上 下
29 / 158

商業都市ロコン

しおりを挟む
今日はスズネたち“宿り木”にとって初めての指名依頼を受けた記念すべき日。
スズネとミリアが冒険者になったばかりの頃からお世話になっている八百屋のゴルザ・ポーラ夫婦からの依頼。
これまでの恩に報いるためにも、気合い十分で今日を迎えた“宿り木”なのであった。


「本当に晴れて良かったね」

「いや~視界も良好!!ホント護衛日和ね」

「わっちはまだ眠いのじゃ…ムニャムニャ…」

「はぁ~緊張し過ぎて気持ち悪いっす」

「みんな、今日は商業都市ロコンへの行き帰りの道中における護衛依頼なんですからね。野党はもちろんのこと魔物や魔獣が出ることだってあるんですから、決して気を抜かないようにしてください!!」


初の指名依頼に初の護衛クエストと初物づくしに浮かれ気味であるスズネたちに対して、気を引き締めるように注意するマクスウェル。

油断大敵。
いくらクエストにも慣れてきたとはいえ、冒険者という職業は常に死と隣り合わせであることに変わりはない。
一瞬の油断、一つの甘えがパーティを全滅させることだってあり得るのだ。
国を守る聖騎士団を幼少期より身近で見てきたマクスウェルはその事を誰よりも強く実感していたのだった。


「ガッハッハッ、マクスウェルは本当に真面目だな。まぁ~まだモアを出たばかりだから、そう警戒し過ぎることもないだろう。それにずっと気を張り詰められてちゃ~こっちも疲れちまうよ」


他のメンバーとは対照的に肩に力が入り過ぎているように見えるマクスウェルをリラックスさせる意味も込めて、ゴルザは豪快に笑いながら優しく声を掛ける。
そんなゴルザの言葉を受けて、今の自分が思っている以上に力が入り過ぎており、それによって視野が狭くなっていたことに気が付き、大きく一息吐いた後にマクスウェルは笑顔を取り戻したのであった。


「はい。お気遣いありがとうございます。僕自身、緊張のあまり力が入っていたようです」

「いいってことよ。まだまだ先は長いからよ。その力は必要な時まで取っといてくれや」


ゴルザとマクスウェルのやり取りを微笑ましく見ていた他のメンバーがマクスウェルに声をかけていく。


「マクスウェル君でも緊張とかするんだね」

「アンタまさかビビってんじゃないでしょうね。まだモアを出たばかりよ。ホント先が思いやられるわ」

「ワッハッハッ。マクスウェルよ、怖いのであればわっちの後ろに隠れておればよい。敵は全てわっちが片付けておいてやるのじゃ」

「フゥー。ウチはマクスウェルくらい強くても緊張するんだって思ったら少し楽になったっす」

「・・・・・」


各々が思い思いに声を掛けていく中、クロノだけは最後方で腰を下ろし腕を組んだまま瞳を閉じ眠ったように沈黙していた。


「ちょっ…みんなして揶揄わないでください。モアを出たばかりとはいえ、周囲への警戒を怠らないでくださいよ」


恥ずかしそうに顔を赤らめながら、それを誤魔化すように他のメンバーへ再度注意を促すマクスウェルなのであった。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


モアを出発してから二時間が経ち、スズネたちはちょうどモアと商業都市ロコンの中間辺りまでその歩みを進めていた。


「それにしても何も出ないわね」

「何言ってんのミリア、何も出ない方が良いに決まってるでしょ」


闇魔狼ガルムとの一件以来、強い敵と戦いたくてウズウズしているミリアは、馬車に揺られるだけの状況に少々退屈していた。
そんなミリアに注意をしつつも、スズネ自身も何事もない現状に気を緩めていた。


「そろそろ半分ってとこだな。ちょうど見晴らしも良いしここらで少し休憩にすっか」

「「「 やった~ 」」」


今回の目的地であるロコンの街まで残すところ半分を切ったところで、ゴルザからの提案を受け一同は休憩を取ることに。
ここまでの道中ずっと座りっぱなしだったスズネたちは喜びの声を上げる。
そして、二時間ぶりに固い馬車の荷台から解放されるということもあり、ミリアが我先にと荷台から飛び降り、それにマクスウェルが続く。
シャムロムは長時間の移動に退屈し眠っていたラーニャを起こし、眠気眼のラーニャに付き添うようにして降りたのだった。
さすがは最年長とでもいうべきか、普段から何かと嫌味を言われているにも関わらず、まだ幼いラーニャを気にかけてあげられる包容力はスズネたち他のメンバーには無いものである。
そして、最後にスズネが降りようとした時にモアを出発してからずっと沈黙しているクロノに声を掛ける。


「クロノ~、休憩だよ~」

「・・・・・」

「ん?本当に寝ちゃってるのかな?」


自身の声掛けに対して一切反応することなくただただ沈黙だけが広がる状況に、わざわざ起こすのも悪いと考えたスズネはクロノをその場に残し馬車を降りたのだった。


「う~~~ん。はぁ~、気持ちい~い」


グググ~っと両腕と背筋を伸ばしながら固まった筋肉をほぐしつつ、スズネはリラックスした時間を過ごす。
他のメンバーたちも各々思うままに束の間の休息を楽しんだのだった。


─────────────────────────


「さぁ~て、そろそろ出発しようか」

「「「「「 は~い 」」」」」


ゴルザの呼び声に全員が元気に応える。
二十分程の時間ではあったが、宿り木のメンバーたちも荷台を引く馬たちも心身ともに疲れを癒すことが出来たようだ。
スズネたちが荷台に乗り込むと、再びロコンへ向けて勢いよく馬車が動き出した。


「さぁ~あと半分だよ」

「しっかり休憩も取れたし、改めて気を引き締めていきましょう」

「そうですね。前半と同様に順番に交代しながら警戒を怠らないようにしましょう」

「うっす、集中していくっす」

「う~ん、わっちは退屈なのは苦手じゃ。何かあったら起こしてくれ・・・」

「ちょっ…ラーニャ、アンタね ─────── 」


ミリアが注意するよりも前にラーニャはゴロンと横になり眠りについたのだった。


「まぁまぁ、落ち着いてよミリア。強力な魔法はそれだけ集中力も必要だからね。十歳のラーニャちゃんには私たちよりも精神的にも負担が大きいんだよ。休める時に休ませてあげよ」

「はぁ~、まぁ~いいわ。そういうことにしといてあげる」


“宿り木”のリーダーであるスズネにそう言われては仕方がない。
色々と思うところはありそうだが、ミリアは渋々納得する。

商業都市ロコンへと歩を進める馬車に揺られながらスズネとミリアがそんなやり取りをしていると、これまでどれだけ周りが騒ごうとも一切微動だにしなかったクロノがパッと瞳を開いた。
そして、それに気付いたスズネがクロノに声を掛ける。


「クロノ、どうかした?」

「・・・。いや、何でもない」


スズネの問い掛けに対し一言そう応えると、クロノは再び瞳を閉じたのだった。

そこからさらに一時間程が経ち、あと少しでロコンの街を視界に捉えようかというところで前方に林が姿を現す。
それほど大きな林ではなく、スズネたちを乗せた馬車の進む道からは少し外れているが、野党や魔獣がその身を隠すには十分な場所である。


「左前方に林があります。規模はそこまで大きくはありませんが、何か出てくる可能性もあるので全員警戒してください」


見張をしていたマクスウェルから即座に報告が入る。
そして、報告を聞いた他のメンバーたちは直ちに武器を手に取り、スズネとラーニャを荷台に残し、ミリア・マクスウェル・シャムロムの三人は荷台から飛び降り周囲を固める。
林が近づくにつれて緊張感が増していく中、スズネたちが護衛する馬車は何事もなくその横を通過したのだった。


「ぷはぁ~。緊張した~」

「はぁ~、何か出てきなさいよ」

「不謹慎ですよミリア。依頼主を危険に晒して良いことなんて何ひとつとしてないんですからね」

「拍子抜けじゃ。わっちは寝る」

「ラーニャまで!!まったく」

「まぁまぁ落ち着いて。何はともあれ、何事もなく通過出来て良かったっすよ」


一気に緊張から解放されたスズネたちに笑顔が戻る。
相変わらず小言を言うマクスウェルであったが、ミリアは“はい、はい”という感じで聞き流し、ラーニャに至っては端から聞く耳を持っておらず、一切反応することなく既に眠りについている。
初の護衛クエストではあるが、いつも通り和気藹々?とした様子を見せる“宿り木”。
そうこうしている内に、スズネたちを乗せた馬車が今回の目的地である商業都市ロコンを視界に捉える。


