145 / 180
人間編
58:武運の祈願(2) *
しおりを挟む
「あっ、またっ、い、いく……! ん――!」
何度目かわからない絶頂を、メルセデスは背筋を逸らして受け止めた。
繰り返す絶頂が理性を溶かしてしまったようで、目はうつろだ。
「上手にいけたな」
褒めて頭に口づけつつ、シヒスムンドは愛撫する手を休めない。達した直後の敏感な膣を太く筋張った指三本でかき回すと、膣壁が絡みつき涎を零す。
「まっ、待って、くだ、さ……、だめっ」
「何が駄目なんだ? もうやめるか?」
「あぁっ!」
メルセデスの足に力が入り、また達しそうになった時に、シヒスムンドは指を引き抜いた。ここまで押し上げておいて、直前で止められたことに、メルセデスは混乱しながら半分泣いている。
「や、やめないで」
「だが、駄目なんだろう?」
「だって、出ちゃいます、から……!」
呂律の回らない舌と崩れた口調で訴えているのは、少し前に、達した直後にすかざず責め立てた時、盛大に噴出した潮のことだ。粗相をしたのだと勘違いして随分慌てていた。誤解は解いたのだが恥ずかしいらしく、快楽と羞恥のせめぎあいの中、達した直後の愛撫を必死で止めようとしてくる。
「やめてほしいなら、もういかせてやらないが」
「へ……? あぁん!」
肉芽をぐり、と親指で押せば面白いように体が跳ねる。だが、絶対に達しない程度で加減している。
「や、いやぁ!」
「嫌なら仕方がないな。やめるか」
「あ……」
体を離し、隣へ仰向けで寝転がる。まるでもうこれきりにして寝入るかのように。
それを見てメルセデスは本当に放置されるものと思って焦っている。
「閣下ぁ……」
「……」
普段の落ち着き払った様子からは想像もできない、迷子の子供のような途方に暮れた憐れさと、発情した雌の甘さを併せ持った声に、シヒスムンドの逸物もぴくりと反応する。そもそも、これが先ほどから天井へ向けて立ち上がり、先走りを滲ませているのを見れば、途中でやめるつもりは毛頭ないとわかりそうだが、何せ今のメルセデスは冷静でない。
目を閉じて知らないふりをしていると、メルセデスがにじり寄ってくる気配がする。そして、彼女に近い側の腿にねっとり濡れる感触があり、目を開けた。
メルセデスが片側の腿に跨って、愛液でとろけた膣を、シヒスムンドに擦りつけている。
「ごめんなさい……。はぁっ。こんなになって、しまってるんです……。もう、やめてって、聞かなくてっ、いいですから……。は、んっ……」
擦りつけて肉芽から快感を得ているが、それも弱いようで、もどかしそうに腰を揺らす。
「お願いです……。いかせてください……」
その媚態と泣きそうな声に、我慢が利かなくなったのはシヒスムンドの方であった。
何度目かわからない絶頂を、メルセデスは背筋を逸らして受け止めた。
繰り返す絶頂が理性を溶かしてしまったようで、目はうつろだ。
「上手にいけたな」
褒めて頭に口づけつつ、シヒスムンドは愛撫する手を休めない。達した直後の敏感な膣を太く筋張った指三本でかき回すと、膣壁が絡みつき涎を零す。
「まっ、待って、くだ、さ……、だめっ」
「何が駄目なんだ? もうやめるか?」
「あぁっ!」
メルセデスの足に力が入り、また達しそうになった時に、シヒスムンドは指を引き抜いた。ここまで押し上げておいて、直前で止められたことに、メルセデスは混乱しながら半分泣いている。
「や、やめないで」
「だが、駄目なんだろう?」
「だって、出ちゃいます、から……!」
呂律の回らない舌と崩れた口調で訴えているのは、少し前に、達した直後にすかざず責め立てた時、盛大に噴出した潮のことだ。粗相をしたのだと勘違いして随分慌てていた。誤解は解いたのだが恥ずかしいらしく、快楽と羞恥のせめぎあいの中、達した直後の愛撫を必死で止めようとしてくる。
「やめてほしいなら、もういかせてやらないが」
「へ……? あぁん!」
肉芽をぐり、と親指で押せば面白いように体が跳ねる。だが、絶対に達しない程度で加減している。
「や、いやぁ!」
「嫌なら仕方がないな。やめるか」
「あ……」
体を離し、隣へ仰向けで寝転がる。まるでもうこれきりにして寝入るかのように。
それを見てメルセデスは本当に放置されるものと思って焦っている。
「閣下ぁ……」
「……」
普段の落ち着き払った様子からは想像もできない、迷子の子供のような途方に暮れた憐れさと、発情した雌の甘さを併せ持った声に、シヒスムンドの逸物もぴくりと反応する。そもそも、これが先ほどから天井へ向けて立ち上がり、先走りを滲ませているのを見れば、途中でやめるつもりは毛頭ないとわかりそうだが、何せ今のメルセデスは冷静でない。
目を閉じて知らないふりをしていると、メルセデスがにじり寄ってくる気配がする。そして、彼女に近い側の腿にねっとり濡れる感触があり、目を開けた。
メルセデスが片側の腿に跨って、愛液でとろけた膣を、シヒスムンドに擦りつけている。
「ごめんなさい……。はぁっ。こんなになって、しまってるんです……。もう、やめてって、聞かなくてっ、いいですから……。は、んっ……」
擦りつけて肉芽から快感を得ているが、それも弱いようで、もどかしそうに腰を揺らす。
「お願いです……。いかせてください……」
その媚態と泣きそうな声に、我慢が利かなくなったのはシヒスムンドの方であった。
1
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
(R18)灰かぶり姫の公爵夫人の華麗なる変身
青空一夏
恋愛
Hotランキング16位までいった作品です。
レイラは灰色の髪と目の痩せぎすな背ばかり高い少女だった。
13歳になった日に、レイモンド公爵から突然、プロポーズされた。
その理由は奇妙なものだった。
幼い頃に飼っていたシャム猫に似ているから‥‥
レイラは社交界でもばかにされ、不釣り合いだと噂された。
せめて、旦那様に人間としてみてほしい!
レイラは隣国にある寄宿舎付きの貴族学校に留学し、洗練された淑女を目指すのだった。
☆マーク性描写あり、苦手な方はとばしてくださいませ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる