95 / 168
昇級試験
しおりを挟む
グリーンアイランドの事件から一年後。
スズネたちは当初予定していた三ヶ月という修行期間を大幅に延ばしていた。
いったい何故そのような事態になってしまったのか ──────── 。
その理由はミリアとマクスウェルにあった。
グリーンアイランドから戻った二人は運命的な出会いを果たす。
それは世界に数多くいる剣士を名乗る者たちの頂点に立つ男。
世界最強の剣士と謳われる“剣聖ミロク”との出会いであった。
そんな世界中が認める大剣豪に運良く剣の指導を受けさせてもらえることとなった二人なのだが・・・。
なんとミロクは指導を開始してから半年の間二人に対して剣に触れることの一切を禁止し、さらにクエストへの参加も禁止したのだった。
それによりスズネたちは予定を変更せざるを得なかったのである。
そして指導が開始されてから半年後、ようやく剣を使った修練が開始されたものの、基本的な型の素振りと瞑想という二つのメニューをただひたすらに繰り返すだけなのであった。
そこからさらに半年後 ──────── 。
やっとミロクからミリアとマクスウェルのクエスト参加が認められる。
その間の宿り木はというと、前衛二人を欠くこととなったため討伐クエストを受けることを諦め、素材集めや薬草採取、モアの街の人たちの手伝いなどの低ランククエストを受けていたのだった。
そして、そのような期間を経て久しぶりにフルメンバーでクエストに臨めることを喜び心躍らせるスズネなのであった。
「本当に久しぶりだよね。みんなでクエスト受けられるの」
「あんのクソジジイ~。冒険者に対して一年半もクエストを禁止するなんてマジでふざけてるわ」
「まぁまぁ落ち着いてください。ミロク様にも何かしらの意図があるんでしょうから」
「はぁ?いったいどんな意図があって剣士から剣を取り上げるってのよ。素振り、瞑想、たまにアンタとの打ち込み。一年半の間でやったことがこの三つだけなのよ!!」
いったいこの一年半の間に何があったのか ──────── 。
ミリアによるミロクへの愚痴が止まらない。
そして、荒れ狂うミリアを前にマクスウェルはそこにもミロクの意図があるのだと宥めるのだが、火に油を注ぐ結果となる。
そんな二人のやり取りを笑って見守るスズネたちなのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
いよいよ始まる討伐クエスト。
ミリアとマクスウェルにとっては一年半ぶりのクエスト。
そして、スズネたちもその間討伐クエストを受けていなかったため宿り木にとっても久しぶりの討伐である。
今回の討伐対象は ──────── 小鬼の群れ。
どうやら武装小鬼に率いられた群れのようで、近隣の村人が薬草採取に訪れたところを襲撃されたらしい、
そのため今回のクエストクリア条件は小鬼の群れの殲滅である。
「うおりゃぁぁぁぁぁ」
ザンッ!ズバァン!!ズババババァン!!!
これまでの鬱憤を晴らすかのように次々と小鬼を斬り伏せていくミリア。
最強を目指す彼女にとって、この一年半は周囲の者たちが考える以上に耐え難いものだったのだろう。
その間に溜めに溜めたストレスを嬉々として発散していく。
「す…凄いっすね…」
「ほ…本当にブランクがあるのでしょうか」
「わっちらの出番が無いのじゃ」
一見すると八つ当たりをして格下の魔物たちを薙ぎ倒しているようにも見えるのだが、ミリアのそれは最小限の動きと最短距離での剣捌きによって一切無駄の無いものとなっていた。
そして、そんな快進撃を見せるミリアの隣で負けじと凄まじい勢いで小鬼を斬って倒すマクスウェルの姿が。
ザンッ!ザンッ!ザンッ!ザザンッ!!!
「マクスウェル!アンタ出された課題忘れてないでしょうね」
「もちろんです。全ての敵を一撃で倒すこと。そして、一匹たりとも打ち損じることのないように」
競うように小鬼を倒していく二人。
どうやら師匠であるミロクから今回の討伐クエストに参加するにあたり課題が出されているようだ。
二人の必死な様子からして失敗した場合には何やらキツいペナルティが課せられているみたいだ。
そして、それを阻止するために二人は懸命に目の前の敵を一撃で仕留めていく。
「ダメだわ。コイツら弱過ぎ!マクスウェル、討伐数で勝負よ。負けた方は明日の打ち込み稽古中ずっと受け手よ!」
「いいですね。明日は一日僕の剣を受けてもらいますよ」
─────────────────────────
小鬼の群れと遭遇してから三十分後 ────── 討伐完了。
結果的に六体の武装小鬼と五十体を超える小鬼のほとんどをミリアとマクスウェルの二人で討伐してしまった。
あっという間の出来事にスズネたちは唖然としてしまう。
今回のクエストは一応Cランクのクエストに設定してはあるものの、数も多いためBランクパーティであっても苦戦するのではないかと考えられていた。
しかし、結果は圧倒的であった。
しかも三十分もの間敵を斬り続けていたミリアもマクスウェルも息ひとつ乱していない。
むしろ修練前の準備運動くらいにしか思っていないような涼しい顔をしている。
「はぁ~物足りないわ」
「確かに手応えのない奴らでしたね」
この一年半で明らかに強くなったミリアとマクスウェルの実力に驚愕するスズネたち。
今回のクエストについては、受付のマリからも十分に気をつけて臨むようにと念押しされていたため全員が長期戦を予想していた。
それがこの有り様である。
「わっちも強力な魔法を見せたかったのじゃ!」
「ウチらも強くなったんすけどね・・・」
「こ…今回は出番無しでしたね」
「ま…まぁ~無事にクエストもクリアしたことだしギルドに戻ろっか」
こうして気合い十分で臨んだ久々の討伐クエストをあっさりと終えた宿り木。
その後も各自修練を積みながらクエストをこなしていくという生活が続くのだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一年後 ──────── 。
冒険者ギルドモア支部 ~ Bランク昇級試験会場 ~
Bランクへの昇級を目指し試験に臨むスズネたち。
二年半にも及ぶ修練の成果を発揮し試験官であるBランク冒険者たちを一蹴するスズネたち。
そして、最後の大トリとしてミリアが昇級試験に臨む。
「冒険者パーティ“星の雫”のリーダーでBランク冒険者のモリンソンだ。試験は俺に一撃入れられれば合格だ。ここから先のランクはこれまでとは比べ物にならない魔物や魔獣と戦わなければならないからな。半端な実力じゃ合格はさせられないぜ」
「はい、はい。御託はいいからさっさと始めてくれる?こっちは最強目指してんのよ」
「フンッ、生意気な嬢ちゃんだ。口先だけじゃないことを願うよ。いつでもかかって来な!!」
───────── シュンッ。
「へっ?」
「おっそ」
ガンッ!!!!!
圧倒的な実力差を見せつけて合格するミリア。
それでも本人曰くまだまだ全然ダメらしい。
それは師であるミロクからこれまでにたったの一本すら取ることが出来ておらず、しかもミロクはその実力の片鱗すらも見せてはいないのだという。
そんな日々を過ごしているミリアからすると今回の昇級試験は物足りないものであった。
まぁ~何はともあれ無事に全員揃ってBランクへと昇級したスズネたち。
パーティランクもBランクとなり、今後受けられるクエストの幅も広がった。
そして、最後にマリから更新された冒険者カードが渡される。
「みんな、Bランクへの昇級おめでとう!聞いた話だとかなり余裕だったらしいわね」
「マリさん、ありがとうございます。なんとか合格出来て良かったです」
「またまた~謙遜しちゃって」
「マリさ~~~ん。もう全然ダメ!もっと強い人と戦りたかった~」
「うふふふふ。ミリアは相変わらずね。それじゃ、冒険者カードの更新も済んだし返しておくわね」
こうして無事にBランクとなったスズネたちは、さらなる冒険に向けて確かな一歩を踏み出したのであった。
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:スズネ Lv.48 魔法師 / 召喚師
召喚獣:クロノ Lv.1
ラフネリアス(緑龍) Lv.580
所属パーティ:宿り木 (リーダー) Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:ミリア Lv.60 剣士
武具:炎帝の剣 Lv.25
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:ラーニャ Lv.56 魔法師
召喚獣:ルドラ (グリフォン) Lv.320
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:シャムロム Lv.63 大盾使い
武具:白月の大盾 Lv.350
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:セスリー Lv.70 |射手(アーチャー)
