花と娶らば

晦リリ

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 澄んだ水の中を、まだらな紅が美しい鯉が泳いでいる。そういえば本宅の庭にある池にも鯉がいたけれど、あれもこんな色をしていたなと思いながら、芹は早めに戻ってきた黒縒の屋敷の中庭にいた。
 池の中には鯉が放されているが、それに混じって蛙も泳いでいる。手のひらに隠してしまえるほどの小さなそれは、すいっと水を掻いて心地よさげに泳いでおり、時折芹の傍らにいる穂摘を見ていた。
 黒くてつぶらな双眸がちらちらと穂摘を見るのを眺めながら、芹は飯屋から屋敷に戻る道すがら、穂摘が話してくれたことを反芻していた。
「どこから話したらいいですか」
 一膳飯屋で腹を満たしたものの、結局落ち着いて話せる場所はどこかと考えた結果、屋敷の庭先で座って話そうということになった二人はのんびりと道を戻っていた。
「ええと……あの、笑わないで聞いてほしいんだけど、俺、五歳の頃からずっと離れに閉じ込められて過ごしてて、学問はそれなりに積んだんだけど、知らないことも多くて、その……夫婦って、男と女だけじゃないの? それとも穂摘は女の人?」
 蘇芳の献身的な世話もあって、穂摘は読み書きに関しては不自由していない。書物を読むのも好きなので、外界に出られなかったにしてもそれなりに知識は持っていると自負していた。けれど、その知識の中での夫婦というものは、男女のつがいを意味するもので、男同士の連れ添いの意味ではなかった。もしかしてこれは衆道というものかとも思ったが、子どもがどうこうという話も出てきた。これはもう考えるよりも聞いた方が早いと、芹が話を切り出すと、穂摘は苦笑しながら首を横に振った。
「違います。けど、半分は正解です」
「半分は正解って?」
「両性という性別を知っていますか? 俺は男性でも、女性でもあります」
「えっ……」
 どきりとして思わず立ち止まった芹は、先を歩く穂摘の背中を見つめた。
 生まれてこの方、出会った人間は全て男か女かだった。それでも他人とあまり会わずに過ごしてきたことと、どちらでもあり、どちらでもないということが目立ってわかるようなものではなかったため、自分の体が他の人間と違うことの自覚はほとんどなかった。けれど、それなりの自由を得て、毎日さまざまな新しい事由を吸収する芹には、自然とその疑問が生まれていた。
 それは、自分以外にも両方の性別を備えた人間がいるのかということだった。
 もしいるなら、聞きたいことがあった。それはどの書物にも見当たらないことで、けれど芹にとっては重要な事だった。
 とても知りたい事ではあるが、黒縒の神域であるここは、人間の方が圧倒的に数が少ない。きっとみんなが男女のどちらかなのだろうと早くもあきらめ、代わりに莫大な蔵書量を誇る書庫を探そうと長い目で考えていたが、思わぬところに探し求めていた相手はいた。
 信じられないという驚愕と、じわじわと染み出すような歓喜が胸をじんわりと温かくさせる。
 長い間立ち尽くしていた気もしたが、三度瞬きをする程度の時間ではっと我に返った芹は、慌ててその背中を追いかけるべく足を速めた。
「穂摘、両性?」
 横を歩く穂摘は、少年にしか見えない。二十歳を過ぎているというのは理解できたが、子どもがいると言われても、信じられなかった。けれど、穂摘はあっさりと頷いた。
「そうです」
「本当に?」
「はい。珍しいですけど、いないわけではないんですよ」
 言われずともわかっている。珍しいが、いないわけではない。現に、今ここに二人いた。
「ほ、穂摘」
「なんですか?」
 自分だけじゃないということが、こんなにも嬉しい。頬が紅潮していくのを自分でも感じながら、芹は震える唇を開いた。
「…俺、自分以外の両性、初めて見た」
 言うなり歩みを止めた穂摘は、やはり少し驚いたようだった。つられて芹が立ち止まると、優しげな双眸を見開いてぱちぱちと瞬きをした後、ぱっと顔をほころばせた。
「芹も両性なんですか」
「うん、……本当のところ言うと、今日、そういう書物がないかとか、噂で聞いたりしてないかとか、聞こうと思ったんだ」
 書物にまとめられているならぜひとも読んでみたいし、自分もそうだと言う人がいるなら、会って話が聞きたかった。
「そうなんですね。俺でよかったら何でも聞いてください。体の事なら志郎さんが薬師なので、相談も出来ます」
「あ、ありがとう……」
 とんとん拍子で願い事が叶えられていく驚きについていけない。けれど、ほっとした安堵が胸の中に生まれたのは確かで、知らず知らずのうちに握りしめていた拳を解くと、手汗までかいていたのか、手のひらがじんわりと涼しくなった。
