あなたの命がこおるまで

晦リリ

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8.初めての仕事

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 日和と天耀が厨に上がってしばらくしてから氷室から出てきた瀚は感動しきりで、もらったばかりの火鉢で炭を焚いて背中を温めながら日和を抱き込んでいる天耀に、いやいやと感嘆の声をあげた。
「氷鷹の力がこれほどとは! 水と氷と雪の神の眷属と言うのは本当だったんですね。なあ、日和!」
「眷属かどうかは知らないけど、すごいよね。俺も助けられてる」
 火鉢からの熱と日和の放熱で天耀の震えは治まっているが、抱き上げられたまま下ろされないので、日和は依然天耀の膝に座っていた。
「確かにこれほどの力があれば、遠くからでもうちに来てほしいと思うだろう……どれほど生活が潤うか、想像もつかん。俺は前に都に出た時に氷鷹が作った氷室を見たが、まさかこんな一瞬で作るとは思わなかった」
「作ってるとこは見たことなかったの?」
「ああ、もう出来上がったものは何度か見たことがあるが、実際に氷鷹が力を使っているのは初めて見たな。水の球、ありゃあすごかった」
「俺も初めて見た時はびっくりした」
 今日見た水球は特に大きかった。そのうえ、天耀はそれを壁に叩きつけて立派な氷壁を作った。しかし当の本人は二人の驚きなどそっちのけで、さっき広げたせいで毛羽立った日和の翼の羽繕いに夢中になっている様子だった。
「他にどんなことが出来るんだ?」
「さあ……」
 他にどんな異能を秘めているかなど、日和にはわからない。けれど、彼の能力は水と氷と雪の神の加護があると言われているだけあって、周囲の気温の低下が必須だ。水球を作り出すくらいならまだしも、さっきのように氷を操る場合は、ただでさえ凍えている天耀自身も寒さに耐えなければいけないようだった。
(氷鷹って南季は楽なんだろうなって思ったけど、能力を使うたびに寒いんじゃ、確かに俺みたいなのが必要なんだろうな……)
 陽射しが強くなる南季は、日和は氷穴からほとんど出ない生活を送るしかない。けれど、暖かい場所を好む氷鷹にはうってつけの季節だ。さすがに南季は今のようにべったりくっついてきたりはしないだろうと思っていたが、能力を使う限り、天耀は南季でも日和の熱を求める可能性はあった。
「天耀」
「なんだ」
「水を凍らせるのはさっき見たけど、お湯に出来たりはしない?」
「できない」
「そっかあ」
 水自体の状態変化が出来るなら、水球をお湯の球に出来ないだろうかと思ったが、すぐに否定の声が背後から響いた。
 すると、なにか考え込んでいた瀚がそうだと声をあげた。
「氷鷹は水脈に詳しいと聞いたことがある。天耀様、水脈を見ることはできますか」
「できます」
「それならその……見てほしい井戸があるんです。涸れたのか凍ったのか、村の井戸がひとつ、空になってしまって」
「わかりました」
 日和の小さな翼を撫でていた手が、すっと離れた。翼と背中の間は熱がこもりやすいので天耀の手がそのあたりにあるとひんやりとしていたが、離れてしまうとまた少し温かくなった。
 冷たくて気持ちよかったのにな、と思いながら自分を挟んで交わされる会話を聞いていた日和だったが、腹に回されていた手がするりと解けたので、膝からようやく降りた。
「あったまった?」
 さすがに背中側には火鉢もあるし、温まっただろうと振り返ったが、天耀は首を振り、のそりと立ち上がるとまたすぐに日和をひょいと抱きあげた。
「村に行こう」
「え、今から?」
「飛べばすぐだ。村長はどうしますか」
「お、遅れるかとは思いますが……」
 氷鷹である天耀の翼は大きく力強い。彼ならば村まで一瞬で飛んでいけるだろうが、鳩の鳥人である瀚は、年もあって早さで叶うはずがない。そして雀の鳥人である日和の翼は、早さもなければ距離もそれほど遠くまでは飛べないので、このまま抱えて連れて行かれることは目に見えていた。
「村長、どこの井戸?」
「林姜の家の前の井戸だ。緑瓦の屋根の」
「わかった、じゃあついたら先に案内しとくよ」
「ああ、頼んだ」
 場所が分かればすぐに向かえる。天耀は日和を抱いたままずんずん歩いて厨を出ると、ばさりと翼を広げた。茶色に白い斑の散った大きな翼だ。
「天耀、重かったら言ってよ。絶対遅いけど、俺も一応は飛べるし」
「大丈夫、一人で飛ぶより、日和を抱えていた方が温かい。体も強張らない」
「たしっ、んっ」
 確かにそうかも、と言おうとした日和だったが、唐突に体に重圧がかかって口を閉じた。天耀が大きく羽ばたいたかと思ったら、ぐんと飛びあがったのだ。思わず噛みそうになった舌を口内に引っ込めて体を竦めた日和だったが、すぐに天耀の首に腕を回してぴったりとくっついた。同時に体の熱を上げる。
 日和も翼で飛ぶことはある。けれど、これほど早くはなく、風に頬が切られそうだと思ったことなどなかった。まだ北季の名残を残す上空の風は冷たく、確かに、日和を抱いていた方が氷鷹である天耀には具合がよさそうだった。
「日和」
「うん?」
「体温あげてる?」
「そうだよ」
 冷え切った空気の中を、とんでもない速さで飛んでいるのだ。日和も少し寒いと思うほどということは、天耀はもっと凍えているはずだ。氷室から出た時よりも更に体の熱をあげていた日和は頷いたが、天耀は意外にも眉間にしわを刻んだ。
「どのくらいあげてる」
「どのくらいって……いつもより少し熱くなる程度かな」
「全力が十としたら、そのうちの何番目くらい」
「うーん……三くらいかな。さっきは一と二の間くらい」
 妙なことを聞いてくる天耀をちらりと横目で見るが、前を見据える金色の瞳は時折瞬きをするだけで、表情が読めなかった。
「なんで? 寒いんならもっと上げ……」
「絶対にこれ以上上げないで」
「えっ、もしかして暑かった?」
 日和はそもそも能力が強い温め鳥ではない。体温は確かに他の鳥人よりだいぶ高いが、温め鳥としては普通程度で、発熱する力も、能力が顕著な温め鳥に比べれば普通だ。今もむしろ天耀は寒いかなと思っていただけに、驚いて体をのけぞらせると、天耀の両腕がぐっと強く日和の薄い体を引き寄せた。
「違う。でも……頼むから、これ以上は上げないでほしい」
「でも、天耀は寒いだろ」
「日和の全力のうちの一から三で、俺は十分だ。それ以上はいらない。北季になっても。だから、約束してほしい」
「……わかった」
 熱を欲するはずの氷鷹自身が要らないと言うなら、日和にそれを否定する理由はない。疑問は残ったが、素直に頷くと天耀はもう一度日和を抱きなおした。びゅんびゅんと頬に風を浴びながら、『三くらい』まで熱をあげる。それでもより近付こうとするようにぐっと引き寄せられて、やっぱり寒いんじゃんと日和は思ったが、口には出さなかった。
 村についたのは、それからすぐだった。
 前もって瀚から教えてもらっていた場所は、日和が案内するより先に天耀が足を向けた。
「水源は涸れていない。ただ、水脈が塞がってる。去年の西季くらいから、水がたまりづらいことがあったはずです」
「あ、はい、それはありました。でも困るほどではなかったので……」
「その頃から塞がり始めていたんです。もうここは埋めた方がいい」
 突然現れた氷鷹に恐縮しきりの家人に日和が経緯を説明する間もなく、井戸を眺めると訥々と天耀は語りはじめた。
 彼の金色の目には地面がどう見えているのか、まるで目の前に川でも流れているかのようにきっぱりと言うと、天耀はきょろきょろと周囲を見渡し始めた。それからようやく日和を地面に下ろすなり、ばさりと羽ばたいて飛んだ。
「……日和、あれが氷鷹なの?」