武具:覇穹 Lv.189
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
スズネたちは当初予定していた三ヶ月という修行期間を大幅に延ばしていた。
いったい何故そのような事態になってしまったのか ──────── 。
その理由はミリアとマクスウェルにあった。
グリーンアイランドから戻った二人は運命的な出会いを果たす。
それは世界に数多くいる剣士を名乗る者たちの頂点に立つ男。
世界最強の剣士と謳われる“剣聖ミロク”との出会いであった。
そんな世界中が認める大剣豪に運良く剣の指導を受けさせてもらえることとなった二人なのだが・・・。
なんとミロクは指導を開始してから半年の間二人に対して剣に触れることの一切を禁止し、さらにクエストへの参加も禁止したのだった。
それによりスズネたちは予定を変更せざるを得なかったのである。
そして指導が開始されてから半年後、ようやく剣を使った修練が開始されたものの、基本的な型の素振りと瞑想という二つのメニューをただひたすらに繰り返すだけなのであった。
そこからさらに半年後 ──────── 。
やっとミロクからミリアとマクスウェルのクエスト参加が認められる。
その間の宿り木はというと、前衛二人を欠くこととなったため討伐クエストを受けることを諦め、素材集めや薬草採取、モアの街の人たちの手伝いなどの低ランククエストを受けていたのだった。
そして、そのような期間を経て久しぶりにフルメンバーでクエストに臨めることを喜び心躍らせるスズネなのであった。
「本当に久しぶりだよね。みんなでクエスト受けられるの」
「あんのクソジジイ~。冒険者に対して一年半もクエストを禁止するなんてマジでふざけてるわ」
「まぁまぁ落ち着いてください。ミロク様にも何かしらの意図があるんでしょうから」
「はぁ?いったいどんな意図があって剣士から剣を取り上げるってのよ。素振り、瞑想、たまにアンタとの打ち込み。一年半の間でやったことがこの三つだけなのよ!!」
いったいこの一年半の間に何があったのか ──────── 。
ミリアによるミロクへの愚痴が止まらない。
そして、荒れ狂うミリアを前にマクスウェルはそこにもミロクの意図があるのだと宥めるのだが、火に油を注ぐ結果となる。
そんな二人のやり取りを笑って見守るスズネたちなのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
いよいよ始まる討伐クエスト。
ミリアとマクスウェルにとっては一年半ぶりのクエスト。
そして、スズネたちもその間討伐クエストを受けていなかったため宿り木にとっても久しぶりの討伐である。
今回の討伐対象は ──────── 小鬼の群れ。
どうやら武装小鬼に率いられた群れのようで、近隣の村人が薬草採取に訪れたところを襲撃されたらしい、
そのため今回のクエストクリア条件は小鬼の群れの殲滅である。
「うおりゃぁぁぁぁぁ」
ザンッ!ズバァン!!ズババババァン!!!
これまでの鬱憤を晴らすかのように次々と小鬼を斬り伏せていくミリア。
最強を目指す彼女にとって、この一年半は周囲の者たちが考える以上に耐え難いものだったのだろう。
その間に溜めに溜めたストレスを嬉々として発散していく。
「す…凄いっすね…」
「ほ…本当にブランクがあるのでしょうか」
「わっちらの出番が無いのじゃ」
一見すると八つ当たりをして格下の魔物たちを薙ぎ倒しているようにも見えるのだが、ミリアのそれは最小限の動きと最短距離での剣捌きによって一切無駄の無いものとなっていた。
そして、そんな快進撃を見せるミリアの隣で負けじと凄まじい勢いで小鬼を斬って倒すマクスウェルの姿が。
ザンッ!ザンッ!ザンッ!ザザンッ!!!
「マクスウェル!アンタ出された課題忘れてないでしょうね」
「もちろんです。全ての敵を一撃で倒すこと。そして、一匹たりとも打ち損じることのないように」
競うように小鬼を倒していく二人。
どうやら師匠であるミロクから今回の討伐クエストに参加するにあたり課題が出されているようだ。
二人の必死な様子からして失敗した場合には何やらキツいペナルティが課せられているみたいだ。
そして、それを阻止するために二人は懸命に目の前の敵を一撃で仕留めていく。
「ダメだわ。コイツら弱過ぎ!マクスウェル、討伐数で勝負よ。負けた方は明日の打ち込み稽古中ずっと受け手よ!」
「いいですね。明日は一日僕の剣を受けてもらいますよ」
─────────────────────────
小鬼の群れと遭遇してから三十分後 ────── 討伐完了。
結果的に六体の武装小鬼と五十体を超える小鬼のほとんどをミリアとマクスウェルの二人で討伐してしまった。
あっという間の出来事にスズネたちは唖然としてしまう。
今回のクエストは一応Cランクのクエストに設定してはあるものの、数も多いためBランクパーティであっても苦戦するのではないかと考えられていた。
しかし、結果は圧倒的であった。
しかも三十分もの間敵を斬り続けていたミリアもマクスウェルも息ひとつ乱していない。
むしろ修練前の準備運動くらいにしか思っていないような涼しい顔をしている。
「はぁ~物足りないわ」
「確かに手応えのない奴らでしたね」
この一年半で明らかに強くなったミリアとマクスウェルの実力に驚愕するスズネたち。
