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解決編
69:大陸統一(5) *
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「ぐ……」
思わぬ嬌態に参ったのはシヒスムンドだった。
獣のように喉を鳴らしながら、張り詰めた自身を、下ばきから取り出して解放した。
既に立ち上がり主張するそれを、メルセデスの手をどけてそこへ宛がう。
「言っておくが、一年前の俺は信じがたいほどの自制をしていた。だが今回は、気遣ってやれそうにない」
辛そうに息を荒げる男が心底愛おしくて、彼が望んでいると思うと脳が痺れるようだった。
宛がわれた男根の先端が、拍動に合わせて脈打つのがわかり、それだけでも自慰より良くて、軽く達しそうになる。
「シグ……」
手を伸ばして、シヒスムンドの頬に触れた。
「入れて、くださ――、あああッ!」
最後まで言い切らないうちに、灼熱の楔が突き立てられた。
すぐさま手前まで引き抜かれ、再度ぬかるみの奥まで穿たれる。
「ひ、ん、あ、あ、あぁ!」
隘路を剛直がこじ開け、最奥を叩くたび、メルセデスは悲鳴を上げた。だがその声に甘さが乗っていることが分かるため、シヒスムンドは力を緩めることはない。
小さな家に、メルセデスの喘ぎ声と、肌の打ち付けられる音、そして秘所の垂らす涎が立てる、ぐぷ、ぐぷ、という卑猥な水音が響き渡る。
メルセデスは不意に、自分はこの家で、シヒスムンドに時折抱かれるのを待つ女になるのだろうかと考えた。そして、その生き方も悪くないとも感じた。誰にも迷惑をかけないように、たまに、彼の愛を与えてもらう。
「考え事か」
「んああっ!」
メルセデスが気を逸らしたのが不満だったようで、仕置きといわんばかりに、杭を呑み込む場所の上の突起を、少し強めに摘ままれる。
その快感が中をより強く締め上げたため、シヒスムンドも息を詰める。
「何を、考えていた」
「あなたが……、あっ、時々、思い出した、はッ、ときで、いッ……いから。また、ここに、来てっ、抱いてほしいと、考えて、んっ、ました」
激しい律動に揺さぶられながら、上がった息のままそう告げると、シヒスムンドは一瞬動きを止めた。
「本気で言っているのか」
「うあっ!」
久しく向けられていない彼の怒気を含む声音だったが、胎内の熱い肉杭が暴力的に奥へ突き刺されたことで、思考が霧散する。
「ひぐっ、ん、ああっ!」
反応の良い箇所を集中的に責められ、メルセデスは肉芽への愛撫なしで高みに上っていく。
「はっ、あっ、シグ……!」
縋りたくて腕を伸ばすと、察したシヒスムンドが上体を寄せてくれたので、広い背中へ手をまわす。後ろへは届かないため、手をかけるぐらいにしかならないが、それで十分だった。
シヒスムンドも息を乱し、汗が滴る。
お互いに限界が近い。
「メルセデスッ。出すぞ……!」
「あっ、ください、中にっ、あ、ああ!」
一段と鋭く奥を貫いたかと思うと、熱が中で弾けるような感覚があった。同時にメルセデスもまた達してしまう。
「い、いく……!」
どくどくと脈打ち欲を吐き出す肉棒が、膣壁へ精液を塗りこむように、ゆっくりと数回出入りして、まだ敏感な内部を刺激する。
「はあっ、はっ」
荒げた息を落ち着けようとしているところで、ずるりと中から引き抜かれる感触があり、メルセデスは身震いする。
終わったと認識していた。
だが、うつぶせに転がされ、腰を持ち上げられたかと思えば、まだ落ち着かない蜜壺に、硬さを失っていない楔が突き入れられた。
「はあッ!」
これまでとは異なる位置を亀頭がえぐっていき、また絶頂の近くまで引き上げられる。
「たったの一度で満足するわけがないだろう。一年間、お前を想って自慰をしていたのは俺もだ。あの最後の時も、お前を手に入れたと思ったから、二度で終わりにしたんだ。これほど長く触れられないと分かっていれば、傷が開こうが、無理にでもお前を暴き尽くした。今日は俺の気のすむまで付き合ってもらうぞ」
すっかり日が沈み、淡い月明かりが部屋に差し込む。
清らかな月光を穢すように、部屋には淫靡な匂いと熱気が充満していた。
昼間から続く情事は、体位を変えつつ休みなく続けられている。ベッドのシーツは、二人の汗と体液でぐちゃぐちゃになっており、木の床には、メルセデスから噴き出した潮で濡れて乾いた跡が残っている。
正常位からさらに腰を高く持ち上げたような姿勢で、シヒスムンドは真上から体重をかけて深く突きおろす。メルセデスは快楽を逃がすための身じろぎすらできない状態で、そのすべてを受け止めていた。
「あ……、う……」
何度か気絶を繰り返していたが、その間もシヒスムンドは責めをやめないので、無理矢理覚醒させられてしまう。長時間の行為と度重なる絶頂で体力は根こそぎ奪いつくされ、嬌声すら出てこない。
メルセデスは正直なところ、ここまでになるとは思っていなかった。
「は……、だ、め……、も、いっ……」
それでも体はまだ快感を拾えるようで、メルセデスは弱弱しく絶頂を迎えた。
全身をわずかに緊張させるが、それで最後の力が尽きてしまい、メルセデスはそのまま意識を手放した。
思わぬ嬌態に参ったのはシヒスムンドだった。
獣のように喉を鳴らしながら、張り詰めた自身を、下ばきから取り出して解放した。
既に立ち上がり主張するそれを、メルセデスの手をどけてそこへ宛がう。
「言っておくが、一年前の俺は信じがたいほどの自制をしていた。だが今回は、気遣ってやれそうにない」
辛そうに息を荒げる男が心底愛おしくて、彼が望んでいると思うと脳が痺れるようだった。
宛がわれた男根の先端が、拍動に合わせて脈打つのがわかり、それだけでも自慰より良くて、軽く達しそうになる。
「シグ……」
手を伸ばして、シヒスムンドの頬に触れた。
「入れて、くださ――、あああッ!」
最後まで言い切らないうちに、灼熱の楔が突き立てられた。
すぐさま手前まで引き抜かれ、再度ぬかるみの奥まで穿たれる。
「ひ、ん、あ、あ、あぁ!」
隘路を剛直がこじ開け、最奥を叩くたび、メルセデスは悲鳴を上げた。だがその声に甘さが乗っていることが分かるため、シヒスムンドは力を緩めることはない。
小さな家に、メルセデスの喘ぎ声と、肌の打ち付けられる音、そして秘所の垂らす涎が立てる、ぐぷ、ぐぷ、という卑猥な水音が響き渡る。
メルセデスは不意に、自分はこの家で、シヒスムンドに時折抱かれるのを待つ女になるのだろうかと考えた。そして、その生き方も悪くないとも感じた。誰にも迷惑をかけないように、たまに、彼の愛を与えてもらう。
「考え事か」
「んああっ!」
メルセデスが気を逸らしたのが不満だったようで、仕置きといわんばかりに、杭を呑み込む場所の上の突起を、少し強めに摘ままれる。
その快感が中をより強く締め上げたため、シヒスムンドも息を詰める。
「何を、考えていた」
「あなたが……、あっ、時々、思い出した、はッ、ときで、いッ……いから。また、ここに、来てっ、抱いてほしいと、考えて、んっ、ました」
激しい律動に揺さぶられながら、上がった息のままそう告げると、シヒスムンドは一瞬動きを止めた。
「本気で言っているのか」
「うあっ!」
久しく向けられていない彼の怒気を含む声音だったが、胎内の熱い肉杭が暴力的に奥へ突き刺されたことで、思考が霧散する。
「ひぐっ、ん、ああっ!」
反応の良い箇所を集中的に責められ、メルセデスは肉芽への愛撫なしで高みに上っていく。
「はっ、あっ、シグ……!」
縋りたくて腕を伸ばすと、察したシヒスムンドが上体を寄せてくれたので、広い背中へ手をまわす。後ろへは届かないため、手をかけるぐらいにしかならないが、それで十分だった。
シヒスムンドも息を乱し、汗が滴る。
お互いに限界が近い。
「メルセデスッ。出すぞ……!」
「あっ、ください、中にっ、あ、ああ!」
一段と鋭く奥を貫いたかと思うと、熱が中で弾けるような感覚があった。同時にメルセデスもまた達してしまう。
「い、いく……!」
どくどくと脈打ち欲を吐き出す肉棒が、膣壁へ精液を塗りこむように、ゆっくりと数回出入りして、まだ敏感な内部を刺激する。
「はあっ、はっ」
荒げた息を落ち着けようとしているところで、ずるりと中から引き抜かれる感触があり、メルセデスは身震いする。
終わったと認識していた。
だが、うつぶせに転がされ、腰を持ち上げられたかと思えば、まだ落ち着かない蜜壺に、硬さを失っていない楔が突き入れられた。
「はあッ!」
これまでとは異なる位置を亀頭がえぐっていき、また絶頂の近くまで引き上げられる。
「たったの一度で満足するわけがないだろう。一年間、お前を想って自慰をしていたのは俺もだ。あの最後の時も、お前を手に入れたと思ったから、二度で終わりにしたんだ。これほど長く触れられないと分かっていれば、傷が開こうが、無理にでもお前を暴き尽くした。今日は俺の気のすむまで付き合ってもらうぞ」
すっかり日が沈み、淡い月明かりが部屋に差し込む。
清らかな月光を穢すように、部屋には淫靡な匂いと熱気が充満していた。
昼間から続く情事は、体位を変えつつ休みなく続けられている。ベッドのシーツは、二人の汗と体液でぐちゃぐちゃになっており、木の床には、メルセデスから噴き出した潮で濡れて乾いた跡が残っている。
正常位からさらに腰を高く持ち上げたような姿勢で、シヒスムンドは真上から体重をかけて深く突きおろす。メルセデスは快楽を逃がすための身じろぎすらできない状態で、そのすべてを受け止めていた。
「あ……、う……」
何度か気絶を繰り返していたが、その間もシヒスムンドは責めをやめないので、無理矢理覚醒させられてしまう。長時間の行為と度重なる絶頂で体力は根こそぎ奪いつくされ、嬌声すら出てこない。
メルセデスは正直なところ、ここまでになるとは思っていなかった。
「は……、だ、め……、も、いっ……」
それでも体はまだ快感を拾えるようで、メルセデスは弱弱しく絶頂を迎えた。
全身をわずかに緊張させるが、それで最後の力が尽きてしまい、メルセデスはそのまま意識を手放した。
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