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調査開始
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灰じぃよりここ数年の間にグリーンアイランドで起こったことの内情と、今なおこの島にいるという龍族“緑龍ラフネリアス”の住処の場所を聞いたスズネたち。
さっそく島に降り続ける妙な魔力を帯びた灰の原因を探るために調査を開始する。
そして一行は、まず“緑龍ラフネリアス”に会って話を聞くためにその住処を目指す。
「ちょっと!どれだけ出てくんのよ!」
「息つく暇も無いっすね」
「これは…なかなか骨が折れますね」
次から次へと現れる魔獣。
どれもこれまでのクエストで見たことのある魔獣ばかりであったのだが、ギルドからの情報通り明らかに凶暴化しておりパワーもスピードも段違いに強くなっていたのだった。
グォォォォォォ ──────── 。
───────── ガキーン!!
ガルルゥゥゥゥゥ ───────── 。
「グッ・・・」
「マクスウェル、そのまま抑えときなさい」
ググッ…ググッ…
「は…早くしてください…長くは…保ちません」
「泣き言言ってんじゃないわよ。」
ヒュンッ ──────── ザンッ!!
────ズルッ・・・ドーーーーーン。
ミリアの一撃によって剣牙の虎が脳天から真っ二つに斬り裂かれる。
そして、その周囲には数十頭の漆黒の狼が力無く倒れていた。
灰じぃたちと別れてから三十分も経たぬうちに魔獣に囲まれ戦うこととなったスズネたち。
いつものように陣形を組み応戦したのだが、見た目はいつもと変わらないにも関わらずいつもの様に戦闘が進まず、今このグリーンアイランドに住む魔獣たちの変化を肌で実感するのだった。
「疲れたのじゃ~」
「ちょっと休憩しようか」
「まだ登り始めて一時間よ。そのくせ全然進めないじゃない」
「山の中腹に行くまでにいったい何時間かかるんすかね?」
「まぁ~一先ずこの島の魔獣が凶暴化しているという情報は間違いなさそうですね」
「で…でも、確かに凶暴化してはいるようですが、基本的な対処方法は特に変わりないようでした。落ち着いて対応すれば問題はないと思います」
相対した魔獣の多さといつもよりもパワーやスピードが上がっていたため少々面を食らう形となったが、セスリーの冷静な分析によりスズネたちは落ち着きを取り戻したのであった。
「確かにセスリーの言う通りだね」
「これまでに相手してたやつらよりもパワーやスピードが違ったから驚いたけど大丈夫!もう遅れはとらないわ」
「ウチも大丈夫っす。セスリー、冷静な分析ありがとうっす」
「い…いえ、そんな大したことはしていませんよ」
「いや、なかなか良い分析だったぞ。魔眼にもだいぶ慣れてきたようだな。周囲を隈なく観察し全体を俯瞰して見れている証拠だ」
「は…はい。ありがとうございます」
スズネたちに加えクロノからも賞賛を受けたセスリーは恥ずかしさのあまりいつも以上に顔を赤く染める。
そして、それを隠すために両手で顔を覆ったのだが、長く飛び出した耳が真っ赤に色付き力無く垂れ下がるのだった。
カァー、カァー、カァー。
カァー、カァー、カァー。
「さぁ、次が来たみたいですよ」
「何じゃもう来たのか。もう少し休みたかったのじゃ」
「つべこべ言ってないでやるわよ」
一難去ってまた一難。
漆黒の狼の大群と剣牙の虎をなんとか退けたスズネたちがひと呼吸入れるために休息をとっていると、先程倒した魔獣たちの死臭を嗅ぎつけて死の烏の群れが姿を現した。
死の烏は、戦場などの死が纏わる場所に姿を現し死体を貪り食うのだが、その場にいる者は全て自分たちの餌を奪う敵と判断し集団で襲い掛かるのだ。
「うげぇ~、死の烏っす。あいつら死臭がキツくて嫌いっす」
「シャムロムだけじゃないよ。私もちょっと苦手なんだ」
「やつらも凶暴化に伴い力を増しているでしょうから、皆さん前後左右どこから来てもいいように注意してくださいよ」
「き…気の所為でしょうか?死の烏がいつもよりも大きいような気がします」
「気の所為なんかじゃないわ。明らかにデカいわね。あのデカさで滑空速度まで上がってるんだろうから・・・ホント面倒臭いわね」
明らかに餌となる漆黒の狼の死骸が散らばっているにも関わらず、それらには一切目もくれずスズネたちの上空を大きく旋回し始める死の烏。
ざっと数えただけでも十五羽以上いる。
それらがスズネたちに狙いを定め今か今かとタイミングを見計らっているのだ。
