共犯

ボブえもん工房

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第3章 2人の佳月

名コンビ

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高校に入り、私達は新しい環境に馴染めるか不安だったが、そんな心配は必要なかった。
彼女の持ち前の明るさと優しさで、友達はすぐにできた。
いつも周りには人がいる。
その中でも常に一緒にいて仲が良かったのは、切島 恭子(きりしま きょうこ)だ。
彼女は吹奏楽部に所属していた。
私達は部活には入らなかったが、それでも友達は多くいた。
「佳月~、部活マジだるい~。」
「どうしたよ。」
後ろの席に座っている恭子の声に振り向き尋ねると、彼女は机に突っ伏して文句を言っている。
「うちの部活悪口ばっかりで嫌になるんだよね。さすが女子の部活って感じ~。」
「何それ、意味分からん。」
笑いながら言うと、彼女は「佳月が入ってくれたらなぁ。」と大袈裟に声を出す。
「まぁ頑張ってこい!頑張れ頑張れ恭子~!」
茶化しながら友達を励ますもう1人の私。
どこまでも人が良すぎる。
そんな性格の志田佳月が好きで、皆集まってくるのだろう。
恭子もきっとその1人だ。
2人はいつも一緒で、他の子達からも漫才コンビと言われる程相性が良かった。


神様は面白いもので、私達と恭子はクラス替えをしても、3年間同じクラスだった。
「最後の最後まで佳月と同クラかよぉ~!」
「うわぁ~、またうるさいのが付きまとってくる!」
「いやそれこっちのセリフね!」
いつもと変わらない会話をしている。
お互いをいじり合っても嫌な雰囲気にならない彼女達。
ここまでくれば親友なのだろう。
教師からは2人が揃うと、教室がうるさくなると言われていた。
結構学年では有名な名コンビなのだ。
何もかも上手くいっていた。
高校最後の冬までは…。
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