 天耀が飛び立つなり、井戸の前に家があるホトトギスの林姜は、怪訝そうな顔をしながら日和に話しかけてきた。
「そう。どんな能力を持ってるか、全部は俺もまだわかんないんだけど……嘘は言ってないと思うよ。それに、近寄ったらひんやりしなかった?」
「そういえばしてたわ。すごいね、本当に氷鷹がいるなんて。でも都とかのお偉いさんが迎えに来たんじゃない? さっき、村長と山にあがってたけど、会わなかった?」
「会ったよ。でも、どこにも行かないんだってさ。俺がこもる氷穴に一緒に住むって言ってた」
「へえ、でも氷穴じゃ寒いんじゃないの。氷鷹って凍えやすいって聞くけど」
「凍えやすいから、ずっと抱き込まれてる」
「あんた小さいから、ちょうどいい大きさなんだろうねえ」
 けらけらと笑う林姜に軽く肩をぶつけて抗議した日和だったが、上からかかった声に首を反らした。
「日和」
「なにー?」
「他に水脈がある。目印をつけるから、少し離れて」
「わかったー!」
 声を張り上げて返事を返し、林姜と一緒に井戸から少し離れる。ちょうどそこへ、遅れていた瀚も到着した。
「なんだ、氷鷹はなにしてんだ? 井戸はどうなった」
 寒い中を飛んできたせいか、ぶるぶると震えながらも瀚は二人に歩み寄ると、一緒になって天耀を見上げる。バサバサと羽ばたきながら、天耀は地面を見下ろしていた。
「井戸はだめみたい。水源は涸れてないけど、井戸を通ってた水脈が塞がったって……」
 瀚がいなかった間のことを、日和が説明している最中だった。突然、バキバキバキと激しい音がした。大きな音だったので思わず目を見張ったが、すぐに日和は気付いた。
(これ、氷の音だ)
 天耀が氷室で氷壁を作っていた時に響いた音。その音とよく似ていた。なにか能力を使っているのかと天耀を見上げようとした日和だったが、視界の端に移ったものに、すぐ視線を下ろした。
 元々井戸があった場所から少し離れた、林姜の家の裏手に位置する森に数歩ほど入った地面から、氷が突き出していた。まるで樹木が成長するように氷の柱は上に上にと伸びていく。その根元から地面に伝播するように、バキバキという音は響いていた。
「こ、氷……?」
 瀚はまたもやぽかんとして、林姜も口に手をやったきり絶句している。日和も驚いてはいたが、それより天耀のことが気になった。
「天耀! もういいよ、十分目印になったから!」
「わかった」
 日和の太ももほどもある氷の柱は、竹のようにめきめきと伸びて、家の屋根ほどの高さまで成長していた。もう十分だと声をあげると、パキパキと軽い音を立てて成長が止まり、天耀が空から降りてきた。
 思わず駆け寄った日和をじっと見下ろす顔は白いが、すぐに手を伸ばしてこない。代わりに、少しへの字になった口が開いた。
「体温が上がってる」
「そうだよ。でも今は一くらい」
「ならいい」
 適温だとばかりに頷いて、天耀はやはり日和を抱き上げた。その光景に、氷柱をぼうっと眺めていた林姜がまた目を見開いたのが見えたが、さすがに瀚はもう反応せず、天耀様、と軽く頭を下げた。
「あれは……新しい井戸の目印ですか」
「氷は強く作っていないから、三日くらいで溶ける。その前に新しい目印を立ててください」
「わかりました。すぐに囲いを立てます。ほら林姜、お前も礼を」
「あっ、ありがとうございます、本当に助かります」
 頭を下げる瀚と林姜に、天耀は特に大仕事をし終えた様子もなく、浅く頭を下げただけだった。
 本来ならば、井戸を掘る以前に新しい水脈を探し当てることがまず大変な作業だ。他の井戸の位置を目安にしてある程度まで掘ってみたり、折り曲げた枝を持ってあちらこちらを歩き回り、その枝の振れ具合で目星をつけたりする。他にも方法はあったが、どれも掘ってみるまで実際その下に水脈があるかどうかなどわからなかった。
 けれど、天耀はあっという間に水脈を探し当て、ここにあるという証拠にもなりうる立派な氷の柱を立てた。これは大きな働きだ。
