41 / 79
13.蹂躙-1 *
しおりを挟む
「あ、あぁ……」
腰の抜けたシュルークは、地下牢の前室の隅、ファルハードのいる方の牢の鉄格子に縋りつき、迫ってくる傭兵の男に怯えきった悲鳴を上げた。
彼女は父親である将軍により後日処刑が言い渡された。そして処女を殺してはならないという伝承があるために、処刑の準備としてこの男に凌辱されることになったのだ。
戦場帰りの男は自分の邪魔な装備を取り払って身軽になると、シュルークの前に屈んで彼女の右足を捕まえた。
「いや……!」
「大人しくしろ。処刑される前に血を流し過ぎて死ぬぜ」
シュルークはさして暴れていなかった。恐怖のあまり、もうほとんど動けなくなっているのだ。
仮に暴れられても不便はなさそうなほど屈強な太い腕で、男はシュルークの半長靴を右足から抜き取った。そして将軍に切りつけられた傷を、彼女の服の裾を裂いた布で縛る。
「大丈夫……、だいじょうぶ……」
鉄格子を指が白くなるほど握りしめながら、シュルークは真っ青な顔でぼそぼそと自分を安心させる言葉を繰り返す。
だが男は、彼女を淡々と手当てしたその流れのまま、凌辱者に変わった。
足首を掴んで、縮こまったシュルークを仰向けに引きずり倒す。
彼女の鉄格子に縋っていた指が離れていく。その手は、ファルハードに向けて伸ばされているように感じられた。
「ひっ……!」
ぶつんと釦が飛び、服の前の帯より上がはだけられる。胸を覆う下着はずり上げられ、男の手の中で白い双球がぐにゃぐにゃと形を変えた。
「う……、うぅ……」
シュルークは涙を流しながら、苦痛のうめき声を漏らす。
すると男は、シュルークの乳房を握り締め、盛り上がらせた先端をべろりと舐めて口に含む。
おぞましさに瞼を閉じるシュルークから、ファルハードは見たくもないのに目を逸らせなかった。実の兄弟を手にかけてきた、もっと残酷な光景も知っているファルハードでありながら、男の暴虐を心身が拒んでいる。この世で最も惨い行為のように感じている。それなのに視線を外す僅かな動きができない。
「うあッ!? い、いたい! 痛い……!」
突然シュルークが鋭い悲鳴を上げた。反射的に身を捩り、それを男に押さえつけられる。
やがて男が顔を離すと、その唇とシュルークの乳房の間に唾液の糸が引いて切れた。唾液にまみれた乳房の白い肌には、男の歯型がついていた。余程強く噛まれたらしく、噛み跡からの出血が男の唾液に乗って滲んでいく。
「そうだ、ちゃんと叫べ。せっかく良いところのお嬢さんを犯せるんだ。泣いて叫んでもらわなきゃ、無理矢理ヤッてる感じが出ないだろ」
「ひっ……、ひっ……。だ、だいじょうぶ……。だいじょうぶ……」
しゃくり上げて涙をぼろぼろと零しながら、シュルークはまた自分を安心させようと意味のない言葉を繰り返す。
ファルハードはそれがなぜか腹立たしかった。
腰の抜けたシュルークは、地下牢の前室の隅、ファルハードのいる方の牢の鉄格子に縋りつき、迫ってくる傭兵の男に怯えきった悲鳴を上げた。
彼女は父親である将軍により後日処刑が言い渡された。そして処女を殺してはならないという伝承があるために、処刑の準備としてこの男に凌辱されることになったのだ。
戦場帰りの男は自分の邪魔な装備を取り払って身軽になると、シュルークの前に屈んで彼女の右足を捕まえた。
「いや……!」
「大人しくしろ。処刑される前に血を流し過ぎて死ぬぜ」
シュルークはさして暴れていなかった。恐怖のあまり、もうほとんど動けなくなっているのだ。
仮に暴れられても不便はなさそうなほど屈強な太い腕で、男はシュルークの半長靴を右足から抜き取った。そして将軍に切りつけられた傷を、彼女の服の裾を裂いた布で縛る。
「大丈夫……、だいじょうぶ……」
鉄格子を指が白くなるほど握りしめながら、シュルークは真っ青な顔でぼそぼそと自分を安心させる言葉を繰り返す。
だが男は、彼女を淡々と手当てしたその流れのまま、凌辱者に変わった。
足首を掴んで、縮こまったシュルークを仰向けに引きずり倒す。
彼女の鉄格子に縋っていた指が離れていく。その手は、ファルハードに向けて伸ばされているように感じられた。
「ひっ……!」
ぶつんと釦が飛び、服の前の帯より上がはだけられる。胸を覆う下着はずり上げられ、男の手の中で白い双球がぐにゃぐにゃと形を変えた。
「う……、うぅ……」
シュルークは涙を流しながら、苦痛のうめき声を漏らす。
すると男は、シュルークの乳房を握り締め、盛り上がらせた先端をべろりと舐めて口に含む。
おぞましさに瞼を閉じるシュルークから、ファルハードは見たくもないのに目を逸らせなかった。実の兄弟を手にかけてきた、もっと残酷な光景も知っているファルハードでありながら、男の暴虐を心身が拒んでいる。この世で最も惨い行為のように感じている。それなのに視線を外す僅かな動きができない。
「うあッ!? い、いたい! 痛い……!」
突然シュルークが鋭い悲鳴を上げた。反射的に身を捩り、それを男に押さえつけられる。
やがて男が顔を離すと、その唇とシュルークの乳房の間に唾液の糸が引いて切れた。唾液にまみれた乳房の白い肌には、男の歯型がついていた。余程強く噛まれたらしく、噛み跡からの出血が男の唾液に乗って滲んでいく。
「そうだ、ちゃんと叫べ。せっかく良いところのお嬢さんを犯せるんだ。泣いて叫んでもらわなきゃ、無理矢理ヤッてる感じが出ないだろ」
「ひっ……、ひっ……。だ、だいじょうぶ……。だいじょうぶ……」
しゃくり上げて涙をぼろぼろと零しながら、シュルークはまた自分を安心させようと意味のない言葉を繰り返す。
ファルハードはそれがなぜか腹立たしかった。
0
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
義兄の執愛
真木
恋愛
陽花は姉の結婚と引き換えに、義兄に囲われることになる。
教え込むように執拗に抱き、甘く愛をささやく義兄に、陽花の心は砕けていき……。
悪の華のような義兄×中性的な義妹の歪んだ愛。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる