんたついてないね。」
女の子の声が後ろからした。
俺が振り向くとそこにはドアを担いだ女の子が立っていた。
「うわっ!!!!!なんだよお前。」
「私?私は死者の魂をあの世に送る仕事をしている者だ。名前はないから自己紹介がこれくらいしか出来ない。」
女の子はそういうと担いでいたドアを地面に置き、そのドアを開いた。
「ってことであの世に行ってもらうよ、この階段登って。」
まだ俺はパニック状態だというのに、話が勝手に進んでいく。
「いや、登ってくださいって言われて登れるわけないだろ!これ未練とかそういうの何もなしに登るの?」
「そう。」
「いやいやいやいや!!!俺まだ童貞だよ?勝手に話進めんなよ。やりたい事まだあるから!」
「死んだ魂のままのあんたに何が出来るの?」
「……、それ言われたら終わりだよ。」
俺は女の子に俺の気持ちを伝えたが、そんな事関係ないと言うように女の子は全て弾き返してくる。
俺は負けじと女の子に頼み込む。
「お願い!ほら、未練が無くならないと俺幽霊になっちゃうかもよ?」
「ならないから大丈夫。」
「そこを何とか!お願いお願い!!」
手を合わせ何度も女の子にお願いする。
「いや駄目だ。こっちも仕事なんだ。あんたにばっかり構ってる訳にはいかない。」
女の子はため息をつきながら俺にそう言ってくる。
どうやら本当に俺の未練は残ったままになるかもしれない。
こうなったらもう強硬手段しかない。
俺は勢いよく後ろを振り向きそのまま走り出した。
「あ!おい!!」
女の子の大きい声が俺を呼び止めようとする。
俺は振り向きもせずただ走る。
「こんな所で終わってたまるかよ、俺にはやりたい事があるんだ。」
俺は死んだ。
でもそれは終わりを意味している訳ではなく、これから俺が未練を自分の手で消し去る始まりの合図なのかもしれない。
俺にとっては死んだ後が最後のチャンスなのかもしれない。
そう思いながら俺はただひたすら走り出す。
生きているうちは失敗を恐れて何も出来なかったけど、死んでるなら失敗なんか恐れる必要も無い。
俺は死んで再びこの世に参上したのだ。
それはすぐ分かったことだ。
俺の目の前に転がっているこの人間は、死んで倒れた俺なのだから。
どうやら学校からの帰宅途中で誰かから刺されたみたいだ。
俺を指した犯人が逃げていくのを見た。
でもそいつは黒い服にマスクとサングラス、フードを被っていたため誰か分からなかった。
要するに絵に書いたような不審者だ。
「まじかよ、笑えねぇ。」
俺が一言ボソリと口に出すと、
「あんたついてないね。」
女の子の声が後ろからした。
俺が振り向くとそこにはドアを担いだ女の子が立っていた。
「うわっ!!!!!なんだよお前。」
「私?私は死者の魂をあの世に送る仕事をしている者だ。名前はないから自己紹介がこれくらいしか出来ない。」
女の子はそういうと担いでいたドアを地面に置き、そのドアを開いた。
「ってことであの世に行ってもらうよ、この階段登って。」
まだ俺はパニック状態だというのに、話が勝手に進んでいく。
「いや、登ってくださいって言われて登れるわけないだろ!これ未練とかそういうの何もなしに登るの?」
「そう。」
「いやいやいやいや!!!俺まだ童貞だよ?勝手に話進めんなよ。やりたい事まだあるから!」
「死んだ魂のままのあんたに何が出来るの?」
「……、それ言われたら終わりだよ。」
俺は女の子に俺の気持ちを伝えたが、そんな事関係ないと言うように女の子は全て弾き返してくる。
俺は負けじと女の子に頼み込む。
「お願い!ほら、未練が無くならないと俺幽霊になっちゃうかもよ?」
「ならないから大丈夫。」
「そこを何とか!お願いお願い!!」
手を合わせ何度も女の子にお願いする。
「いや駄目だ。こっちも仕事なんだ。あんたにばっかり構ってる訳にはいかない。」
女の子はため息をつきながら俺にそう言ってくる。
どうやら本当に俺の未練は残ったままになるかもしれない。
こうなったらもう強硬手段しかない。
俺は勢いよく後ろを振り向きそのまま走り出した。
「あ!おい!!」
女の子の大きい声が俺を呼び止めようとする。
俺は振り向きもせずただ走る。
「こんな所で終わってたまるかよ、俺にはやりたい事があるんだ。」
俺は死んだ。
でもそれは終わりを意味している訳ではなく、これから俺が未練を自分の手で消し去る始まりの合図なのかもしれない。
俺にとっては死んだ後が最後のチャンスなのかもしれない。
そう思いながら俺はただひたすら走り出す。
生きているうちは失敗を恐れて何も出来なかったけど、死んでるなら失敗なんか恐れる必要も無い。
俺は死んで再びこの世に参上したのだ。
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