「お~い、ロコンが見えたぞ。もうすぐ到着だ」

「「「 は~い 」」」


ゴルザからもうすぐ目的地に着くと告げられ、スズネたちは元気な返事で了解を示す。
こうして長時間にも及ぶ馬車の旅を終え、スズネたちは無事に商業都市ロコンへと辿り着いたのだった。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


【商業都市ロコン】

ガルディア王国における三大都市のひとつ。
国王が住まう王都メルサを正三角形の頂点とし、左側に商業都市ロコン、右に冒険者の街リザリオを配しており、この三大都市がガルディア王国の中枢を担い、政治や経済などのバランスが取られているのだ。
そして、商業都市ロコンと冒険者の街リザリオにもそれぞれ代表となる“長”がおり、王権による独裁とならぬように抑止力となっているのだった。
また、大都市と大都市の間にはそれぞれを繋ぐ中間都市が存在し、スズネとミリアが生まれ育ったモアの街は王都メルサと商業都市ロコンを繋ぐ中間都市なのである。


「うわ~なんかすごい賑わいだね」

「ホント、王都とはまた違った意味で賑わってるわね」


───── ワイワイ ガヤガヤ ─────


「いらっしゃい、いらっしゃい。今日は新鮮な大爪熊ベアクローの肉と魔猪ワイルドボアの肉が入ってるよ~!!」

「安いよ安いよ~。今朝採れたてのトマトにキュウリ、大玉キャベツに山菜もあるよ~」

「そこの奥さん、活きのいい魚はどうだい?奥さん美人だからサービスしちゃうよ!!」


商業都市ロコンに到着したスズネたちは、さっそく街の賑わいに圧倒されてしまう。
さすがは商業都市という名の通り、街に入ってすぐに商人たちの声が飛び交い、とてつもない賑わいを見せていた。
それもそのはず、ロコンの街に住むそのほとんどが商人であり、売り買いに関しては一切の妥協を許さない気質の人間ばかりなのだ。


「それじゃ俺はちょっくら取引先に行ってくるからよ、スズネちゃんたちは観光でもしててくれ。二時間くらいで終わると思うから、商業ギルド前で待ち合わせて、そうしたら飯を食いに行こう」

「は~い。それじゃ適当に時間潰してますね」


こうして取引先へと商談に行くゴルザと分かれたスズネたち。
ゴルザの商談が二時間程ということで、一行はロコンの街を見て回ること。


「それじゃ、みんな行くよ。しゅっぱーつ」


そこからスズネたちは時間の許す限りロコンの街を見て回り観光を満喫したのだった。

食料品店
洋服店
武器屋
防具屋
アイテムショップ
雑貨屋
etc ・・・


「はぁ~、けっこう回ったんじゃない。マジでお店が多過ぎだわ」

「あはははは。お店の数もだけど、並んでる商品の数もモアの街とは段違いに多かったね」

「うっ・・・ウチはちょっと人に酔ったみたいで気持ち悪いっす」

「大丈夫ですか?それにしても本当に人が多いですね。メルサも多いと思っていましたが、それ以上ですね」


あまりの人の多さに人酔いしてしますたシャムロムの背中を摩りながら、王都育ちのマクスウェルもその多さに驚きを隠せずにいた。


「う~~~、わっちはさっき屋台で売っていた鹿肉の串焼きが食べたかったのじゃ」

「ダメだよラーニャちゃん。この後お父さんとご飯を食べに行くんだから、もう少しの我慢だよ」


道中ほぼ寝っぱなしで、起きたら起きたで空腹を訴えるラーニャ。
こういう時はまだ十歳の少女らしさを感じさせる。

ゴルザと分かれてから二時間が経ち、スズネたちは待ち合わせ場所である商業ギルドの前でゴルザを待っていた。
すると、そんなスズネたちに対して突然一人の男性が声を掛けてきた。


「商業都市ロコンはいかがですか?冒険者のみなさん ─── いや、“宿り木”のみなさんと言った方がいいですかね」


唐突に声を掛けられたスズネたちは驚いた表情で声の主へと視線を向ける。
その男性は恰幅が良く、綺麗に整えられた口髭を貯えており、きっちりとしたスーツを着こなしている。
そして男性の背後には、こちらもシワひとつないスーツを着た白髪の男性が仕えていた。
その様子をひと目見ただけで、スズネたちはその男性が只者ではないと察したのだった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

処理中です...