今回のクエストについては、受付のマリからも十分に気をつけて臨むようにと念押しされていたため全員が長期戦を予想していた。
それがこの有り様である。
「わっちも強力な魔法を見せたかったのじゃ!」
「ウチらも強くなったんすけどね・・・」
「こ…今回は出番無しでしたね」
「ま…まぁ~無事にクエストもクリアしたことだしギルドに戻ろっか」
こうして気合い十分で臨んだ久々の討伐クエストをあっさりと終えた宿り木。
その後も各自修練を積みながらクエストをこなしていくという生活が続くのだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
一年後 ──────── 。
冒険者ギルドモア支部 ~ Bランク昇級試験会場 ~
Bランクへの昇級を目指し試験に臨むスズネたち。
二年半にも及ぶ修練の成果を発揮し試験官であるBランク冒険者たちを一蹴するスズネたち。
そして、最後の大トリとしてミリアが昇級試験に臨む。
「冒険者パーティ“星の雫”のリーダーでBランク冒険者のモリンソンだ。試験は俺に一撃入れられれば合格だ。ここから先のランクはこれまでとは比べ物にならない魔物や魔獣と戦わなければならないからな。半端な実力じゃ合格はさせられないぜ」
「はい、はい。御託はいいからさっさと始めてくれる?こっちは最強目指してんのよ」
「フンッ、生意気な嬢ちゃんだ。口先だけじゃないことを願うよ。いつでもかかって来な!!」
───────── シュンッ。
「へっ?」
「おっそ」
ガンッ!!!!!
圧倒的な実力差を見せつけて合格するミリア。
それでも本人曰くまだまだ全然ダメらしい。
それは師であるミロクからこれまでにたったの一本すら取ることが出来ておらず、しかもミロクはその実力の片鱗すらも見せてはいないのだという。
そんな日々を過ごしているミリアからすると今回の昇級試験は物足りないものであった。
まぁ~何はともあれ無事に全員揃ってBランクへと昇級したスズネたち。
パーティランクもBランクとなり、今後受けられるクエストの幅も広がった。
そして、最後にマリから更新された冒険者カードが渡される。
「みんな、Bランクへの昇級おめでとう!聞いた話だとかなり余裕だったらしいわね」
「マリさん、ありがとうございます。なんとか合格出来て良かったです」
「またまた~謙遜しちゃって」
「マリさ~~~ん。もう全然ダメ!もっと強い人と戦りたかった~」
「うふふふふ。ミリアは相変わらずね。それじゃ、冒険者カードの更新も済んだし返しておくわね」
こうして無事にBランクとなったスズネたちは、さらなる冒険に向けて確かな一歩を踏み出したのであった。
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:スズネ Lv.48 魔法師 / 召喚師
召喚獣:クロノ Lv.1
ラフネリアス(緑龍) Lv.580
所属パーティ:宿り木 (リーダー) Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:ミリア Lv.60 剣士
武具:炎帝の剣 Lv.25
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:ラーニャ Lv.56 魔法師
召喚獣:ルドラ (グリフォン) Lv.320
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:シャムロム Lv.63 大盾使い
武具:白月の大盾 Lv.350
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
─────────────────────────
冒険者ランク B
氏名:セスリー Lv.70 |射手(アーチャー)
武具:覇穹 Lv.189
所属パーティ:宿り木 Bランク
Bランククエスト達成回数 0/50
─────────────────────────
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。
阿吽
ファンタジー
クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった!
※カクヨムにて先行投稿中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
H.I.S.A.H.I.T.O. みだりにその名を口にしてはならない小説がある。
あめの みかな
ファンタジー
教会は、混沌の種子を手に入れ、神や天使、悪魔を従えるすべを手に入れた。
後に「ラグナロクの日」と呼ばれる日、先端に混沌の種子を埋め込んだ大陸間弾道ミサイルが、極東の島国に撃ち込まれ、種子から孵化した神や天使や悪魔は一夜にして島国を滅亡させた。
その際に発生した混沌の瘴気は、島国を生物の住めない場所へと変えた。
世界地図から抹消されたその島国には、軌道エレベーターが建造され、かつての首都の地下には生き残ったわずかな人々が細々とくらしていた。
王族の少年が反撃ののろしを上げて立ち上がるその日を待ちながら・・・
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる