共犯

ボブえもん工房

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第1章 大学最後のビッグイベント

同級生との最後の思い出

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どれくらいの時間が経ったかは分からないが、そんなに待ってはいないだろう。
どうやら全員が集まったようだ。
スタッフが出てきて丸テーブルに少しずつ料理が並べられていく。
「これコース料理ってやつ?」
「もう私達お金持ちじゃん!」
テンションが上がる友達。
確かにコース料理なんて、大人にならないと食べる機会が無いだろうし、テンション上がる気持ちは何となく分かる。
「でもコース料理ってちょっとずつ出てくるんでしょ?私待てなーい!」
いつも食い意地を張っている友達は少し不満げだ。
その姿にまた笑わせられる。
「それあんただけでしょー!」
「違うわ!」
私の座っているテーブルは、とても平和な空間に包まれていた。
会話をしながら食事をしていると、どこからか大きな笑い声が聞こえてきて、横目でそのテーブルを見ると千紘達だった。
まるで陽キャの集まり。
さっそくお酒を飲んで、誰よりも大きな声で話をしている。
「さすが騒がしいって言われてるサークルだよね。」
「あそこのサークルは派閥が凄いからね、陽キャ集団よ!」
友達はあのサークル集団を良く思っていないようだ。
「確かにちょっと怖いよね、でも伊藤千紘は良い奴だよ?」
あのサークルには玲奈がいる為、私も良いイメージは無いが、千紘に変な誤解が生まれないように優しく話をした。
「それは知ってる!だって佳月とあの子はずっと友達じゃん!佳月は良い奴としかつるまないから分かってるよ!」
友達の言葉に照れくさくなり、料理を頬張ると、別の友達が「それって私達も良い奴って自分で言ってるようなもんじゃーん!」と茶化してくる。
またそれに大笑いする。
私達も周りの事が気にならないくらいはしゃいでいた。


食事が終わった頃アナウンスが鳴った。
ピーンポーンパーンポーン…。
「ホテルニュータウンにお越しの皆様、ここからは自由時間になります。当ホテル3階には様々な娯楽スペースがございます。ご自由にお使いください。」
ピーンポーンパーンポーン…。
アナウンスを聞き終えた友達が1人立ち上がり、
「私他の友達と会う約束してるから、そっち行ってくる!」
と私達に手を振り、約束していた子達の元へと行ってしまった。
別の友達も各々約束をしていたようで、私はテーブルに1人取り残されてしまった。
どうしようか悩んでいると、私以外にもテーブルに1人で座り、スマホの画面をタップしている青いドレスの子がいた。
私はその子に近づいて、話し掛けた。
「千紘、何してんの?」
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