対するスズネたちとしては、空を飛び回る相手に対しほとんどのメンバーが近距離まで攻撃手段を持ち合わせていないため、どちらかと言えば苦手としている部類の魔獣なのであった。
「み…みなさん、私が狙撃して牽制しますので、近づいてきた敵の対処をお願いします」
「「「「 了解(っす)!! 」」」」
こうしてセスリーが牽制のために死の烏に向けて矢を放とうとしたのだがラーニャによって制止される。
「待つのじゃ。あんなうるさい烏ども、さっさと片付けてやるのじゃ!」
少し疲れた様子でそう言葉にしたラーニャはそのまま詠唱を開始する。
「全てを切り裂く雷風よ、その刃を以って敵を切り刻め ───── 雷刃竜巻」
ゴゴゴゴゴ ──────── 。
ラーニャが詠唱を終えると同時にスズネたちの前に巨大な竜巻が発生し、次々と死の烏を飲み込んでいく。
そして、竜巻の中では雷鳴が響き渡っており、中からは悲鳴にも似た死の烏の鳴き声が聞こえる ───── 。
数分の時が経ちラーニャが魔法を解除すると消えた竜巻があった場所には十数羽の死の烏の死骸が横たわっていたのだった。
「終わったのじゃ」
「ラーニャちゃん、また強くなったんじゃない」
「フッフッフッ、わっちは絶賛成長中の天才なのじゃ」
「本当に頼りになるっす」
「ラーニャのおかげでだいぶ力を温存出来たから、もう少し休憩したらさっさと中腹まで行きましょう」
ラーニャの活躍もあり死の烏の脅威を脱したスズネたちは、一刻も早く“緑龍ラフネリアス”に会うためにとその歩みを速めるのであった。
その後も大爪熊や岩石巨人などの魔獣と遭遇しながらもそれらを打ち倒し、なんとか山の中腹まで辿り着いたスズネたちはそこからすぐに灰じぃから聞いた洞窟を探すことに。
「洞窟って何処にあんのよ~」
「教えてもらった感じだとこの辺りのはずなんだけど・・・」
「目印は六芒星のマークって言ってたんすよね?」
「うん。灰じぃさんからはそう聞いてるんだけど見つからないね~」
「わっちの魔力探知でも見つけられんのじゃ」
「わ…私の魔眼でも見つけられないです」
灰じぃから教えられた洞窟の近くまで来ているはずなのだが、結界によって巧妙に隠されている上、肝心の目印すらも見つけられず頭を抱えるスズネたち。
いつ魔獣が現れても不思議ではない状況の中で慌てふためいていたのだが、悩める彼女たちを救うべくあの男があっさりと洞窟を発見する。
「ここだ。六芒星も描いてあるから間違いないだろう。さっさと石盤を掲げて結界を解除しろ」
魔力探知によってすぐさま洞窟の入口を見つけ出しスズネに指示を出すクロノ。
その言葉を聞き慌てた様子で急ぎ灰じぃから預かった石盤を取り出すスズネなのであった。
「こ…こうでいいのかな?」
キーーーーーーン ──────── 。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ─────────。
恐る恐るスズネが石盤を掲げると中央に埋め込まれた翡翠色の魔石が光輝く。
そして、それに呼応するように洞窟に蓋をしていた二つの大きな岩が左右に動き隠されていた入口が姿を現したのだった。
「ホントにあったわね」
「この中に龍がいるんすよね」
「き…緊張します」
「よ~し、それじゃさっそく中に入ってみよう!」
こうして無事に洞窟を発見することが出来たスズネたち。
さっそく中に入ってみるとそこは薄暗く冷たい空気が流れていた。
「なんか…ちょっと肌寒いっすね」
「外と中でここまで温度が変わるとは驚きですね」
「本当に寒いのう。さっさと終わらせて戻るのじゃ」
スズネたちは急激な気温の変化に遭いつつも奥へ奥へと歩みを進めていく。
そして行き着いた先には大きく開けた空間があり、そこにはとてつもなく大きな一頭の龍が横たわっていたのだった。
グググッ ──────── 。
「汝ら…ここへ何をしに来た」
さっそく島に降り続ける妙な魔力を帯びた灰の原因を探るために調査を開始する。
そして一行は、まず“緑龍ラフネリアス”に会って話を聞くためにその住処を目指す。
「ちょっと!どれだけ出てくんのよ!」
「息つく暇も無いっすね」
「これは…なかなか骨が折れますね」
次から次へと現れる魔獣。
どれもこれまでのクエストで見たことのある魔獣ばかりであったのだが、ギルドからの情報通り明らかに凶暴化しておりパワーもスピードも段違いに強くなっていたのだった。
グォォォォォォ ──────── 。
───────── ガキーン!!
