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魔法が恐ろしければ、魔法の射程圏外から攻撃すれば良いじゃない
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真夜中。と言っても月がそれなりに光っているので、真っ暗では無い。
突如として拠点が崩壊し、その跡地から大勢の兵士達が湧き出てきた。
「敵はいるか!?」
「いえ、周囲には見えません!」
「よし、今の内に隊列を組むぞ!」
迅速に行軍のために細長い隊列を組み、森の中を進む。
その全員が森の中に入った所で――、
「――『創出』!」
退路がいきなり現れた土壁により遮断された。
「てっ、敵襲」と叫ぼうとした指揮官の頭を矢が貫通した。
「放て!放て!矢が尽き弓が壊れるまで放て!」
「打ちまくれ!」
「誰が一番当てたか競争だ!」
瞬く間に大混乱に陥った。
「クソ、こうなったら魔幸薬だっ!」
盾に隠れて携帯していた小瓶の中身を飲んだ者もいたが――、
「アイツだ!狙え!」
「ギャッ!」
強弓に盾ごと貫通されて、なすすべ無く絶命する。
――夜明け前には僅かな生き残りを捕虜として、ゼノビア嬢とペトロニウスが率いるこちらは決着が付いていたのだった。
一方、俺達はオーガ族を率いて地下通路を走っていた。
行き止まりの空間は丁寧に石が敷き詰められていて、木で出来た簡素な階段と繋がっていた。俺が今まで魔剣に食べさせた元・貴族の1人を放って階段を真っ先に駆け上らせると、上から槍が降ってきて刺し貫いた。
『やっぱり罠があったか』
『常套手段だな』
なので、俺は特大の闇魔法を放って空間ごと破壊すると――魔幸薬の倉庫の床と壁をぶち抜いて、夜空が見えたのだった。
何事だ、と騒ぎになる前に――、
「走れ!」
オーガ族のみんなが頷いて、我先に監禁されている魔人族を解放するためにあちこちへと走って行った。
――遠くで城内から門がこじ開けられて、同時にマリウス卿率いる軍隊の夜襲を告げる鬨の声が聞こえた。
俺達は単身、そこに残った。
突如として拠点が崩壊し、その跡地から大勢の兵士達が湧き出てきた。
「敵はいるか!?」
「いえ、周囲には見えません!」
「よし、今の内に隊列を組むぞ!」
迅速に行軍のために細長い隊列を組み、森の中を進む。
その全員が森の中に入った所で――、
「――『創出』!」
退路がいきなり現れた土壁により遮断された。
「てっ、敵襲」と叫ぼうとした指揮官の頭を矢が貫通した。
「放て!放て!矢が尽き弓が壊れるまで放て!」
「打ちまくれ!」
「誰が一番当てたか競争だ!」
瞬く間に大混乱に陥った。
「クソ、こうなったら魔幸薬だっ!」
盾に隠れて携帯していた小瓶の中身を飲んだ者もいたが――、
「アイツだ!狙え!」
「ギャッ!」
強弓に盾ごと貫通されて、なすすべ無く絶命する。
――夜明け前には僅かな生き残りを捕虜として、ゼノビア嬢とペトロニウスが率いるこちらは決着が付いていたのだった。
一方、俺達はオーガ族を率いて地下通路を走っていた。
行き止まりの空間は丁寧に石が敷き詰められていて、木で出来た簡素な階段と繋がっていた。俺が今まで魔剣に食べさせた元・貴族の1人を放って階段を真っ先に駆け上らせると、上から槍が降ってきて刺し貫いた。
『やっぱり罠があったか』
『常套手段だな』
なので、俺は特大の闇魔法を放って空間ごと破壊すると――魔幸薬の倉庫の床と壁をぶち抜いて、夜空が見えたのだった。
何事だ、と騒ぎになる前に――、
「走れ!」
オーガ族のみんなが頷いて、我先に監禁されている魔人族を解放するためにあちこちへと走って行った。
――遠くで城内から門がこじ開けられて、同時にマリウス卿率いる軍隊の夜襲を告げる鬨の声が聞こえた。
俺達は単身、そこに残った。
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