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夢編
12.もっと大きい(2)
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「ジークの、夢?」
心臓が強く鼓動し、一気に加速した血流で耳がぴりぴりとむず痒くなってくる。
ルディの夢魔としての能力が劣るため、ジークの夢を探し出すことは出来なかった。
ただ、諦めて自分の夢へ戻ろうとしたその瞬間、何かに引っ張られるような感覚があった。
あれは、どういうわけか、ジークの夢に引きずり込まれていたのではないか。
「まさか……」
あれほどはっきりした夢はルディ自身でもあまり見ない。だが、夢魔の侵入により鮮明化された他人の夢だったというなら納得がいく。
夢魔は人の夢へ侵入すると、相手の望む姿に勝手に変わり、それを利用して性交を通じ生命力を奪う。夢の内容は夢魔が侵入した時点で、夢魔の姿含め、特に性的な願望むき出しの刺激的な世界に変わる。
この刺激により性交前から、夢の主だけでなく夢魔の方も意識がはっきりするのだ。
「でも、まさか……」
そうなると、ルディと会話していたあのジークは、ジーク本人の魂ということになり、夢の世界にあるものは全てジークの記憶や想像や願望で構成されていたことを意味する。
ルディの体に傷痕がなかったのはジークがその存在を知らなかったため。
ルディの持っていない下着を身に着けていたのは、彼が想像で補うしかなかったため。
そしてルディの胸が彼の手に収まるぐらいだったのは、普段邪魔になるので布を巻いて押さえていたことで、ジークがあまり大きくないと認識していたため。実際はもっとある。ルディが感じた違和感はどちらかというとこっちだったかもしれない。
「まさか、まさか……」
寒くもないのにルディの体はぶるぶると震えだした。
ルディの夢で、自身の願望がジークにああいったことをさせたのかと思っていた。しかしあれはジークの夢で、彼が欲望の赴くままにあれやこれやをしていたということだ。
ルディを押し倒したのも、好意を告げてきたのも、執拗なまでに体を貪ってきたのも、全てジークの意思。現実と全く違う、性感帯といっても過言ではないほど敏感な角も、ジークの想像か願望。
「い、いやああああああ!」
何もかも理解してしまったルディは、好きな相手の性癖と妄想全開の夢で、性的対象としてしっかり堪能された事実を受け止めきれず絶叫した。
倒れこむように水中へまた飛び込む。
心臓が強く鼓動し、一気に加速した血流で耳がぴりぴりとむず痒くなってくる。
ルディの夢魔としての能力が劣るため、ジークの夢を探し出すことは出来なかった。
ただ、諦めて自分の夢へ戻ろうとしたその瞬間、何かに引っ張られるような感覚があった。
あれは、どういうわけか、ジークの夢に引きずり込まれていたのではないか。
「まさか……」
あれほどはっきりした夢はルディ自身でもあまり見ない。だが、夢魔の侵入により鮮明化された他人の夢だったというなら納得がいく。
夢魔は人の夢へ侵入すると、相手の望む姿に勝手に変わり、それを利用して性交を通じ生命力を奪う。夢の内容は夢魔が侵入した時点で、夢魔の姿含め、特に性的な願望むき出しの刺激的な世界に変わる。
この刺激により性交前から、夢の主だけでなく夢魔の方も意識がはっきりするのだ。
「でも、まさか……」
そうなると、ルディと会話していたあのジークは、ジーク本人の魂ということになり、夢の世界にあるものは全てジークの記憶や想像や願望で構成されていたことを意味する。
ルディの体に傷痕がなかったのはジークがその存在を知らなかったため。
ルディの持っていない下着を身に着けていたのは、彼が想像で補うしかなかったため。
そしてルディの胸が彼の手に収まるぐらいだったのは、普段邪魔になるので布を巻いて押さえていたことで、ジークがあまり大きくないと認識していたため。実際はもっとある。ルディが感じた違和感はどちらかというとこっちだったかもしれない。
「まさか、まさか……」
寒くもないのにルディの体はぶるぶると震えだした。
ルディの夢で、自身の願望がジークにああいったことをさせたのかと思っていた。しかしあれはジークの夢で、彼が欲望の赴くままにあれやこれやをしていたということだ。
ルディを押し倒したのも、好意を告げてきたのも、執拗なまでに体を貪ってきたのも、全てジークの意思。現実と全く違う、性感帯といっても過言ではないほど敏感な角も、ジークの想像か願望。
「い、いやああああああ!」
何もかも理解してしまったルディは、好きな相手の性癖と妄想全開の夢で、性的対象としてしっかり堪能された事実を受け止めきれず絶叫した。
倒れこむように水中へまた飛び込む。
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