ガルルゥゥゥゥゥ ───────── 。
「グッ・・・」
「マクスウェル、そのまま抑えときなさい」
ググッ…ググッ…
「は…早くしてください…長くは…保ちません」
「泣き言言ってんじゃないわよ。」
ヒュンッ ──────── ザンッ!!
────ズルッ・・・ドーーーーーン。
ミリアの一撃によって剣牙の虎が脳天から真っ二つに斬り裂かれる。
そして、その周囲には数十頭の漆黒の狼が力無く倒れていた。
灰じぃたちと別れてから三十分も経たぬうちに魔獣に囲まれ戦うこととなったスズネたち。
いつものように陣形を組み応戦したのだが、見た目はいつもと変わらないにも関わらずいつもの様に戦闘が進まず、今このグリーンアイランドに住む魔獣たちの変化を肌で実感するのだった。
「疲れたのじゃ~」
「ちょっと休憩しようか」
「まだ登り始めて一時間よ。そのくせ全然進めないじゃない」
「山の中腹に行くまでにいったい何時間かかるんすかね?」
「まぁ~一先ずこの島の魔獣が凶暴化しているという情報は間違いなさそうですね」
「で…でも、確かに凶暴化してはいるようですが、基本的な対処方法は特に変わりないようでした。落ち着いて対応すれば問題はないと思います」
相対した魔獣の多さといつもよりもパワーやスピードが上がっていたため少々面を食らう形となったが、セスリーの冷静な分析によりスズネたちは落ち着きを取り戻したのであった。
「確かにセスリーの言う通りだね」
「これまでに相手してたやつらよりもパワーやスピードが違ったから驚いたけど大丈夫!もう遅れはとらないわ」
「ウチも大丈夫っす。セスリー、冷静な分析ありがとうっす」
「い…いえ、そんな大したことはしていませんよ」
「いや、なかなか良い分析だったぞ。魔眼にもだいぶ慣れてきたようだな。周囲を隈なく観察し全体を俯瞰して見れている証拠だ」
「は…はい。ありがとうございます」
スズネたちに加えクロノからも賞賛を受けたセスリーは恥ずかしさのあまりいつも以上に顔を赤く染める。
そして、それを隠すために両手で顔を覆ったのだが、長く飛び出した耳が真っ赤に色付き力無く垂れ下がるのだった。
カァー、カァー、カァー。
カァー、カァー、カァー。
「さぁ、次が来たみたいですよ」
「何じゃもう来たのか。もう少し休みたかったのじゃ」
「つべこべ言ってないでやるわよ」
一難去ってまた一難。
漆黒の狼の大群と剣牙の虎をなんとか退けたスズネたちがひと呼吸入れるために休息をとっていると、先程倒した魔獣たちの死臭を嗅ぎつけて死の烏の群れが姿を現した。
死の烏は、戦場などの死が纏わる場所に姿を現し死体を貪り食うのだが、その場にいる者は全て自分たちの餌を奪う敵と判断し集団で襲い掛かるのだ。
「うげぇ~、死の烏っす。あいつら死臭がキツくて嫌いっす」
「シャムロムだけじゃないよ。私もちょっと苦手なんだ」
「やつらも凶暴化に伴い力を増しているでしょうから、皆さん前後左右どこから来てもいいように注意してくださいよ」
「き…気の所為でしょうか?死の烏がいつもよりも大きいような気がします」
「気の所為なんかじゃないわ。明らかにデカいわね。あのデカさで滑空速度まで上がってるんだろうから・・・ホント面倒臭いわね」
明らかに餌となる漆黒の狼の死骸が散らばっているにも関わらず、それらには一切目もくれずスズネたちの上空を大きく旋回し始める死の烏。
ざっと数えただけでも十五羽以上いる。
それらがスズネたちに狙いを定め今か今かとタイミングを見計らっているのだ。
対するスズネたちとしては、空を飛び回る相手に対しほとんどのメンバーが近距離まで攻撃手段を持ち合わせていないため、どちらかと言えば苦手としている部類の魔獣なのであった。
「み…みなさん、私が狙撃して牽制しますので、近づいてきた敵の対処をお願いします」