「それで…ええと、夫婦というものについてでしたね。志郎さんは男性で、俺は両性です。でも、男性同士でも夫婦…というか、伴侶になって暮らしている人たちはいますよ」
「そうなの?」
「はい。人里では衆道止まりでしたが、鬼妖と夫婦になるのに性別は関係ないようです。夫婦というよりは、つがいとか、伴侶って考え方なのかもしれないですね」
「夫婦だけじゃなくて、つがい…伴侶」
 口に出してみると、芹の胸の中にあった疑問が一つ溶けていく。また隣り合って歩き始めながら、芹はふと周囲を行き交う人々に視線を向けた。
 妖同士で歩いている者もいれば、鬼にしか見えない子どもを腕に抱いてあやしている女性もいる。かと思えば、猫の頭をした女性と寄り添って茶屋の店先で甘味を口に運んでいる人間の男性もいる。
 今までに見てきた夫婦というものの定義の枠がほろほろと崩れていくのを感じた。
「ここにいるのは、様々な人です。いろんな事情があって、皆ここにいる。ここにはね、人間は一人ではいられないんです」
「どういうこと?」
「よほど神気が強くない限り、妖の伴侶にならなければいけないんです。人里で暴れまわったり瘴気を振りまいたりする悪鬼などはいませんが、本来は人を食べたりする妖だって、ここにはいるんです」
「それって悪い鬼妖じゃないの?」
 どう違うのかと首を傾げる芹に、穂摘は少し笑って、たとえば、と切り出した。
「俺たちは魚や菜物を食べますよね」
「うん」
「でも、見つけた魚を全部食べてしまうわけではないし、菜物だって、食べたい分だけ食べます。それに、それが誰かのものだった場合は、勝手に食べたり手を出したりはしないです」
「普通はそうじゃないの?」
 食べ物であれ何であれ、他人のものを勝手に食べたり取ったりするのは盗人のする恥ずべき行為で、あまり社会と関わらずに生きてきた芹ですら当たり前と思う事だ。
「それと一緒なんです。俺たちがご飯を食べるのと同じように、鬼妖の中には人も食べ物である場合もあります。もちろん、違う場合も。けれど、誰かのものになってしまえば、人の気配はなくなってしまいます。俺も見た目は人間ですし、牙が生えたり雨を降らせたり出来るわけではないですけど、気配だけはもう、人間じゃないんですよ」
「人間じゃない?」
 なんでもない事のように穂摘は言うが、どう見ても人間だ。芹となんら変わらない。けれど、穂摘はどこか楽しげに笑った。
「十六の頃に成長が止まったと言いましたよね。俺の旦那様、志郎さんは、八尺ほどの大きな蝦蟇蛙の妖なんです」
「八尺……蝦蟇蛙って……」
 蝦蟇蛙は芹も知っている。手のひらよりも大きくなる蛙で、前に祠参りの帰りに見たことがあったが、びょんと飛び上がったそれに芹は驚いて悲鳴をあげ、蘇芳を慌てさせた。
 あの時見た蛙もかなり大きかったが、八尺程ともなると、想像もつかない。思わず言葉を詰まらせた芹に、穂摘は苦笑を浮かべてひらひらと手を振った。
「普段は人間の姿に変化してます。それでも六尺あるので大きいですけど」
「こ、こっ怖くないの?」
 八尺もある蝦蟇蛙が大口など開けたら、穂摘は一飲みされてしまうだろう。想像するだけで恐ろしいが、穂摘はまさかと笑うだけだ。
「全然。それに、俺の方が志郎さんに迫ったんです」
「穂摘の方から?」
 攫われたり神隠しにあったり、もしくはなにかしらの契約があって連れてこられたりしたのではという勘繰りはものの見事に外れ、予想もしていなかった真実だけが残る。
 思わず素っ頓狂な声を出して衆目を集めてしまった芹は、慌てて口を押えた。しかし好奇心までは抑えきれない。
「穂摘の方からって、なんで。祝言あげるまで、蝦蟇の姿見なかったの?」
「そんなことありませんよ。何度か見ました。色々あって一度は離れたんですけど…結局戻ってきて、志郎さんの傍に置いてくださいってお願いしたんです。その時の志郎さん、蝦蟇の姿だった。俺はこんなだけどいいのかって」
 穂摘はなんでもないことのように言うが、本性が鬼だった蘇芳の方が、まだ幾分か衝撃は少ないように思える。しかし、そんな事さえ、今は野暮だ。
「蛙が本性なのは確かに驚きました。すごく大きいし、妖だし。でも、それで嫌いにはなれなかったんです。そんなことどうでもいいって。だけど俺はただの人間で、神気もほとんどないから、このままじゃ傍にいられない。だから、それなら俺を貰ってくださいってお願いしたんです」
 穏やかで優しげな、どこかのんびりとした風情のある見た目に反して意外にも積極的な穂摘に驚きながら、ついさっき出てきた黒縒の屋敷の門を潜る。
 帰ったことを蘇芳に教えた方がいいだろうかとちらりと考えたが、穂摘と二人きりの間に聞いておきたいことがまだあった芹は、万が一にも見つからないようにとそそくさと先に立ちながら、それで、と穂摘を促した。
「祝言をあげたんだ」
「はい。それから、ええと…その…体も重ねたので、志郎さんの気に馴染んで…それで俺ももう、人間のまま妖になったというか…成長も止まったんです」
 恥ずかしいですね、と自分の顔を手のひらで扇ぐ穂摘の頬は赤く染まっていて、思わずつられて赤面している間にたどり着いた芹の部屋の縁側に、二人は揃って赤い顔のまま腰を下ろした。
「……ああ、火照りが抜けないですね。暑い」
「そうだね…」
 ぱたぱたと手のひらで顔を扇いでしばらく黙り込み、芹は道すがら穂摘から聞いたことを反芻しながら、その中から自分の求めている答えを探した。
 夫婦には、男女でなければなれないと思っていた。けれど、穂摘は妖である志郎という薬師と祝言をあげ、幸せな家庭を築いている。
(両性でも、誰かを好きになっていいんだ)
 男性なら女性を、女性なら男性を好きになるのが普通だと思っていた。だからこそ、どちらでもあり、どちらでもない自分の恋は、許されるものなのかどうかを知りたかった。
(誰を好きになってもいいんだ……)
 日に日に大きくなっていた疑問が、小さくなって溶けていく。それは胸に染み込んで、大きな安堵になった。それと同時に大きく膨らんでいくのは、甘く夢想じみた願いだ。
(蘇芳を好きになっても、いいんだ)
 幼い頃から、様々なことを制限されてきた。だからこそ、こんな想いを抱えてしまうことは、いけないことなのではないかと、芹は悩んでいた。
 けれどそれを蘇芳に打ち明けることは出来なかった。万が一にも、「間違っている」などと本人から言われてしまったら、想いひとつで異界にまでやってきた自分の心が挫けてしまいそうだったからだ。
 けれどそれも、たった今解消された。
 どこか晴れやかな気持ちで、緊張していた体の力を抜くべく、ふうと長く息を吐き出していると、黙って隣に座っていた穂摘がおもむろに、ずっと持ち歩いていた風呂敷を解いた。
 端と端を結んで手提げにしていた風呂敷の中からは、藤蔓で編んだ、小さな四角い籠が出てくる。なんだろうと思わず覗き込んだ芹は、籠の中に入れられたものにぎょっと体をこわばらせた。
 中に入っていたのは、土だった。湿り気があるのか、しっとりとしているその上に、ちょこんとなにかが乗っている。それは、小さな蛙だった。大福のような体を丸めて、土の上で大人しくしているそれは、つぶらな瞳をくるりと穂摘に向けた。
 なんで蛙を持ち歩いているんだという疑問から咄嗟にはじき出されたのは、まさかという疑念だ。失礼ではないだろうかと考えたものの、芹は動き出してしまった口を止められはしなかった。
「あの……これ、旦那さん?」
 八尺などと穂摘は言っていたが、人間の姿も取れると聞いている。大きさだって、容易に変えられるに違いない。もしや、本人がいるところで怖くないのかなどと聞いてしまったかと身構えた芹だったが、穂摘はやわらかそうな蛙の背を撫でて、ようやく火照りの治まってきた頬を緩ませた。
「まさか。この子は次男です」
「……えっ、子ども、二人いるの」
「はい。長男は、今日は志郎さんと薬草を詰みに山へ行ってしまったので、次男だけ連れてきました。まだ変化も出来ないので、蛙のままですが」
「そうなんだ……」
 ぱっちりと目を見開いた小さな蛙は、びょんと跳ねて勝手にどこかへ行く様子もない。穂摘に撫でられると、ぷくうと少し膨らんで、その指の背に甘えるように体をすり寄らせた。
「外に出るときは、いつもこうやって連れて行くの?」
「そうですね。まだ小さいから肩に乗せててもいいんですけど、落としてしまったら怖いし…それよりは、籠の中にいてくれた方が安全ですから。外に出たければ、自分で鳴いてくれますし。ね?」
 ちょんちょんと頭を軽く押され、小さな蛙は上下に弾んだ後、ぴいともぷうともつかない音で鳴いた。そのままぴょんと飛び出すと、縁側からおりていく。設置された飛び石の上をぴょんぴょんと跳ねた蛙はやがて、ちゃぽんと小さな水しぶきをあげて池に飛び込んだ。
 心地よさげにすいすいと泳いでいく姿を、穂摘はどこか嬉しげな顔をして眺めている。
 やはりどう見ても、穂摘は人だ。その体に流れる気配は既に妖のものだと言うが、人間にしか見えない。けれど妖と交わり子まで成した。それもすべて、穂摘自身が望んだことだ。
 種族の違いなどなく、ただ愛した相手と一緒になって、子を授かって親になり、共に生活を営んでいく。
 それはなんと羨ましいことだろうか。
 小さな蛙が泳ぐたび、池に丸く波紋が浮かび上がる。それと同じように、芹の胸には新しい波紋がいくつも描かれては消えないまま、新しいさざ波となって、ため息を零させた。


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