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19.誘惑-5
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キアーと性交をしてから彼を見送ったシュルークは、もう少し休んでから戻ろうと思い、寝台に寝そべって天井を見上げた。
首尾は上々だった。オーランの『助言』してくれた点を改善して臨めば、キアーは今後の関係を承諾してくれた。
オーランはシュルークに、性交の誘い方と、性交中の受け身な姿勢を指摘してくれた。だからシュルークは、後宮秘蔵の文書等から必要な情報を収集してやり方を変えてみた。
事務的ですらあった誘い文句は、相手の体に触れながら意味深に、同時に大胆かつ直接的にした。積極的な性交として、仰向けの相手に跨って挿入する体位などを採用した。いずれも上手くいったようだ。
キアーは少し若いからか、シュルークが絶頂する前に果ててしまう欠点はあるものの、体力があるのですぐ回復して数をこなせるから、十分満足できる。
これで、満たされない夜は大幅に減らせることだろう。
もしキアーが飽きて関係を終わらせたいと言い出したら、改めて次の男を探せばいい。それまでは彼とだけ関係を続ける。
こうして、いつ終わってもそれはそれで仕方がないと心構えをしつつも、充実した日々を送るようになったシュルークだが、意外なことにキアーとの関係はすぐには終わらなかった。
キアーはシュルークを人間的に気に入ったようで、密会し性交を終えればすぐ帰るでもなく、裸で抱き合ったまましばらく話し込んでから立ち去った。機密事項以外は聞かれたらそのまま答えるシュルークは、自分の生い立ちを忘れてしまったことなども、包み隠さず話した。
それらを痛ましげに聞いていたキアーだが、ただ同情しているだけではないようだ。ファルハードの寝室へ呼ばれる日はどこか不満げで、翌日は昼間にもかかわらず、咎めるシュルークを人目のない場所へ引っ張り込んで無理に抱いた。
それをシュルークは、風紀的に問題であっても業務に支障がなければ、キアーの要望にも応えてやったほうが円滑な関係を築けるだろうと好きにさせている。
彼が何を思っているのか理解しようとはせず、この先何が起きるのか想像することもなかった。
首尾は上々だった。オーランの『助言』してくれた点を改善して臨めば、キアーは今後の関係を承諾してくれた。
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事務的ですらあった誘い文句は、相手の体に触れながら意味深に、同時に大胆かつ直接的にした。積極的な性交として、仰向けの相手に跨って挿入する体位などを採用した。いずれも上手くいったようだ。
キアーは少し若いからか、シュルークが絶頂する前に果ててしまう欠点はあるものの、体力があるのですぐ回復して数をこなせるから、十分満足できる。
これで、満たされない夜は大幅に減らせることだろう。
もしキアーが飽きて関係を終わらせたいと言い出したら、改めて次の男を探せばいい。それまでは彼とだけ関係を続ける。
こうして、いつ終わってもそれはそれで仕方がないと心構えをしつつも、充実した日々を送るようになったシュルークだが、意外なことにキアーとの関係はすぐには終わらなかった。
キアーはシュルークを人間的に気に入ったようで、密会し性交を終えればすぐ帰るでもなく、裸で抱き合ったまましばらく話し込んでから立ち去った。機密事項以外は聞かれたらそのまま答えるシュルークは、自分の生い立ちを忘れてしまったことなども、包み隠さず話した。
それらを痛ましげに聞いていたキアーだが、ただ同情しているだけではないようだ。ファルハードの寝室へ呼ばれる日はどこか不満げで、翌日は昼間にもかかわらず、咎めるシュルークを人目のない場所へ引っ張り込んで無理に抱いた。
それをシュルークは、風紀的に問題であっても業務に支障がなければ、キアーの要望にも応えてやったほうが円滑な関係を築けるだろうと好きにさせている。
彼が何を思っているのか理解しようとはせず、この先何が起きるのか想像することもなかった。
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