「「「「 了解(っす)!! 」」」」
こうしてセスリーが牽制のために死の烏に向けて矢を放とうとしたのだがラーニャによって制止される。
「待つのじゃ。あんなうるさい烏ども、さっさと片付けてやるのじゃ!」
少し疲れた様子でそう言葉にしたラーニャはそのまま詠唱を開始する。
「全てを切り裂く雷風よ、その刃を以って敵を切り刻め ───── 雷刃竜巻」
ゴゴゴゴゴ ──────── 。
ラーニャが詠唱を終えると同時にスズネたちの前に巨大な竜巻が発生し、次々と死の烏を飲み込んでいく。
そして、竜巻の中では雷鳴が響き渡っており、中からは悲鳴にも似た死の烏の鳴き声が聞こえる ───── 。
数分の時が経ちラーニャが魔法を解除すると消えた竜巻があった場所には十数羽の死の烏の死骸が横たわっていたのだった。
「終わったのじゃ」
「ラーニャちゃん、また強くなったんじゃない」
「フッフッフッ、わっちは絶賛成長中の天才なのじゃ」
「本当に頼りになるっす」
「ラーニャのおかげでだいぶ力を温存出来たから、もう少し休憩したらさっさと中腹まで行きましょう」
ラーニャの活躍もあり死の烏の脅威を脱したスズネたちは、一刻も早く“緑龍ラフネリアス”に会うためにとその歩みを速めるのであった。
その後も大爪熊や岩石巨人などの魔獣と遭遇しながらもそれらを打ち倒し、なんとか山の中腹まで辿り着いたスズネたちはそこからすぐに灰じぃから聞いた洞窟を探すことに。
「洞窟って何処にあんのよ~」
「教えてもらった感じだとこの辺りのはずなんだけど・・・」
「目印は六芒星のマークって言ってたんすよね?」
「うん。灰じぃさんからはそう聞いてるんだけど見つからないね~」
「わっちの魔力探知でも見つけられんのじゃ」
「わ…私の魔眼でも見つけられないです」
灰じぃから教えられた洞窟の近くまで来ているはずなのだが、結界によって巧妙に隠されている上、肝心の目印すらも見つけられず頭を抱えるスズネたち。
いつ魔獣が現れても不思議ではない状況の中で慌てふためいていたのだが、悩める彼女たちを救うべくあの男があっさりと洞窟を発見する。
「ここだ。六芒星も描いてあるから間違いないだろう。さっさと石盤を掲げて結界を解除しろ」
魔力探知によってすぐさま洞窟の入口を見つけ出しスズネに指示を出すクロノ。
その言葉を聞き慌てた様子で急ぎ灰じぃから預かった石盤を取り出すスズネなのであった。
「こ…こうでいいのかな?」
キーーーーーーン ──────── 。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ─────────。
恐る恐るスズネが石盤を掲げると中央に埋め込まれた翡翠色の魔石が光輝く。
そして、それに呼応するように洞窟に蓋をしていた二つの大きな岩が左右に動き隠されていた入口が姿を現したのだった。
「ホントにあったわね」
「この中に龍がいるんすよね」
「き…緊張します」
「よ~し、それじゃさっそく中に入ってみよう!」
こうして無事に洞窟を発見することが出来たスズネたち。
さっそく中に入ってみるとそこは薄暗く冷たい空気が流れていた。
「なんか…ちょっと肌寒いっすね」
「外と中でここまで温度が変わるとは驚きですね」
「本当に寒いのう。さっさと終わらせて戻るのじゃ」
スズネたちは急激な気温の変化に遭いつつも奥へ奥へと歩みを進めていく。
そして行き着いた先には大きく開けた空間があり、そこにはとてつもなく大きな一頭の龍が横たわっていたのだった。
グググッ ──────── 。
「汝ら…ここへ何をしに来た」
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