(氷鷹って本当すごい)
 熱を放出するしか能力がない温め鳥と比べて、目に見えて人の役に立つことが出来る。崇敬の念を集めるのは納得だった。
 けれど本人は相変わらずぼうっと佇んだままで、さすがに天耀の寡黙さを覚えたらしい瀚が言葉を繋いだ。
「……ところで天耀様、謝礼はどのようにしたらよいでしょうか」
「謝礼?」
「申し訳ありません、勒芳村は氷鷹を迎えたことがないのです。たまに都から派遣された氷鷹が訪れてはくれましたが……謝礼などは、あちらで話をしていたのでよくわかっておらず……謝礼についての意見を求める封書を依然氷鷹がいた地区に送るつもりですが、今日はどうしましょう」
 山間の田舎でしかない勒芳村だ。今までは氷鷹が来るとなると都からの派遣しか機会がなく、そこにかかる費用や謝礼なども全て都が一括して管理していた。けれど、天耀は勒芳村に腰を下ろした初めての氷鷹だ。資料がないのは仕方がないが、困ったように頭を掻く瀚が天耀を見上げ、その視線を受けた天耀は日和を見た。
「……なんで俺見るの」
「どうしたらいい」
「どうしたらいいって……俺もわかんないよ。でも、天耀が水脈を見つけたことに見合う謝礼を受け取るのは当たり前だと思う。そうじゃないと、暮らしていけないし。天耀のお父さんも、氷鷹だったんだろ。そういう謝礼を仕事の報酬にしてたと思うけど、どうだった?」
 初めて会った日、天耀は父が大きな都の氷鷹だったと言っていた。ならばそれなりの報酬を得ていたはずだが、そのあたりを覚えていないのかと聞いてみるも、天耀は少し考えたように視線を落とした後、首を振った。
「……覚えてない。なにを貰えばいい?」
「天耀が欲しいものがあれば、それでいいと思うけど……村長、お金とかでもいいの?」
「ああ。それほど大金は出せないが……。あ、も、もちろん、氷鷹のことは地区の監理官に報告してあるから、足りなければ相応の報酬を申請できる。少し時間がかかるが……」
 もう少し経てば、氷鷹を派遣したりすることで得られる仲介料や、村を訪れる人々が落とす金で村も潤うだろうが、まだ天耀が勒芳村に来てから一週間も経っていない。その恩恵に預かれるにはまだ時間が必要なうえ、そもそも氷鷹を迎えることなど想定もしていなかった片田舎の小さな村では、能力を使わせたことによる対価が支払えるかもあやふやだ。
 迎えたばかりの異能の鳥人が怒りだすのではと顔色を窺って肩を落としている瀚だったが、天耀はわかったと頷いた。
「米がほしいです。あと、野菜」
「米と野菜? 謝礼金は……」
「金は……少しでいいです。それよりは米と野菜が欲しい」
「わかりました。すぐに用意して、氷穴まで運ばせます。準備がありますので、おれ……私はこれで」
「はい」
 もっと高価なものを要求されるとでも思っていたのか、天耀の言葉を聞いた瀚は明らかにほっとした顔をすると、忙しなく頭を下げて小走りで駆けて行った。手が空いているのはいるかと声をあげているので、おそらく今からあの氷の柱の周りに囲いを立てたり、井戸を埋める相談も始めるのだろう。林姜も、家の中から泣き声がし始めて「子どもが起きたみたい」と慌てて戻って行った。
「俺たちも帰ろっか」
「ああ」
 頼まれた井戸の調査は終わったし、日が暮れる前に氷穴に戻ったほうが安全だ。帰りは歩きでもいいなと日和は思ったが、天耀は腕に抱いた温め鳥を降ろすことなく、すぐ飛び立った。
 来た時と同じように抱えられながら、氷穴に向けて飛ぶ天耀の腕の中で体温をあげる。するとすぐに気付いたらしい天耀の双眸が日和を見たが、「三だよ」と言うと、すぐにまた前を向いた。
 本当は三と少しくらいだったが、それは内緒にして、日和は今日だけでも二度も能力を使ってくれた氷鷹の首に腕を回した。

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